※この作品はR-18です。

抜きゲーみたいな島に住んでるロリビッチ好きはどうすりゃいいですか?   作:鳴らない警鐘

11 / 11
第8話 The Devil #2

 

 

 

 

空気が変わった。

 

いや──

 

“世界”が変わっていた。

 

森のざわめきや先程までのどこか弛緩した雰囲気、お互いの思惑が絡み合って生まれた緊迫した空気──それら全てが一瞬にして消え失せたのだ。

 

風で草木が擦れる音や、虫の鳴く声が明瞭過ぎるほどクリアに聞こえ、それが寒気を生む。

 

いきなり後頭部に銃口を押しつけられたような、喉にナイフを這わされたような……頭よりも先に体が、本能が、理解した。

 

“こいつ”は相当ヤバい──

 

桐香「先輩」

 

俺は震える指先を押さえ込むようにして握り、再び隣を見やる。

 

──ああ、わかってる。大丈夫だ。

 

今、俺の隣には桐香がいる。

 

異世界で戦った時と同じ……かつて最も手強かった相手である彼女が仲間として横にいるのだ。

 

そんな彼女となら、誰であろうと打倒できる──!

 

淳之介「ふっ!!」

 

夜の森を駆ける。

 

勿論、“魔王”がどう動いてくるかわからないため、正面から飛びかかるような真似はしない。

 

俺は持っていた“Egg”を奴の足元に投げつけ、煙幕を張り、視界を塞ぐ。

 

魔王「…ほう、煙幕か。面白いものを持っているな」

 

“アリアドネー・プロトコル”が機能しない今、俺は奴の姿を正確に捉えることはできない。

 

──だが、俺には“わかって”いる。

 

これは幾度となく使ってきた戦術だ。

 

故にこそ、目を瞑ってでも行うことができる。

 

俺は、数多の戦場を駆けてきた“経験”から、奴がいるであろうポイントに向かう。

 

そして、そのまま間を置かず、懐から取り出した相棒──“穿き丸”を右手に握り、振りかぶる。

 

しかし──

 

淳之介「なっ!?」

 

予想外の結果に体が硬直する。

 

奴は、煙に乗じて見えないはずの攻撃を避けるのではなく“受け止めて”みせたのだ。

 

淳之介「それならーーっ!!」

 

俺は直ぐ様その場で体を捻り、奴の顔を目掛けて裏拳を放つ。

 

──だが、魔王はその裏拳さえもいとも容易く受け止めてみせた。

 

淳之介「そんな、どうして……!?」

 

魔王「お前のような奴の攻撃は分かりやすいからな」

 

地を這うような低い声。

 

しかし、聞こえてきたのは俺の頭上から。

 

奴は“既に姿を捉えた”俺に向かって膝を放つ。

 

逃げられない──であれば……!!

 

淳之介「“漢勃ち”!!」

 

俺は瞬時に“漢勃ち”を使い、全身を勃起させる。

 

ライオット弾をも防ぐこの体であれば、膝蹴り程度簡単に防ぐことができる。

 

奴の膝を防いだ後で、すかさず反撃を──

 

淳之介「うぐっーー!?」

 

凄まじい衝撃が走り、俺の体が“くの字”に曲がる。

 

見れば、魔王の膝が俺の腹に刺さっていた。

 

バカな…!?

 

今の俺は全身が勃起してるんだぞ──!?

 

なのに、どうしてこんなにもダメージが…!!

 

魔王「これでおしまいだ」

 

目を開き、固まっている俺に魔王の拳が迫る。

 

まずい。

 

やられる──

 

桐香「──あら、まだ始まったばかりですよ?」

 

目にも止まらぬ指弾の連打。

 

桐香の打ち出したコインによって、魔王の腕が弾かれ、俺に迫る拳の軌道が変わる。

 

淳之介「ーーっ!!」

 

俺は攻撃がそれた隙に後ろへ跳び、距離を取る。

 

桐香「大丈夫ですか?先輩」

 

淳之介「……悪い。助かったよ桐香」

 

桐香「いえ……それにしても先輩。今日はいつものような“キレ”がありませんね?」

 

淳之介「……」

 

確かに今日は調子が悪い。

 

どうにも体が安定しないのだ。

 

桐香「先輩。これは推論ですが、きっと今の先輩では“今まで通りの戦い方”はできないと思います」

 

淳之介「…どういうことだ?」

 

桐香「先輩の体は小さく“縮んでしまった”のではなく“幼児化”してしまった、ということです」

 

淳之介「ただ縮むのではなく、幼児化…?そこに何の違いがあるんだ?」

 

桐香「大人の体にできて、子供の体にできないこと──そのように言えばわかりますか?」

 

淳之介「──っ!!」

 

そうか。

 

今の俺はどこから見ても小学校低学年くらいにしか見えない姿をしている。

 

そんな“子供”が“精通”しているわけがない。

 

ましてや、そんな子供が全身を勃起させるなんて、できるはずもない。

 

だから、さっきも“漢勃ち”が使えなかったというわけか──

 

魔王「…先輩…幼児化?一体何の話をしているんだ?」

 

淳之介「気にしなくてもいい。どうせお前には関係のない話だ」

 

魔王「……いや、どうだろうな──」

 

そう言いかけた瞬間、魔王は素早く腕を顎の前まで上げた。

 

──刹那。

 

顎の前に上げた魔王の腕が弾かれた。

 

淳之介「!これは──!!」

 

麻沙音『兄!聞こえる!?』

 

淳之介「アサちゃん!ということは、やはり今のは文乃の狙撃か!」

 

麻沙音『さっき文乃から連絡があったんだよ!兄と冷泉院さんが誰かと交戦中だってさ!』

 

淳之介「文乃が…?だけど、文乃は森の入り口に居たはずなのにどうやって…?」

 

麻沙音『その入り口で会った“ある人”に今日魔王がこの森にいることを教えてもらったんだって!』

 

淳之介「ある人?それって一体──」

           

そこで、ふわりと花の香りが俺の鼻腔を擽った。

 

見ると、そこには見覚えのある黒いスパッツ。

 

そして、暗い森の中でも分かるその赤い髪は──

 

夕奈「──また会えたね、ちんのすけくん!後はお姉ちゃんに任せて!」

 

昼間に会った女の子──遊城夕奈だった。

 

 

 

 






戦闘描写難しいな…?

私としては、戦闘描写より淳之介達の会話を書く方がいくらか楽だなーとか思ったんだけど、これって私の頭が美岬化してきている証拠なのか…?と不安になりました。

あれかな…?深淵を覗きすぎちゃったのかな…?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。