昨日と同様、午前は体力回復に努めて午後からの行動開始である。
毎日犯され続けて頭がおかしくなりそうだが、それも今日を含めて4日で終わる。カイルと1日置きとはいえ、セックスし続けた私には耐えられる自信がある。
カイルに一目会えるのだから、まだ頑張れる勇気が湧いてくる。心残りなのは、セックスの最中にアレックスが言っていた戯言だ。あんなものは私の心をへし折るための方便だと知っている。カイルを疑う必要なんてない。
「よーし、今から会いに行くぞ」
王宮から離れた場所に位置する塔に来ていた。
高位の貴族、王族に連なる者を捕らえておく時に使われるのだが、内装は裕福な庶民が済みそうなくらいには豪製である。
その上階に上がっていこうとしているのだが、私は上がっている階段の途中でアレックスのチンポを受け入れさせられていた。
「こんなところで発情……するなバカぁ♡」
「そんなエロい格好で歩くお前が悪い。これみよがしに目の前でエロ尻振りやがって、この!」
バチンッ、と小気味よく尻を叩かれじんわりと熱を持ち始めて体が熱くなってくる。
状況的には、私がアレックスの前を歩いてたらスカートを捲られて股を開かされ、ショーツをズラされて挿入されたのだ。前世が男だったから理解できる。学院のエロ制服はミニスカートになっているから、下を歩けば下着が見えてしまうのがいけないだろう。それで、アレックスの視線が集中しているのが解るから、私は妙な気分になってくるし、何とかして視線から逃れようとして不自然な動きをしてしまっていたから、彼にしてみれば誘っていると思ったのだろう。
最初は立ちバックという、立った姿勢のまま壁に手をついて後ろから貫かれた。
セックスの際、私が最も重要視してきた前戯はすっ飛ばされたが、アレックスの視線に犯されている内に濡らしてしまっていたのですんなり受け入れてしまった。
なんか扱いが既にオナホールの状態だ。恋人のようなイチャイチャをしつつ、変態チックなセックスが好きな私からしてみれば、この酷い扱いには断固抗議したい。
「せ……せめて優しくして……こんな扱い嫌だぁ……」
「その割にエルシアのマンコはかなり締めつけてくるぞ。本当は興奮してんだろ?」
「違うから……こんなのヤダぁ……あん!」
片足を持ち上げられ、更に奥まで届くようになったアレックスのチンポがナカを蹂躙し、淫靡な音を奏でる。
いつでもどこでもアレックスに求められれば応じるしかない私には、ひたすら嫌だと言うことしか出来なかった。
「ヒャッ……ああん、もうイクッ! こんな場所でイキたくないのにイク! イグイグ!」
来たる絶頂の波に体をビクンッと震わせた瞬間だった。
ズルッ──―。
「……あ……れ……?」
さっきまで膣内を襲っていた熱棒が消え去り、ポッカリと割れ目が開いたまま私は呆然と呟く。
足も下ろされ、ズラされたショーツと捲り上げられたスカートを綺麗に戻され、あとには火照って疼いた体が取り残された。
アレックスはキョトンとして私を見やる。
「どうした、早く行くぞ」
「……う、うん」
「なんだ、不満そうだな」
ニヤニヤと笑みを浮かべやがって、確信犯だな。
言わせようとしているのは目に見えている。体は今にも欲しそうにウズウズしているが、気合で捩じ伏せて階段を登る。
ヌチャッ、ヌチャッ。
中途半端でお預けされた子宮が何度も精液が欲しいと訴え、粘ついた液が股を湿らせて歩く度に下品な音を立てさせる。
「我慢できなくなったら言えよ。ちゃんとおねだり出来たら考えてやるよ」
「誰が貴方なんかにねだるものか。私はそもそもカイルに会うために来ているんだ。絶対に貴方とのセックスを見せびらかすために来たんじゃない」
「会って後悔するのが目に見えてるのにか?」
「そんなことない!」
不穏なこと言いやがって。あくまで義務感で抱かれてやってるのに、なんだその言い草は。
などと考えている間に階段も終着点に辿り着き、2つの扉があった。
片方はアルフレッド殿下が使い、もう片方はカイルが使っている。だけど、アルフレッド殿下は大衆の前で処刑なんて酷なことはさせられないので服毒で密かに亡くなられてしまったので、現在はカイルのみがこの塔に囚われている。
私が頑張って耐えれば、出てこられるのだ。そうすれば、ずっと一緒にいられる。
カイルがいるであろう扉を開け、ようやく会える愛しの人に自然と笑みが溢れる。
「リリア、愛してる」
「そんな……カイル様、嬉しい」
なんだ、これは。
笑みが凍りつき、目の前の現状を受け入れなくて許容量が超えて呆然とする。
愛し合う2人の甘酸っぱい胸焼けするような甘ったるい空間が醸成され、私は無性に腹立たしく思える。
いや、リリアは魅了で操っているだけだ。こんな光景は作られたもので、本来ならカイルといるべきなのは私であってこんなのは有り得ない認めない。
「離れろ、そこは私の場所だ!」
「きゃあっ」
「リリア!」
無理やり引っ剥がしてカイルを抱き締める。
大丈夫、カイルが言っていた。リリアから離れて私が近くにいれば、魅了状態から抜け出せれるって。
だから、私はカイルを抱き締めて目の前で泣き真似をしているのであろうクズをキツく睨む。
「カイル、大丈夫だからね。私がちゃんとここから出してあげるから! そうしたら、一緒に二人で暮らそう?」
うん、やっぱり私はカイルが好きだ。抱き締められるのもいいけど、抱き締めるのもいい。彼の匂いは、私を安心させてくれる。アレックスに無理やり抱かれてはいても、やはり本当に好きな人と一緒であれば心も満たされる。
だが、カイルは違った。
「離れろ、このクソ女」
おおよそ、婚約者の私に対してかける言葉じゃない。
突き飛ばされ、唖然とする私にカイルはリリアを愛しく優しく抱き締めながら、憎悪のこもった眼差しを向ける。
「いやいや、待って待って。カイルは操られてるんだよ。大丈夫だから、その女から離れて」
「近づくな。婚約者で一時お前を抱いてやってたとはいえ、それで俺を束縛するな!」
「何言ってるの。愛してるって好きだって言ってくれたじゃない。カイルは操られてるだけだ」
「本気だったさ! でも、今はもうお前なんかどうでもいい!」
どうでもいい、だと?
まあ、どうせ操られてるだけだろう。うん、大丈夫。
「笑えよ。君に見てもらいたくて俺が無様な姿を晒してさ。無理やりだったけど、俺なんかを受け入れてくれてスゴく嬉しかった! 俺は本気でお前が好きだった! でも、お前はただ抱いてくれるなら誰でも良い淫乱な女だったんだ!」
……操られてるだけだ。
「そんなに俺に抱かれていたかったんなら、あの時全て捨てるって決めてくれたんなら俺はお前と遠くへ行ってたさ。でも、お前はそうしなかった。お前はセックスできるんなら、誰でも良い淫乱な女だ。一時とはいえ、お前に情を抱いてた自分が恥ずかしいよ」
「何もそこまで言わなくったって……」
「どうせ今来たのも、アレックスの女になったって報告なんだろ? 一昨日なんか見せつけてくれてたな。悪かったな、下手くそで。すまんな、アレックス。ソイツの処女を上げられなくてさ。俺にはリリアがいるから、ソイツは好きにしていいぞ。中古でも締まりはいいから精々壊れない程度に優しく扱ってやれよ」
「そこまで言わなくてもいいじゃないか。私が貴方のために―――」
「頼んでもないのにするなよ! 俺がどんな想いでここにいるのかも解らないくせに余計なことをするな!」
「余計、だと」
まあ、落ち着け。私は怒らない。理性的で文明的な女だ。感情的になってはいけない。
カイルは何故怒っているのだろう。あの牢屋の一件を知っているということは、近くにいたのだろう。気づかなかった私が悪い。それに自分の女が他人とのセックスに溺れてるのを見せられたら、そりゃあ精神的におかしくなるのは当然でリリアが慰めてなかったら、恐らくもっと酷いことになっていたかもしれない。最悪だ。なんだって胸くそ悪くなる寝取られエロゲーの定番をやってんだよ、私は!
変な道具を使うな、と私は約束させた。しかし、カイルに私がアレックスに抱かれてるところを見せるなとは言ってない。私の落ち度だ。
寝取られセックスの定番をしていたことに気づき、私はその実行犯を睨みつける。
「お前、よくも!」
「別に見せるなとは言われていない」
「それでも、常識的に考えて! 普通なら見せないハズだ! こんなんじゃあ、私が何のために貴方に抱かれてたのか意味が無くなるじゃないか」
くそっ、奴の掌の上だったのか。
カイルとの関係を修復するのは絶望的で、今の彼に私がどれだけ声を掛けても無駄だ。リリアの言葉しか届かない。
未だカイルと抱き合い、私の居場所を掠め取った輩はクスクスと笑む。
「エルシアちゃん、私の勝ちですね」
「ハァ?」
「貴方がアレックス様に抱かれてくれたおかげで私はカイルを落とすことが出来ました。本当に感謝してます」
「目的はなに? そんなに国が欲しいの?」
「いいえ。私はただ何もかも与えられた貴方が妬ましかった。恵まれた容姿、恵まれた家柄。どれを取っても私には何一つ勝てません。知ってます? 私の初めての相手は引き取ってくれた侯爵様なんですよ。穢されて、男の汚い欲望に晒されて惨めな私とは違って、エルシア様は好きな人に初めてを捧げて仲睦まじくいる。この差はなんなんですか? 私だって、一度くらい本気で人を愛したい! それが貴方から大事な人を奪う結果になろうとも! いいじゃないですか、貴方には帝国の次期皇帝の妃になります。私に愛した人と添い遂げさせてもらえる権利が与えてもいいじゃないですか!」
なんて身勝手なんだ。勝手に嫉妬して、勝手に逆恨みしやがって。私には地位と名誉が与えられるから、それで許せだと? 私にそんなものは必要ない。
カイルがいてくれれば、それだけでよかったのだ。
そもそも、として。
「それで魅了使って愛してくれるように仕向けたの?」
「確かに使いましたけど、私が使ったところですぐに相手が本当に好きな人のところへ行けば解けてしまうようなものです。貴方がアレックス様とセックスしてるところを見せてくれたおかげでこうして完全に魅了されてくれました」
「最低よ、貴方」
「どの口が言うんですか。私は貴方のように好きでもない相手に抱かれてヨガるような女じゃありません。今までセックスすることは痛くて辛いものでした。でも、カイルとするセックスは気持ちが通じ合っているおかげでとても気持ちいいです。貴方は男で良ければ誰でもいいんでしょう? なら、わざわざカイルに拘る必要が無いんじゃないですか?」
「誰でもいいワケないじゃない! 私だって好きな人とセックスしていたい! でも、仕方ないことだから! 私が1週間抱かれ続けないと、カイルを解放してくれないからおとなしく抱かれてるだけよ。嫌々やってるだけで、私は気持ちよくなんて……!」
「じゃあ、今ここでアレックス様としてみせてください! それで気持ちよくなんてならないんなら、私も認めます!」
「わかったわ! 絶対に気持ちよくなんてならないから!」
売り言葉に買い言葉といった感じで、私はこの2人の前でアレックスに抱かれないといけなくなった。
結局、カイルの目の前で抱かれるのかよ。
アレックスの言ってたことが現実に実行されようとして、私は悲しくなった。