「ずいぶんと丁寧に仕込まれたようだな……」
春菜に化けて学生生活の代役をしていたネメシスが三日ぶりにラセールの宇宙船を訪れて目にしたのは、変わり果てた春菜の姿だった。目は虚ろ。乳首とクリトリスは痛そうなほど固く勃起していて、太く逞しい肉棒に貫かれた秘裂は限界まで伸びてそれを咥え込み、止めどない愛液を垂れ流している。
雄に徹底的に性を仕込まれた雌の美が、そこにあった。
ネメシスが部屋に入った瞬間、めまいがしてそのまま絶頂してしまいそうなほど濃く熟成された性臭――ラセールのフェロモンが充満するこの部屋が、三日に渡って行われた調教の壮絶さを物語る。
自分やメアでさえ一晩で屈服させられたアレをただの地球人が三日間。普通なら廃人になっているところだろう。
「フフ、羨ましいな。西連寺春菜」
ネメシスは、その光景を目にして股を濡らしてしまう。
子宮で屈服させられるというのは、こういうことだ。骨の髄まで、心の奥の奥まで「自分はこの男の玩具でしかない」と教え込まれる。女であるということ、生命の根幹を成す性別という土俵で否定しようのない甘美な完全敗北を刻まれる。そうすると不思議なことに、他の能力でどれだけ勝っていようと逆らう気が起きない。
これが雌として雄に負けた者の有り様だ。
あの男の姿を視界に捉えただけで子宮が疼いて、どんな要求も享受せざるを得ない。まるで子が親に逆らえないように、根底意識を作り替えられてしまう。
「おかえり、ネメシス。それじゃあ春菜が起きたら始めようか」
「ああ」
ネメシスが春菜の代役をしていた三日間の記憶を
(これで西連寺春菜は何事もなかったように以前の生活に戻ることができる、が……)
すでに彼女の身体と心は完全にラセールのモノ。
何事もなかったとは、決してならない。
自分のような破天荒な存在とは違う、清楚な優等生はこれからの高校生活に苦労するだろう。
もっとも、そんなことは自分が心配することではないのだが。
「その前に……私も抱いてくれないか、主よ。こんな臭いを嗅がされては我慢がきかん」
「そうだね。頑張った雌には褒美を上げないと」
熟練の娼婦のような滑らかな動きで寄りそってきたネメシスを、ラセールはベッドに引きずり込む。そして春菜が目を覚ますまでの数時間、ネメシスは未熟マンコを擦り潰される快感によがり続けた。
【♡】
三日ぶりに戻ってきた日常は、まるでそれまでの悪夢のような出来事が本当に夢に思えてしまうほど、いつも通りだった。
「ただいま、マロン……」
自分の部屋で、自分のベッドで、愛犬を抱き寄せる。久しぶりの温かみ。マロンは喜んで春菜の顔を舐めてくれる。自室を出て出勤前の姉と言葉を交わし、朝の食事を済ませる。その一つ一つに、心が救われる気分だ。
よく知りもしない男と睡眠、食事、セックスの三大欲求を満たすだけの爛れた生活を送った春菜の精神は強いストレスに侵されていた。宇宙船という閉塞的な空間。作り変えられていく自分の身体と精神。たった三日とはいえ、ごく普通の女子高生を追い詰めるには十分な時間だ。
その精神的負担が、普段の日常に戻れたことで癒されていくのが分かる。
「あれ、春菜? あんたそんなチョーカー着けてたっけ?」
「え? あぁ、これは……」
秋穂の何気ない質問が、春菜の意識を現実に引き戻す。
そう、何もかも元通りになったわけではない。元通りになったのはあくまで上辺だけ。すでに自分の心と身体はラセールのモノで、この首輪が無ければ性感が鋭敏化しすぎて歩くことすらままならない。この制服もこれまで着ていたものではなくラセールに与えられたコスチュームデバイスで作られた偽物だ。
「うん。転校生の子に貰ってね……」
「家でも身に着けてるなんて、そんなに大事なの~?」
「そういうわけじゃ……」
「え~~~~?」
秋穂がからかいに心がチクチクと痛む。
ラセールから貰った物を大事だと思われるのは心外極まる。だが四六時中身につけなければならない以上、強く否定するわけにもいかない。春菜は曖昧に笑って誤魔化すしかなかった。
「おはよう、西連寺」
「ッ……。お、おはよう。結城くん……」
学校でリトと会うと、背筋が冷たくなった。表向き自分は何も変わっていない。移された記憶で自分がラセールに抱かれ続けていた間の学校での出来事もしっかり把握できている。しかしこれ以上ないほど穢されてしまった身で好きな人の前に立つのは、とてつもない不安と罪悪感を伴った。
「あれ? 西連寺、そのチョーカーって……モモが着けてるのと同じ?」
「え、そう……かな? たぶん」
「あ、あのラセールってやつに貰ったのか!?」
「……うん」
リトはあからさまに動揺している。正式に付き合ってはいないとはいえ、お互いに想いを告げ合った仲だ。好きな女子が他の男からの贈り物を身に着けていて何も思わないわけがない。
「昨日ラセールくんに会って、お近づきの印にって貰っちゃって……貰った以上は着けておかないと悪いかなって」
決して深い意味はないという建前。
そしてそんな建前すらも、あらかじめラセールと決めておいた内容だった。もちろん、そんな打ち合わせをしなくても自分で似たような言い訳をしていただろう。しかし、そうした建前すら向こうに用意されてしまうと、いっそうと全てがあの男の掌の上でしかないと思い知らされてしまう。
「そ、そっか……。ヘアピンも普段と違うんだな」
「……うん」
「それも……ラセールが?」
「………………うん」
ヘアピンもラセールのコスチュームデバイスになってしまったので、前とはデザインが違う。ファッションの些細な変化に気付いてくれるのは普段なら嬉しいものだったが、今回に限っては逆だった。
すぐにでも外したかった。
外して、なんとも思っていないと、貴方が好きだと言いたかった。
だができるわけがないし、いまさら言えるわけもない。
「…………」
気まずい沈黙が二人の間に流れる。
そして、それを破ったのは最も聞きたくない声だった。
「やぁ、西連寺センパイ。おはようございます」
「ッ!?」
一気に心臓が跳ね上がる。どこからか見ていたのだろう。示し合わせたようなタイミングでラセールが現れた。
「あ……あ……♡」
そして、ラセールの仕込んだ“いじわる”が発動する。
春菜の吐息が、徐々に甘くなっていく。ラセールが近づいてくるにつれて、春菜の感度が上がっているのだ。ラセールの戯れで、春菜のチョーカーはラセールとの距離に応じて感度の抑制を緩和するようになっていた。ラセールが近づくたびに、身体が快感を訴え始める。ラセールがすぐ隣にきた。これで50パーセント解放。少し触れられただけで絶頂しかねない素の状態よりマシとはいえ、普段とは段違いに敏感ということに変わりはない。
そして、この戯れの何より恐ろしいのは、まるで自分がラセールを見て興奮しているように錯覚してしまいそうなことだった。
(これ……ダ、メ……♡)
自分の恋愛感情を上書きされるような感覚と、想い人の前でとんでもない醜態を晒してしまうかもしれない恐怖が春菜を追い詰める。だがその恐怖も、開発された身体とラセールのフェロモンの前では無いに等しい。
(し、しっかり……しな……い、と……♡♡)
この場ですぐにでもラセールの身体に寄り添い、愛撫をねだりそうになるのを、唇を噛みしめて必死の思いで正気を保つ。
「あ! そのヘアピンとチョーカー着けてくれたんですね。嬉しいなぁ」
「……う、うん。ッ……♡ い、一応……ね……」
「な、なぁ。ラセールはいろんな女の子にコレ渡してるのか?」
ラセールの意図を確認するように、リトが訪ねる。
「えぇ。なにせ花嫁探しに来ているので、少しでも気になる女の子にはアタックあるのみですよ。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるっていうんでしたっけ、地球では?」
ハハハハと気さくに笑ってみせるラセール。
下手な鉄砲どころか女性に対してはリト以上の“必殺”であるなどとは、リトは夢にも思わないだろう。
「そうか……」
少しホッとしたような様子のリト。
それを見て安心したのも束の間、さらなる“いじわる”が春菜を襲った。
「……ッ!?」
「どうした、西連寺?」
「う、ううん。なんでも、ないよ……」
春菜は辛うじて平静を保った。
その服の下では、突如下着が消えてしまっていた。普段ならララの発明品によって起こるようなトラブルだが、今回は違う。ラセールがコスチュームデバイスを遠隔操作して下着だけ消したに決まっている。
「…………ッ……」
怖い。すでに身体はどうしようもなく発情してしまっている。服の下ではすでに乳頭が固く勃ち上がってなり、シャツに擦れて春菜をジワジワと追い詰めていた。息が荒くなっていく。落ち着かない。好きな人の前で乳頭が浮き出ていないか、愛液が垂れてしまっていないか気が気ではない。
予鈴が鳴る。
救いの鐘だった。
「あ、じゃあボクは戻りますね」
ラセールが去っていく。
それにつれて、感度も治まっていった。
「西連寺、ほんとに大丈夫か?」
「うん……もう平気。でも……」
そっとリトに身を預けるように寄り添う。
ラセールのフェロモンとは違う、好きな人の好きな匂いが心地良い。
「さ、西連寺!?」
「ごめんね、急に……」
不自然な行動だっただろう。でも、そうしたかった。あの男以外の……いや、リトの温もりが欲しくて、正式に付き合ってはいないとはいえ想いを伝え合った関係に甘えてしまった。
「…………」
この先、自分がこの手に抱かれることはないだろう。でも大丈夫だ。頑張れる。自分の想いは報われているのだから、その事実だけで十分だ。
「教室、行こっか……」
「あ、ああ……」
裏で起こっている淫靡な悲劇とは対照的に、二人は初々しいカップルのような足取りで教室へ向かった。
【♡】
「もう……ン♡ あんな、マネは……♡ しないで……」
「あんなマネ? ああ、結城リトの前でイタズラすることですか?」
昼休み。ラセールのヤリ部屋と化した空き教室で凶悪な竿に口で奉仕しながら、春菜は抗議の声を上げた。
「いやぁ、やっぱり雄としては奪い取った雌を見せびらかしたいじゃないですか」
「私は……奪い、取られて……なんて……ンぅ♡」
言葉の上では否定する。
しかし唇と舌は太く逞しいペニスへの奉仕を止めはしない。敏感になった口で軽イキすればするほど、子宮は餓えに喘ぎ、腰を揺らしながら
「そう? じゃあ春菜のここは誰のもの?」
「ぁ……♡」
ラセールは奉仕中の春菜を引き剥がし、顎を掴んで持ち上げる。その瑞々しい唇をラセールの微細な棘付きの指が撫で上げると、それだけで春菜は快感に喘いでしまう。
「誰のもの?」
「…………ラセールくんのものです」
言いたくないのに、言ってしまう。逆らえない。抗えない。それが子宮まで犯されて、狂うほど侵されて、思考回路を快感で擦り潰されて、雌として屈服して彼の玩具でしかないと叩き込まれた者の思考。
「ここは?」
服に手を入れ、乳房を弄る。それもまた春菜を絶頂へ追い詰めていく。
「アッ……ぁ♡ ラセールくんの……」
「ここは?」
「ッ♡ そ、そこも、ラセールくんの……♡」
「ここ」
「そこ……もぉ……♡」
身体中を弄られ、その全てをラセールのものだと宣誓させられる。こうしてさらに深く、強く刻み込まれる。堕とされる。
「ぜんぶ……♡ 私の、ぜんぶ……ラセールくんの……♡……もの、だからァ……♡」
必死に訴える。頭の天辺からつま先まで、口も手も胸も腹も臍も膣も尻も足も、全てラセールの性欲処理の玩具だと。言わなければ子宮まで貫かれて狂うほどの絶頂地獄へ堕とされるから。
だが、ラセールはそれだけでは満足しなかった。
「じゃあ、ここは?」
「えっ……♡」
ラセールは春菜の下腹部の両サイドを撫でる。子宮の隣――卵巣を。
「ここは、誰のもの?」
「ア……ア…………」
声が出ない。
快感で弛緩しきっていた全身が、恐怖で固まっていく。
ここを差し出すとどうなる?
卵巣。
子供。
受精。
卵子。
妊娠。
孕まされる。
関連する単語が脳内を駆け巡る。
ここを差し出したら本当に何もかも終わってしまう。
だからできない。
だが拒否も許されない。
だって自分は雌で、彼の奴隷で、全ては彼の所有物だから。
「言えよ」
「ァ……♡」
ラセールが耳元で囁く。その一言と吐息だけで春菜の脳内は白く染まる。恐怖に固まった身体が容易く崩される。
彼が強い語気になるのは過激に責めるとき。上も下も分からなくなるくらい絶頂させられるとき。パブロフの犬のように刷り込まれ結び付けられた感覚は、もはや声だけで春菜を絶頂させてしまう。
「ハイ……♡」
思考力を奪われた春菜は本能的に答えてしまった。
「ここも……卵子も……♡ ラセールくんの、もの……だから……♡」
春菜は机に身を委ねるとラセールに向けて尻を突き出し、両手で割れ目を広げて見せる。
膣。その奥にある子宮。そのさらに奥にある卵子を献上するように。
「だよね」
ゴチュリと、曝け出された雌穴を一気に肉棒が貫く。とっくにドロドロに融けていた膣はラセールの逸物を難なく飲み込み、その絡みつく媚肉で奉仕した。
「ォ゙――♡♡」
無様な喘ぎ声をあげ、絶頂する春菜。その華奢な腰をしっかりつかんで、ラセールは何度も腰を叩きつける。パンッパンッパンッと。音を遮っているとはいえ、ここが学校だということなどまるでお構いなしの本気のピストン。その度に春菜の子宮は柔軟に形を変えてラセールのペニスを受け止める。
「ん、あ゙っ、あ゙っ、あ゙っ……♡」
「春菜の子宮も、卵子もボクのもの。キミを孕ませていいのはボクだけ」
「オ゙ォ……♡ お、奥……ッ♡ ン……あぁっ♡ つぶ……つぶれちゃ、うぅ……♡」
念入りにマーキングをするように、ラセールのペニスはグリングリンと大きく円を描きながら子宮の中を隈なく擦り潰していく。動物が自分の縄張りを示すために身体を擦りつけて匂いを付けるように、春菜の子宮がマーキングされていく。
「ま、さすがに春菜に妊娠されたら面倒なことになるからね。孕ませるのは勘弁してあげるよ」
「あっ、あっ♡ ぅ、ア、ありがとう……ござい、ます……♡♡」
「春菜が将来、結城リトとでも結婚することになったら、卵子も“貸して”あげるよ。たまには寝取らせも乙なものだしね」
「ぁ……」
リトとの結婚。
その言葉を聞いた瞬間、想い人を裏切る罪悪感と、リトと結婚するほど時間が経ったとしてもラセールの雌奴隷で居続けなければならない絶望感、さらにリトとの子供さえ彼に卵子を「お借り」しないと作らせてもらえないという最低の屈辱が春菜の精神を染め上げる。
だが、そんな状況でも絶頂は止まってくれない。
罪悪感と絶望感と屈辱が、『究極の女の幸せ』に塗り潰される。
痛みで快感を覚えるように調教されるのと同様に、負の感情と絶頂が紐付けされていく。
自分の大事な場所を貶され、汚され、貶められることに快感を覚えるように教え込まれていく。
「さて、出すよ春菜」
「…………あっ、あ……あ――♡ イク、イクぅぅぅ――♡♡」
ほんの少し前だったら決して口にしなかっただろう「イク」という言葉。散々犯された今の春菜にとってはご主人様への報告は義務であり、同時に癖にもなっていた。
ラセールのペニスから大量の精が放たれる。淫紋がその中の膨大な精子を快感に変換して春菜の脳を焼いていく。潮が勢いよく噴き出る。痙攣が止まらない。ラセールにペニスを抜かれると、支えを失った春菜の肢体はそのまま床に崩れ落ちた。
【♡】
「じゃあ、午後の授業はその状態で頑張ってくださいね。春菜センパイ」
「…………ハイ……♡」
情事が終わった後、春菜の雌穴は下着が変形した栓によって塞がれた。下腹部が少し膨らんで見えるほど注がれた精液は、そのまま春菜の膣と子宮に閉じ込められている。
「他の男の精液を抱え込んだまま好きな男と会うのはどんな気分?」
そう意地悪な質問をしながら、ラセールは春菜の下腹部を撫で上げる。それだけでも春菜は身体を捩り、震わせて、切ない声を漏らした。
「あ、あっ♡ キモチイ――キモチイイから……♡ 気持ちよく、しないでえぇ……♡」
「ごめんごめん。もう春菜はお腹を撫でられらだけでポルチオアクメする変態さんだもんね」
「ち、違……アァ……♡」
「違わないだろ」
「オ゙オ゙ォ♡♡」
強く下腹部を押される。それだけで春菜は無様にイキ乱れる。中に溜まった精液が栓の隙間から漏れ出して、潮と一緒に床を汚す。
「春菜は変態さんだよね?」
「はい……ハイィ♡♡ わたひ、は……ヘンタイです……♡ おなか、触られただけでイッちゃう♡ イッちゃうから……♡ だから、もうヤメテぇ……♡」
「よし」
「ッ――……ハァ、ハァ……♡」
「それじゃあボクは先に行きますね、春菜センパイ」
ラセールが部屋を出る。
同時に身体の感度はゆっくりと抑え込まれていった。
(結城くん……私、どうすればいいのかな……)
いまだ残る絶頂の余韻のなか、奥におぞましい精液をたっぷりと溜め込まされた下腹部を撫でながら、春菜は予鈴が鳴るまでその場で涙を流し続けた。
あと二話ほどで最終回の予定です。
ですがヤミ編をダークネスのように新作形式でやりたいというだけなので話はそのまま続きます。
ヤミ編は美柑とララとヤミがメインになる予定です。