(わざわざ出口に誘導するからどこか別の場所に出るのかと思えば、まだヤツの宇宙船。なにを企んでいる……? それに――)
電脳空間を脱出してから、ネメシスは身体にわずかな違和感を覚えていた。間違いなく自分の身体なのに自分の身体ではないような不思議な感覚。
船内をうろついても、ほとんど人の気配はない。風呂場、キッチン、トイレ。部屋をいくつか回ったが、誰もいない。もっとも、おおよそどこにいるのかは分かっている。あのヤリ目的の発情猿みたいな男がいる場所といえば寝室だろう。
「待ってましたよ、ネメシスさん」
寝室に入った直後、背後から囁かれるラセールの声。入口のすぐ横で入ってくる者を待ち構えるという古典的な待ち伏せ。振り向きざまに腕で薙ぐより先に、ラセールの指がネメシスの小柄な身体を這う。胸の先端の突起を指先が掠め、ネメシスの身体に電流のように快感が走る。
「くっ――」
想像以上の感度。
だが問題はそこではない。
「……私の身体になにをした?」
後ろから抱きしめられた形のネメシス。その身体はラセールにしっかりと拘束されている。本来なら力負けするなどありえない相手なのに、腕一本引き抜くことすら敵わない。
「貴女の身体になにかした、というのは少し違いますね。それは貴女の身体であって貴女の身体ではありません」
「なに?」
「それはボクが貴女のデータをもとに作ったバイオボディです」
ラセールは語った。
「貴女はダークマター。エネルギーの塊であり、その本質は実体を持たない思念体だ。さすがにハーラマ星のナノマシン技術をもってしても、そのまま貴女には使えなかった。でも本質的には別物であっても、貴女も
ネメシスを
「そのために用意されたのが、貴女のデータから制作したバイオボディです。要するに生の肉体ですね。メアや金色の闇と同じナノマシン技術を使って制作した魂のない肉体を、電脳空間の出口に設定させてもらいました」
つまりネメシスは電脳空間から脱出した瞬間、自動的にこのバイオボディに入り込んでしまったのだ。ネメシスは他者の肉体に自在に入り込むことができるが、このバイオボディが他人の肉体と決定的に違うのは「身体から出られない」という点。
「これは賭けでした」
ラセールは続ける。
「貴女のデータから生み出したバイオボディの体組織であれば、貴女と結合させられるかもしれない。もしそれが成功すれば、実体を持たない貴女を物理的な肉体に閉じ込め、かつナノマシンと紐付けすることでダークマターによる
「たいした技術力だな。メアもそれで無力化したのか?」
ラセールが無事であるということは、必然的にメアはこの男に無力化されたことになる。死んだのか、篭絡されたのかは分からないが。
「ええ。
「…………」
にわかに信じられない言葉。しかしラセールが健在であること、そして……さきほどから身体をまさぐるリト以上の手つきと、その指先から感じる刺激と甘い痺れは、それが可能であると物語っていた。
(たいしたものだな……)
結城リトは天性のテクニックとセンスで女が相手なら無敵に近い。それと同格のテクニックを持ちながら、地球人にはない能力を持っているとなれば、女の身ではまず勝ち目がないだろう。本来のネメシスならどうとでも対処できる相手だが、いまは能力どころか身体能力すら外見相応になっている。
「しかし……実際こうして貴女を拘束できても、不安ですよ。いまはよくても、これが一時的である可能性もある」
「そんな危うい橋をよくも渡ろうと思ったものだな」
「だって欲しいじゃないですか、モモ。見た目も中身も好みの雌がいて、家柄まで揃ってたら手を出さない理由はない。そのために障害があるなら、全力で取り除くまでです」
「たかがオンナひとり抱くためだけにそこまでするとは呆れたぞ……」
「褒め言葉として受け取っておきます。でもよかった。疑似生命体とはいえ貴女が女で。男だったらボクにはどうしようもなかったですよ」
ラセールの指がしつこく下腹部をなぞる。その奥の子宮にマーキングするかのように。そして敵に用意されたバイオボディは、ネメシスの意思とは無関係にそのマーキングで発情していた。
愛液が太ももを伝う。
「私も交尾で篭絡する気か?」
「えぇ。貴女にも子宮で雄に奉仕する快感を教えてあげますよ」
ネメシスの小柄な身体は簡単に持ち上げられて、ベッドに投げ出された。
そして始まるラセールの愛撫。秘裂や乳房に指が這い、首筋や耳を舌で嬲られる。棘と媚毒が性感帯を刺激し、より敏感に変えていく。
「面白い……。それなら私もお前に下僕としての快感を覚え込ませてやろう」
ネメシスは愛撫を受けながら、ラセールの身体に舌を這わせ、乳首を舐め始めた。ただ口で奉仕しているだけではない。身体と身体を密着させ、すべすべとした肌をくねくねと擦り合わせて、男の劣情を煽る。並の男ならたちまち理性を無くして襲い掛かってくるだろう求愛ダンスだ。
「おぉ、さすが。性に関して積極的に反撃してくるところ、モモやメアとは違いますね」
「私をあんな小娘たちと一緒にするな」
しかしラセールはたいして怯まない。それはそうだろう。ラセールのような棘も毒もない普通の愛撫で平静を失うほど感じることはまずない。狙うならやはり一番の性感帯――ペニスだ。
「……むっ」
だが手がペニスに触れた瞬間、棘と針の存在に気付く。まともに触れれば手のひらや口すら一気に性感帯へ変えてしまうだろう悪魔の性器。文字通り女殺しの性物兵器。
「面倒な性器をしているな、お前」
「自慢の逸物ですよ。おかげで雌はみんな良い声で鳴いてくれます」
「なるほどな」
こんなものを膣に入れられ、あまつさえ子宮を責められたらたまったものではないだろう。モモやメアが耐えられないのも分かる。
やはり、このままでは分が悪い。
(さて、やれるか……)
意識を集中させる。
すると手のひらに黒い靄が現出した。ネメシスはその手でペニスを握り、擦り上げる。絶妙な力加減と、予期せぬ反撃にラセールがうめく。
「ぐっ、お、おぉ……! どうやって……!」
その手を見て、ラセールも気づく。
「ダークマター、ですか……」
「ああ。お前の研究はなかなかのものだが、どうやら完全に無力化できたわけじゃないようだな?」
確かに制御はされている。だが意識を集中すればほんの僅かではあるがダークマターは使えた。バイオボディはラセールに危害を加えることを禁じられているうえ、扱えるダークマターもわずかでとても攻撃はできない。だが皮膚の表面を覆い、毒針を防ぐだけならこれでも十分だ。
「さぁ、耐えられるか? お前には劣るとはいえ、私はリトのテクニックも習得済みだ。女相手限定の技術だが、手つきを応用してやれば男相手でも十分使えるぞ……」
ペニスへの責めが加速する。もちろん、上への奉仕も忘れていない。ベテランの風俗嬢でさえも裸足で逃げ出すような手つきと舌使い。ラセールの愛撫の手が止まり、防戦一方になる。
圧倒的な性技を持つラセール。その性格はサディスティック。能力、性格を考えれば普段から攻撃ばかりで防御の経験はほとんどないだろう。せいぜい堕とした女に奉仕させる程度で、相手に絶頂タイミングを支配される機会などまずないはずだ。
「あっ、くぅ……! う、うまいじゃないですか……」
「当たり前だ。私を誰だと思ってる。私を奴隷にしようなど十年早いぞ」
「ぐあっ!?」
一際激しい扱き。
次の瞬間にはラセールのペニスから大量の精子が吐き出された。
「まず一発……」
ペロリ、と。
ネメシスは手に着いた精液を舐めとる。
「性欲に特化した種族なのだろう? まさか一発では終わるわけはあるまい」
「えぇ……もちろん。ハーラマ星人が一発や二発で終わるとは思わないでください……」
「そうこなくてはな」
サディスティックな本性を隠そうともしないネメシスの笑み。
責めが再開された。
【♡】
三十分後。
「い、いったい何発でるのだ、この男性器は……?」
たっぷり十発は出しただろうか。それでもラセールのペニスは萎えず、十発が十発とも粘度も量も衰えない。一発だけでも普通の男の十倍はあろうかという量だ。ベッドシーツには度重なる大量射精で精液の水たまりができていた。
あまりの底なしぶり。ネメシスも心底呆れかえるより他ない。
「いやぁ、ハーラマ星人にとって十連射くらいは普通です。ましてボクはその星の王子なので、その程度では終わりません。さて……」
防戦一方で押し倒されていたラセールが起き上がる。地球人――いや、宇宙人のほとんどが一発や、多くても三、四発で限界だろうに、その倍以上を射精したラセールは全く疲弊した様子がなかった。
「次はボクの番です」
「ハァ……♡ ハァ……♡ 悪いが、お前に手番を回す気はない、ぞ……♡」
「そんなに息が上がってるのに?」
「舐めるな……。仮初の身体とはいえ、多少息が上がった程度で私が折れるわけがないだろう……」
「息が上がったんじゃないですよ」
クリっと、ラセールの指がクリトリスを摘まんだ。その瞬間、ネメシスの身体をさっきまでとは比べ物にならない快感が走る。
「――――がッ♡♡」
「フェロモンに中てられてるですよ、貴女は」
「フェロモン……だと……」
「ええ。長時間ボクと密着して、汗を舐めてすらいたんですから。むしろよく三十分も持ったと思いますよ。モモなんて同じ時間をボクの近くにいるだけで限界ギリギリでしたから」
「あちこちに生えた棘といい、芸達者だな……」
「性行為に特化した種族ですから、これぐらいはね」
(まずいな……)
ネメシスは二つ見誤った。ハーラマ星人の性欲の底無し具合と、フェロモンの存在。二重のミスはこの状況ではあまりにも重い。
その心を見透かしたようにラセールは強気に出る。ネメシスの頭を掴むと、乱暴にベッドに――さっきまでラセールのペニスが吐き出し続けた精液溜まりの中へ突っ込んだ。
「ぶっ♡」
一瞬で入れ替わる攻守。
発情したネメシスの脳に、神経に、精液の臭いが突き刺さる。愛液の量が増し、未熟マンコがパクパクとペニスを求めて開閉する。
そんな無様を晒した股間に、ラセールはペニスをあてがって一気に貫いた。
「お゙――――ッ♡」
小学生ほどの体格しかないネメシスの身体に、高身長でも不釣り合いとなるラセールのペニスは明らかに過剰なサイズだった。だがもとよりラセールの愛玩用として作られたナノマシン製バイオボディは、その規格外のサイズに難なく対応する。してしまう。
そして気づかぬうちにフェロモン漬けになっていたネメシスの身体は、その大きすぎる逸物によって処女膜が破られたことすら快感としか処理しなかった。
「がっ、おおおお――ッ♡♡」
絶頂。
愛液滴るネメシスの秘所から潮が吹きだす。
「さぁ、子宮の中まで雄の性処理道具になって、卵子の受精まで知覚しながら犯される幸せ、噛みしめましょうね」
「くっ……! うっ♡」
そして容赦のないピストンが始まる。
小柄なネメシスの身体に覆い被さり、後背位で激しく突き下ろす。一回腰を叩きつけるたびに撥ねるネメシスの身体が残酷なまでの体格差を物語る。ペニスが叩きつけられるたびに膨らむ下腹部。飛び散る愛液と潮。脳で快感が何度もスパークする。
(内臓が……!)
小柄な身体に特大サイズのペニスをねじ込んだことによる凄まじい圧迫感。子宮が、内臓がまとめて押し上げられ、それが全て快感となる。生身の限界を超えて得られる感触。本来生身では許容できない行為を許容させる異常性。限界を超えれば損傷してすぐ修復するダークマターの身体では味わったことのない世界。
細く短い膣を引き延ばされ、小さな子宮口を潰され、未熟な子宮を押し上げられ、内臓を丸ごと潰され、快感を上り詰めて果てる。
このままでは女として終わる。
そんな確信が芽生えた。
(ダークマター、で……)
せめて、ペニスが触れる表面だけでも保護できないか。毒を持つ棘と針だけでも防げないか。しかし圧倒的な雄の力でロリマンコを蹂躙されているいま、ダークマターを操るだけの集中力を発揮するのは不可能だった。
肉棒が前後するたびに敏感になっていく生殖器。突かれるたびに子宮が解れ、そう遠くないうちに子宮の中まで貫通されるだろうという確信。小柄な身体全体を揺さぶり内臓を押し上げるセックスは、「お前はオナホだ」と言っているように思えてならない。そして、ネメシス自身がその感覚を否定できない。
オナホになった気分だ。
一切の抵抗ができない。
自分の意思でできることは何もない。
ただ雄にされるがまま、身体全体をペニスを包むための道具にされている感覚。
これがオナホでなくてなんなのか。
(ああ、これは堕ちるな――)
脳のどこかが他人事のようにそう告げた。
「お……っ♡ がっ♡ ああああ♡♡」
「出すぞ、ネメシス」
「お゙――♡♡♡♡♡♡♡♡」
さきほどまで出していたのと同等の、いやそれ以上の量の射精。ぎちぎちに埋められた膣では隙間から外へ出ることも叶わず、精液は全てネメシスの胎内に収まる。膨らむ下腹部。すぐさま暴れだす精子を、鋭敏化されたネメシスの子宮が感じ取る。
蹂躙される。
性欲処理のために作られたバイオボディ。性欲処理のために作られた人造卵子が、性欲処理で吐き出された数億の精子に犯されていく。
「あ――♡♡ あぁ……♡♡♡♡」
この瞬間、ネメシスの脳内から全てが消えていた。
自分がダークマターの塊、疑似生体兵器であることも。
この町の思い出も。
新たに見つけた生きる目標も。
この男を懲らしめにきた理由も。
その中で唯一残るのは雌の本能。
(あ――孕む)
それはただ事実を認識しただけ。
だが、この男に抗おうとしている女としては敗北を認めたに等しい思考。
「…………~~~~♡♡♡♡♡♡♡♡」
イク。
敗北を認めてイク。
サディストがマゾヒストに反転する。
「さぁ、ネメシス。夜はまだまだ長いぞ」
薄れていく意識のなかで、ラセールの声がした。
【♡】
「ネメシス、起きろ」
「うっ……♡ あ……♡」
ラセールに舌を掴まれ、持ち上げられる。まるで釣り上げられた魚のように。
身体に力が入らない。一晩中ラセールの相手をさせられ、十回は子宮内に精液を注がれた。妊婦に見紛うほど膨らんだ腹部。子宮はとっくに堕ちて、中で肉棒に吸い付き奉仕する本当のオナホのように変えられている。子宮だけではない。アナルも、喉もペニスの餌食になっていた。前の穴からも後ろの穴からも精液を垂れ流し、食道と胃も精液に犯されている。
イッた回数はいちいち数えていられないのでわからない。いや回数という表現自体が違うのかもしれない。一度イッたらずっとイキっぱなしなのだから、回数では一回だ。重要なのは時間。ほとんど一晩中、ずっと絶頂から降りてこられず身体中を開発され続けた、その時間。
勝てるわけがない。
能力も筋力も奪われて媚毒漬けにされて一晩中イカされ続けて正気を保てるわけがない。
助かる道はただ一つ、受け入れること。
快楽の嵐に抵抗するのではなく身を委ね、自分がラセールに犯され、蹂躙され、奉仕することを喜びとするマゾ雌であると認めること。
ネメシスは認めた。
自分の敗北と主人への忠誠を。
服従の証として、舌と乳首とクリトリスに小さなピアスが打ち込まれたが、それすら誇らしく心地よいと思えるほどに堕ちていた。
「ダメだろ。自分だけ寝ちゃあ、ちゃんとご主人様の事後処理しなきゃ」
「あ……あぁ♡ すまんな、主よ……♡」
ふらつく身体をなんとか支え、一晩で自分の穴を全制覇した最強の肉棒に奉仕する。精液愛液腸液あらゆる体液で汚れたペニスに舌を這わせ、自らの口を布巾として掃除する。いや、させていただく。
ペロペロ、チュプチュプ。
湿っぽい音をさせて、可能な限り色っぽく。一分もすれば、ラセールのペニスは綺麗になっていた。最後に舐めとったあらゆる体液を口の中で混ぜて、嚥下する。
「どうだ、主……♡」
「ああ、良い子だ」
頭を撫でられる。
(ああ、この雄は強いぞ……モモ姫……)
モモは勝てないだろう。忠誠を強いられ、女としての全てを奪われるのだろう。メアや自分が一晩で陥落させられる相手だ。勝ち目はない。決して逃れられない。だがせめて、かつての‶天敵〟として、ネメシスは心の中でモモに警告を送った。
それが雌奴隷ではない『これまでのネメシス』としての最期の行動だった。
ネメシスが堕ちる様が想像できなくてかなり悩みましたね…