抜きゲーみたいな島に住んでるロリビッチ好きはどうすりゃいいですか? 作:鳴らない警鐘
今回は短め。
仕事が全然終わらないのさ!ハハッ!!
夜の静寂を壊さないように、そいつは静かに俺達の前に現れた。
「──ここで、何をしているのかな?」
自信を帯びた凛とした声に、隙のない身のこなし。
暗がりのせいで、その顔立ちまでははっきりとしないが、“立っている”──ただそれだけで、この場を支配しているような存在感が俺の胸を締めつける。
間違いない。
こいつが噂の“魔王”なのだ──
「…聞こえないのか?それとも、子供のお前には俺の言葉の意味が理解できないか?」
淳之介「……いや、聞こえてるし理解もできてるよ」
「そうか。それなら俺の問いに答えてもらおう。お前達はここで何をしてるんだ?どうしてここにいる?」
淳之介「……何って…」
まずい。
今の俺は完全に“呑まれている”。
このままでは、奴に会話の主導権を握られてしまうどころか、非常時に動けるかどうかもわからない。
淳之介「!」
そこで、不意に隣から俺の手がキュッと握られる。
俺はいつの間にか俯いていた顔を上げ、隣にいる桐香の顔を見上げると、桐香は俺の右手を優しく握りながら、いつもと変わらぬ笑みを浮かべていた。
──そうだ。
久しぶりの戦場に、俺は浮き足立っていた。
“こういう場”では、いつ何が起こるかわからない。
故にこそ、どれだけ想定外なことがあろうと、心を乱してはいけないのだ。
淳之介「……ふぅー…」
思い出せ。
俺はNLNSのリーダーで、数々の敵を退け、ドスケベ条例をぶっ壊した男。
異世界にさえ赴き、その世界で再び反逆した男。
そんな俺──橘淳之介は、こんな時にこそ決まって不敵な顔を浮かべ、自信満々に、正々堂々と──
淳之介「……俺達がここにいる理由?そんなことは決まっている──お前を待っていたのさ」
格好つける男なのだ。
…
…
俺の答えを聞き、暫く考える素振りを見せた奴は、
「なるほど。俺を待っていたのか」
そう言いながら、まるでイタズラがバレてしまった子供のような声色で笑っていた。
「…まあ、確かにただの“おねショタプレイ”をするにしては、この場所はいささか辺鄙すぎるか」
淳之介「…バーロ。俺はそんな簡単に“おねショタプレイ”なんてしない」
「ほう。この暗がりで、隣には年上の女がいるにも関わらず“おねショタプレイ”をしないのか?」
淳之介「ああ。俺は愛のないセックスはしない主義なんだ」
「…なるほど。やはりお前はただのガキじゃなさそうだ。何者だ?」
淳之介「橘ちんのすけ……童貞さ」
俺と奴の会話が一段落したところで、ずっと黙って話を聞いていた桐香が話を切り出した。
桐香「──単刀直入に伺います。あなたがこの島の子供をさらった犯人ですか?」
「……何?」
桐香「いいえ、聞き方を変えましょう。──あなたが噂の“魔王”なのですか?」
桐香がそう質問すると、奴は嬉しそうに、そして少しばかり恥ずかしそうに笑った。
「……そうか。俺はいつの間にかそんな名前で呼ばれるようになっていたのか」
淳之介「じゃあやっぱりお前が……!!」
「ああ。確かに俺は“ある目的”のためにこの島の子供をさらおうとした犯人──」
「──つまりは魔王。この回答で満足か?童貞くん」
そう言って、奴は再び笑みを浮かべた。
しかし、今度は子供のようなそれではなく──
何もかもを見透かしたような不敵な笑みを浮かべたのだった。