「ふう・・これで今回の分は全部かな。ナツミちゃ~ん、ダンボール開くの終わったぁ?」
「あとちょっと~」
ビルの14階、マンションの一室で二人は引越しの荷物を開梱していた。
佐伯はやっと全ての開梱を終え、クローゼットに仕舞い終えた。
もともと食器や家財は少なめだったので半日ほどで片付いた。
ナツミを手伝うため部屋へと向かった。
「手伝おうか?」
「ううん、もうすぐ終わり。あとこのバスケットを仕舞って・・・ほい、おしまい。」
「じゃ、なんか食べにいこっか。」
「うん。このままのカッコでいいかな。」
「そうね、ついでだから制服作りに行く?」
「あ、入学式来週か。いや時が経つのってはやいね~」
「うふふ、なに言ってんの。年とったらもっと早いわよ。」
市中のレストランで軽く食事を取った後、二人は制服をオーダーする学校指定の店へ来ていた。
「いらっしゃいませ。」
「この子の制服をお願いしたいと思いまして。」
「えっと・・桜小学校のですか?」
「いえ、桜ノ宮高校のです。飛び級で入学したものですから。」
「それはおめでとうございます。優秀なんですね、お嬢様。」
「うふふ、でセミオーダーでは出来ないと思いますので、今日は採寸に。」
「解りました、1式ですね、スカートは5千円ほど追加で2着にできますが。」
「ええ、お願いします。ソックスや靴はありますか?」
「ええ、そちらに。ソックスは色の指定はありませんがほとんどの方は、白を選ばれます。ニーソックスですね。まあ、暑い日はバラバラに着られる事が多いですけど。靴は黒のローファーがやはり一番人気です。つま先にボリュームがあって制服と良くにあいまして・・・足のサイズいつくです?」
「21.5です」
「ああ~取り寄せになります。明後日には入ってきますが、靴はメーカーによって違いますから同じメーカーの物で合わせてみてください。では、お嬢さん採寸しますね。」
採寸の後、靴を合わせると21でぴったりだった。
多少育つ事も考え21.5をオーダーする。
「この制服のスカートですが、ほとんどの方が短く作られるんです。中にショートパンツや見せパンつまりショートスパッツですね、穿かれる方が多いのですが、如何いたしますか、制服のおまけに2着ほどならサービスできます。本来はスカートのボリュームを出すためにボリュームのあるペチコートなんかを付けるんですが、涼しい日だけですね。暑いので。スカートの中は、ほとんどの方がショートパンツかスパッツのようです、まあ偶に生パンの子がいますが。」
「一応ペチコートを3着ほどお願いします。学校の規定は無いんですか?」
「ええ、推奨はありますが、白であれば問題ありません。中には黒のを使用される方もおりますよ。」
「じゃ、ナツミ見せパンがいいな。持ってないし。」
「はい、ではこの中からお好きなのを、あ、サイズはSSですね。」
ナツミは無難なカラーを2枚選んだ。
「ギリギリだけど間に合いますでしょうか。」
「そうですね、急ぎで対応させます。前日には届きますから忘れずにご来店くださいね。」
クレジットで決済を終えたころには、夕方になっていた。
「ナツミちゃん。そう言えばね、あの下着屋さんの会社、今度第3に移転するんだって。」
「へぇ~、よかったあそこの下着気に入ってるんだ。あのゴスロリも好きだし。」
「入学のご褒美に買って上げる。」
「わ~い。ミナミさん大好き。ね、エプロンドレスがいい。」
「それも良いけど、ヘッドドレスが使えるようなゴスロリも着てよ。とっても可愛いし、髪伸ばしたんだから、きっと似合うわ。私は着れないんだからせめてきて見せて。」
「ミナミさんも着て見ればいいのに」
「止めとくわ、絶対似合わないしね。恥かくのが落ちよ。」
「そうかな、ま、そう言う事なら、ミナミさんが着せたいってものでいいよ。」
ちょうど帰りかけの時、佐伯のスマホが鳴った。
「はい、佐伯です・・・・・・・ええ・・・・はい・・・大体は終わりました。今は娘の制服の注文に来てまして・・・・はい・・・あら、良いんですか? 少々お待ち下さい。」
スマホを保留にしてナツミに聞いた。
「来週だけどお世話になってね人や会社の人が引越し祝いしないどうかって、行く?」
「う~ん、その頃ちょうど学校のカンファレンスやら部活のことで忙しいかもね、即答できないわ。」
「そっか・・・・ああ、娘はもしかしたら無理かも知れ無いって。ええ、では。」
「なんて?」
「可能ならよろしくって。来週の土曜日の午後。」
「う~ん、とりあえず気にしとくね。いまスマホで調べたらあの下着屋さん、ちょうどその日に開店だって。いっしょにゴスロリの服も出すみたい。ホームページに出てた。」
「うう・・そっちも魅力的だけど、出られたらお願いね。」
「うん! 実は私も会って見たいかな。だってビデオの人たちでしょ?」
「ええ、でも内緒よ絶対!」
「うん、解ってる。」
「あ、でも彼は居ないか・・・」
「彼って、旦那さんだっけ?」
「ええ、ちょっと所用でね。戻ってくるのは再来週になるのよね。」
「じゃ、皆に合える時がいいな。華々しくデビューなんちゃって。」
「解ったわ、そうしとく。そんなにお店の方気になるの?」
「だってほら、全品50%オフ! 当日限りだって。日曜日だと全品30%オフなのよね。高校生になったんだから、大人っぽいの欲しいの。」
「解ったわ、後で電子マネー入れておいてあけるから買って来なさい。足りない分は自分のお小遣いからね。」
「うん。ありがとう。」
「お店の人とよく相談するのよ。」
「はい!!」
入学式当日、緊張した面持ちのナツミは高校に向かった。
歩いて20分ほどの道のりを歩いて行く。
周りには何人かの同じ制服を着た子や中学の制服を着た子が同じ方向に向かっていた。
「ねえねえ、あの子みて。ちっちゃくてカワイイ!」
「あ、ホントだ。新入生かな。」
「かも、でもあのぐらいの子が制服着ると完全にロリね、うわ~私の方が似合って無いよ~。」
「いや~、まさしくこの制服のために・・・みたいな。でも顔立ちも幼いよね。ホントに同じ年?」
「そうだね~、ほらホルモンの関係で大きくならないって病気あるでしょ、あれかも。」
「そんなのあるんだ、じゃ守ってあげなきゃ。やん、あの仕草キャワイイ!!」
「ね、声かけて見ようよ。」
「え、大丈夫かな。」
「ほら、リコ、行こうよ!! だいじょぶだって!!」
ナツミは突然後ろから声をかけられた。
「こんにちわ、貴方も入学生?」
「は、はい。」
「私は高梨リコ、こっちは」
「斎藤マリです。ごめんなさい突然声かけて。」
「あ、いいです。私、佐伯ナツミっていいます。」
「同じ新入生同士でしょ、宜しくね。」
「あ、はい宜しくです。えと、高梨さんに斎藤さん。」
「きゃ~~可愛い手!!」
リコは握手の手をそのまま自分の頬に持って入った。
すかさず、マリのチョップがリコに入る。
「ごめんね、リコが暴走気味で。この子可愛いものに目が無いから。」
「は、はあ。」
「ナツミちゃっんだっけ、良かったら一緒に学校行かない?」
「ええ、いいですけど。」
「よかったあ、実はに入学のしおり二人とも忘れてきちゃって・・」
「じゃ、そこのコンビニでコピーでも取ります?」
「大丈夫、ちょっと見せてくれれば。」
「ええ、見せるのはかまわないんですが、このしおりって最後のページに今日提出用の連絡先の用紙がついてますけど・・」
「ええっ!・・・・ヤバいマリどうしよう。」
「ナツミさんごめんね、やっぱりコピーさせて。」
「はい、いいですよ。あ、でも私昨日書いちゃいましたけど。」
「大丈夫、一度コピーしてから修正テープで消してまたコピーするから。」
三人は、コンビにてコピーを取り学校へ向かった。
「ナツミさん、本当にありがとう、初日から忘れたなんて・・・」
「ホント助かったわ。」
「いえいえ、どう致しまして。お役に立てたのなら。」
「ね、ナツミさん。身長小さいって言われない?」
『ちょ、リコ! あんたなに言ってんの!』
「ご、ごめんね、リコ結構不躾で・・・」
「う~ん、別に同じ年齢では普通ですね。わたしまだ8歳ですから。」
「「はっさい!!?!!」」
「はい、八つともいいます。私飛び級なんです。ちょっと前まで小学校3年やってましたから。」
「飛び級!!??」
「はい、そうです。」
「ね、すごいね~。でもしっかりしてる~。」
「そうね、入学初日からしおりを忘れてくる私たちに比べれば・・・あう・・」
「うふふ、もう高校生なんですからしっかりしないとね、お姉さん方。」
「ふぁい。」
「ね、ナツミちゃんお友達にならない?わたしたちと。」
「はい? え、ええまあ。かまいませんけど。いいんですか、私年下ですよ。」
「いいの、いいの。私たちが守ってあげる。」
「・・・・は、はい・・・って何から?」
「ほら、ナツミちゃん可愛いじゃない。まるでアニメの世界から出てきた実写版だもん。共学でしょ。男の子もいるし、守ってあげたい!!」
隣でマリも頷いている。
「はい、それはありがとうございます。でも、大丈夫だと思いますけど。」
「なして??」
「リコ!方言出てる。あははっ」
「だって、高校生で8歳の女の子にアタックしたら、多分ロリコンの誹りは免れないかと。あ、でも7歳差は有りかな。」
「うん、結婚しても普通によくある年の差だよ」
「そうでしようか・・・ま、いっか。」
「改めて、私は高梨リコ、15歳。彼氏無し歴15年。」
「う、私は斎藤マリ、15歳。同じく彼氏無し15年よぉ。悲しいことに。」
「さ、・・佐伯ナツミ、8歳。彼氏無し?8年? 」
「ナツミちゃんは、なんで疑問符なのかなぁ?」
「え、べ、別に・・・」
「ええ! もしかして彼氏居るのぉ? 」
「いえ、彼氏は居ないですけど。はい、いません。けど、好きな人はいます。まだ片思いですけど。」
「後で教えてね。」
「い、いえ別に話す事でも・・・」
「いいじゃない・・・友達でしょ。」
「ま、まあ、そのうちに・・・」
「そうだ、今日二人で封切りの映画見に行こうって計画だけど、もし良かったら一緒に行かない? 」
「どんな映画です?」
「第3シアターでやってる愛と決別っていうの。」
「ああ、でもあれ15禁じゃ無かったですか? 私入れませんけど。」
「あう・・・ばれない・・・かも。」
「ばれますよぉ、だって学割使うんですよね、生年月日ばっちり書いてますよ。」
「そうなの?」
「はい、学校紹介のパンフに学生証の例が載ってて、たしか生年月日も有りました。変わって無ければ今日貰う学生証には多分入ってると思います。」
「それよりそろそろ急ご! 初日から遅刻じゃシャレになんないし。」
「うわ、コンビニで時間食ったぁ。」
「大丈夫です。まだ集合まで30分、あと歩いて10分ですから。」
「教室の区分けも見なくちゃ。」
「そうよね、混むかなあ。」
「あれ? クラス分けはしおりと一緒に別紙で入ってましたよね。」
マリとリコは顔を見合わせた。
それを見たナツミが言う。
「急いで行きましょう。」
「ちなみにナツミちゃんは何クラス?」
「1のAです。」
「あ~ん、私走るの苦手ぇ・・・」
「ナツミちゃん・・・はあっ・・待って・・・」
「はひぃ・・・はひぃ・・・」
「し、小学生の体力に・・はあ・・まけそう・・・」
「さ、掲示板探さないと・・・あ、あれかな。行きましょう。」
「あ、あった私1-Aだ。」
「やった! マリ、私も1-Aだよ!! 奇跡だよ!!」
それをニコニコとナツミは見ていた。
「これで、同じクラスですね、宜しくです。」
「うん! 嬉しいよ。」
「あれ? と言う事はナツミちゃんも進学コースそれも理数系!!」
「はい、一応。」
「しかも、飛び級・・・サラブレットだよ、マリちゃん。」
「もし、良かったら勉強・・教えてね。」
「普通・・逆じゃないかと・・・でも、まっいっか。宜しくです!!」
なんとか、遅刻せずに教室を見つけた。
席は決まっており、机の上に名前が書いてあった。
「みなさん、こんにちわ。担任の続木です。皆さんは今日から高校生です。受験を勝ち抜きこの高校、このクラスに入った事おめでとう。これから、皆で大講堂に移動します。」
講堂には、すでに上級生や父兄たちが並んでいた。
入学式は粛々と進んで行き、卒業式を終えて上級生は帰途に、父兄たちはカンファレンスの為、講堂に残された。
「ふわ~、あとはホームルームやって終わりかぁ。」
「映画行くの時間的にきついよね、やっば来週にする?」
「んだね、そだ。ね、ナツミちゃん今日はどっか行くの?」
「はい、今日開店の行きつけのお店へ。」
「何屋さん?」
「九州にあったお店です。元は下着専門でしたが、姉妹店のゴスロリやドレスを扱っている店と統合して第3に開店するんです。以前お世話になった事もあって、招待状が来てまして。50%オフなんです。」
「あ!知ってる。でもあれって日曜日じゃなかった?確か店名が・・」
「ファミールだっけ?でも明日じゃなかった?」
「今日はプレオープンなんです。明日が正式オープンで30%オフだったと思います。」
二人の目が光る。
「ね、なつみちゃん。その招待状って、一人だけしか入れないの? 」
「いいえ、これを持っていれば何人でも・・・って、もしかして・・行きます?」
二人ともコクコクと頷く。
ナツミは少し不安だったが、ま、そのうちばれるだろうと、承諾した。
というのは、店舗からカタログの写真までミルクと二人で取った写真が使われてるからだ。
顔には修正がかかっているとは言うものの、本人と並べて見れば容易に分かってしまう。
「やったあ!! 50%引き!!」
「私、親にお金借りてく!!」
「さ、席について! ホームルームは自己紹介をして貰います。出身校、氏名、その他ですね。1名30秒ほどでね。はい、最初は赤城君から。」
「はい、常盤中学・・・・」
「はい、次ぎ。」
「はい。福岡南小学校出身、佐伯ナツミです。飛び級でここへ来ました。8歳です。まだ、子供ですが、みなさん宜しくお願いします。」
「あら、貴方がナツミさんね、勉強大変かもしれないけど、いつでも聞きにいらっしゃい。皆もサポートして上げるように。ガキの様な虐めとかしたら容赦なく吊るし上げるし、内申書に響くと思いなさい。意味の判らんガキはいる?」
一人の男子生徒が手を上げた。
「はい、柏。なんだ。」
「意味は解っています。別の事ですが、体育などは一緒に受けるのですよね、その点は問題ないのでしょうか。」
「ええ、学年でなくちゃんと年齢による補正成績で換算します。まあ、試験なんかは補正無いけど。でも、彼女、飛び級だけあって、学年トップなのよ、油断してると成績で負けるでしょうね。ただし、力仕事なんかは気を使ってあげるのが当たり前よ。わかった?」
「では、次ぎ。」
「私は、第3・・・・」
「はい、ではこれでホームルームを終わります。月曜日から授業が始まるから引き締めてね。あと、月曜日の一時間目は各委員を決めます。では解散。」
「リコ、ナツミちゃん。行こ。あ、親からお金かりなきゃ。」
「あたし、親が写真取るって・・ハズいなあ。」
「私もです。校門で待ってるとおもいますので、お店に行くのはそれからでいいですか?」
「そうね。それから行きましょ。」
「ナツミぃ~こっち、こっち。」
「あ、おまたせ。」
「さ、写真撮らせてね。」
「うん、ね、ミナミさん、この後仕事戻るんだよね。」
「ええそうよ。」
「お友達できたの。一緒に買い物に行って良い?」
「そうね、夕食に間に合うように帰ってきなさいね。」
「うん。ありがと。」
「でも、ほっとしたぁ・・・心配で。」
「あ、きたよ。お友達。」
「あ、始めまして。斎藤です。」
「高梨リコです。わあ、お母さん若い!!しかも綺麗!! うちのオカンと全然違う!!」
「あら、ありがとう。ウチのナツミご迷惑かけるかもしれませんが、宜しくお願いしますね。」
「とんでもない、実は初日からナツミちゃんにはこちらが助けられてます。」
「たしかに、二人とも入学のしおり忘れちゃって・・ナツミちゃんが居なかったら大変でした。感謝!!」
「あらあら、そうだ、買い物って一緒? 」
「うん、そだよ。」
「じゃ、これあげる。」
そういって、二通の招待状を出した。
「二人にあげて。」
「ミナミさん、私持ってるよ。」
「あら、50%引きは招待状の人だけよ。同行者は40%引き。よく読んでごらん。」
ナツミは慌てて招待状を見直すと、たしかに書いてある。ただし小さい字で。
「あれれ、ホントだ。よかったあ。ごめんね、二人とも。良く読んでなかった。」
「全然気にして無いよ、40%でも安いし。」
「うんうん、それにその招待状で50%・・うふふ。大人ランジェリーが私を待ってる!」
「リ、リコ、声大きい! ハズいよ。」
「う・・・」
「じゃ、行ってきます。」
「はい、三人とも気を付けてね。」
「は~い。」
「ね、ナツミちゃん。お母さんすっごく若いね。」
「もう27だったかな。」
「若くして結婚したんだ・・・」
「いえ、まだ未婚ですよ。私、養子ですから。」
「・・・ごめん・・」
「ああ、気にしないで下さい。よく有る話しじゃないですか。」
「・・ごめんね、そうだ。私達も名前呼び捨てにしてよ。もう友達なんだから。」
「そうそう、マリって呼び捨て、その代わり、ナツミちゃんもナツミって呼んで良い?」
「は、はい・・でもなんか憚られる様な気が・・・」
「じゃ、三人で居る時は呼び捨てで良いよね。」
「はい・・」
「ほらほら、そこはうんとかで良いのよ。」
「うん。じゃいこっか。」
「よし! レッツゴー!!」
三人は、リニア1駅の中央駅に着いた。
制服のせいか子供料金だったナツミが呼びとめられるというハプニングがあったが、無事店まで着いた。
「ほえ~、すっごい・・下着がいっぱい・・・。」
「なんか高そう・・・」
「大丈夫ですよ、普通の2倍くらいの価格帯ですから、同じレース使いとかだったら、そんなに値段かわりませんし。」
招待券を店員に見せ、店内に入ると顔見知りの店員がいた。
下着の撮影でも一緒に立ちあっていた人だ。
「あら、ナツミちゃん、久しぶり。撮影の時以来ね、少し身長伸びたでしょ。」
「あ、ご無沙汰してます。はい、あれから5センチ伸びました。」
「じゃ、採寸しなきゃね。お友達も一緒 ?」
「はい、宜しくお願いします。」
「ね、ナツミ。撮影って?」
「うん、以前ね、ここのモデルしたのお友達と一緒に。」
「はうをっ! なんとモデルとな。」
「そうよ、この子と一緒にミルクちゃんていう天使みたいな子と一緒にね。今回は、お顔再修正して、少し戻したの。お店のローティーンコーナーのPOPにもなってるわ、いや~あの二人の写真最高よ。」
「え?POP?」
「あら、聞いて無かったかしら。カタログとPOPね、ほら二人で窓際で手を繋いだシーン、あれ使わせて貰ったの。ついでに、シルエットにして、メーカーダグのロゴにもしてるわ。そうだ、今日は特別にサービス。お友達含めて何でも好きなの一人3着まで無料にしちゃう。」
「え、でも。」
「これでも店長なの。今日はナツミちゃんのお例も兼ねてね。」
「やったぁ~、持つべき物は友達!!」
「ありがとう、ナツミ。結局親から1000円しかお金貰えなかったよぉ。助かるう・・ナツミさまさま。」
「はい、記念にカタログあげる。」
ナツミは、ぱらぱとめくる、キッズの所になるとさすがにクロッチレスやオープンクロッチは無かったが、ワレメが多少見えるものはそのまま載っていた。性器が直接写ってしまっているものは弱いボカシが入っている。
「はう~」
「うわ~、綺麗・・・あ、ワレメちゃん見えてる。かわいい・・・」
「このカタログは有料ですのよ。原価もかかってますから、あと矢鱈に流通させないためにも。」
「ほんと、二人とも天使みたいだね、それにちっとも厭らしく無いよ。ナツミ、この子ミルクちゃんて言うの? ほんと天使みたいだね。」
「でも、ほらナツミの方が体のライン綺麗だよ。この丸いお尻なんてまるで大人顔負けだし・・・はうっ・・・」
ナツミは顔から火が出そうだった。
「あ、あの・・・買い物しません?」
「そ、そうだった。」
「ささ、イザ!!」
「お客さま、採寸致しますね、どうぞこちらへ。」
三人は、広めの試着室で順に計った。
「ナツミちゃん、ちゃんと胸も育ってますよ。あと少ししたらAAカップですね。」
「え、ほんと? 」
「ええ、ヒップも5センチも大きく、前回の下着もう合わないでしょ。」
「はい、最近ちょっときつい感じが。」
「下着はとっても大事なんですよ、特に育ち盛りは。あらら、お姉さん方もその下着合ってませんよ。それじゃ近々ヒップの形崩れますよ。それも四角に。」
サイズを書いたメモ書きをもってそれぞれの場所に散っていった。
リコとマリはミドルティーンコーナーへ、ナツミは今ではキッズコーナーからローティーンコーナーと名前を換えられたコーナーだ。
コーナーに行くと大きなPOPを見て驚いた。
ナツミとミルクのシルエットのPOPで、入り口が飾られ、壁には二人の写真が壁紙の様にあしらわれている。
いくつか選んで、会計しようとすると紙バックを下げた二人がローティーンコーナーに来た。
「うわ~、すごい。こんな過激なのもあるんだ。」
「リコさん、でもあっちにもあったでしょ。」
「うん、凄いのが。でもローティーンにもあるんだ。」
「お客さま、最近ではローティーンでも買われる方が多いんです。ほら、婚姻年齢が14になりましたでしょ、親権者の同意があれば12歳で婚姻なんてことも。ですから、このあたりの商品は名だたるメーカーを抑えて当社がシェアNO1なんです。」
「へえ~、でも12だと生理が来たかどうかっていう年齢だよね。ナツミはまだ・・・だよね・・・」
「うん、まだだよ。でも、半年前より5センチもヒップ大きくなった。胸も後少しでAAだって。」
「うん、ナツミ、ブラ買っちゃいなさいよ。体育の時着替えもあるしさ。」
「必要でしょうか。」
「そうですね、ならスポーツブラでしょうね、学校ならば。走ると乳首が擦れて痛い場合もあります。特に学校の体操着は着心地より耐久性のある生地を使ってますから。」
「じゃ、これ?」
「はい、これとこれも」
「え、こんなに?」
「体育の後は汗だくでしょ。週2回はあるから、最低3枚ぐらいないと回せ無いわ。」
リコは熱弁を振るった。
「試着、見せて貰って良い? 」
「え?一緒に?」
「うんうん、モデルさん、生で見たいよ、ねえマリ。」
「うん、是非。」
「・・・・おトイレでシート貼って来ます・・・」
股間にシートを貼ったナツミは、試着室に戻った。
二人は既に、試着室で待っていた。
「ささ、脱がしてあ・げ・る。」
「ええ? じ、自分で脱げますよぉ・・・」
「良いではないか、よいではないか・・・」
「リコ、オヤジ入ってるよぉ。あははっ。」
赤くなりながらも、ショーツを脱ぎセット物のショーツとブラを試着する。
鏡に写すとついポージングを取ってしまう。
「うわ~きれい・・・綺麗だよ!ナツミ。」
「うん、眼福、眼福。で、これも着て見て。」
そういって、オープンクロッチのショーツを取り出した。
「え゛・・・これですか・・・」
「カタログにものって無いじゃん、見せて(はあと)」
「初めて着るの?」
「いえ、持って・・じやなくって・・撮影の時にきましたけど・・・。
「「是非!!」」
「わかりました・・・はあ・・・」
ナツミは、両側が紐のローレグオープンクロッチを着け、椅子に座って当時と同じポージングをした。
股間に貼ったシートは急いで貼りつけたのか、陰唇の中まできっちり食い込んでおり、まるでワレメそのものだった。
二人に向かって、軽く両足を広げ、手は祈る様なポーズだ。
「・・・・ねえ、リコ・・・」
「・・・なに・・・」
「なんかイケナイもの見てる感じ・・・エッチな雰囲気で濡れてきそう・・・」
「うん、私・・・・もう濡れてる・・・とても8歳とは思えない色気・・・負けた。」
「あの・・もう良い?」
「う、うん。凄い綺麗だった。思わず抱きしめたくなったくらい。」
「私ってレズっ気あったのかなあ、すごいズキュンときたぁ・・・・はあ・・・すごく可愛くって、色っぽくて・・・うん、さすがプロ。」
「い、いやプロってほどじゃ・・・じゃ、帰ろっか。」
「うん、ナツミありがと。ここのお店のファンになっちゃった。」
「私も、ナツミのファンになっちゃった。」
「・・・ん???? 私の??」
二人は、ほくほく顔で店を後にした。
そのあとからナツミもついていく。
これから甘いものでも食べていこうとのことで、駅前のミセス・ドーナッツへと向かっている。
「ほら、ナッチこっち座って。」
「あら、向かい側の方がよく見えるのよ、ねっナッチ。」
「ナ・・ナッチ? 」
「そうそう、ナツミちゃんのニックネーム。呼び捨てよりその方がいいよね。」
「私たち、クラスは違うけど中学おんなじでクラブもおんなじだったの。チア部、全国大会じゃいいとこまで行ったのよ。」
「そっか、クラブねぇ・・・確か6月中までに決めるんでしたよね。」
「ねえ、ここの学校にもチア部あるらしいから、入らない? 」
「んー実は足の手術したの半年前なんです。それまでは2年ほど歩けなくって、運動系はちょっと自信が。」
「そっか、大変だったんだ。」
「じゃあさ、急がなくともいいんじゃない? しばらく様子を見てからで。」
「そうね、私たちはチアやってたけど、急じゃ厳しいか。足まだ運動するのは難しいの? 」
「いえ、完全に治ってます、走ることも好きですし、からだ動かすことも好きなんです。チアかあ、ちょっとやってみたいかも。」
ナツミは小動物のようにはむはむとドーナッツを食べている、その姿をリコはうっとり眺めていた。
「ホント、ナッチは何しても可愛いなぁ。」
「はいはい、子供ですから。」
「いや、子供にあの色気は無理でしょう。ねえ、マリの旦那。」
「誰が旦那よ。あんたはクマさんかい。」
「あはははっ、二人とも可笑しい、あはははっ」
「お、やっと笑った。でも、笑顔いいね。」
「ねね、アドレス交換しよ! ナッチは持ってる? 」
「うん、スマホなら。」
「うわ!最新型! いいなあ。私なんかまだ折り畳みだよ今時。」
「私もだよ、しかも型遅れ。」
「でも、電話とメールならそっちの方が反応いいですよ。スマホは時々イラッとすることありますから。」
「マリは去年トイレに落っことしたんでしょ。」
「そう、で前の携帯残っててさ、幸いSIM生きてたからつかえたの。えーん、半月でスマホがパアだよ。」
「ご愁傷様。ね、ドーナッツもう一つ食べない? ナッチおごるよ。」
「いえ、後3時間ほどで夕食だし、やめときます。」
「そうだ、食べなきゃ大きくなんないぞ。それとも甘いの苦手とか。」
「そんなことないですよ。ただ、最近体動かしてなかったから・・ドーナッツってカロリーがね?」
「やばっ! そういや私受験で3キロ太ったぁ。」
「私2キロ・・・」
「このフレンチクルーラーって160キロカロリー以下ですよ。」
「え? そうなの、このオールドフッアションは?」
「抹茶チョコは確か300以上ありますね、2個で600は優に超えてます。そのシェイクも200以上ありますから、合計850以上あるかと。」
「げげっ! 私これで夕食食べたら完全にカロリーオーバーだよ。」
「わっ・・私も、うう・・・走るっきゃないか。」
「甘いもの欲しいときは、重さで選ぶといいですよ。」
「ナッチ、これからも助けてね。」
「でも、クラブ始まったらカロリー消費しますしね。数日で帳尻合わせれば大丈夫かと。」
「ナッチよく太らなかったね。」
「上半身で動くのって意外とカロリー要るんです。あと、もともと食は細い方でしたから、最近ですよ、食べだしたの。」
「詳しいね~ナッチ」
「そんなことないですよ、ネットにほら。」
そういってスマホを見せた。
「が~ん、私さっき食べたチョコファション307キロカロリーもあるよぉ・・・」
「筋肉の量を増やせば代謝率上がりますから」
「ナッチはどうしてたの?」
「はい、自転車とか足のリハビリでかなり動かしましたから。」
「でも足細いよね。」
「はい、ただ筋肉付けるだけじゃダメらしいです。自転車もママチャリじゃなくて、ビンディンクついたものですし。」
「うわー本格的、ウチのお兄ちゃん乗ってるよ、なんか車より高いって。」
「私が乗ってるのはそんなに高いものじゃないですけど、ミナミさんが乗ってたんです。大学の自転車部にいたらしくて、最初は子供用に毛が生えた程度だったんですけど、すぐに新しいの買ってくれて。」
「何乗ってるの? 」
「パナソニックのクロモリ、て解かります? フレームオーダーできるのそこぐらいしかなくて。」
「走るときはどのぐらい走るの? 」
「最初のころは20キロから30キロぐらいでしたけど、最近だと60キロから80キロぐらいかな。あ、この前ミナミさんと120キロのセミロング走ってきました。ちょっと最後はお尻痛くなったけど。楽しかったなあ。途中でいろんなもの食べたし。」
「そのぐらい走ると、どのぐらいカロリー消費するんだろ」
「普通の人で7000キロカロリーぐらいですね。さんざん食べたのに帰ってきたら1キロ痩せてました。」
「ママチャリで走ろうかな私も。」
「やめといた方がいいです、楽しくないし、ギア選べないから足太くなっちゃいますよ。低いギアで回転で回すんです。」
「確か自転車部もあったよね」
「そうね、ナッチそれも良いかも。」
「女子って居るのかな。」
「確か1個上の先輩がやってるって聞いた。少ないかもしれないけど。」
「もし、自転車部なら入ってみたいです。」
「さて、そろそお開きにする?」
「そうね、じゃまた来週ね。ナッチ今日はありがと。お陰でいい買い物できたわ。」
「そだね、私なんかタダで3着も。いやーナッチと友達でよかったよ。」
「私も今日は楽しかった。ありがとう。」
「ね、マリ、ナッチお持ち帰りしていい?」
「ダメ、私が先。」
「あ、あの~。そろそろリニアの時間ですよ。」
「うげっ・・・ほんとだ。じゃまたね。」
まだ朝靄の中、ナツミは静に玄関から自転車を出した。
前輪と後輪をクイックリリースを締め上げ取りつける。
出かけることは、昨日にミナミに伝えてあり、10時ころまでには帰ってくるつもりだ。
エレベーターで、1Fホールに下り右足のビンディングをカキッと填める。
ナツミはまだ朝靄の中、走り出した。
最初は、ゆっくりと体をなじませ、だんだんとケイデンスをあげて行く。
今日は近所にある公園の散策路だが、ここはちょっとした丘になっており、老人や子供の散策も少ない。もちろん自動車は下のパーキングから上れないようになっている。
1週約4キロで、最後に急な下り坂でパーキングエリアに戻れた。
駐車場には1台の車も無く、そのまま3.8キロの緩い上り坂へと入って行く、軽いダンシングで車体を揺らし、フレームのしなりを利用してどんどんと上って行った。
頂上にはちょっとした広場と東屋があり休息も取れる。
ナツミは、自転車に乗るようになってその面白さに傾倒し初めていた。
ぴったりとしたビブショーツ、サイクルジャージに身をつつみ、足はビンディングで固められている。もちろん、グローブとヘルメットは必須だ。
今日は、先週交換したばかりのホイールとタイヤの慣らしだ。
「うん、気持ち良い朝! さて、今日は何分で回れるかな。」
ナツミはタイヤの感触を確かめながら、下り坂へと入って行く。
再度上り坂へ入った時、一台の自転車を見つけた。
フルカーボンのフレームにカンパの軽量ホイール、決して派手ではないがきちんとウェアで纏められたヘルメットから長い髪がなびいていた。
女性のロードは少なく無いが、きちんとウェアで纏めている人はそう多く無い。
ナツミは、軽くダンシングすると彼女の後ろに付いた。
「おはようございます。」
「ハイ、おはよう。」
「後ろ付かせて貰って良いですか?」
「ええ、いいわよ」
彼女はシッティングのまま低ギアで上って行く。
ナツミも同様にシッティングのまま、ギアを一段落とした。
こんな場合は、大体一周ごとに先頭を交代することがセオリーだが、それは同じ技量・脚力をもった者同士の場合だ。
ナツミは、彼女は体を温めているのかと思ったら、結構きつそうだ。
「前、出ます」
ナツミは一声かけると、数回のダンシングで前に出る。
彼女を引くように速度を調整し、頂上へと上った。
ナツミは自転車を止め、彼女を待った。
「はあ、はあ・・こんにちわ・・・ふう。」
「はい、ここは良くこられるんですか?」
「ええ、たまに。あら貴方小学ぐらい。」
「はい、まだこれに乗り出して3ヶ月ぐらいの初心者ですけど。」
「それにしては綺麗なダンシングね、誰かに習ってるの?」
「はい、母に。以前やってたらしくて教えて貰ってます。」
「へえ、そうなんだ。私は高校で自転車部にいるのとは言っても私も1年弱の初心者なの。」
「今日はシッティングの練習ですか?」
「ええ、そんなとこ。よかったら、一緒に走らない? 」
「はい、でもペースは合わないかもしれませんが、その時はかまわず置いて行ってください。」
「じゃ、一周おきに先頭に先頭交代でいい?」
二人は、走り出した。
最初は、ナツミが引いた。
上り坂で、最初はシッティングで上りきり、下り坂でローテーションする。
彼女が今度は先頭で引いて行く。
ピッタリ30センチほどを空けて、その後ろに付きドラフティングに入るが、時速20キロ程度では、ほとんど効果はなかった。
頂上で、再度ローテーションし、下り坂を過ぎ上りに入り、大きくダンシングを始めた。
左右に大きく車体を振り、フレームのしなりを鞭のように使い上って行く、この走り方は佐伯から教えられたものだ。そのため、フレームの強度もナツミに併せられていた。
クイックイックイッ、リズミカルに振りながら登っていく、お尻の下ではサドルが大きく左右にに揺れているが、お尻自体はまったく左右に動いていない。
登りきると、彼女は完全に遅れていた。
一度自転車を止め、彼女を待つ。
上り坂では、体重の軽いほうが有利なのだ。
「はふっ・・降参・・・すごいね。綺麗なダンシングだった。ホントに3ヶ月?」
「はい、そうです。」
「もしかして、ジュニアの大会とかで出る? 」
「いえ、レースはまだ。」
「平地は得意?」
「いつもは平地ですね、母とよくドラフティングしながら走ってます。」
「平均速度は?」
「軽く流して40から45ぐらいですね。1時間ぐらいなら平均50弱でしょうか。」
「何そのレーススピード。はあ、こんなところにサラブレットか。」
「そんなことないですよ、母も言ってましたけど、レースじゃ50軽く越えるって。」
「それ、国体か国際レースだよ。」
「ね、あの綺麗なダンシングコツ教えてくれない?」
「コツといっても・・そうですね、ダンシングで良く使う筋肉は二の腕なんです。ここの筋力が無いとヨレヨレになっちゃいますね。私はもともとここの筋肉があったお蔭でやりやすかったんです。」
「あーやっぱり、腕の筋力か・・・ちょっと二の腕さわってみていい?」
「あ、はい。」
彼女はナツミの二の腕を触った。
「うわ、ホントだ、ちゃんと筋肉付いてる。」
「最近は特にトレーニングはしてませんけどね。」
「ね、よかったら今度たまに一緒に走らない? 女の子少ないのよ。」
「ええ、いいですよ。土曜日は結構ここ来るんです。」
「お家はどこのあたり?」
ナツミは引っ越したばかりのビルの場所を話した。
「あら、私の帰り道ね。今日は?」
「はい、10時ころには上がろうかと。」
「今日は部活お休みだからいつもは日曜日の方がいいかな。」
「はい、天気悪くなきゃ朝はいつもここ来てますので。」
「じゃ、あと5本ほど回ったら上がりましょうか。後ろつかせてもらっていい?」
「はい、じゃペース合わせますね。」
それから5週ほど回って帰途についた。
平均30キロほどで町中を流すと、ナツミの家についた。
「じゃ、私はこれで。」
「はい、また来週にでも。・・・あれ? 前輪パンクしてません?」
「ありゃ、やっぱり持たなかったか・・・今朝エア入れたんだけどバルブが具合悪かったのよ。」
「換えのチューブ貸しますか・・てそれチューブラーですね」
「うん、もうトレッドも交換時期だし。」
「ホイールごとお貸しします? クリンチャーでよげれば。」
「うん、良かったらお願い。」
ナツミは、一度部屋へ戻ると、予備用にしていたクリンチャータイヤをホイールごと貸した。
「助かるわ、いえに帰れば新しく組んだのあるから、持ってくるね。それまでホイール預かっててもらっていい?30分ぐらいで戻るから」
「今日は出かけないので、ゆっくりでいいですよ。」
「ありがと。あ、そう言えばまだ名前いってなかったね、私、桜の宮高校2年、湯川サユリ。宜しくね。」
「あ、私、同じく1年の佐伯ナツミです。」
「え、もしかして飛び級で入った美少女っ・・て、ナツミちゃん?」
「ええ、美少女かどうかはわかりませんが、1学年では飛び級は私だけですね。」
「ね、ホイール返すとき少し時間もらっていい?」
「はい、いいですけど。」
「じゃ、すぐ戻ってくるから待っててね。」
サユリは、手早く前輪を換えると走って行った。
ナツミはホイールを持って家に戻り、既に起きて食事の準備をしていたミナミに来客がある事を次げた。
「じゃ、ブランチ一丁追加ね。私も来週から朝一緒に走ろうかな。」
そう言って、少し弛んだお腹の肉を掴んだ。
ホールの呼び出しが鳴り、インタホンにナツミが出た。
『あ、湯川です。』
「ナツミです、今玄関開けますね、14階の1403が家です。」
『はい、ありがと。』
「お邪魔します。」
「あら、ナツミの母です。いらっしゃい。」
「いえ、ナツミちゃんにホイール貸して貰えて助かりました。」
「いえいえ、お互いさまですから。」
「あの、お母さんも乗られてると。」
「ええ、大学のころちょっと乗ってまして。」
「・・佐伯???? あの・・・もしかして佐伯ミナミさん?」
「ええ、そうですけど。」
「・・・うわ、本物だ・・・ピンクの悪魔・・・」
「うふふ、懐かしい呼び名ですね、すでに8年以上の前ですよ、覚えている人なんかいたんだ。」
「ミナミさん、ピンクの悪魔って? 」
「ほら、大学の時にロードレースに出てたの、4年ほどかな。私もともとマクライマーなの。」
「4年間、坂では誰も寄付けず、最後の年に伝説の15人抜き、後ろからピンク色のフレームで歯をむき出して迫り来る恐怖。私ビデオで見ました。」
「うっ・・・できればビデオは封印して欲しいかな。なりふりかまわずの姿だし。」
「ふう~ん、ミナミさんそうだったんだ。」
「いやだわ、昔の話しよ。そうだ、朝ご飯まだでしょ、食べて行きなさいね。」
「いえ、あ、あの・・どうも。」
「学生が遠慮したってカッコ付かないわよ。せっかく用意したんだから。」
サユリは恐縮していた。
「でも、こんな大きなお子さんいらっしゃったんですね。」
「うふふ、可愛いでしょ。私の自慢なのよ。」
「同じ高校なんですって?」
「はい、2年です。自転車部に入ってます。女子は私一人ですが・・・」
「あらら、大変ね。」
「で、今日はナツミちゃんを口説きに・・・」
「????口説く??」
「あ、いや、もし良かったら自転車部に入ってくれないかと。」
「ナツミちゃん、もし入るのなら私もサポートするわよ。」
「え、いいの?」
「もちろんよ」
サユリはパンを咥えたまま万歳をしている。
「ありがとう・・ナツミちゃん。私一人じゃ寂しくって・・」
「あ、はい。宜しくお願いします先輩。」
「うん、こちらこそ宜しくね。」
「そうと決まったら、ナツミちゃん自転車アップグレードしないとね。」
「え、だって先日クリンチャーからチューブレスに換えたばっかりだよ。」
「レースではいろいろと必要なの、マビックのホイールあるからそれにチューブラ組んで、この際、メカも電動デュラにしちゃおう。」
「ミ・・・ミナミさん・・それで遅かったらかっこ悪いよぉ。」
「早くなればいいのよ。」
そう言って、にやりと笑った。
「・・・」
サユリは心の中で《ピンクの悪魔・・・》と思っていた。
タブレットで嬉々として、パーツや工具を発注していた。
「ふう、すみません、朝ごはんまでご馳走になってしまって。ご馳走さまでした。」
「お粗末さま。」
「ナツミちゃんのフレームってパナのクロモリですよね、いいなあ。」
「実は、この子に合わせた特注なのよ、ステム交換なんかで身長150までは大丈夫よ。」
「そう言えば、あの壁にかかってるフレームはお母さんのです?」
「ええ、私の。さすがにこの年になるとクロモリは硬くって、カーボンに乗り換えたの数年前。どちらかと言うとロング向きね。」
「すごい・・・電動デュラだよ・・・」
「でも、練習はほとんどクリンチャーかチューブレスでしょ。今日はチューブラーだったの?」
「はい、近場はチューブラーにしてます、感覚が違うんで。」
「走りのタイプは?」
「ルーラーです、でも一人しかいなかったんでパンチャー目指してるんです。でもナツミちゃんの走り完全にパンチャーですよね。これで私がルーラーに徹すればもしかしたらと。」
「そうね、どちらかと言うとクライマーよりのパンチャーね、二人組ならいいところまで行けるかも。でもあと理想形は3人欲しいわね。」
「おっしゃる通りです、あとルーラー二人、スプリンター一人ですね。」
「でも女子部員は二人。男子は何人かいるの?」
「はい、6人ほど。内3人は1年、2年が一人、3年が2人ですが、6月には引退しますし。実質4人ですね。」
「ありゃりゃ、監督さんも大変だわ。」
「監督は、私にも良く気を使ってくれますし、感謝してます。」
「練習なんかは合同で?」
「はい、部室は男子が使ってますが、チア部の部室を借りて着替えてます。」
「じゃ、そろそろご馳走さまでした。ナツミちゃんまた月曜日にね」
「はい、入部届けはどうすればいいですか?」
「月曜日に授業終わったら、迎えに行くわ。そうそう、自転車部だけは距離に関係なく自転車通学オーケーなの、乗って来てね。一応着替えも。」
「はい。」
月曜日
「おはよう・・ナッチ。」
「あ、おはようマリさん、リコさん。」
「今日からクラブの見学だよね、チアに行ってみる? 」
「あ、それなんですが、自転車部に決めました。」
「ええっ! 決めちゃったの?」
「あ~ん、ナッチのチア姿見たかったのにぃ~。スコートから翻るブルマ見たかったのにぃ~」
「ご、こめんなさい。」
「でも仕方ないわよ、せっかくの高校生活、好きな事しなきゃ」
「そうだね、応援するからね。」
放課後、ナツミはが教室でまっているとサユリが顔を出した。
「ナツミちゃん、迎えに来たよ。自転車もって行こうか。」
「はい、あれもう着替えたんですか?」
「いや~待ちきれなくって、家からビブショーツの上に制服着て来ちゃった。」
「蒸れません? 」
「もう、蒸れ蒸れって・・あん恥ずかしい。」
「顧問の先生が乗って来たなら、軽く走ってみろって。着替えて行こう!」
「はい。」
チア部の部室は、体育館の中にあった。
「こんちわ~」
サユリは堂々と入って行く。
「あ、サユリ。その子?自転車部に入るって。」
「そ、今期待の新人、そしてロリ美少女の佐伯ナツミちゃん。」
「あう・・・ナツミです。」
「まあ、そんなに固くなりなさんなって。サユリ、あのロッカー空いてるから使ってもらっていいよ。」
「さんきゅ。助かる。あ、こっちはチア部の部長で麻尾メグミ。」
「宜しくお願いします。」
「じゃ、着替えていこっか。あ、ビブショーツの下は無し?ショーツ?」
「いつもは無しですが、50キロ以上走るときはパッチシート使ってます。」
「じゃ、今日はパッチか・・・60キロぐらい走るから。」
「おトイレで、パッチ貼ってきます・・・」
ナツミはバックを抱えトイレに向かった。
「可愛い子だけど、大丈夫なの? 自転車って結構体力いるでしょ。」
「そうね、でも私より早いよ。上り坂じゃ一回も勝てなかったよ。」
「たしか、8歳だっけ。無理させちゃだめよ、体できるのこれからなんだから。」
「うん、わかってる。顧問にも釘刺された。」
「じゃ、これでいいかな。」
ナツミは、既にビブショーツを身に着け、サイクルジャージをバックから出した。
「うん、オーケーだよ。自転車は?」
「あ、体育館の中の壁に。」
「あ、あそこね、いいわ。」
二人は、自転車部の部室に向かった。
「おう、サユリ。この子が新人? かわいいな~。」
「うすっ! 」
「あ、コイツが部長の斎藤。」
「コイツは無いよね、よろしく斎藤だ。ようこそ、自転車部へ。ああ、自転車部の花とつぼみが・・・」
「なに馬鹿いってんの。」
「先輩、そのこ、例の?」
「ええ、そうよ。多分アンタより早いよ。」
「いや、おれっちは先輩のお尻眺めて走るのが趣味なんで。」
「なら、チギられないように付いてくることね。なら、眺めるぐらいなら許す。」
「げっ、きっついなあ。」
「みんなそろったかぁ。」
そこへ顧問の先生が入ってきた。
年の頃、50ほどだが、ちゃんとビンディングシューズを着けている。
「よし、今年の新入生は豊富だな。今日は足慣らしだ。湯川、佐伯の面倒を見ろ。あとは先輩について走ってこい、交通法規は厳守だ。俺は最後から回る。とと、自己紹介忘れてた。」
そう言って、先生含め自己紹介した。
「佐伯、お前ミナミの娘だって?」
「はい。」
「何時産んだんだ、てか、何時結婚したんだろ。」
「母をご存知で?」
「ああ、大学で自転車部のコーチやってたたんだ。その時の医学部の生徒でな。ヒルクライム寄りのパンチャーで、歯むき出して追いかけてくるから付いたあだ名がピンクの悪魔。でも8歳だっけ?ほんと何時産んだんだ。そのころ、ずっとレース漬けだったけど。」
「あの、・・養子なんです。私。」
「ああ、そう言うことかこりゃすまん。」
「いえ、かまいませんけど・・母・・そんなに有名だったんですか?」
「ああ、実際一度噛み付いて失格になったんだ。あきれたよ。ホントに噛み付くか? 普通。」
「そんなことあったんたんですか。」
「ああ、何でもミナミに暴言吐いたやつが居てな、きついレースでチームとしてのミナミの役目は終わってたんだわ。登りで15人ごぼう抜きにしてトップの尻に文字通り噛み付いた。ガブリとな。ばっちり放映もされてたんで、走行妨害で失格。噛み付いてなきゃ優勝だったのにな。それからのレースというもの坂はあいつの独断場。歯カチカチ言わせて追いかけてくるから付いたあだ名がピンクの悪魔。わはははっ。」
「悪魔はわかりますけど、ピンク?」
「ああ、当時乗ってたフレームがショッキングピンクでな。まだ乗ってんのか?」
「はい、だいたい毎週一緒に。」
「よし、走れ。湯川、引っぱれ。佐伯、湯川がバテたらかまわず走れ。男子部員も抜いて良いぞ。ただし無茶はするな。絶対だ。」
「はい。」
ナツミは、メグミに付いて走り出した。
30分ほど走ると、上り坂となりナツミはメグミを引きながらダンシングで駆け登っていく。
風が気持ち良く、どんどんと心は高揚する。
走る事がこんなに楽しいなんて。いまさらのようにそう感じていた。
男子の最後尾を走る1年が見えてくる。
前傾を深め、自転車を大きく振り、ペースをさらに上げた。
1年を引っぱっていた2年が気づき、ダンシングに入った。
しかし、既にトップスピードの乗りつつあったナツミはアウトサイドから抜き去る。
「くっそ・・・なんて早いんだ・・・ウソだろ?」
そんな声が聞こえた。
そのままペースを上げて走ると、トップを流していた部長が見えた。
緩い下り坂でドラフティングに入り、足を休ませる。
部長の「引け」のサインが見えると、数回のダンシングで前に出て引く。
ミナミと散々走った方法で馴れた物だ。
ペースを45キロに保ち、交代で引き合う。
部長がすっと前に出て、停車のサインを出した。
「いや、早いね~。ここで皆が来るまで小休止だよ。」
「ふうっ・・はあ・・はい。」
「大丈夫?」
「はい、このペースだとあと2時間ぐらいは。」
「ははっ、そりゃ凄い。」
「母はもっと引きますね、いつもチギられちゃいます。」
「そりゃすごいな。インタハイ並か。いくつ?」
「27だったと。」
「まだ走れる年だね、女子は選手年齢長いから。」
「今度一緒にクリテリ出るんです。」
「ああ、来月だっけ?」
「はい。」
「ナツミちゃんいくつ?」
「8歳です。」
「じゃ、キッズクラスか。もったいないな、それだけ走れりゃ女子オープンでも良いとこ行くかも。」
「あれって、私の場合、年齢でしょうか、それとも高校生枠なんでしょうか。」
「多分どっちでも出れる。女子は混走だからね。」
「学校では出ないんですか?」
「わかんね、まだ顧問スケジュールの指示ないしね。でも、いつもは出てるから今年も出るんじゃね?」
暫くすると2年たちが、少し遅れてメグミが着いた。
「だぁ~・・やっぱ早いわ、ナツミちゃん。」
「メグミ、1年は?」
「顧問が引っぱってる。一人ばてちゃってさ。」
「ま、毎年の事だな。」
暫くして1年と顧問が着いた。
「よし、みんなそろったな。今年もクリテリ出るぞ。クリテリだがレース形式で行う。選考は1週間前。みな、それぞれの仕事に向けて練習しろ。3年がスプリンター、ルーラーが2年、1年はレースに馴れる為に好きに走れ。女子、佐伯出てみるか?」
「はい。」
「じゃ、パンチャーだ、湯川はルーラーで引っぱってやれ、換えても良いがそこは湯川に任せる。佐伯はキッズやジュニアのレベルは超えてる、そのままオープンに出ろ。」
「はい。」
「よし、帰りはフリーだ。事故は厳禁。交通違反は退部だ。」
1年はまだへばっていた。
「ナツミちゃん、一緒に走ろ。今日は軽く流すはずなのになあ・・・顧問えらく張り切っちゃって。」
「ほれ、1年、行くぞ~、自分のペースで走れ~。」
部長がへばっている1年に声をかけた。
「はあ、先ずは基礎体力だな。」
「斎藤、俺たちだってそうだったんだからさ、ま、無理せず行こうぜ。」
2年の一人が声をかけた。
「でも、顧問本気だぜ。ああ、しんど。」
「別に3年の花道レースじゃん。気楽でいいや。」
「まあね。湯川、ナツミちゃん怪我させんなよ。」
「わかってるよ、と言うより私の方が引っぱられる・・きっと。」
「だな~、ナツミちゃんコイツ頼むわ。てか、普通逆でね?」
「母も出ますから、本気で行こうかと。」
「ナツミちゃんの今日の本気度ってどのくらい? 」
「ほぼ、半分くらい、一部80%かな?」
全員ががっくりしていた。
ミナミと走ってる時の80%程度なのだ。
「じゃ、男子。ローテーションで、ローペースに併せろよ。女子もまざるか?」
「そうね、一緒に。1年男子に合わせましょ。」
「じゃ行くぞ~、ローテの練習だから25キロ維持な~」
帰りは、ゆっくりとしたものだった。
へばっていた1年男子もなんとか付いて来る。
「じゃ今日は練習終わり、金曜まで自己錬な。解散。」
「「「お疲れさまでした。」」」
「ナツミちゃん、チア部行こ。シャワー浴びよ。」
「は~い。」
体育館に入ると、まだ誰も居なかった。
「ナツミちゃん、マッサージしてあげるからベンチに横になって。」
「え、大丈夫ですけど。」
「代わりに私にもして欲しいのよ。いままで女の子いなかったし。」
「あ、じゃ私が先にして上げます。母といつもしてますから。」
「そう? じゃお願い。」
ナツミはバックからマッサージオイルを取ると、メグミに言った。
「じゃ、ビブショーツ脱いでくださいね。」
「え、このままじゃなくて?」
「マッサージですよね、普通脱ぎません? ウェア油だらけで洗濯大変ですよ。」
「わ、わたし・・この下すっぽんぽんなんだけど。」
「じゃ、ショーツ穿きます?」
「う、ま、女の子同士だしいいか・・・あんまり見ないでね。」
「見慣れてますから。」
ナツミは、メグミの股間にタオルを乗せただけで、ふくらはぎ、太ももと乳酸を追い出すようにマッサージしていく。
メグミの淡い陰りと陰裂が見えるがそのギリギリの足の付け根までマッサージした。
「はう・・じょうず・・・」
「はい、終わりましたよ。」
「いや~足軽くなった!! 同じようにすればいい?」
「はい、一人でも有る程度はできますが、太ももの裏は一人じゃ難しいんです。」
「じゃ、脱いで。」
ナツミは、ビブショーツを脱ぎ、ベンチに横になった。
「そっか、パッチつけてるんだっけ。」
「はい、シャワーの時取りますけど。」
「なんだ、残念。」
「はい?」
「いや、ナツミちゃんの可愛いワレメちゃんが見れると思ってさ。」
「え? そっち系?」
「いや、私はズーレーじゃないわよ。でも可愛いのって良いじゃない。」
「あの・・・マッサージいいです・・・」
「じ、冗談よ・・はぁ・・」
ナツミはわかっていた、この目は本気だと。
同時に以外にレズって多いのかと考えた。
「こんな感じでいいの?」
「はい、もっと強くです。」
「こう・・・きゃ!」
メグミの手が滑り、ナツミに体ごと覆いかぶさった。
ちょうど、ナツミのお尻に顔を埋めた姿勢になってしまった。
その時、間が悪く、チア部が帰ってくる。
「はあ・・疲れ・・・・・レズぅ!!」
「ちょ、これは手が滑ったのよ。」
大きな声でチア部の部長もやってきた。
「メグミ、部員手篭めにしちゃダメよ。しかもロリはヤバいって。」
「いゃ~、違うぅぅ~!!」
ナツミも加わって説明しやっと理解して貰えた。
「いや~てっきり、レズかと思った。」
「なつみちゃん、その貼りついてるの何?」
「あ、ごめんなさい丸出しで。これウェアと擦れないためのパッチなんです。」
「初めてみたわ。そうなんだ。」
「ひどい時は瘡蓋になっちゃいますから、そう言えば先輩、使わないんですか、赤くなってましたよ。」
「う、うん、使った事なくて・・ナツミちゃん教えて。」
「はい、良いですけど。二人の時の方がいいと思います。」
「あ、うん。そうよね、丸出しにしないと・・きゃ~ハズいぃぃ」
「ナツミちゃん、この馬鹿ほっといてシャワー浴びて来な、後少ししたら私らも使うから。」
「はい。」
ナツミは、タオルやソープを持ってシャワー室へ消えた。
「ちょ、メグミ。ホントに襲ってないの?」
「なんで、ロリ襲わなきゃなんないのよ、マッサージしてただけだってば、まあ、ちょっと手か滑ってね。」
「で、本音は?」
「やわっこくて、ぽよんとして・・・・・なに言わせんのよ。」
「ウチにもいるのよ、マジレズ。」
「マジで?」
「ええ、この前なんか部室のシャワーで・・厭らしい道具で・・もう、二人っきりでヤレッて、怒ったけど。」
「やっぱりいるんだ。」
「あなたも気をつけなさいね、いくら可愛いといっても8歳じゃ犯罪よ。」
「手が滑っただけだってば。」
「はいはい。」
「あ、ナッチ戻ってたんだ。ああん・・シャンプーの良い匂い。抱っこして良い?」
「リ、リコさん? 抱っこしてから言わないでください。」
後ろから、ナツミは抱きしめられた。
「止めなさいってば、リコ。」
「だって、マリ、ちょっと髪が濡れれて可愛いんだもん。あれ?今日は普通のショーツ?」
「んもう・・、今日は子供パンツですよぉ~だ。」
「・・きゃ~~、この子かわいい!! お持ち帰りしていい?」
「ぶ・・部長が壊れた・・・」
「ダメ、ナツミちゃんは自転車部のホープなの。」
金曜日の朝、ミナミから新しい自転車について話しが有った、なんでも決戦仕様のマシンらしい。
「と言うことで、頼んじゃいました~」
「って、もったいないですよ、今のだって十分走れますし。」
「いいのいいの、私の楽しみでもあるんだから、まあ、来月のクリテリ用の自分の頼むついでだったし。昔の伝手で最新のフルカーボン頼んだのよ、ついでに、ナツミちゃんのも。色もおそろいよ。」
「・・え゛・・・ショッキングピンク・・・?」
「あら~良く知ってるわね。綺麗よ~パール塗装だし、ホイールはマビックのフルカーボンよ。ついでにTTマシンも頼んじゃった。合計四台。ホイールは8セットよ、」
ナツミは眩暈がした。
こんな仕様で遅かったらシャレにならない。絶対笑い者だ。
「あ、・・あの・・レースだけど今ので出ちゃダメ?」
「うん、コーチじゃなくって、顧問?いやー話し弾んじゃってさ、もちろん了解済だよ。さすがにレギュレーションでTTマシンは使えないけど。」
ああ、終わった・・あのショッキングピンクでレース・・・気が重い・・。
もしかしてピンクの悪魔って・・・やっぱり悪魔だわ。
「さ、私も暫くぶりでトレーニングするぞぅ。」
「ナツミさん、無理しないでね。噛み付いちゃダメだかんね。お願いだかんね。」
「やあねえ、噛み付いたのは一度だけよぉ。なにの悪魔って酷く無い?」
「・・・ノーコメントで・・・」
~金曜日~
「どうしたのナッチ元気ないじゃない。」
「あ、うん、ちょっとね。」
「相談乗るよ。あ、女の子の日?」
「まだ来てません。あのね、母が・・・レースに一緒に・・・出るって・・」
「あら、べつに良いじゃない。親孝行よ。」
「・・・だって、おそろいのカラーでさ・・それもショッキングピンクだよぉ。」
「・・・すごい色ね・・・・」
「しかも、プロが使うような車体で・・・これで遅かったら・・・笑いものだよぉ・・・しくしく。」
「はいはい、でもナッチすごく早いって聞いたよ。勝てば良いじゃん。」
「そんな簡単に勝てるほどレースって甘く無いし・・・」
「大丈夫だよ、よし、私達も応援に行くから。元気だして。」
「・・うん・・」
午後になって急に天気が曇ってきた。
こうなると屋外のトレーニングは安全のため中止になる。
放課後、ついに雨は本降りとなった。
「ナッチ、雨だね。」
「うん。」
「トレーニングってこんなときどうするの?」
「筋力トレかローラーかな。でも一台しか無いから。」
「ナツミちゃん、今日はお休みしよう。」
そこへ湯川がやってきた。
「あ、はい。でもローラーとか筋トレとかしないんですか。」
「まあ、ローラー台1台しか無いからね、取りあいなのよ。こんな日はお休み。」
「はい、わかりました。」
「今朝は自転車持ってきたんでしょ。」
「はい、部室にいれてあります。」
「そっか、明日晴れたら取りに来ればいいし。」
その日は、そのまま帰り自宅で筋トレで済ませた。
土曜日、前日がウソのように晴れ、ナツミは学校へ出かけた。
着替えのためチア部の部室にはいる。
「あ、ナッチおはよう。」
「リコさんおはよ。あれ? マリさんは?」
「マリは女の子の日、今日練習休みだって。」
「今日も走るの?」
「うん、帰りがてら軽く。」
「応援してるよ。」
「ありがと。」
ナツミはシャワー室に入り、服とショーツを脱いでビブショーツを着る。
今日は午後までに帰るつもりなので、パッチは貼らない。
背中には、リュックを背負っているからだ。
「あ、ナッチ雨だよ!!」
「ええ!せっかく着替えたのにぃ!! しかも傘もってきてないし。あう。」
「にわか雨だと思うから、大丈夫だよ。それよりほら、自転車部もだれも来て無いみたいだよ。」
「あ~ホントだ。今日休もっかな。」
「ね、ならチア部の練習見てか無い?」
「私服だし大丈夫かな。」
「大丈夫。」
ナツミは、体育館の片みに座った。
暫くするとチア部が集まって来て練習を始める。
普段の練習は体操着やショートパンツなどまちまちだ。
本番が近くなればユニフォームで練習するらしい。
「ナツミちゃん居る~?」
「あ、湯川先輩、こっちです。」
「いや~、自転車取りに着たら降られちゃってさ。びっしょり・・・へっくしょい!!」
「風邪引きますよ、帰りません? 」
「だね、ああこんななら寝てたら良かったよぉ・・・」
「うふふっ。そうですね。ローラーなら空いてますよ。」
「あれつまんないもん。ナツミちゃんはローラーとか持ってるの? 」
「はい、先週届きました。なんかローラー前後に動くヤツのですね。」
「ほえ~、高いやつじゃん。それなら乗ってみたいな。」
「どうせ濡れてますし、乗って帰ります?」
「ローラー乗せてくれる?」
「はい、でも期待ほどじゃ無いですよ。まあ、ダンシングはしやすいですけど。」
「おけおけ、行こう。」
「リコさぁん、私達帰るねぇ。」
「おつかれぇ~」
ハイキックしながらリコが応えた。
多少小降りになったと言っても春の雨は体を冷やした。
「いま、お風呂いれてますから。」
「ううっ・・ありがど・・・」
「風邪引きますから、脱いでくださいね。洗って乾燥しちゃいます。」
「着替えもってない・・・」
「とりあえず、毛布被っててください。」
ナツミは濡れた服を洗濯機に放り込み、自分も脱いでローブを着た。
「はい、インスタントですけどココアです。」
「・・・んぐっ・・・ああ、あったまるう!!」
「お風呂わきましたからどうぞ。」
「ナツミちゃん一緒に入ろう。」
「・・そうですね。はい。」
「凄いね~こんな広いお風呂初めて。ブルジョアは違うなぁ~」
「・・・て、胸なでないでぇ~」
「あはは、ナツミちゃんちゃんと育ってるぅ。」
「んもう」
ナツミはバスタブを出て頭を洗い出した。
「しかし、ナツミちゃん。体綺麗だね~。ほんとに8歳かと。」
「普通ですってば。」
「いや、16の私より色っぽい?・・・ま、胸では勝ってるけど。」
「8歳児に負けたらそれこそ問題ですよ・・・・あれ? 私のスマホかな?」
「うん、私の携帯のじゃ無いし、なんか鳴ってね?」
「ま、いっか。後で掛け直そ。」
風呂から上がると、着替えた。
「うひゃ~、大人パンツだあ。」
「えっ? ああ、今時の普通です。」
「でもいいな~これ。こんなサイズのもあるんだ。」
「はい、駅前のフェミールて言う店です。でも先輩ならジュニアサイズかSSサイズですよね。普通に売ってません? 」
「いや、スポーツブラとかスポーツショーツはいっぱいあるけど。勝負パンツって無いのよ。わたしもそんなのつけたら似合うかな。」
「お店の人に相談するといいです。きちんと体に合ったの選んでくれますから。」
「なんか、高そうで・・・」
「そんなでも無いですよ。レースや刺繍のこと考えたら安いぐらいで。」
「ね、今度行かない? 」
「あ、良く行ってますから。いいですよ。カタログ・・・イヤ、今のはナシ。」
「なにカタログあるの? 見たい、見たい。」
「学校では絶対に秘密ですよ。なら・・・」
「なんで? ただの下着のカタログでしょ。」
「モデルで出てるんです。私。」
「うわー、なんとなく納得! お願い!見せて!!」
「本当に秘密ですからね!!」
「うん。わかった守る!!」
ナツミは、カタログを渡し、スマホを取った。
「あ、マリさんからだ。」
着信履歴からコールし直す。
『は~い。マリです。』
「あ、ナツミです。ごめんなさい、お風呂入ってて。」
『あ、こっちこそごめんね、近くまで来てるんだけど。遊びにいっていい? 』
「あ、はい。湯川先輩もいますけど、かまわないなら。」
『じゃ、30分後にね。』
「はい。」
「お友達?」
「ええ、クラスのマリさん」
「ああ、チア部の。」
「あと30分で乾きますから、大丈夫ですよ。」
ナツミは、ニットのワンピースに着替えた。
「ね、何処にナツミちゃん載ってるの?」
「ローティーンの所です。」
「あ、ほんとだぁ・・・はわわ・・色っぽい。」
「恥ずかしいから、感想はいいですから。」
「すごいなあ、モデルさんだったんだ。 あれ、このロゴと写真同じ。」
「写真のイメージをロゴにしたそうです。」
「あひゃ、これ私絶対無理ね、ああ、でも綺麗・・・あ、ワレメちゃん!!」
「なんで、みんな同じ反応かな。」
「だって、エロ可愛いもん。さっきも眼福だったし。」
「どこ、見てるんですかもう・・・」
「・・・なんか・・エッチな気分になってきちゃった。」
「もう、おしまいです。」
そういって、カタログを取り上げた。
「あう・・・ね、良い事教えてあげよっか。」
「いいこと?」
「いいこと、気持ち良い事。」
「オナニーなら知ってますよ。」
「うひゃ、美少女の口からオナニーなんて・・なんてエロい。」
「もう、からかわないで下さい。今時のこのくらいの子は常識ですって。」
「そっか、してるんだぁ。」
「ま、まあ・・。」
そこへ、インタホンが鳴った。
「はい、今開けます」
「こにゃにゃちわ~、お菓子買ってきた 。」
「いらっしゃい、リコさん。」
「上がって良い?」
「はい。どうぞ。」
「あ、ちわっす。湯川先輩・・・て、濡れ場の後? 」
「なに言ってんの、二人とも雨に当たってお風呂入ったのよ。」
「なんだ。」
「な、なに期待してんのよ」
「はい、ココア。インスタントですけど。」
「お、ありがとナッチ。」
「あ、このカタログ・・・」
「あ、忘れてた。」
「大丈夫、見たわよ。エロ可愛くって素敵!!」
「学校では内緒ですよ、先輩。でないとあの事ばらしちゃいますから。」
「・・あはばっ、いっ言わないわよ。」
「????」
ナツミは首を傾げた。
「あう、その仕草もきゃわいい!!」
「あの事って?」
「そうね、先輩ばらしちゃっていい?」
「ダメ、乙女の秘密!!」
「ナッチ湯川先輩ね、この・・もがががっっ」
「うーん、言わないでょお。この前パフェ奢ったじゃない。」
「ふぁい。」
「????」
「ね、所でなんでカタログが?」
「うん、先輩が勝負パンツ買うって話かな?」
「そ、そう。一着ぐらい持ってようかなって・・・」
「それなら、これいいですよ。生地もいいし。私もタダでもらったし。」
「あ、いいなあ。」
「開店のときナッチにつれてってもらって。ほら、・・・」
「モデルならばらしちゃいました。てへ。」
「そう、ならいいか、ナッチ顔パスで3着も!! 今日も着てるの、着心地最高!! 可愛い!! エロいの三拍子!!」
「あ、見せて。」
「ええ、いいですよ。」
リコは、さっさと服を脱いで下着姿になった。
「いいなぁ・・・私もほしい・・・こんなの・・・」
「へへ、この刺繍がいいでしょ。」
「でも、学校じゃさすがに無理かな・・・」
「ですね、一緒に貰った別のなんて完全にオケケ見えちゃ居ますし、お尻のワレメも綺麗に・・。」
「・・・買いにいこ・・・今から。」
「先輩・・服乾きましたけど。」
「あ、ありがと。ちょっと着替えて来るね。」
サユリは毛布を引きずり、脱衣所へ向かった。
「ね、自転車どう?」
「とうって・・楽しいですよ。」
「そか、この前体育の授業でさ。跳び箱あったじやん。」
「ええ」
「その時、クルッて回ったでしょ。」
「チュソビチナですね、前転跳び 前方伸身宙返り1回半ひねり、暫くぶりなんで着地で1歩歩いちゃいましたけど。」
「なんでできるの? 」
「なんでって・・自転車にはかなりの運動感覚がいるって、トランポリンやってて、慣れてただけですよ。」