モモはラセールに身も心も捧げた。だがすぐに「ラセールと婚約しました」では周囲に怪しまれる。当分の間はいままで通り、リトに言い寄りながら
「なのに、学校でこんなことを……」
「不服かい?」
「不服だなんて……」
昼休み。モモはラセールに呼び出され、使われていない空き教室に来ていた。
あれからというもの、ラセールは暇さえあればモモたちで性欲を発散している。周囲に怪しまれない範囲ではあるものの、場所も時間もお構いなしで。奉仕役をモモ、メア、ネメシスの三人で分担しているとはいえ、実際にはとても「いままで通り」には過ごせない状態だ。少なくとも大量の精液を子宮に入れられたまま以前のようにリトのベッドに裸で忍び込むなど、できるわけもない。子宮に刻まれたナノマシンはあくまで精液に含まれる精子を快感エネルギーに変換することで妊娠を防いでいるだけで、精液自体は消してくれない。
「じゃあ、しようか」
「は、はい……♡」
後ろから抱きすくめられ、制服の中をまさぐられる。同時にコスチュームデバイスが下着を消し、ラセールが
「あ……♡ あぁっ♡」
容易く溶けていくモモの肢体。たまらず声が漏れる。ラセールの発明品で改造されたこの部屋は、すでに遮蔽機能や防音、洗浄機能が完備されている。仮にこの部屋で喉が潰れるほど嬌声を上げたとしても外には聞こえないし、全身や衣服、部屋自体が汗や精液で汚れたとしてもすぐに洗浄できる。そして外からは誰も入ってこられない。
ここはハイテク宇宙技術を贅沢に使ったヤリ部屋なのだ。
「ふっ――♡ ン♡」
ラセールの指が巧みな動きで身体を這っていく。自分の欲しい所へ、欲しい力加減でとどく刺激。そうした想像すら凌いで愛撫してくる熟練の発想、手管。こんなセックスを味わってしまったら、他の男とのセックスなど児戯に等しいだろう。
だがモモはあくまで雌奴隷。奉仕する立場であり、ただ寵愛を受けるだけの受け身は許されない。そんな奴隷として刷り込まれた思考から、モモはなんとか少しでも奉仕しようと可愛らしく柔らかい尻をラセールの股間に擦り付けた。
おちんちんを擦って、気持ちよくなってもらおうという試み。だがその動きはどう見ても腰を振って雄を誘惑する淫売そのものだ。……いや、実際これは誘惑だった。頭ではどんなに奉仕しようと考えたつもりでも、これは本能が導き出したラセールのペニスへの求愛行動に他ならない。雄に媚びる雌としての本能を、モモが「奉仕」だと思い込んでいるだけだ。
「そんなに欲しいの、モモ?」
ラセールはチャックを下ろすと逞しく反り立った肉棒をさらけ出し、モモの尻に添えた。
「ア――ハ……ァ♡」
スカート越しに感じる圧倒的存在感。尻の割れ目に沿うように添えられたそのペニスの感触だけで子宮が疼き、愛液が漏れる。そして棘と毒で完全武装した巨根は、トロトロに溶け切った雌穴にずるずると侵入していく。
「おっ♡ あ、あ……っ♡」
雌穴が屈服する。主人の帰還に歓喜し、むせび泣く。柔らかい膣壁で必死にペニスにしがみつく様は、まるで母乳をせがむ乳飲み子のようだ。
腰が勝手に前後に動く。ラセールもまた、それに合わせて腰を動かす。
パンパンパンと肉と肉のぶつかる音が教室に響きはじめ、それがどんどん加速していく。
「さて、今日はこういうのでいこうか」
ラセールがまた何かの端末を操作した。一瞬、尻尾への電撃が来るかと身体が強張るが、違う。変化があったのは教室の正面。黒板に映像が投影されていた。それはモモが完全に屈服し、愛と処女を捧げたあのときの光景だった。
「アッ♡……ァンッ♡ や……♡ こ、これ……は、ぁ……♡」
「この間の映像だよ。自分が堕ちる様を眺めながら犯される気分はどう?」
「アッ♡ お゙……っ♡ ひっ♡ ア、ァッ♡♡」
脳裏を駆け巡る屈服時の記憶。精神があのときに……精神の柱を全て、完膚なきまで叩き潰されたあのときに逆行する。それによって自分では彼に絶対勝てないのだという意識をより強く刷り込まれる。
同時に子宮を襲うペニスが心を、欲求を満たしていく。自分のなかの大事なものがペニスに潰され、空いたスペースを快楽で埋められるという精神の改造。快楽による洗脳。分かっていても抗えないし、抗う気もおきない。
自分という存在は完全にラセール専用の雌なのだという事実を、何度も心に刻み込まれる。決して消えないように強く、強く。
「出すよ、モモ」
「――はいッ♡♡ はいぃ……♡ あ……あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙♡♡♡♡」
ラストスパートからの射精。何度も子宮を抉られた末に内部を精液で満たされ、その精子の量だけ脳を絶頂で焼かれる。
「~~~~――――……ッ♡♡♡♡♡♡♡♡」
何度受けても慣れず耐えられない快感の暴力。
しばらく絶頂の余韻に沈んだ後、ズルリとモモの中からペニスが引き抜かれ、モモは机にしがみついて倒れるのを防ぐ。
行為が終わり、気分が落ち着くとすぐに身体を光のカーテンのような物が覆って洗浄が始まる。モモの服は一度解除して、再構成すれば元通りだ。
「さて、そろそろ戻ろうか」
「ン、はい……♡」
いまだ僅かに残る余韻に身を震わせながら、モモはラセールと共に教室を出た。
これがいまのモモの日常だった。
【♡】
次なる絶望が襲ってきたのは、それから数日たったある日だった。
「そうだ。モモ、今日は来なくていいよ」
「え?」
下校時、宇宙船まで向かう最中にラセールはそんなことを言い出した。モモが雌奴隷になってまだ長くないとはいえ、これまでラセールは毎日性処理を欠かしていない。モモ、メア、ネメシスの三人のうち誰かは必ずラセールの相手をする。そして今日はモモの番のはずだった。
「…………」
一抹の不安がよぎる。
単純に彼の気分が乗らないだけならいい。だがもし、自分たち三人以外の女性――四人目が彼の餌食になってしまったのだとしたら?
「あの、なんで急に……」
「実は今日は新しい子がいるんだ」
にっこりと、女を壊すあの笑顔をラセールが浮かべる。
モモの背中を冷たいものが走った。
「あ、新しい……子、って……」
平静を装おうとしたが無理だった。
声も身体も震えてしまう。
「彼女だよ」
そういってラセールが目を向ける。その先――数メートル先の電柱の陰から出てきた女性は、モモが最もそこにいて欲しくない女性だった。
「春菜……さん……?」
「モモさん……」
春菜は悲しい顔でモモを見ると、その手を握って頭を下げた。
「ごめんなさい、モモさん……。私を庇ってあんな目に……」
涙を流し、そう謝る春菜。
その一言で大まかな状況は把握できてしまう。
驚愕し、答えを求めてラセールに視線を向けると、彼は肩を竦めていった。
「いやぁ、学校でモモの屈服シーンを再生して楽しんでたら
「そ――ん、な――」
うまく声が出せない。
春菜は自分をだしにしてモモがラセールに性行為を強要されたと知ってしまった。いや、わざと知らされた。優しい彼女のことだ。自分のせいでモモがこんな目に遭っていると知れば、当然気に病むだろう。そして――
「優しいよね、西連寺センパイ。モモの境遇を知ったらどうにかモモを救いたいっていうからさぁ、モモを手放すのが惜しいボクも仕方なく彼女の挑戦を受けてあげようって思ったんだよね」
あまりにも。
あまりにも白々しい言葉。
「ちょ、挑戦って……まさか……」
「そう。モモと同じ、一ヶ月耐えたら手を出さないってアレ」
「…………な、なん……で」
「あ、モモさん……」
春菜の手を放し、モモはラセールに縋りつく。その顔はラセールに従順な雌奴隷ではなく、屈する以前のデビルーク王女モモの顔。ただしその顔に浮かぶ感情は怒りや反発ではなく、深い絶望。
「や、約束が……ちがうじゃないですか……。私が……私が貴方のモノ、になればって……春菜さんたちは……手を、出さないって……!」
「あれ、そうだっけ? 約束通りでしょ」
あっけらかんと彼は言う。
「ボクは西連寺センパイから
「あ……あぁ…………!!」
モモの瞳から涙が零れ落ちる。自分の大事なものを全て捨て、屈服し、もうこれ以上辛いことは起こらないと、もう失うものはないと……そう思っていたのに、まだ奪われるのだ。
最初から、最初からそのつもりだったのだ。この外道は。
「あ、ああああああああ……!!」
モモが堕ちたのは、あくまでリトの幸せのため。屈服
「モモさん! モモさん落ち着いて!!」
泣き崩れるモモを春菜が抱きしめる。
「大丈夫だよ。私……耐えてみせるから。……もう、結城くんには合わせる顔がなくなるかもしれないけど、絶対にモモさんを助け出すから」
「…………」
ダメだ。それこそラセールの思うつぼなのだ。
そう言おうとしても、声は出なかった。
徹底して叩き込まれた雌奴隷の精神が、「ご主人様の邪魔をしてはいけない」と固くストップをかけてしまう。どんなに必死で春菜に自分の思いを伝えようとしても、それを行動に移すことができない。
「じゃあ、ボクたちは行くから。また明日ね、モモ。さあ、西連寺センパイ」
モモを抱きしめていた春菜の手をとり立ち上がらせると、馴れ馴れしくもその肩に手を回す。春菜は嫌悪の目でラセールを睨むものの、抵抗することはなかった。
「モモさん、私は大丈夫だから! 心配しないで!」
最後までそういいながら、ラセールに連れられ遠ざかっていく春菜の姿をモモはただ黙って見送るしかなかった。
【♡】
それからどれほど時間が経ったのか。
絶望し、その場に項垂れ続けていたモモが顔を上げると、空はもう赤く染まっていた。
「…………いかなきゃ……」
たとえ逆らえないとしても、いかなければならない。
どうにかして春菜を助けなければならない。
フラフラと危うい足取りでラセールの宇宙船を目指す。
到着。
中に入る。
静かな船内。
いや、奥から微かに声がする。
ゴクリと息を呑む。
本能がその先に待つ絶望を察知し、進むなと警告する。
だが行かなければならない。進まなければならない。
強張る足を引きずって、モモは奥へ進んでいく。
目的地は――寝室。
『――ッ…………ぁ――――♡』
僅かに漏れ聞こえる声。
その声の正体は考えない。答えは分かっているけど、考えてしまったら足が止まってしまうから、思考の外へ追い出す。
『ダ――♡…………ゃ♡――………ァン♡……ひ――♡……』
近づくほどに、声が鮮明になっていく。
『ッ、ア♡……アッ♡ い、ぁ……♡ イク……♡ イッてる♡♡ ダメ……♡ そんな、奥に入っちゃ……♡ いや♡ アッ、溶ける……♡ や、ぁ……奥が……奥が溶けちゃう……♡♡』
扉の前に立つと、中の声はおおむね聞き取れた。
他に一切の動きがない船内では、行為による微細な振動すらも感じ取れる。
『ン、あ♡ もう、ダメ……♡ ひぃ、アァ♡ ナカ……にぃ、あんっ♡ 出さない……でぇ……♡ あ、あっ♡ ダメ、もうダメっ♡ おまんこダメっ♡ ダメ♡ せいえき出しちゃダメ♡♡ アッ♡ アッ♡ もうイヤッ♡ イヤッ♡ せいえきでイキたくないのぉッ♡♡ あっ♡ あああああああ――……ッ♡♡♡♡』
ひときわ大きな嬌声。
それでもモモは扉を開くことができなかった。
扉を開き主人のお楽しみを邪魔することを拒否する雌奴隷の思考はどうあっても拭えず、すでになにもかも手遅れと分かってしまっては扉を開くことに意味も見いだせない。
それから再びどれほど時間が経ったのか。
茫然と立つモモの前で扉が開かれ、中から春菜を支えながらラセールが出てきた。
「あれ? 来たんだ」
言葉のわりに意外そうな雰囲気もない。
予想はしていたのだろう。
ラセールに支えられた春菜は、それはもう酷い有様だった。
行為の激しさを感じさせるには十分すぎるほど乱れた衣服。彼女のトレードマークといってもよかった髪留めは外されたまま、汗に濡れた前髪が垂れ下がっている。目は虚ろで、顔には涙や唾液が流れた跡。いまだ絶頂の余韻が抜けきっていないのだろう。肌はいまだほんのり桜色を帯びて汗ばんでおり、自力で立っていることすらできないほど弛緩した身体は嫌悪の目で見ていたラセールに完全に委ねられている。そして、乱れたせいでギリギリ秘所を隠せるかどうかという位置にあるスカート……その陰から垂れ落ちるのは彼女が発情した証の愛液と……容赦なく中出しされた精液。
その首にはしっかりと彼のモノにされた証であるチョーカーが巻かれていた。服の下には避妊ナノマシンによる淫紋も刻まれているだろう。
「いやぁ、地球人にしてはなかなかの抱き心地だったよ。あの結城リトが選んだ雌だと思うとさらに味わい深いね」
「…………ぁっ♡ ゃ……♡」
自らを支える腕に乳房をまさぐられ、春菜の口から切なそうな声が漏れる。胸の形と制服越しにでも強く存在を主張するほど固く勃ってしまった乳首を見ると、下着は剥ぎ取られてしまっているらしい。そして柔らかい乳房を服の上から揉まれながら、固くなった乳首を転がされる。春菜は抵抗もできずにただよがり続けるしかない。
「でもたかが地球人がボクに何時間もセックス漬けにされてまだ堕ちないとは驚いたね。メアやネメシスほど時間かけてないとはいえさ。転入前にその辺の雌何匹かつまみ食いしたときは人妻でもここまで耐えなかったのに。よっぽど結城リトが好きなんだね」
素直に感心するラセール。
素直ということは焦りがないということ。地球人とは思えないほどラセールの責めに耐える春菜の愛であっても、堕とせるという確信は揺らいでいないという証。
「ほら、西連寺センパイ。自分の足で立たないとお家に帰れませんよ? それとも帰りたくないのかな?」
「…………ぃ……やぁ……」
「わ、私が送ります……」
モモはそう申し出た。もはやモモにはその程度のことしかできない。
だがラセールは「いや」と何か思いついたように指を立てる。
「ネメシスが西連寺センパイに変身して代役をすれば家に帰る必要もないか。たしか彼女の両親は家を空けてていまはお姉さんしか帰ってこないはずだし、それくらいなら誤魔化せるかな。つまり、急いで帰る必要はないと」
それはモモと春菜にとって、遠回しな死刑宣告に等しかった。
「じゃあ今日は夜通しセックスしようかな」
「……そ、そん……な……。まだ……する、なん……て……、ぁあ……ッ♡」
耳を舐められ、春菜が悶える。
「ま、まってください! もう春菜さんは限界です! これ以上は――」
パンッ。
と、お仕置きの電撃がはじけた。一瞬で意識が絶頂に押し流され、その場に崩れ落ちる。
「あ――あ――――♡♡」
「忘れちゃダメだよ、モモ。キミはボクに逆らえない」
「……や、やめて……。今日は、泊まる……泊まるから、モモさんには……」
自分もまともに立てない状態だというのに、それでも春菜はモモを庇う。
「そう。じゃあ行こうか。夜はこれからだ。食事もとらないとね」
「ッ…………はい……」
扉は再び閉じられる。
激しい絶頂の只中に置かれたモモは、ただの一言すら発することもできないままそれを見送るしかなかった。
次は連れていかれた後の春菜視点の予定です