抜きゲーみたいな島に住んでるロリビッチ好きはどうすりゃいいですか? 作:鳴らない警鐘
ある日の休日。
いつものように自室でエロゲをプレイしていると、家のチャイムが鳴った。
淳之介「まあ、俺が出なくても他のふたりが出るか…」
そう考え、俺はマウスとイチモツを握り直す。
──しかし
淳之介「チャイムが鳴りやまないな…?」
俺は一旦ゲームを中断して、二階の自室から一階に降りる。
淳之介「文乃ー?アサちゃーん。いないのかー?」
階段を降りながら、文乃達に声をかけるも反応がない。
休日の朝からふたりともいないなんて、珍しいこともあるんだな…?
そう思いながら、玄関のドアを開ける。
しかし、あれだけチャイムが鳴っていたにも関わらず、そこには誰の姿もなかった。
淳之介「……いたずらかな」
ドアを閉めて、家の中に戻ろうとした時、玄関の郵便受けに“とある荷物”が差し込まれていた。
淳之介「…なんだこれ?」
荷物を手に取り、封を開ける。
中に入っていたのは、今時珍しいビデオテープ。
テープの帯を見ると、そこには“橘淳之介様へ”とだけ書かれていた。
淳之介「……これってもしかして…」
ビデオテープを手にしながら、俺はアサちゃんから借りて“プレイしてしまった”ゲームを思い出す。
そのゲームでは、仲のいい幼馴染みがいつの間にか部活の先輩に寝取られてしまうという、非常にアサちゃん好みの──
つまりは、俺が苦手とする“NTR”ものだった。
淳之介「あれはきつかったなぁ…」
そのゲームは終盤、主人公の元に変わり果てた幼馴染みの姿が撮影された、所謂“NTRビデオレター”が届き、主人公が声をあげて泣きながらオナニーをするという内容だった。
淳之介「……」
今日は“何故か”朝から麻沙音や文乃がいない。
そして、届いた一本のテープ。
淳之介「……あのゲームに似てる…!!」
というか、そっくりだ。
淳之介「…ははっ…まさかね…?」
俺は、届いたテープをリビングにあるビデオデッキに入れる。
淳之介「……っ…」
言い表せない不安が胸中に押し寄せてくる。
俺は、震える手でビデオの再生ボタンを押した。
すると、そこには──
淳之介「な、郁子!?」
椅子に座らされている郁子の姿が映っていた。
『フハハハハ!見てるかな?橘淳之介くん』
淳之介「!」
画面から聞こえる、凛とした張りのある男の声。
『……いや、ここは敢えてこう言わせてもらおう──いぇーい。橘くん、見てるー?』
淳之介「なん…だと…」
やはりだ。
やはり、これは“NTRビデオレター”なのだ──!!
淳之介「くっ…!!郁子を離せ!!」
『もし、今お前が“彼女を離せ”と言っていたとしても無駄だ。──これは録画映像だからな』
淳之介「くそっ…!!」
アサちゃんから借りたゲームを思い出す。
このままでは郁子が…っ!!
『──兄さん。時間が』
『ああ、そうだな。──さて、このビデオの録画時間も限られている。そろそろ始めようか……!!』
郁子『いや!助けてダーリン!』
淳之介「郁子!?くそっ!!やめてくれ!!」
俺は吠えた。
無駄だと分かっていても。
決して届かないとしても、吠えずにはいられなかった──
『それでは、女部田郁子さんでレッツロール!!』
【レッツロール!!】
淳之介「…え?」
いきなり軽快なメロディが流れ、郁子が歌いだす。
淳之介「何これ…?」
NTRじゃないの?
俺はいつの間にか下ろしていたパンツを履き直す。
淳之介「しかも、めちゃめちゃいい歌じゃん…」
郁子が歌う。
それは、聞いてるだけで元気になるような歌だ。
きっと動画サイトにでもあげれば、人気者になれるだろう。
淳之介「郁子には、そんな未来もあるのかもしれないな…」
郁子の歌を聞きながら、そう考えていると──
淳之介「──アサちゃん!?」
突如画面が切り替わり、俺の最愛の妹である、橘麻沙音が画面に写し出された。
『フハハハハ!それでは、彼女にも歌ってもらおうか……!!』
淳之介「なっ!!やめろ!アサちゃんが人前で歌えるわけが──」
【ふぁーっきんびーっち】
淳之介「めちゃめちゃ様になってるじゃん…」
アサちゃんが音楽に合わせ、韻を踏みながらラップを歌う。
淳之介「しかも1バース目の“だってさ考えなくてもわかるじゃん?えっちじゃん”ってとこめっちゃいい…!!」
アサちゃん特有の早口と性格の悪さがこの曲とマッチして、妹を一流のラッパーにしている。
淳之介「ははーん、さてはこの曲考えた人天才だな…?」
俺がそう考えていると、またもや画面が切り替わる。
淳之介「──なっ、桐香まで…!!」
ニコニコと、いつも通りの笑顔を浮かべながら、マイクを握っている桐香が映し出される。
『こいつの歌は、とにかく歌詞がいいから、攻略後に聞くとルート全体の余韻が凄まじいことになるよな…』
『兄さん。心の声がだだ漏れですよ?』
ちょっと低めの、だがとても澄んだ女の子の声。
『……それでは、歌ってもらおう。──いつだってどんなことも』
落ち着いたイントロから始まる桐香の歌。
淳之介「なんだこいつすげえ歌上手いじゃん…!!」
事務仕事や戦闘以外、何もできないと思っていたけど──!!
淳之介「なんだこいつすげえ歌上手いじゃん!!」
『ふっ…もう語彙力がなくなり始めてるな』
『兄さん、これは録画だという体なのを忘れないでくださいね…?』
画面が切り替わる。すると──
淳之介「奈々瀬…!!」
【惚気話】
音楽が流れ始める。
サックスを中心とした、ムーディなイントロ。
淳之介「はぁ!?なんだこの色っぽさは!?」
切なく、甘えるように歌う奈々瀬は非常に扇情的だった。
淳之介「くそっ!!アニソンばっか聴いてる俺には危険すぎるだろうが…!!」
聴いてるだけで、射精してしまう──!!
そうやって、俺が悶えていると…
礼『私、参上!!』
淳之介「あっ、礼先輩」
画面が切り替わり、今度は礼先輩が映し出されていた。
淳之介「よかった…特撮好きな礼先輩ならきっと、最初からクライマックスな感じの熱血ソングが──」
【たくさんの未来】
淳之介「マジで最初からクライマックスじゃん…!!」
まさかのバラード。
しかも、歌詞がやばい。
まじ無理…吐きそう。
『こちらも、彼女のルートをプレイした後に聴きたい曲ですね』
『ふっ…そうだな』
いつの間にか、ビデオを撮っていたはずのふたりも聞き入っている。
それだけ素晴らしい歌だった。
淳之介「あっ…」
また画面が切り替わると、そこにはヒナミが立っていた。
淳之介「ヒナミはマルマルモリモリする系かな…?」
【なんでかな?】
淳之介「ふっ…予想以上の破壊力じゃないか…!!」
思わず目を閉じてしまう。
“癒し”
淳之介「ヒナミの歌は和むなぁ…」
そう言って和んでいると、また画面が変わる。
淳之介「おっ、やっと文乃が来たか…っ!!」
緊張した面持ちの文乃が画面に映っている。
そして始まる、アコースティックギターの前奏。
文乃『たっ……例えば~♪』
淳之介「曲の入りを間違えるとか文乃過ぎる!!」
なんだこれ!?
歌の出だしだけで、全部持ってったぞ!?
淳之介「しかも、歌い方まで文乃過ぎる……!!」
歌詞もさることながら、必死に言葉を紡ぐ文乃。
淳之介「なんだよこれ、“最高”かよ…!!」
『さて、次は…』
???『ちょっと待ったぁあああ!!!』
淳之介「っ!?なんだ…!?」
画面の中が騒がしい。
見ると、そこには我らが“親方”が映りこんでいた。
美岬『なんでわたしの出番が飛ばされてるんですか!?』
『えっと……あなたは…?』
美岬『あーもう久しぶりですよこの感じ!やっぱり、淳之介くん達以外にはわたしは認識されてないんですね!?』
『っ!!に、兄さん…っ!』
『貴様!!湊から離れろ!!』
美岬『離れますよ!離れますからわたしにもマイクを渡しなさい!あ、今のは別にダジャレを言ったわけじゃないですよ!』
淳之介「……何やってんだあいつ?」
怯える女の子から、マイクを受けとる美岬。
美岬『んっんん!──それでは……わたしの歌を聴けー!!』
【わくわくたべものらんど】
可愛いらしいイントロから、これまた可愛いらしい歌詞。
しかし──
淳之介「!?いきなりメタル風になった…!?」
なんだこれは?
デスメタルならぬ──
デブメタル──?
淳之介「なんか一人だけ歌いながら戦えそう…」
なんならシんほぉギアとか纏えそう。
美岬『好きなものはご飯&ご飯!』
淳之介「違和感ゼロじゃん…」
そうして、画面が切り替わりシュウくんと水引きちゃんに花丸姉妹の姿が。
【ハメドリくん絵描き歌】
淳之介「あ、なんか安心する…」
言いたいことは色々あるけど、今までの曲の中で一番耳に残りそうなメロディだった。
すると、画面は暗転し──
『…さて、以上でビデオは終了だ』
淳之介「──こんなにいい曲ばかり聴かせやがって!お前達は誰だ!?目的は何なんだ!?」
『私達は近いうちに貴様に会いに行く。だから、その時に教えてやろう』
『もう完全に会話しちゃってますね、兄さん…』
その女の子の言葉を最後に、ビデオは終了した。
淳之介「結局これは何だったんだ──っ!?」
そう、このビデオが送られてきた意味を考えていると、再び家のチャイムが鳴った。
淳之介「まさかあいつらか!?」
俺は急いで、穿き丸を片手に玄関に向かう。
そして、そこにいたのは──
スス子「さーっす!バナさーん!カラオケ行くっすよー!!」
非実在系女子達だった。
というわけで、キャラソンの感想でした。
ちなみに、ビデオレターを送ってきたのは魔王とその妹です。
こんな感じの奴等なんでよろしくお願いします。