抜きゲーみたいな島に住んでるロリビッチ好きはどうすりゃいいですか? 作:鳴らない警鐘
???『ねえ、橘くん。わたしね?橘くんのこと──』
……
…
淳之介「…ん……」
目覚ましの音。
淳之介「……もう朝か…」
ぐっ、と伸びをしながら、鳴り続けていた目覚ましを止める。
淳之介「……うーん?」
なんだか、夢を見ていたような気がする。
けれど、よく覚えていないから、大した内容ではなかったのだろう。
淳之介「腹へったな…」
寝起きで空腹を感じていた俺は、手早く制服に着替えると、リビングに向かうことにした。
……
…
2階にある自室から、リビングまで降りると、リズミカルな包丁の音が俺を迎えてくれた。
淳之介「おはよう。文乃」
文乃「おはようございます、淳之介さん……よい朝ですね」
席に座るや否や、俺の元にさっとコーヒーが差し出される。
そして、文乃はコーヒーを差し出すと、いつもと同じようにちょこちょことリビング内を動き回る。
──橘家の末っ子は、相も変わらず働き者だ。
淳之介「…まったく、やはりうちの文乃は“最高”だな」
麻沙音「何が最高だよ…?最高なのは文乃じゃなくて実妹であるアサちゃんの方だろうが、そのくらい考えなくてもわかるだろこのロリコンこじらせ童貞…」
淳之介「朝からめっちゃ言うじゃん…って、アサちゃんがこんな朝早くから起きてるなんて珍しいな?」
朝にめっぽう弱いはずの妹が、文乃に起こされるわけでもなく、俺より先にリビング来ている…?
淳之介「──はっ!?まさか偽物…!?」
麻沙音「失礼の極み」
淳之介「ならば、俺の性的思考を言ってみろ!」
麻沙音「可哀想なのは抜けない(媚薬、催眠、メスガキをわからせるのは除く)」
淳之介「ふっ、信じていたぞ。我が最愛の妹よ…っ!」
麻沙音「純愛系エロゲが好きとか言ってながら、しっかり性癖がねじ曲がっている兄、好きっ!!」
いつも通り俺達は、がしっと抱擁を繰り広げる。
文乃「…っ!!」
勿論、それは末っ子である文乃も一緒だった。
淳之介「だけど、本当に珍しいよな。アサちゃんがこの時間に自分から起きてくるなんて」
麻沙音「兄……一体いつから私が“寝ていた”と錯覚していた…?」
淳之介「何…だと…?」
麻沙音「──実は昨日、催眠術を使って学校にいる女子全員を洗脳する系の同人誌を見てたんだけどさ…」
淳之介「ああ、全世界の男子学生が一生に一度は妄想するやつね…それがどうかしたのか?」
麻沙音「うん。その同人誌みたいに催眠術が簡単に使える方法がないか気になって、“マインドコントロール やり方”って入力して、検索かけてみたんだ」
淳之介「検索ワードのセンスが小学生じゃん…」
麻沙音「で、催眠術に関してしばらく広大かつ深淵なネットの海をサーフィンしまくってたら、偶然気になる記事を一つ見かけたのさ…」
淳之介「気になる記事?」
妹がおもむろに持っていたタブレットを操作した後、タブレットの画面をこちらに見せる。
そこには──
淳之介「………魔王?」
空想の世界ではお馴染みで、現代には似つかわしくない“魔王”の存在が示唆されるような記事が書かれていた。