千の頭とマロニエ
永い時を経てところどころ崩れている石壁に囲まれた通路をマロニエは疾走していた。
薄暗く、ひび割れ、壁から崩れた瓦礫のせいで入ってくる時は歩くのも一苦労な石畳の廊下であったが、そんなことを気にする余裕すらなくただひたすら出口を求めて全力で駆け抜ける。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、早くっ……早く外にっ! 街に戻って、はっ、はっ、騎士団に、すぐに助けをっ!」
自慢の武器にもなる盾すらとうの昔に捨て、一切の余裕を剥ぎ取られた必死の様相でマロニエは走り……否、逃げていた。
その背後からは彼女に追いつこうと、通路を天井まで埋め尽くさんばかりの怪物達が後を追う。
「はぁっ、はぁっ、くっ……早くここが、“あいつら”の隠れ家だと団長にっ!」
後ろを振り返り確認する暇など無い。捕まっていないのならまだ追いつかれていない。なら僅かでも長く足を伸ばし少しでも先に進み逃げ続ける。
徐々に距離が狭まってきているマロニエの視界の先に、外から入ってくる光が見えた。
命をかけた鬼ごっこは、もうすぐ終わろうとしていた。
その日マロニエはとある遺跡の調査に来ていた。
街から大分離れた場所にあり、辺境故に往来の難しさもあってあまり調査が進んでいなかった。
それはすなわち、考古学者にとって未知が詰まった宝箱ということだ。
早速中に入ればあちこちが崩れており足元も不安定。マロニエは慎重に歩みを進めランプの灯りを頼りに遺跡の奥へと潜っていく。
「ふっ、ふふふ……あはははっ! さあもう逃げられないぞ遺跡ちゃぁん! 私が中から君の未知を曝け出してやろう! さあさあさあ、一糸纏わぬ丸裸になり私に全てを見せておくれ〜♪」
足場の悪い通路は徐々に地下に向かって降りており、それに従い彼女は無尽蔵に好奇心を湧かせながら歩き続けた。
やがていつまでも代わり映えのない石の通路に対して興奮と探求欲で埋め尽くされていた心に登り坂となるであろう帰り道への気怠さが芽生えてきた頃、ようやく地下空洞を利用したであろう広間へと辿り着いた。
「うふふふ、こんなに長引かせるなんて恥ずかしがり屋さんめ。だが観念して隠しているものを私に……見、せ……」
「誰かっ、誰か助けてぇぇっ!」
「いやぁっ、いやぁぁぁぁっ!」
「助けて……もう、やだ……」
「ぅ……ぁ……」
そこでは数多くの女性達が、広間を埋め尽くさんばかりの夥しい数の人外に囚われていた。
マロニエはその化け物に、否、その数えるのも馬鹿らしくなるほどの害虫達に見覚えがあった。
つい先日、彼女も花騎士として撃滅作戦に参加し数え切れぬほど討ち取ったばかりなのだから。
「バカな、こいつらまさか……まさかこの遺跡に潜伏していたというのか……ミズウォルムっ!」
上も、下も、右も左も手前も奥も見えるところも見えないところも全てを埋め尽くす害虫達が、マロニエの加護を感じ取って一斉に視線を向ける。
不滅と黄昏の支配者、千の頭のミズウォルム。
三大害虫の一角たるミミズ型の群体害虫がのこのこと自らやってきた獲物を捕えるために津波のごとく動き出し、マロニエは来た道を全速力で駆け出した。
そうして始まったマロニエとミズウォルムの分体達の追いかけっこは、光が射し込む入り口が目の前に迫ってきたことでようやく終わりを迎えようとしている。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、私一人では勝てないっ! 絶対に、私が今ここで捕まるわけには……いかないんだっ!」
ミズウォルムに捕らわれていた女性達を今すぐ助けたい気持ちはある。
だが彼女の優秀な頭脳と冷静さを残す判断力がそれは絶対に不可能だと結論を導き出しており、ここから逃げ延びて騎士団を引き連れて戻ってくることが唯一の救出手段だと判断した。
故に、マロニエも捕まる訳にはいかない。
ここで彼女も捕まれば、助けを呼びに行くことも全員を救うことも出来なくなる。
「ふっ、はぁっ、はっ、遺跡から出られれば、逃げる手段はいくらでもあるっ! すぐ戻ってくるから、はっ、はっ、はっ、待っててくれっ!」
出口まですぐそこ。背後のミミズ達は間に合わない。
マロニエは数時間ぶりの日の光の元へ出ようと足に力を込め、
何かに足を取られてその場でこけた。
「うぐぁっ!? マ、マズイっ、早く逃げ……あ、足、ミズ、ウォルム……っ!」
マロニエの足を引っ掛け転倒させ、今も足に絡みついているもの。
それは、石畳が剥げた地面から伸びているミミズ害虫だった。
彼女を追うミズウォルムの分体は背後だけではなかった。地中を進んで先回りし、出口付近で待ち構えていた個体もいたのだ。
「は、離せっ、離すんだっ! ……あ、あああっ……」
足を取られて動けぬマロニエについに分体の群勢が追い付き、マロニエの身体は蟲の波に飲み込まれていく。
四肢に、腰に、胴に絡みついていく大量のミミズ達。こうして身動きを封じた花騎士を、再び地下の巣穴へと迎え入れるべく遺跡の道を暗闇に向かって戻り始めた。
「離してくれぇっ! 嫌だっ、連れて行かないでくれぇ……っ!」
あと僅かで届いた光に向かって手を伸ばすが、無情にも全身は暗い地面の下へと引きずり込まれていく。
後に残ったのは、地べたに転がる使い込まれた帽子だけだった。
マロニエは再び遺跡の地下に戻ってきた。
ただし、知的好奇心に溢れる見識深い考古学者としてではなく、これから害虫の群れに身体を弄ばれる一人の無力な女としてだ。
「こ、この変態害虫っ! 人を裸にして何をするつもりなんだ!」
マロニエの着ていた服は全て道中で分体達によって破り捨てられており、その張りのある瑞々しい白い肌を隠すものは何一つ残っていない。
無論逃げ出そうと抵抗はしていたが、全身、特に手足を縛るように絡みつく数多のミミズ害虫達によってその努力は徒労に終わっている。
そしてこれから、蟲によってマロニエは人として、女としての尊厳を穢し尽くす陵辱に晒されるのだ。
「クソぉっ、私に一体何を……んぐぶぅ!? んぐっ、ぐぅっ、じゅぶ、な、こ、これ、害虫のペニスっ!? んじゅ、じゅぶぅ……っ」
ミミズ害虫は逃げようともがくマロニエの口を脈打つ生臭い棒状のもので塞いだ。
それはミミズの尾先から伸びている、充血し怒張した蟲の肉棒であった。
「んんんーっ! んぶっ、じゅるっ、か、硬すぎて、噛み切れないっ……ぐぼ、ずぢゅ、じゅびゅぅっ、く、口から、抜けぇ……!」
マロニエの口いっぱいに広がる害虫の生臭い怒張の味。噛み切るつもりで歯を立てようとするも、強すぎる弾力のせいで口淫を強要する雄蟲に快感を与えるだけで終わってしまう。
いかに好奇心旺盛な彼女といえど、知りたいと欠片すら考えたこともないミミズの淫棒の舌触りや臭いを、身を持って知ることとなった。
「んふぅー、ふぅー、じゅぽ、ずじゅ、害虫のペニスなんて、んぐっ、じゅるっ、気持ち悪い……。んひぅんぅっ!? な、何してっ、んふぅぁっ、ふあぁっ、やめっ、はああんん……っ!」
口を犯すミミズ害虫への不快感を露わにしていたマロニエだったが、突如全身に走った甘い刺激に思わず嬌声を上げて背中を反らした。
他のミミズ害虫達が、彼女の性感帯に吸い付き刺激を与え始めたのだ。
「はぁんっ、んああっ、蟲相手なのに感じてしまうぅっ……私の、胸も、あそこもぉっ、じゅる、ぐぶぅっ、あんっ、んんんっ、害虫が弄るなぁ……ふあぁっ、んむぅぅっ!」
形の良い乳房に吸い付いた二匹のミミズは頂のピンクの蕾を舌で捏ねながら吸い、無理矢理広げられた股に顔を近付けた個体も陰核の包皮を剥き外気に晒された淫豆を執拗に舐め回す。
同時に襲いかかる快感にマロニエは雌声を上げて悶え藻掻くが、ミミズ害虫達が彼女の身体の拘束を緩めることは決して無かった。
そんな止まらぬ快楽の波をマロニエに浴びせ続けるミミズ害虫達であったが、突如彼女の口を犯していたミミズの肉棒がビクリと震えて先端から粘液を解き放った。
「はああっ、あんんっ、も、もうやめてくれぇっ……はあんっ、それ以上はぁ、んああっ、んんんーっ! んぐぅぅっ、ぐぶっ、んむぅっ、ご、ごく、ごきゅ……ゲホッゲホッ。な、生臭くて、ベタついて気持ち悪い……まさか今飲んでしまったのは、害虫の精子なのか……」
口いっぱいに注がれる粘液の息苦しさに思わず飲み込んでしまった後にようやく気付いた。ペニスから放たれる生臭い粘液など精液しかありえない。
口内射精されたミミズ害虫の雄汁をマロニエは飲まされたのだ。
「はぁ、はぁっ……んあぅぅっ! か、身体が、腹が熱い……ひぅぅっ。んんんっ、んはぁ、ああんんんっ! や、やめっ、さっきまでより感じすぎるっ! あんっ、あんんっ、こんなの、すぐイってしまううっ! んあああんんっ!」
直後、マロニエは先程と変わらず乳房と陰部を攻める害虫達の動きにそれまで以上の強い快感を感じ、仰け反りながら雌声で啼いた。
だが蟲達の動きにさほど変化は無い。
マロニエの方が変わったのだ。先程飲んでしまったミミズの精液が即効性の媚薬として効果を発揮し、彼女の雌身体の感度を著しく高めたのだ。
「ひんぅぅっ、んあっ、止めて、止めてくれぇっ、はああんっ、あんんっ、ふひあぁっ! 乳首もクリトリスもぉ、はああ、ひあっ、あああっ、刺激が強すぎて、おかしくなるぅぅっ、あんっ、ああんっ!」
それまで快楽に苛まれながらも逃走手段を探っていた脳が、理性を上回る快感の暴力に圧されて思考が纏まらなくなる。
刺激に加えて媚薬まで与えられたマロニエの乳首と陰核は自己主張するかのように勃起して硬くなっており、ミミズ害虫達が舌や歯に弄ばれ音を立てて吸われる快感を余すことなく彼女に伝えてきた。
「あんっ、あああっ、イくっ、イくぅぅぅっ! 害虫相手に、イかされてしまうぅぅ……っ! ふああっ、あっ、あっ、あああああああああっ!」
そんなものを浴び続けて耐えられるはずもなく、快楽の閾値を超えたマロニエの雌体は仰け反りながら絶頂に至った。
視界が点滅し焦点の定まらない瞳を揺らしながら痙攣のように全身を震わせ、股の割れ目からはダラダラと女の性快の証である濃厚な愛液が垂れ落ちていく。
だがマロニエがそんな姿を晒してもミミズ害虫達は決して拘束を緩めることはせず、性感帯からも口を離さず未だに絶頂したばかりの淫突起に吸い付いたままである。
それどころか逆にトドメと言わんばかりに、首筋に噛みつき彼女の体内に直接毒入りのミミズの体液を流し込み始めた。
「んああっ、うぁ、あぅぅ……やめてくれぇ……。イったばかりで、激しい性的快感がまだ、んあうぅっ、ひぐぅっ、抜けてないんだぁ……」
己の中に良くないものが入ってきているのは分かったが、今のマロニエには抵抗する力が一切残っていない。むしろ全身が快楽に敏感になっている女体にとって、未だに続く性感帯からの蕩ける刺激が強すぎて危機感が薄れてしまっていた。
首からミミズ害虫が離れると、仕上げ、あるいはようやく準備が終わったと言わんばかりに一匹のミミズ害虫が股に近付き尾先を向けた。
直後、ズルリと粘液にまみれた突起が先端から伸び、瞬く間に硬く太く反りだした。
それが何なのかマロニエは知っている。何せ先程まで目の前にあり、味や臭い、舌触りさえも味わわされていたのだから。
「ペ、ペニスなんて出して、私に何をするつもりなんだっ……。う、嘘だろう、やめてくれっ、私は人間なんだっ! 私の膣は害虫のペニスなんて受け入れるようにできてないし、キミ達の赤ちゃんも作れないんだぞっ!」
それは、ミミズ害虫の勃起した肉棒。
それを見てミミズ害虫がこれから何をしようとしているのか、マロニエは、否、女なら嫌でも理解してしまう。
ミミズ害虫は、マロニエと交尾しようとしているのだ。
既にミミズ害虫はマロニエの秘裂に怒張を擦り付け、潤滑液として全体に愛液を纏わせている。
まるで彼女の淫蜜を吸い膨らんでいるかのように陰茎はさらに太く長くなっており、この害虫の剛直がこれから花騎士の肉壺を犯すのだ。
「やめ、てくれぇ……そ、そんな大きいの、私の膣に入らない。害虫のそんなものを奥まで挿れられたら、おかしくなってしまう……!」
いくら言葉を紡ごうとも、準備が整った蜜壺を目の前にした雄蟲には届かない。
ミミズ害虫は濡れそぼったマロニエの膣口に肉棒の先端を押し当てると、ゆっくりと前に突き出していく。
「あ、あぁぁぁぁっ……挿ってくるっ! 私の中に、ミミズのペニスがぁ……んあああ、太いぃ、やめて、やめてくれぇ……!」
奥から溢れてくる雌蜜のおかげで何の支障もなく害虫の肉棒は膣口を拡げ、マロニエの肉壺の中にミミズのペニスが挿入されていった。
次回は水曜日に投稿します。
獣姦!
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