王宮には私用に宛てがわれた部屋が存在する。
極稀に寝泊まりするかもしれないから、一応用意されたのだ。これでも、予定では王族に連なるハズだったのだ。あって当然かもしれない。
アレックスにお姫様抱っこされ、王宮に存在する私の部屋へ入る。カイルの部屋に行くだの言っていた気がしたが、愛し合うなら私の部屋の方がいいだろう。いや、何を考えてるんだ私は!
きちんと手入れはされてる部屋だったが、どことなく殺風景に感じる。何も無いという訳でもなく、きちんと調度品やら何やらが置かれてるのに寂しく感じるのだ。
長らく誰も使ってなかったというのもあるんだろう。私はそんなことを思いながら、アレックスに優しくベッドに下ろされた。
柔らかな質感が心地よくて、どこまでも沈んでいきそうな柔らかなベッドは私は気に入っている。前世は堅いベッドだったから、腰を痛めたし、劣悪な衛生環境だったからダニやら何やらに体をやられた苦い経験があるだけに今のこの環境は恵まれている。
ただし、好きでもない男に抱かれなければいけないというのは不幸だと思う。
女として生きる覚悟を決めさせられ、婚約者を決められ、そして結婚して子供を産んで育てる。正直、初めはとてつもなく嫌だった。外面を取り繕うのに必死で、とてもじゃないが子作りなんて不可能だと思った。今じゃあ、本来子供を作らなければいけない相手とは違う相手とのセックスをさせられているくらいには、慣れさせられた。
慣れたのか、拒否感が無くなったのか解らない。とにかくカイルに抱かれるのは、私は嫌ではなかった。長年親しんだ相手だったというのもある。
でも、アレックスは?
いくらカイルのため、だとか理由つけても私は他の男に触られるのは全力拒否してきた。時には、再起不能に追い込んだりするまでに苛烈だったのだ。
それが自分が嫌いだと公言までする相手に抱かれようとしている。何故だ。何故、私はアレックスに抱かれていて自分から抱かれようとしている。解らない。体は覚え込まされた快楽を欲し、アレックスの求めに本能的に応じてしまう。理性では駄目だと言ってるのに。でも、お姫様扱いされて悦ぶ私の女の部分があり、私は自分を殴りたい。
ギシッ、と音が鳴った。アレックスがベッドに上がり、私に馬乗りになって美麗な顔を近づける。
「それで、どうしたら我が婚約者は堕ちてくれるのかな?」
そう問われ、私は目を逸らしながら冷静に返す。
「どうもこうも、元々私は貴方が嫌いです。カイルが好きだの何だのとか理由ではなく、貴方のあり方が嫌いです。複数の女を侍らせるのも嫌い。女なら誰にでも愛を囁くのが嫌い。婚約者がいるのに色目を使ってくるから嫌い。何より、私を罠に嵌めた貴方が嫌いです」
「これは手酷く嫌われたものだ。エルシア、社交界の零氷と言われるだけあるな」
「本来ならカイルにだけ捧げられなければいけない体です。それを貴方に捧げているのは私の落ち度です。それで、今日もまた抱くんですか? 飽きない人ですね」
「極上の女を抱けるんだ、毎日抱き続けたいところだ」
「このクズ」
「俺は一人に愛を捧げられないんだ。平等に愛してやるから、俺におとなしく堕ちてこい」
「誰が堕ちるか。もういい加減に解放してくれない?」
「俺はエルシアも愛してる。心配しなくても大丈夫だ」
人の話を聞け!
ちなみに口では何度も拒んでいるのに、体は既に出来上がっている状態である。昨日までに覚え込まされたのと、あの淫紋みたいなのが残っているのかもしれない。でなければ、私がカイル以外の男に触られて気持ちよくさせられるのはおかしい。
なんで拒絶できないんだ。くそっ、クソっクソっ!
「もう俺から離れられないクセに足掻くよな」
「嫌なものは嫌だから、その理由だけでは不満? やめて、もう私を抱かないでよ」
「ここをこんなに濡らしておいてでもか?」
アレックスが私のぐしょぐしょに濡れて張り付いたショーツの中に手を入れ、ダラダラと涎を垂らす割れ目へ指を2本いきなり挿入させる。
「ひやぁあんっ」
「指がすんなり入ったな。3本目イケるんじゃないか?」
「やだ、やだやだ! こんなのおかしい! 私がなんでこんなぁ……あんっ……やだぁ……あぅっ♡」
プシュッ、プシュゥッ!
堪えきれなくなったアソコが痙攣し、勝手に潮を吹いてアレックスの腕やシーツを濡らしていく。
「こんなの嫌なのにィ……! やだ、カイル以外に触られるのは嫌なハズだったのに……っ♡」
「随分と蕩けた顔をしながら拒むんだな。だらしなくてとても由緒ある公爵令嬢だとは思えないくらい淫乱だな」
ふざけるな! 調子乗るのも大概にしておけよ!
体に快楽を刻みつけてくる指を引き抜くために両手を使って抵抗してみせているが、快楽を覚え込まされていく体に私も何がなんだか解らなくなってきて指を引き抜くハズが、もっと動かしてと言わんばかりに動かしているのだ。
でも、意図的にアレックスは私を絶頂させることなく、イキそうになると動きを弱めて浅い場所をイジメたりなど、私を焦らすのだ。
我慢できなくなって私自身から求めるようにするのが、アレックスは好んでいるようだ。
イキたいのにイケなくて、全身が性感帯になったかのようにビクビクが止まらない。
散々焦らされてちょっとの刺激だけでもイケそうなくらい昂ぶってはいたが、それでも私は痩せ我慢して耐えて自分から求めるなんてことはしない。この男にもう自分から求めたくない。
「だ……れが……アンタなんかに……求める……あひぁっ♡」
「耐えるのはいいけど、さっさと堕ちろよ!」
「イヤイヤぁ……絶対に堕ちたく……ダメぇ! ソコっ! ソコはお尻だからイヤぁ!」
「嫌じゃないだろ! 女同士で掘り合ってた変態が嫌がるのかよ!」
「ソコ汚いから! 指入れちゃいやぁ……ああん!」
四つん這いにさせられて人差し指が最初入ってきて、次の瞬間には中指が入ってきてお尻の中で2本の指が縦横無尽に掻き回す。それで変に力が入って体が硬直し、ひたすら不快なのに気持ちいい脳天を突き抜ける快感に翻弄される。
「アソコの締まりもいいが、ケツ穴の締まりもいいな。まるで男を悦ばせるために生まれてきたような女だな。指が抜けなくなりそうだ」
「そんなとこに入れないでよ! うんち! うんち出来なくなっちゃうから!」
「汚い言葉を平気で使うとは、ますます変態に磨きがかかってきてるんじゃないか?」
「いやいや、やめて! おマンコ一杯触っていいから! おチンポで何度もハメていいからやめてぇっ♡ お尻はダメッ! おかしくなっちゃうぅぅぅっ♡♡」
ブシャァァッ!!
アソコから一条の線となって潮とも尿ともとれる体液が噴射され、ベッドに水溜りを作る。
アレックスの指キモチいい。イクのが止まらない、何度も潮吹きしちゃってる。
「んホオォッ♡」
ヌボッ、とお尻から指が抜かれ変な喘ぎ声が漏れる。
ポッカリと大きく空いたお尻の穴は開いたまま閉じることなく、その奥までアレックスの眼前に晒した。
それもようやく収まった頃、惚けた私のアソコにアレックスの怪物チンポの先端が触れる。
「あ……」
「挿れてほしいんだろう?」
「うん! ハメて! おマンコにイッパイ種付けしてぇっ!」
「カイルのことも忘れて、嫌いだって言ってる俺の女になるならたっぷりハメてやるよ」
カイルを忘れる? 嫌いなお前の女になる?
「な──―」
ります、と口にしようとして私は歯を食いしばって噤んだ。
そんなことは絶対に言えない。カイルを諦めてアレックスの女になる、そんなことは絶対にしてはいけないんだ。カイルを裏切ってしまった私は、もう二度と彼とは復縁することはできないだろう。
でも、何故だろう。アレックスの女になる、とか考えた時に嫌なハズなのにときめく私がいた。
違う。そんなんじゃない。私はアレックスの女になんかなりたくない! カイルのことも忘れたくない! たとえ復縁とか無理だとしても、私がカイルを愛していたことを忘れるのは嫌だ。嫌なハズなのに、なんでアレックスを好きになろうとしている。愛しく思うようになってきている?
怖い、怖い──―。一体何なんだ。
「私に何をしたっ?」
「ようやく勘付いたか。俺はエルシアに魅了を使ったんだよ。初日からずっとな。俺の場合、女をイカせてその子宮に精液を放つことによって堕とすんだ。並の女なら、挿れるまでには勝手に堕ちるものだが、エルシアはよく耐えてたな」
「ハァ?」
結局、私も操られてたってことか。
そ、そんなこと……!
「それも今日で終わりだな。エルシア。君はカイルから拒絶され、心の支えが無くなった。いくら嫌いだと言っても、そんなのはもう無いようなものだろう。俺に求められればすぐに発情する女だからな。どうせもう俺のことが好きで愛しくて仕方ないんじゃないか?」
「そんなことない! 私は……私、は……貴方のことなんか……!」
体勢を変えて仰向けにされ、アレックスの美麗な顔が近づいてきて唇を重ねられる。
甘く蕩けさせられるように深く、大事で愛しいものに触れるようなキスに胸がドキドキと高鳴る。
なんだこれは……!
やめろ、赤くなるな! アレックスに対して、こんな好きな人に触れられて悦ぶような反応を見せるのは私なんかじゃない!
「ふざけんな。私はカイルのことが好きだ。嫌われてしまったとしても、それは今も変わらない」
「強情だな。そんなに好きなら、どこでどうやって抱かれたのか言ってみろよ」
「簡単よ」
そう言ってカイルに抱かれた思い出を記憶から掘り起こそうとした。
あれ、なんで? そんなハズない。
なに1つ思い出に残っていないのだ。抜け落ちてしまったみたいに。カイルのことが好きだという気持ちだけが残っていて、それ以外の些細な思い出が全く思い出せない。笑った顔も、この体に触れられた記憶も何もかも。唯一、憎悪を向けられたのだけが残っている。
「なんで、なんでなんで? 私、ちゃんとカイルが好きなのに婚約者で何度も抱かれたのにどうして思い出せないの?」
「俺が上書きしたからだな」
「有り得ない。こんなの有り得ない。私が好きなのはカイルだけ、アレックスじゃない」
「今はもう片想いの状態で失恋してるのにか?」
「貴方がそうさせたんじゃない! 私とカイルは愛し合ってた!」
「いや、エルシアは俺と愛し合ってたな。あまり普通じゃないセックスが好きなのに付き合わされるのは大変だったぞ」
「何を言って……!」
私がアレックスと愛し合う? そんなことは一度もしたこと無い! 無理やり抱かれてただけ。私は仕方なくて抱かれてた。
なんで私は胸をときめかせている。違う、こんなのは間違っている。
何度もそう言い聞かせ、私はアレックスへ傾いていく心を抑えつける。
「とにかく私は貴方を好きになったりなんかしない」
「ここまでして抵抗して意味があるのか? 俺の女になることにそこまで嫌がる理由はなんだ? カイルへの罪悪感からか? 全部忘れさせるくらい愛してやるから、素直に堕ちればいいだろう」
「嫌だ。絶対に堕ちるもんか」
「……そこまで頑なになられると、意地でも手に入れたくなるよ」
アレックスの瞳が燃えるような熱を持って、私を見つめてくる。
本気だ。本気で私を堕とそうとしている。きっと私は耐えられないかもしれない。堕ちるかもしれない。それでも、私は堕ちたくない。
「絶対に貴方なんか好きになるもんか!」
私はこの男のチンポなんかに負けない!