抜きゲーみたいな島に住んでるロリビッチ好きはどうすりゃいいですか? 作:鳴らない警鐘
アサちゃんが見せてくれた記事曰く──
この世界の在り方を憂い、世界を破壊しようとしている者がいる
その者の望みは、この社会の崩壊である──
淳之介「……何この中二くさい記事」
麻沙音「兄は先月末に本島で起きた“同時多発テロ”は知ってる?」
淳之介「同時多発テロ?いや、それは知らないな…」
毎日テレビやネットでニュースはチェックしてたはずなんだけど、本島でテロなんてあっただろうか?
麻沙音「知らないの?示し合わせたわけでもないのに、全国のカップルがいきなり同時期に別れまくって『今までありがとう。大好きだったよ』等のうざったいコメントが各サイトに投下されまくって、色んなサーバーをダウンさせたあの事件のことだよ?」
淳之介「ごめん。本当に知らない…」
そんな恐ろしい事件があったなんて、全然知らなかった…
淳之介「けど、その事件がどうしたんだ?」
麻沙音「これはあくまで噂なんだけど、その集団リア充爆発事件を起こしたのが、噂の“魔王”なんじゃないかって言われてるんだ」
淳之介「事件名変わってない?」
麻沙音「まあ、この“魔王”に関しては他にもたくさん噂があるからね……正義感の塊であるアサちゃん的には結構気になってるわけよ」
淳之介「野次馬根性の塊の間違いじゃないの…?」
魔王、魔王ねえ…
確かに“魔王”と言う名前のインパクトもあって、アサちゃんが気にする理由もわかるが──
奈々瀬「おはよう淳。それにアサちゃんと文乃も」
淳之介「む、奈々瀬か…」
俺が魔王について考えていると、いつの間にか奈々瀬が来ていた。
淳之介「おはよう。奈々瀬」
文乃「…おはようございます」
麻沙音「おおおおはようごじゃいますななせしゃん…!!」
最近奈々瀬には橘家の合カギを預けており、気がついたら家にいることもしばしば。
奈々瀬「文乃。何か手伝うわよ?」
文乃「ありがとうございます、奈々瀬さん。ではこちらの煮物を──」
淳之介「……」
頬杖をつきながら、奈々瀬の後ろ姿を見つめる。
──片桐奈々瀬。
俺と共にNLNSを立ち上げ、ドスケベ条例を打倒した相棒であり──
俺の幼馴染み。
淳之介「──っ!!」
まただ。
文乃と共に楽しそうに料理をしている奈々瀬を見ていると、胸の奥がざわつく。
……そう、最近俺は奈々瀬を見ると、何故か胸がざわつくのだ。
少し前に幼馴染みが最高かつ最強であることを証明したエロゲー“ハメラヴオナニネイティブ”をやったせいだろうか?
淳之介「…ふふっ」
麻沙音「兄…私も人のことは言えないけど、オタク特有の思い出し笑いは本当に気持ち悪いから気をつけた方がいいよ?」
淳之介「おっと…ついついこの前やったエロゲのクライマックスを思い出してしまった」
麻沙音「朝からなんの脈絡もなくエロゲの回想をする兄…好き!」
再びの抱擁。
文乃「…ふんすっ」
今回もしっかりと加わっている文乃だった。
淳之介「…しかし、幼馴染みか…」
俺の幼馴染みである奈々瀬は俺の“間違えてしまった過去”に大きく関わっていた。
奈々瀬『あ、昔この島で会った女の子ね、あれアタシだから』
奈々瀬『あの時のことはもう気にしてないから、淳も忘れていいからね』
俺が犯した過去の過ちを、忘れていいと笑いながら言った奈々瀬。
だが、気にするなと言われて、すぐに忘れられるようであれば俺も苦労はしていない。
──それにあの時、俺はもう一つ何かをしたような…?
あの頃の記憶には“もや”がかかったように、上手く思い出せない。
淳之介「──そういえば、昔の奈々瀬の写真ってないのか?」
奈々瀬「…は?急に何よ?」
淳之介「実は俺、昔の奈々瀬についてよく思い出せないんだよ。だから、写真でもあれば何か思い出すかも──」
奈々瀬「──ないわ」
淳之介「…え?でも1枚くらいあるんじゃ…?」
奈々瀬「ないわ。それに、もしあったとしても、淳には絶対見せないのだわ」
淳之介「……なんで?」
麻沙音「兄…年頃の女子は誰だって昔の自分を見られたくないんだよ」
淳之介「そうなのか?」
美岬「そうですねぇ。私も昔の写真を見られたら、恥ずかしくてアナルから火が出るかもしれません」
淳之介「そんなのただの化物じゃん……というか居たのか美岬…」
俺にとって、大切な仲間である美岬だが、少しでも気を抜くと認知が難しくなる。
なんだこいつ伊賀者か?
美岬「あ、でも私は親戚達から玉のように可愛いらしい子だねって言われてたんですよ!?」
麻沙音「玉ってことは真珠だろ…?つまりこいつは昔から豚に真珠って風に揶揄されてたのでは…?」
淳之介「流石にそれは深読みしすぎじゃない……?」
美岬達と話していると、今度は家のチャイムが鳴った。
ヒナミ「あっ、淳くん!皆!おはよーございます!」
玄関の扉を開けると、NLNSの最後の一人、わたちゃん先輩ことヒナミが立っていた。
ヒナミ「皆なんだか盛り上がってたな?何の話をしてたのかな?かな?」
淳之介「子供の頃、美岬がどんな感じだったかを話していたんですよ──わたちゃん先輩の子供の頃はどんな感じだったんですか?」
ヒナミ「私?……うーん、そうだなぁ。毎日楽しかったしな…今とあんまり変わんないな…?」
奈々瀬「うんうん、今も昔もわたちゃんは変わらなそうね」
麻沙音「今でも充分ロリロリしてますからね」
ヒナミ「ロリロリじゃないですけどっ!」
桐香「──ちなみに私は昔も今と同じような容姿ですよ?」
淳之介「桐香が当たり前のように2階から糸を使って降りて来ることに違和感を覚えなくなってる自分が怖い…」
文乃「…冷泉院さん。いつも言ってますよね…?家に上がる時は2階ではなく玄関からと……くどくど、むべむべ…」
桐香「はい…はい…すみません…」
礼「でも、確かに私も過去にはあまり触れてほしくはないかな」
郁子「うん。イクちゃんも昔の姿は絶対にダーリンには見られたくないなー」
麻沙音「橘家のセキュリティはガバガバ」
郁子「そう言うダーリンはどうなの?」
淳之介「俺か?えっと俺は…」
奈々瀬「──昔の淳は今よりずっと大人しくて、ものすごーく可愛いかったわよ?」
淳之介「ばっ…!!奈々瀬、余計なことを…!?」
奈々瀬「ふふっ…あんなに大人しくて可愛いかった淳が今のあんたを見たらなんて言うかしらねえ…?」
淳之介「くっ…!!やかましいぞ!このショタビッチが!」
奈々瀬「誰がショタだ!?というかビッチじゃないって何度も言ってるでしょーが!!」
桐香「ああ…いいわ。やはり正妻は格が違うわね。どうしましょう礼、濡れてきちゃったわ…!!」
礼「桐香様…お願いですから橘家で自慰はやめてくださいね…」
……
…
桐香「ところで先輩、今日は一つ相談があって来たんです」
淳之介「相談?」
食事が終わり一息ついた後、桐香が話を切り出した。
桐香「最近、この島から子供がいなくなってるみたいなんです」
美岬「それは少子化的な意味で?もしかして、遠回しなセックスのお誘いですか…っ!?」
郁子「はいはい、頭ハッピーセットな美岬ちゃんは少し黙ってようね」
淳之介「子供がいなくなってるって、確かなのか?」
桐香「はい。今月に入ってから認知しているだけで、もう5人の子供が行方不明になっています」
淳之介「5人も…!?」
それだけの子供が理由もなく、いなくなってるのであれば大問題だ。
桐香「また、子供がいなくなった場所にはこのような紙片が残されているみたいです」
そう言って、桐香はポケットから1枚の紙切れを取り出した。
そして、そこには──
“かわいいぼうやおいでよおもしろいあそびをしよう”
麻沙音「──これって!?」
文面を見たとたん、その場に立ち上がるアサちゃん。
奈々瀬「?アサちゃん、これが何か知ってるの?」
麻沙音「兄……これ、魔王だよ!!」
淳之介「魔王?これが…!?」
桐香「ええ。この“かわいいぼうやおいでよおもしろいあそびをしよう”という文章はクラシックの“魔王”と言う曲の引用なんです」
淳之介「…じゃあ、魔王がこの島にいて、子供を拐ってるってことか?」
桐香「さあ…本当に魔王がいるのか、それとも魔王の名を騙った模倣犯なのかはわかりませんが、とにかく今はいなくなった子供達を見つけなければなりません。ですから──」
桐香「協力してくれませんか?先輩」
そう言って、手を伸ばす桐香。
今回の相談は、正直とても危険なものだ。
少なくとも子供が5人もいなくなっており、また得たいのしれない魔王まで絡んできている。
だが──
淳之介「ふっ…愚問だな。俺達を誰だと思っている…!!」
俺達、NLNSはそんな状況にこそ燃える、反逆の組織なのだ。
このSSを書き始めた翌日、いきなり働く部署が変わって仕事の内容がウルトラ難しくなった。
ぬきたしのキャラソンも届くまでもう少し時間が掛かるみたいだし、なんだこのSS呪われてんのか…?