オマケ回みたいなものなので古手川メインはたぶん今回だけです
その日、古手川唯は聞きなれない音を耳にした。
屋上へ続く階段の奥から聞こえてくるそれは、湿った物を出し入れするようなどこか卑猥さを感じさせる音だった。そこに混じって聞こえる男女の僅かな吐息。その二つは唯に一つのイメージを浮かび上がらせる。
(いや、まさかそんな……学校で……?)
いくらなんでも、と唯は自分の予感を否定する。
たしかにこの学校の風紀には多大な問題がある。校長は欲望を隠そうともせず積極的にセクハラを働く変態だし、保険の先生も痴女紛いのことをするし、結城リトは頻繁に女性の服を脱がして胸や股間に顔を突っ込んでいる生きたハレンチ災害だ。
まったく度し難い。
おかげで風紀委員としては頭の痛くなる毎日だが、とはいえそんな度し難い環境にあっても直接的な行為はいままでなかった。あの校長や結城リトでさえ、そこまでのことはしていないのだ。
だからありえない。
さすがにない。
しかし、いくら自分にそう言い聞かせたところで、行為の気配は一向に消えることがない。
もしこれが本当に直接的な行為なのであれば、誰が公共の学び舎でそのような……この彩南高校でさえあり得なかったほどのハレンチな真似をしているのか?
(と、ともかく止めさせないと!)
早とちりであって欲しいと願いながら階段を上る。セクハラに説教するのは(悲しいことに)慣れたものだが、いくらなんでも他人の行為の最中に声をかけるなど気まずいにも程がある。この場に同じ風紀委員であるナナがいないことが不幸中の幸いだろう。
「…………」
屋上へ出る扉の前に設けられた僅かな踊り場。その陰になった空間をこっそりと覗き込んでみる。
そこでは想像通りの……いや、想像以上に生々しい雄と雌のやり取りが繰り広げられていた。顔は見えない。見えるのは男の背中と、男の脇から伸びる白い足、そして男の下で無防備に晒される女子の白いお尻だけ。時折漏れてくる女の喘ぎ声は、とても自分と同年代の女子とは思えないほど艶めかしかった。
(ほ、本当にしてる……!? 学校で……)
直に見ても信じられない光景だった。男は腰を振り、女の股へ打ち付けていた。下着を脱がされ露になった女性器に太く逞しい男性器が突き刺さっているのが見える。女性器は唯には判別不能な体液でびしょ濡れになっており、スカートまで水浸し。何かしらの方法で口を塞いでいるのか、くぐもった喘ぎ声がほんのわずかに漏れ聞こえてくる。
口を塞がなければならないほど激しく濃密な行為。それは唯が漠然とイメージしていた「性欲を抑えきれずに致してしまった馬鹿な学生」などではなく、性に精通した大人が、本来であれば自宅かラブホテルで行うような雄と雌による本気の交尾だった。
ゴクリ、と無意識に喉が鳴る。
この空間に漂う濃厚な性臭を嗅いでいると、自分まで変な気分になりそうだった。
(どうしよう……。と、とにかく止めないと……)
止める?
これを?
こんな現実かどうか疑ってしまいそうなほどに激しいセックスの最中に声をかける?
気まずい。だがやるしかない。自分は学校の風紀を正す風紀委員なのだから。
唯は覚悟を決めて階段の陰から飛び出すと、二人に向かって声を張り上げた。
「あ、あなたたち! 学校でなにをしてるの!!」
驚き、振り向くだろう。そう思っていたが、男は少しも動じる様子を見せず、まるで普通の雑談中に声をかけられたかのような様子で振り返った。
「あれ、見つかっちゃいました?」
行為の激しさとは裏腹に、男の口調は軽かった。
その余裕、異質さに、唯の背筋を冷たいものが伝う。
「い、いいからさっさと離れなさい!」
「はーい」
ふざけた調子で男は立ち上がる。
ズルリと、体液塗れの男性器が女性器から引き抜かれていく。女性器は男性器に引っ張られるように、あるいは男性器にしがみつくように上に持ち上がって、男性器が抜けきるとそのまま落下した。
「……ぉ……ぁ…………♡」
「――――え?」
男が退いて、露になった女生徒の顔に絶句する。男に組み伏され、性器を蹂躙されて体液塗れになっていたのは、よく見知ったクラスメート、西連寺春菜だった。
「さ――西連寺……さん……?」
唯が名前を口にしても、春菜から反応はない。痴態を見られ、秘部を晒しているのに取り乱しもしない。彼女の目は虚ろで、艶めかしい吐息を漏らしながら、男に貫かれていた体勢のまま動かなかった。
「……なんで、西連寺さんが」
彼女はこちら側だと思っていた。
ララやネメシスのような常識外れな言動も、里紗のような過激な行動もない常識的な人間だと。それが学校で、いつものハレンチな事故ではなく、こんな直接的で激しい性行為を……? イメージが乖離しすぎて現実を受け入れられない。
「そんなに不思議ですか? 男女が一緒にいれば交尾くらいするでしょう」
「こっ……!?」
生々しい表現に耳まで赤くなる。
「非常識な! 普通はそんなことはしません!! 西連寺さんだって……」
「たしかに西連寺センパイはこういうことするようなタイプじゃなかったですね。いまじゃこの有様ですけど」
男はそういって春菜の秘裂を無造作に広げて見せる。普通であれば人目にさらされることはないそこを。広げられた秘裂の奥は精液で満たされ、溢れた精液は肌を伝い落ちていく。
そう、精液だ。
初めて見る本物の精液。
とても汚らしい物を見た気がして、唯は目を背けた。
(避妊もしてないなんて……!)
まだ高校生なのに、妊娠したらどうする気なのか。女性のことを考えない行為に苛立ちが増していく。
「気になります?」
「え?」
「彼女がこうなったワケ」
「ワケって……」
「真面目で大人しく、学校でセックスなんてするはずのない彼女が、こんな雌犬になったワケですよ」
女性を雌犬呼ばわり。やはりこの男はろくでもない人間なのだと確信する。そして「ワケ」というからには、やはり春菜も望んでこんなことをしているわけではないのだろう。
「さ、西連寺さんになにをしたの!」
「かんたんに言えば脅迫ですね」
とんでもないことを、男はあっけらかんと言う。
「モモさんがボクの慰み者になっていると知って、身代わりに自分の身を差し出したんですよ。せっかく結城リトと相思相愛だっていうのにね」
「は? あ、貴方なに言って……」
ただでさえ異常な状況だったのに、追加情報で唯の頭は一気にパンク寸前になった。
(モモさん……? モモさんってララさんとナナさんの妹のあのモモさん? 慰み者って、この人モモさんに無理矢理“した”の……? それで西連寺さんにまで手を……? それに結城くんと相思相愛って……西連寺が結城くんを好きだったってこと? ううん、相思相愛ってことは結城くんも春菜さんを……? 結城くんが――)
混乱する唯。そして「結城リトと西連寺春菜が相思相愛である」という情報は、パンク寸前だった彼女の思考を破裂させるには十分すぎる威力だった。
「あ、あれ……? なんで涙が……」
気付けば頬を涙が伝っていた。
いまだリトへの恋慕を自分で認められていなかった唯は、最悪の形で自分の気持ちを目の当たりにしてしまった。
「結城くんが……西連寺さんを……」
膝が崩れそうになる。その身体を男が――ラセールが支えた。
「あれ? ひょっとして古手川センパイも結城リトが好きだったんですか?」
「ち、ちが――!」
う――と言い切ることができない。認めたくなくても、好きなのだと自覚せざるを得ない。それほどに彼女の精神的ショックは大きかった。
そんな彼女をさらなる悲劇が襲う。
「じゃあボクが慰めてあげますよ」
「な、なにを――ンン――!?」
唐突に塞がれる唇。
キスされた。
もちろんファーストキスだ。
とっさに跳ね除けようとしたが、強い力で抱きしめられ逃げられない。
「ン、むっ――! んん――♡」
媚毒が唯を侵していく。振り払いたくても身体は弛緩してしまう。その身体をラセールの手は這いまわる。片手はシャツに潜り込んでブラの中へ侵入し、もう片方の手はショーツの中へ潜り込む。舌も口内へ侵入して、蹂躙し始める。
一瞬ごとに感度が上がっていく。弄られた乳房が熱を帯び、固く尖った先端を嬲られ喘ぐ。陰核と膣は巧みな手つきと媚毒の棘の餌食になって、すぐに愛液が滴っていく。怪我の痛みがジワジワ広がっていくように、最初は違和感でしかなかった感触が、ほんの数秒で心地よくなっていた。
まるでリトが事故で起こすハレンチ行為をより洗練したような愛撫。
(ダメ……このままじゃ)
それは背筋が凍るほどの恐怖。しかし感情に反して身体は発情を続ける。逆らえない。拒めない。
「ン♡ ンン…………ハァ! やめ、て……」
「イヤです。ボクは女の子を弄んでセックスの虜にするのが好きなんで」
「そんな……最低だわ!」
「あまり大きな声を出さないほうがいいですよ。人が来ちゃいますから」
「ッ……」
チラリと視線を春菜に向ける。いまだ起き上がる気配すらなく秘部から愛液と精液を垂れ流している彼女。助けを呼びたいが、あの姿を他の人に見せるわけにはいかない。
かといって自力でこの場を凌ぐのは無理だろう。すでに自分がおかしいくらい発情しているのは唯にも分かっていた。具体的なことは分からなくても、間違いなく何か妙な手段でおかしくされている。
八方塞がりの中、唯にできるのは口で強がる程度のことしかなかった。
「わ、私をどうする気……!」
「分かってるくせに」
「ひっ!」
ラセールの指が秘裂を撫で上げる。クリトリスを擦られ、身体を一気に駆け抜ける快感に思わず腰が引けた。
「イヤ……! やめ――」
「……や、め……て…………」
春菜が言った。
まだまともに動けないだろうに、彼女は体液まみれのまま床を這ってラセールのズボンの裾を掴んでいた。
「古手……川……さん……に、手を……出さない、で…………」
「西連寺さん……」
その姿に、唯が胸を打たれた――次の瞬間だった。
「あれ? 躾けが足りなかったかな」
ラセールが指を鳴らす。すると春菜の着ていた彩南高校の制服が解けるように消えた。まるでララのコスチュームのように。解けた制服はリボンのような細長い布へ変化し、春菜の身体を縛り上げる。目を覆い隠し、口を抑え、両腕と両足を動けないように固定してしまう。
一瞬で拘束された春菜。その無防備な肢体を、リボンが襲った。
リボンは先端だけを様々な器具に変化させ、春菜の性感帯へ群がる。乳首とクリトリスには振動するクリップのような物になって噛み付き、ヴァギナとアナルには外からは見えないがリボンの先端が潜り込んで腹の動きが外から見えるほどの激しさで何かを動かしている。
「~~~~~~~~――――――――――ッッッ!!?!?♡♡♡♡♡♡ ッ~~~~――――――――――――――――――ッッッッ!?!!??♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡」
声も出せず身体も動かせない春菜は、声にならない悲鳴を上げて身もだえ、絶頂した。いや、「した」ではない。絶頂し続けている。命の危機を感じるほど身体を痙攣させ、なんとかリボンを解こうと身体を軋ませる。いや正確に言えば、あれは脱出を図っているというよりは、絶頂の波に呑まれ身体の抑えが利かなくなっているだけなのかもしれない。
しかし春菜は脱出できない。
終わらない絶頂から逃げられない。
無慈悲な拘束具は春菜を一切逃がすことなく、解放することなく、苛烈なまでの責めを性感帯に与え続ける。泣いているのだろう。涎を垂らしているのだろう。顔を覆う布はどんどん濡れてきていた。おぞましい責めが行われているのだろう腹の中。その辛さを示すかのように下腹部の表面が痙攣で波打ち、股間からは潮が絶え間なく吹き出し続けている。
痙攣は止まらない。
声なき悲鳴も、潮吹きも止まらない。
このままでは死ぬ。少なくとも唯はそう確信した。
「や、やめて! 西連寺さんを放して! このままじゃ死んじゃうわ!!」
「やめてほしい?」
「当たり前でしょう!」
「じゃあ代わりに何かボクに差し出せる?」
「ッ…………!」
血の気が引く。
しかし迷う時間はない。春菜の痙攣は徐々に大きくなっている。もう限界――否、限界なんてとっくに超えているのだ。
「…………いい……から……」
「なに?」
「……私を……抱いても、いいから……西連寺を放して……」
「…………いいよ」
そのときラセールの浮かべた笑みは、唯に絶対に忘れられないと確信させるほど厭らしく邪悪だった。
【♡】
解放され、制服姿に戻った春菜はしばらく呻き声と痙攣を続けていたが、そのうち静かになった。失神したらしい。唯には死んでいるのか失神しているのか区別はつかなかったが、ラセールは生きていると言っていたのでそれを信じるしかない。
「じゃあ、差し出してもらいましょうか」
「えっ、差し出すって……」
「貴女が頼むからボクは春菜を解放したんですよ? ちゃんと感謝の意を込めて、ボクに貴女の初めてを献上してくれないと」
「…………わ、わかったわよ……」
下手に逆らうとまた春菜にさっきのようなことをされるかもしれない。大人しく従うしかない。処女だなんて言っていないのに初めてと決めつけられたことに多少の不満はあったが、この状況では些末なことだ。
唯は嫌悪感に耐えて必死の思いでスカートをたくし上げ、自ら下着を晒していった。
「私の……初めてを、差し上げます」
「う~ん、ちょっと弱いな」
「え――」
ラセールは唯を後ろへ向かせ、腕で頭を抑え込んだ。まるで昔の教師が生徒へ体罰を与えるように強引に、お辞儀の姿勢をとらせる。つまり後ろにいるラセールへ向けてお尻を突き出す……いや、差し出すような体勢だ。
「この姿勢のまま、自分の指でオマンコ開いて同じことを言ってみてくださいよ」
「なっ……なっ……!!?」
唯は耳を疑った。
下着を見せるだけでも火が出るほど恥ずかしいのに、どこまでハレンチな真似をさせる気なのだろう。しかしどんなに拒否したくても、唯に選択肢はない。
屈辱に涙しながら下着をずらし、露になった女性器を自らの手で広げて見せる。自分で見たこともない膣の中。処女膜を初めて会った男に晒す。
「く、ぅっ……! わ、私の……初めて、を……差し上げ……ます……!」
「よくできました」
「ひっ!?」
気持ちを落ち着ける暇もなかった。言い終わるや否や、一気にラセールのペニスが挿入される。唯の処女は、何の価値もないかのようにあっさりと、何の感慨もなく奪われてしまった。
「ふっ! ぐぅ……!」
「あれ、痛いですか? かなり濡れてるし大丈夫そうでしたけど」
「ちが……う」
悲しいことに痛みはほとんどなかった。
泣いているのは悔しさからだ。
「って、ちょっと! 避妊は――!?」
「すると思います?」
「すると思いますって……赤ちゃんができたらどうするのよ!」
「大丈夫ですよ。ハーラマ星人の精子は基本的に他の星の人間には合わないんで、一回や二回ナマでしたって妊娠しません」
「う……うぅ……」
酷い。涙が止まらない。
人として、女としての尊厳を踏みにじられ、処女を奪われ、そして結城リトのことさえ――
(そうだ……。結城くん……)
異常事態の連続で忘れていた失恋のショックがぶり返す。そして運悪く、その心の隙間が生まれた瞬間に下半身から快感が襲ってきた。
「ンァ……♡」
不意打ちでうっかり漏れてしまった甘い声。自分の口から――それもこんな下劣な男に抱かれて出たとは思いたくないほど溶けた声。止めそこなった喘ぎ声は、そのまま一気に流れ出ていく。
「……んん♡ あっ、や♡ アン……ッ♡ な、なに……これぇ……♡ なにこれぇえぇ……♡」
破瓜といえば痛いもの。
好きな人とでなければ感じないもの。
そんな無垢な常識が一切通用しない圧倒的な快感が、唯の膣から全身へ広がっていく。毒の棘と針を持つラセールのペニスによって、唯の処女マンコは瞬く間に堕ちていく。禍々しいペニスが前後する度に感度が増す。自慰で感じるのとは別次元の快感。未体験の感覚。性犯罪のインパクトも失恋のショックも押し流し、思考を許さない快感の暴力。
愛 液がドロドロと流れ落ち、魅惑的な太腿を濡らしていく。腰を打ち付けられる度に大きな乳房が揺れ、大きな尻が波打ち、ラセールの力強さを衝撃で唯に伝える。
「運がいいですよ、古手川センパイ。ボクのおかげで初体験から中イキもポルチオイキも覚えられるんですから」
「な、にを……♡」
「ほら」
「お゙お゙♡♡」
ここが学校だということを忘れているかのような激しい動きでラセールは腰をぶつける。ただ前後させるだけでなく、円を描き、突く場所を変えるテクニカルな責め。そうやって唯の
子宮口が毒針に打ち抜かれ、膣壁が棘に削がれ、初めて雄を受け入れた唯の膣があっという間にクリトリス以上の性感帯へ変わっていく。
「ぃ、やぁ……♡ もう、ダメ……♡ くる……きちゃうぅぅ♡」
「ほら、好きでもない男に処女マンコ犯されてイッちゃいな」
「ン、アッ……♡……や、やだ♡ やだぁ……♡ ゆ、うき……くん……結城くん♡」
もはや状況を無視して大声で必死に想い人に助けを求めようとした唯。その瞬間、一際強烈な一撃が唯の最奥に叩き込まれた。
「ぇ……ア――――」
煮込まれていた熱い何かが背骨を、神経を一気に駆け上がってくるような快感の奔流に、唯の思考は真っ白に染まる。
「ッッアアアアアアアアアア――ッ!!?♡♡」
悲鳴。人生で感じたことのない、感じることなどありえないと思えるほどの激しい絶頂。膣は震え、足が震え、その場に崩れ落ちてしまう。
「ハッ♡ ハッ♡ ハッ……♡」
初体験の強すぎる快感に、犬のように呼吸を荒げて呼吸を落ち着かせる。
(……これがセックス……? これが…………?)
想像と違う。
好きな人とベッドの上ですることを思い描いていた漠然とした性行為のイメージとはかけ離れている。
愛もない。安らぎもない。ただ暴力的な快感で思考を塗りつぶすだけの行為。
(違う……)
こんなものが
しかし、唯の身体はそんな嫌悪感など無視してラセールに屈していた。子供を作るための器官が愛液を垂れ流し、男を誘うように揺れ動く。動いてしまう。床オナをするように、崩れ落ちた腰がありもしない肉棒を求めて床を舐める。
それほどに、ラセールとの行為は甘美だった。いままでリトにされて不覚にも気持ちいいと感じていたハレンチな行為が児戯に思えるほどに……。
「そんなにお尻振って、誘ってるの?」
「そ!…………そんな、わけ……」
ないと言えなかった。いま自分は間違いなくあの快感を求めている。ダメだと分かっていても、拒否したくても、身体が言うことを聞いてくれない。治まってくれない。
「ボクはもう何回かしたいけど、イヤなら拒否してもいいですよ。どうします?」
「あ――」
ラセールが唯の目の前にペニスを突き出す。精液と愛液、そして僅かな破瓜の血でコーティングされた雄々しいペニス。女を作り替え、壊し、服従させる武器。ほんの数分前の自分だったら顔を真っ赤にして罵り否定していたそれを前にして、唯は無意識にその先端にキスをした。
(ああ、私……)
負けた。
完全に彼に屈してしまった。
もはや言い訳を考えることも放棄してしまうほど、魅せられてしまった。
身も心も踏みにじられて、抵抗も許されず、キモチイイ暴力で嬲られて、屈辱でしかない扱いを受けて、それでもなお求めてしまう圧倒的な快感。
「……して」
「してください、でしょ?」
「…………してください。私のここ……慰めて……」
慰めて……?
(ああ、そっか。私……逃げたいんだ……)
失恋のショックから。
風紀を守り、悪しきを挫き、友達を助けることより、失恋の傷から目を背けるために男に股を開いて慰めを求めている。
それは、それだけリトへの想いが本気であり、かつラセールの技術と体質が地球人の常識や理性の通用しない“必殺”であるからこそ起きたことだったが、唯が自分自身に失望するには十分だった。
【♡】
「じゃあ古手川センパイ、処女ごちそうさまでした。しばらく身体が敏感でいろいろ困ると思いますが、このくらいなら数日で元に戻るから心配しなくていいですよ」
本性を知らなければ気を許してしまいそうな人畜無害な笑顔でそういって、ラセールは春菜を抱えてその場を後にした。
一人残された唯は呆然と虚空を見上げたままそれを聞き流す。
(どうしよう……)
常識でいえば警察に通報だ。しかし彼は宇宙人らしい。しかもモモにまで手を出している。
「もし他の誰かにバラしたら今回の古手川センパイのハレンチな映像やモモや春菜のハレンチな映像をバラまきます……なーんて漫画の悪役みたいな古典的な脅しですけど、まあ実際下手なことはやめといた方がいいですよ。もし自分の娘がボクみたいなのに好き放題されたと知ったらデビルーク王は過去に類を見ない勢いで怒るでしょうし、そうなったら最悪地球丸ごと連帯責任で滅ぼされるかもしれませんから」
事が済んだ後にラセールが言った脅しを思い出す。地球が滅びるなんて極論だろうが、デビルーク王のことなど知らない唯には「そんなことあり得ない!」と言い切る自信もなければ、自分のみならず友人知人まで巻き込んで“勇敢な選択”を選ぶ覚悟もなかった。
そして……
「…………ん♡……ん、ぁ……♡」
手を伸ばし、股間を弄る。堕とされた膣内を。そこに入れる物などないのにもう一度あの快感を味わいたくて指で慰める。
自分が学校での自慰など絶対にあり得ないはずなのに、いまとなっては「学校で自慰くらい」という感覚になってしまっている。
「もう、戻れるわけないじゃない……」
失恋と自己嫌悪でグチャグチャになっていく心。真面目で堅物な風紀委員、古手川唯はもうどこにもいなかった。
死んだのだ。
殺されたのだ。
最低な男にオマンコを串刺しにされてみっともなく死んだのだ。
その現実から目を背けるように、唯はひたすら自分の性器を弄び続けた。
次で終わる予定