無事コロニーを出たクルーゼ一行は、メンデルコロニーに向かっていた。クルーゼは人質をレイに任せ、再度デュランダルと連絡を取っている。
「薬の製法は私のホームページに公開しておこう。あとはメンデルコロニーにどれだけ機材が残っているかだな」
「残っていても私に使えるかは分からんぞ」
「だが、やってもらうしかない」
クルーゼは沈黙する。デュランダルの言う通りなのは分かり切っている。
「一先ずメンデルはそれでいいとして、その後はどうする?」
「私なりに考えてみたんだが、傭兵になろうと思う。できれば名を変えて」
「そうか。それが妥当だろうな。……傭兵の登録や依頼主探しくらいなら私の方でやってやれると思うが?」
「すまない。世話になる」
「気にしないでくれ」
穏やかに言うデュランダル。程なくフッと笑みが漏れ聞こえてくる。クルーゼが珍しく下手に出ているからだろう。
「新しい名前は何にする?」
「何でもいい。好きに決めてくれ」
「では、シャア・アズナブルにしておこう。仮面が似合いそうだ」
「……仮面は脱ぐぞ? 正体を隠すためにな」
「オールバックが似合いそうだ」
「そうか」
クルーゼは呆れたように返答する。デュランダルは何故かシャアの名を気に入ったらしい。その名を呼ぶ時の声には親しみが込められているように感じられる。
メンデルコロニーはバイオハザードが起こったために廃棄されたと言われている。その真実は別だとクルーゼは知っているが、今それは重要でない。デュランダルが仕事を見つけてくれるまでの、食料確保、人質の扱い、追手に対する警備、その中での睡眠時間の確保。悩ましい問題がいくつもあった。
「ラウ……いや、シャア。人質が臭いから部屋を変えろと言っています。子供が漏らしたそうです」
1人食料庫をあさっていると、レイから通信が入った。
「今は無理だな。そんな時間は無い」
「そうですか」
「きみは嫌なら離れてもいいぞ」
「いいえ、問題ありません。部屋の密閉は完璧です」
「そうか」
1つの部屋に監禁しっぱなしだと、こういう問題が起こる。しかし、たった2人ではトイレに連れていくのも困難なのだ。
食料は、表記上30年近くもつ保存食が、2人でなら楽に1年を暮らせるだけ見つかった。先に、船に積んであるそれなりに新鮮な食糧から消費して、足りなくなったら古い保存食を食べることにした。人質は全て保存食だ。全員分の新鮮な料理を作る手間が惜しい。ちなみに水は、浄化装置が働いていたので、いくらでもあった。
クルーゼが帰って見張りが2人になったので、お手洗いを含めた部屋の移動、食事、漏らした子供のシャワーを許可した。移動させる時は子供と親を別けて、「妙なことをしたら子供を殺すぞ」と脅した。その甲斐あってか素直に従ってくれた。
メイリン・ホークはシャワーを浴びながら隙を伺っていた。
後悔させてやる! 私をこんな目に遭わせたことを!
今までの恐怖と、漏らしたことの羞恥を、怒りに変えていた。
絶対にぎゃふんと言わせる。殺すこともいとわない。なんせ相手は非道なテロリストな上に、ナチュラルなのだから。
「あの、もうすぐ終わりそうなんだけど」
かわいらしい13歳の少女を演じながら、ドアの向こうにいる相手、自分より年下の少女? 少年? に話しかける。
「そうか」
こんなかわいらしい少女相手なのに、素っ気ない。やっぱり相手も少女? それともナチュラルが不能だから?
頭を振ってどうでもいい疑問を飛ばす。再び少女の演技に集中する。
「出る時、その、目ぇつぶってくれるかな?」
「ありえんな」
「そんなあ……」
すげなく返された。思春期の少女にとって男に裸を見られるのは絶対にあってはならないこと。しかし、これを利用して隙を作るのは無理そうだ。
ならば、当初の予定通りでいこう。一瞬で組み倒し、銃を奪う。
危険だが、相手は所詮ナチュラルだ。それも2つくらい年下に見える。身体能力は大したことないだろう。注意するのは武器のみ。銃口を向けられる前に、無力化する。
「すうううう。……ンッ」
勢いよくドアを開け、低い前傾姿勢で突っ込む。相手は、さっきまでドアのすぐ傍にいたのに、いつのまにか部屋の反対側の隅にいる。しかも、既に銃口を向けている。
「そん、な……」
一瞬で全身の力が抜ける。とてつもない絶望。恐怖。
「お姉ちゃんっ」
助けて、と大好きな姉の顔が浮かぶ。しかし勇ましい姉も、銃を持つ大人相手にここまで来るのは無理だろう。そもそもドアはロックされている。やはり自分は死んでしまうのだ。
スッと目をつぶる。端から涙が溢れた。
ガツン。鈍い音と共に、頭に固く重い物が当たった衝撃。程なく痛みが来て、同時に視界が暗転する。
「生きられるのならば、生きた方がいい」
そんなつぶやきが微かに聞こえた気がした。
そんな苦労はつゆ知らず、スウは女体をむさぼっていた。
「あはァアアン。ひゃん。ダメェッ」
押し倒したラクスを正面から突きながら、胸を強く揉み、先っぽを齧る。
「痛い! 痛いですわ! キャアッ」
「驚いた。これだけやられて、これだけ悲鳴を上げながら、乳首ビンビンだもんな。レイプ願望の亜種、悲劇のヒロイン願望ってやつか……」
それが聞こえてか、ラクスはサッと顔を覆った。はみ出た部分は、あっと言う間に赤くなっていっている。今更恥ずかしがっているらしい。
ちなみに、スウはそれほどサドではない。むしろ詫びのつもりで、ニュータイプ能力を使ってラクスの望みを叶えていたら、こうなっただけである。もっともスウは、女の大半は多かれ少なかれ白馬の王子様にレイプされたいと思っていることを知っている。今回驚いているのも、より深い性癖についてだ。
「また驚いた。これだけ喜んでおいて、それを言われると恥ずかしいのか」
「嫌っ。それは嫌なのっ、です……。恥ずかしいっ。アンッ、アンッ。……なぜ、かしらっ?」
「知らん。それより、そろそろだ」
スウの腰の動きが一層速くなる。しばらくすると、ビクン、と深く突いて止まる。
「うっ」
びゅっ、びゅっ、と射精する。今日5回目。外は薄らと明るくなり始めていた。
「ふう。今日はもう寝るぞ」
「ええーっ。私はまだまだいけますわーっ」
「昼過ぎに人と会う約束をしてるんだ」
「ええーっ。……じゃあっ」
ラクスはうれしそうな笑みを浮かべ、スウの背中に腕と足を回し、絡めた。
「このまま寝ますわ!」
「……お前、前から淫乱だったのか?」
年季が入っている気がする。
「あなたのせいですわっ」
『せい』と言うわりに一層うれしそうな顔のラクス。スウは若干苦しかったが、気持ちよくもあるからいいか、とそのまま寝ることにした。もちろんおやすみのキスをしてから。