ラセールに凌辱された翌日。モモのクラスはラセールがモモに求婚した話で持ち切りだった。ラセールに興味津々だった女子たちは悔しがっていたが、相手がデビルーク王女とあっては声をかけるのも当然と納得もしているらしくモモに妬みを向けるような様子はない。
V・M・Cの男子生徒たちが泣き崩れてうるさいのが難点か。
「求婚といっても断られたんですけどね。どうにかお願いして一ヶ月だけお試しでお付き合いしてもらえることにはなりましたが、振り向いてもらえるかどうか……」
ラセールは爽やかな笑顔で周囲にそう語る。なんという白々しさだ。あんな穏やかな紳士なふりをして、実際には女を性処理の道具程度にしか思っていないなんてクラスの誰も想像すらしていないだろう。
「王族ってたいへんなんだねー」
メアが呑気にいった。
「でもモモちゃんがそういう話受けるなんて意外。てっきりリトせんぱい一筋だと思ってたのに」
「別に引き受けたわけじゃありませんよ」
メアの言葉をモモは強めの語気で否定した。
「あくまで諦めてもらうためにしばらく恋人ごっこに付き合うだけです。向こうもそれは了承してるんですから……」
「でもモモちゃんなら一も二もなく断ると思ってたなー。なんか首輪?と尻尾用のアクセサリーもつけちゃってるし」
「…………ぐっ……」
全力で否定したかった。でもまさか本当のことを……脅迫されて凌辱されているなんて言えるわけもない。言えばメアやヤミはすぐにでもラセールを排除してくれそうだが、一応とはいえ向こうの言い分は筋が通っている。いかに女を弄ぶクズとはいえ「自分はリトに夜這いかけて言い寄っておいて、こっちが春菜に言い寄ることは妨害するのか」と指摘されると力任せの排除は躊躇われた。
そういう意味ではシンプルに暴力に訴えてきてくれる賞金稼ぎや暗殺者の方が対処は楽なのだが……。
(一ヶ月……。ほんの一ヶ月の辛抱よ……)
必死にそう自分に言い聞かせる。だがあの快感を一ヶ月も受け続けて自分は果たして正気でいられるだろうか?
昨日はあったはずの絶対の自信は、たった一度の行為で早くも崩れかかっていた。あの快感を思い返しただけではしたなくも愛液を流してしまう自分の身体は、すでに屈服しつつあるのではないだろうか――
【♡】
お試しとはいえモモと付き合っている、と公言しているラセールは人目も憚らずモモに接触してきた。あらかじめ公言しておくことで二人一緒に行動しても変に深読みされないのは助かるが、かといって大手を振って会いに来られても不快感しかない。
「モモさん、昼食ご一緒していいですか?」
「え、えぇ……。構いませんよ……」
誰がみても明らかに構う様子だったがモモは了承した。ラセールがモモの対面に腰を下ろすと、昨日嗅いだあのフェロモンが漂ってくる。クラスの女子が夢中になっているのは、これの影響もあるのだろう。
「昨日はすみませんでした。デビルーク星人には少し
「えぇ。次からはもっと
「あれ? また来てくれるんですか。うれしいなぁ」
「…………どうせ呼び出すくせに……」
「わかります?」
その一瞬だけ、ラセールはあの厭らしい笑みに変わった。そのまま耳元に顔を寄せる。フェロモンに鼻腔を擽られて子宮がズクンと疼いた。ダメだと思っても秘裂が愛液を流しだすのを止められない。
「じゃ、放課後体育倉庫で待ってるから」
「ッ♡……わかりました」
発情したのを覚れないように平静を装い――それが全くできていないことを自覚しつつ――モモは頷いた。
【♡】
放課後。
ラセールとは別々に教室を出てから、重い足取りで体育倉庫へ向かう。
(それにしても、よりにもよって体育倉庫だなんて……)
あそこはリトと春菜がお互いの気持ちを打ち明けあって両想いになった場所だ。意識しないわけがない。ラセールはそれを分かっていてここを選んだのだろう。
そして普段は人気がなく、ちょっと細工すれば完全な密室にすることも容易。マットも備え付けで、恋愛コミックでもいかがわしい展開でしばしば登場する場所だ。そんな所で何をするつもりかなんて考えたくもない。
「待ってましたよ、モモさん」
ラセールは倉庫の戸を開けて待っていた。普段は鍵がかかっているはずだが何かの道具で開けたのだろう。
「……こんなところに呼び出してなんの用ですか?」
「恋人らしくスキンシップをと思いまして。こういうところで密会して交尾するなんて、いかにも高校生カップルがやりそうなことでしょう?」
ラセールの手がモモの顎を持ち上げる。滑らかな手つきと、女を興奮させる香り。何も知らなければ思わずうっとりと身を任せてしまいそうだ。腰に手を回され、抱き寄せられる。密着する腰と腰。制服越しに、ラセールのペニスが勃起している感触が伝わってくる。それに対し湧いてくるのは強い嫌悪感と、それを上回るほどの情欲……。
「そう、ですか……。じゃあさっさと済ましてください。私も暇じゃないので」
「それじゃあ遠慮なく」
ラセールは体育倉庫の戸を閉めると、チャックを下ろしてペニスを取り出した。ガチガチに隆起したそれは、すぐにでもモモの膣内に入りたいというようにビクンビクンと脈動する。あらためて見てもえげつない形とサイズだ。
「舐めてください」
「……っ」
いつかはさせられると予想してはいた。だが予想よりだいぶ早い。いざやれといわれるとどうしても躊躇ってしまう。リトのモノならすぐに口にしてもかまわないくらいだったが……。
「…………ちゃんと洗ってるんでしょうね」
「もちろん」
そうはいっても、半日ズボンの中に密閉されていた陰部は強い臭いを発していた。濃縮されたフェロモンに鼻を突かれ、頭がクラクラする。分泌量が増す愛液。乳首も起き上がってきた。
もう完全に発情させられてしまっている。
自覚してもどうしようもない。
自然と開く唇。まるで目の前の雄々しい肉棒を含みたがるように。
「いいですよ。舐めて」
「……なにが」
いいですよ、だ。
いちいち苛立ちを口に出すのも煩わしく、モモは覚悟を決めて大きな陰茎を口に含んだ。恥辱と屈辱の味が口内に広がり、吐き気を覚える。同時にチクチクと毒の棘が口内に突き刺さっていく感触が伝わってくる。口を性器に作り替えられる恐怖。いまはチョーカーで性感を抑えられているが、制御を切られたら自分はどうなってしまうのだろう?
ゆっくりと肉棒を口で扱いていく。
時折、先端の毒針が舌に刺さりそうになって動きが止まる。
「もっとしっかり舐めてくださいよ」
「……この邪魔な針を抜いてくれたら考えます」
「さすがに抜くことはできないな」
「じゃあ諦めてください」
「いや、諦めるのはモモさんでしょ」
その瞬間、ラセールはモモの頭を掴んで喉奥までペニスを叩き込んだ。
「おっ、ゴ!?」
突然のことに目を白黒させるモモ。猛烈な吐き気と、プスッと毒針が喉奥を突き刺す嫌な感覚が彼女を襲う。だが当然一突きでは終わらない。まるでセックスをするようにラセールはモモの頭に何度も何度も腰を叩きつけてくる。
「毒針を避けてたらいつまでたってもまともなフェラなんかできないじゃないですか。大丈夫ですよ。口が性感帯になって喉がチンポケースになってもボクは気にしませんし、その首輪があれば日常生活にも支障ありませんから」
「ブッ!……ごっ! おぇ……っ! ンぶっ! ぶ、ン……おッ!?」
口内を犯される。口を性器にされる。食道を食べ物の通り道からペニスを収めるためのスペースに変えられる。周囲の棘と先端の針が唇を、歯茎を、舌を、喉を蹂躙する。それは断じて恋人同士の性行為ではなく、一方的な凌辱だった。
そしてそこまでされてなお大人しく従っているほど、モモはか弱いお姫様ではない。いままでの『愛撫』は辛うじて我慢してきたが、これはただの暴力だ。『恋人の真似事』の一線を越えている。約束は違えないのがこの男の生命線だというのなら、いまこの男はそれを自ら断ち切った。
ぶっとばしてしまおう。
そう決断し、ラセールを睨んだ瞬間――
「えい♪」
とラセールが手に持った端末を操作した。
パンッ。
と何かが爆ぜたような音。
「ふぇ……?」
それが自分の尻尾に着けられたリングから放たれた電撃だとモモが気づいたのは、強烈な快感が全身を駆け巡ったあとだった。
「お――♡」
絶頂。
秘裂が情けなくも失禁するように潮を吹く。
電撃と同時にチョーカーの制御が切られたのが感じられる。途端に鋭敏になる感覚。無茶苦茶にされた口は一瞬で自分が正真正銘の性器にされたことを自覚し、強烈な快感を送り始めた。吐き気と殺意は快感に挽き潰され、喉の奥の奥までペニスが侵入してくるのがたまらなく心地よく感じてしまう。
パンッ、パンッ、パンッ。
グチュ、グチャ、グチョ。
尻尾を襲う電撃と口を犯す陰茎の湿った音が体育倉庫に響く。
「い゙ッ♡ ぶ♡ ごほ……っ♡ ぶぇ♡ ンぐ♡ ンぶ……っ♡ おぶぁ♡」
モモは性器に堕ちた口を玩具(オナホ)にされ、先日犯された尻尾を電撃で躾けられ、何度も何度も絶頂しながら必死にラセールの腰にしがみついていた。頭は快感で真っ白に染まり、一瞬たりとも思考することを許してもらえない。未熟な秘所は洪水のように愛液を垂れ流しながら幾度も潮を吹いてモモの下半身と床を濡らしていく。
モモにできるのはただラセールが満足して動きを止めるまで口マンコを捧げ続けることだけだった。
「出すぞ、モモ」
数分後。待ちわびたその言葉を認識した瞬間、思考力を奪われたモモは歓喜を覚えた。覚えてしまった。快感地獄から解放されることに対してとはいえ、ラセールの言葉と喜びを結び付けてしまった。
そしてそこに送り込まれる大量の精液。
「ごっ――♡♡」
喉の奥から胃に向かって一気に流し込まれる。卵子を求める大きく狂暴な精子は食道の壁を突き刺し、毒に侵され性感帯と化した食道はそれすら性感と知覚する。食道を精子にレイプされ絶頂する。普通であれば一生味わわない感覚。胃に入れなかった精子が口の隙間から溢れてきて、それすら快感となる。
ズルリ、とペニスがモモの喉……いや、口マンコから引き抜かれる。その光景はさながら刺し殺した相手から刀を引き抜く侍のようだった。支えを失ったモモがベシャリと自分の愛液と潮で水浸しになった床に座り込む。
「……ぁ♡ ……ァ、アァ……♡」
放心し、焦点の合わない目で虚空を見つめながら絶頂の余韻で微かに痙攣し続けるモモ。口からは漏れた精液を垂れ流し、彼女の制服を濡らしていく。
その身体をラセールは軽々と抱き抱えた。
「さて、続きはボクの宇宙船に戻ってからしましょうか。いま3時だから、あと3、4時間くらいかな? 今日は迎えが来る前に自分で帰れるように頑張りましょうね」
ラセールは自作のワープ装置を起動させる。事前に設定した場所へ瞬間移動できる装置だ。二人の身体は一瞬で体育倉庫からラセールの宇宙船へ転移された。
【♡】
モモの意識がハッキリしてきたのは、ラセールの宇宙船の風呂の中だった。清潔な湯船に浸かりながら歯嚙みをする。
「私が、あんな……!」
まさか口を犯されて、尻尾を痛めつけられて、床が水浸しになるほど感じてしまうとは。その恥辱の水たまりに情けなくも座り込むほど放心してしまうとは。自分が情けなくて、惨めで仕方がない。
それも、まだ二日目であの醜態だ。口と尻尾を責められただけであんなに乱れさせられていては、とても一ヶ月も持つ気がしない。
リトへの想いはいまでも揺るがない。たとえラセールにこの身をいくら穢されても、それだけは決して変わらない自信がある。だが同時にラセールの与える快感に逆らえなくなる確信も芽生えつつあった。
リトへの想いは確かに持ったまま、ラセールに首を垂れて、腰を上げて、子宮を捧げる浅ましい雌奴隷……そうなる自分が容易に想像できてしまう。
「リトさん……たすけて……」
耐えきれず流れてくる涙。
それを誤魔化すように、モモは湯の中にもぐった。
浴室を出ると、洗い立ての制服とスケスケのベビードールが置いてあった。モモにどちらか選べというのだろう。どうせこのあとも嬲られ、秘裂から汁をまき散らして失神させられるのだ。また制服を汚すのも嫌なので諦めてベビードールを着た。
これを着て向かうのがあの男ではなくリトの部屋だったらどんなにいいだろう。
寝室に入ると、ベッドでくつろいでいたラセールはモモのベビードール姿を見て唇の端を持ち上げた。
「いやぁ、よくお似合いですよ。モモさん」
「…………そう……」
「あれ? テンション低いなぁ」
「疲れてるんです……。早く終わらせてください」
「そう? じゃあさっさと始めましょうか」
そういってラセールが腰を上げ、モモに近づこうとした瞬間。
二人の間を弾丸が貫いた。
「え――?」
「なにっ!?」
「そこまでにしとこうか、色男さん」
あり得ない乱入者に驚愕する二人。
扉の向こうに見えるのは、大砲に
「私の縄張りでずいぶん勝手なことをしているな、オマエ」