ぬめぬめシクラメン
まだ日が高い時間にも関わらず、鬱蒼とした森の中は暗くジメジメとした不快感に包まれている。
足元に広がる落ち葉は湿り気を含み足音を消してしまい、これでは敵が近付いてきても察知することが難しい。しかも滑りやすくなっている上に生い茂った頭上の枝葉のせいで暗いため、どうしても警戒よりもまず歩くこと自体に注意を割かなければならなくなってしまっている。
「きゃっ!?いたた……うぅ…お尻が冷たい…」
それに失敗した例が、今しがた湿った落ち葉に足をとられて尻餅を付いた花騎士のシクラメンである。
シクラメンがこんな森の奥深くを一人で歩いている理由。それは、彼女の大好きな騎士団長のためであった。
彼女の所属する騎士団の団長は元々多忙だったことに加え、最近は極限指定害虫や主の討伐、三大害虫との決戦への参加など負担が増し続けていた。
団長を少しでも癒してあげたい。そう考えたシクラメンは、疲労回復に非常に効果があると言われている薬草がこの森に生えていると聞き、それを採取するために訪れたのだ。
「だいぶ奥まで来ちゃった…。早く見つけないと日が暮れちゃう。……うぅ、やっぱり私なんかが団長さんを癒してあげたいなんて烏滸がましかったんだぁ…」
薬草を探して森を歩き続けだいぶ時間が経った。日中であっても日の光が遮られこの森は暗いのだ。日が傾き始めれば森の外よりもずっと早く闇に閉ざされてしまい、来た道も分からなくなってしまう。
薬草探しに夢中で森のかなり奥深くまで来てしまっており、帰り道を考えればそろそろ切り上げて戻らねばならない。
日がある内に街に戻れなければ間違いなく道に迷い、遭難することは明白であった。
「あれ?あそこに生えてるのってもしかして……あった!見つけられた!やったぁ!」
タイムリミットギリギリで、シクラメンは薬草を見つけることが出来た。
焦りや悲しみなどのネガティブな感情に支配されていた中で、ようやく目的のものを見つけることが出来た喜び。
それ故に、シクラメンはこの森を歩き回る際に注意すべきことから完全に意識が離れていた。
「きゃぁぁっ!…うぅぅ…また葉っぱで滑って転んじゃ……えっ?」
再び足をとられてシクラメンは転んだが、その感触に違和感があった。
滑った足元を見てみると、ネチャっとした何かの粘液があり、ただ濡れた落ち葉に滑っただけではなかった。
「なにこれ…えっ、手、手にも!?」
シクラメンは、転んだ拍子に地べたに着けた手や尻にもべったりと粘液が着いていることにようやく気付いた。
周りを見てみると、自分の足元のものと同じ粘液はどこにも見当たらない。
だが自然のものにしてはここだけに粘液があるなど明らかに違和感がある。
そこでシクラメンは、ようやくある一つの可能性に思い至った。
もしやこれは、害虫の仕業ではなかろうか?
そう考え顔を青くし、シクラメンはすぐさま四方を警戒し確認した。
これが罠であれば近くにそれを設置し監視している存在がいるはずである。
だが周りを見てもそれらしき陰は見当たらない。こちらに近付いてくる羽音も、草木をかき分ける音もしない。
結論から言えば、害虫の仕業という予測は正解であった。
だが、シクラメンは警戒するポイントを間違えていた。
周囲を確認していたシクラメンの頭上から突如大量の粘液が降り注ぎ、シクラメンは全身粘液まみれになった。明らかに足元のそれと同じものであり、これだけ粘液まみれになってしまってはすぐに立つことも出来ない。
「う、上!?しまっ……き、きゃぁぁぁっ!」
シクラメンがようやく害虫の居場所を理解して上を向くのと同時に、真上からシクラメンの背とほぼ同じの大きさのナメクジ害虫が飛び降りのし掛かってきた。
害虫は、彼女の頭上の木の枝にいたのだ。
高い効果がある薬草の近くにあらかじめ己の粘液を垂らして滑りやすくさせ、落ち葉でカモフラージュする。そして粘液に気付かずに薬草に近付く獲物が通ろうとして、転んだところで捕獲するために隠れていたのだ。
シクラメンは焦りや喜びで注意力が落ち、まんまと害虫の策略にはまってしまった。
「は、離れて…!うぁ、体が滑っちゃって、どかせない…!ど、どいてぇ …」
シクラメンは乗っているナメクジ害虫を押し退けようとするも、その体は粘液に包まれておりいくら押せども滑ってしまう。
もがけばもがくほどナメクジの体から分泌され続ける粘液が体に纏わりつき、状況は悪化する一方である。
しかも、その粘液の役割は潤滑液だけではなかった。
「ふぁ……何で、力が…入らなく……」
粘液に触れ続けていたシクラメンの体から徐々に力が抜けていく。ナメクジ害虫は獲物の抵抗する力が弱まったことに気付くと、シクラメンの口に己の口を押し当て体液を流し込んできた。
「んんぅっ!?やめへ…んむぅ、むぐぅ…!」
当然抵抗しようとするも、力が入らないシクラメンに抗う術などない。
口を塞がれて無理やり注がれたナメクジの体液を吐き出すことも出来ず、結局飲みこんでしまった。
「けほっ、けほっ…な、何を…ふぁぁ?はっ…はぁ、はぁぁ……?」
肌と口の両方から取り込んだ体液は抜群に効果を発揮し、シクラメンは完全に抵抗する力を失った。
もはや彼女にこの場を打開する能力はなく、生きるも死ぬも完全に害虫の成すがままである。
そしてこの状況を作り上げた害虫は身動きが取れなくなったシクラメンを背に載せると、そのまま嬉しそうに己の棲み家まで連れ去っていった。
森のさらに奥深くにある、ジメジメと湿気の籠った洞窟。
そこがシクラメンを浚ったナメクジ害虫の棲み家であり、当然彼女もここに連れてこられていた。
害虫は粘液まみれのシクラメンは洞窟の奥に降ろすと、再びのし掛かり彼女が身に纏っている服を食んでいく。
「ふ、服を食べてる…!?や、やめてください…!ダメっ、嫌ぁ…!」
シクラメンは逃げようとするも、体液の効果は依然として残っており体に力が入らない。
体の上に乗っているナメクジを退かすことも出来ず、ただ拒絶の言葉を投げ掛けることしかできなかった。当然害虫はシクラメンの言葉など全く意に介さず、服を食べ続け彼女の肌を露にしていく。金属や皮製の部位は吐き捨て、繊維を破り、溶かし、咀嚼し嚥下する。
それはシクラメンの肌を隠すものが何一つ無くなるまで続き、たっぷりとその柔肌に分泌する粘液を染み込ませていった。
「あぁぁ……やだぁ…何で、こんなこと…」
今、シクラメンの肢体を隠すものは何もない。
程よく膨らんだ柔らかな双丘も、綺麗にくびれた成熟した少女らしい腹や腰も、団長以外の男には見せたこともない恥部も、その全てが晒け出されている。
邪魔なものを全て取り払われ今すぐ足元から食われてもおかしくない状況であるが、それでも年頃の乙女であるシクラメンにとっては野外で裸になっているのは恥ずかしさの極みであった。
もっとも、これから彼女に行われる恥辱に比べれば、こんなものはまだ序の口であるが。
髪飾りから靴下に至るまで、ナメクジによってシクラメンは身に付けているもの全てを奪われた。
今彼女が身に纏っているものは、ナメクジが全身から分泌し彼女の肌に落としているネチョネチョと不快な音と感触を与える粘液のみだ。そして全身に力が入らないのも、先程から体が熱っぽく下半身が疼くのも、明らかにこの粘液が原因であった。
そんなシクラメンの体に、食事を終えたナメクジが向き合うようにのし掛かる。
「いやっ…何をする気なの……ひっ!?」
ナメクジの重さとぬるぬるとした不快な感触を感じる中で、それまでに無かった感触がした。
股間に、ナニかが当たっている。
ナメクジ害虫の尾先から先程まで体内に収納していた細長い形状の器官…陰茎が飛び出し、それがシクラメンの股間に押し当てられているのだ。
陰茎は何かを探るように彼女の股間をまさぐり、陰部を撫でていく。
その動きにシクラメンはすぐに自分の大事な場所をまさぐっているものがナメクジの陰茎であると察し、そして害虫がこれから自分に対して何をしようとしているのか理解した。
「まさか、いやっ……やめてっ!やめてくださいっ!団長さん以外となんて、害虫となんて嫌ですっ!」
服を食べた時と同様に言葉に反応すらすることなく、害虫は陰茎を陰部に押し当てて割れ目を探る。
害虫の体表から垂れ流される、何らかの毒が混じった粘液を浴びて全身に力が入らない。逃げることも押しのけることも出来ず、ただシクラメンは害虫にされるがままであった。
そしてナメクジ害虫は、シクラメンの体内深くにある女たらしめる器官に繋がる秘裂を見つけると、そこに陰茎の先端を当て体重をかけ始めていく。
それはまるで、侵略者が見つけた侵入経路を嬉々としてこじ開けようとしているかのようであった。
「やだぁ、害虫のなんて挿れないでぇ…やめて、やめてぇぇぇっ!うぁぁっ、あっ、あぁぁぁっ…!」
陰茎が陰唇を押し広げ、先端が膣口に入る。そのままナメクジは陰茎に纏わせた粘液を潤滑剤にして、嫌がるシクラメンの肉壺の奥へと押し込んでいった。
「ひぁぁ……私の中に、ナメクジのが…抜いてっ、抜いてぇ…!」
シクラメンの雌穴に侵入したナメクジの陰茎は、膣壁を押し拡げながら奥へ奥へと伸びていく。
愛撫など全く行わず膣内は愛液がほとんど出ていないが、ナメクジ自身が分泌している粘液で陰茎を滑らせて問題なく突き進んでいった。
ナメクジが少しずつ尾先を押し込んでいくのに合わせ、陰茎はシクラメンの肉壺内にズブズブと沈んでいく。
団長以外の性器、それも害虫の生殖器が己の奥へと入っていく感触は、シクラメンにとってただただ不快でしかなかった。
「うあぁ、あぁぁぁっ…どんどんお腹の奥に、入ってきてる…」
やがて陰茎を根本まで挿れて中で伸ばしきると、それまでと感触の違う行き止まりに当たるのを感じた。
陰茎が膣奥にまで達したのだ。
ナメクジ害虫は先端で標的を確認すると、今度は体全体を前後に動かしてピストン運動を開始した。
「ひぅっ、ふぁぁ、んぅぅっ…!やめてぇ、動かないで……ひぁぁ…お腹の中、擦らないでぇ…」
ぬちゃぬちゃと全身に粘液を擦り込まれながら、ナメクジと一つになったシクラメンの体が揺らぶられる。
膣口からは咥えこんでいるナメクジの陰茎が出入りするたびに卑猥な粘音が響き、肉壺内が擦られるごとにシクラメンの口から嬌声が奏でられていく。
「んんんぅっ!やめっ、お口に、入れないれ…んんっ、ぢゅぅっ…!ふぁぁ……なんでぇ?お腹の奥、ジンジンして熱いぃ…はぁぁんっ、やぁっ、奥突きながら乳首擦られたらっ、んはぁぁっ、感じちゃうぅっ……ひゃぁぁんっ!」
膣内で大きくなっていく陰茎で子宮口を突き上げながら、害虫はシクラメンに口移しで体液を飲ませてきた。
体液には媚薬効果があるらしく、飲んでしばらくするとシクラメンの体は火照り、胎の奥底が熱くなっていく。
そんな発情した雌の淫穴が突き上げられれば、たとえそれが害虫の陰茎であったとしてもそれまでで一番の喘ぎ声を出してしまうのは当然であった。
「はぁぁっ、んぁぁっ……はぁぁんっ!団長さん以外となんて、ナメクジとなんて嫌なのにぃ…んあっ、あぁんっ…えっちなお汁、出ちゃってるぅ…。んんぅっ、はぁんっ…全身ぬるぬるされて、お腹、拡げられて、エッチな音聞いて…ふぁぁっ…体の奥、熱くなっちゃってるぅ……」
いくら媚薬で無理矢理発情させられているとはいえ、団長でない、それどころか人ですらない害虫に犯されて感じてしまっていることにシクラメンは絶望した。
だが、交尾という行為の目的を考えれば本当に絶望するのはこれからである。
「ひぁぁっ、あぁんっ、動き、速くぅっ…!…まさかっ…いやっ、いやぁ…!」
ナメクジ害虫のピストンが速くなり、陰茎が膣壁を激しく擦り子宮口を叩いていく。
肉壺を貪るかのようなこの動きを、団長との性交でシクラメンは知っていた。
射精感の限界が近づき、より気持ちよく射精するために陰茎への刺激を増やし己を昂らせるためのもの。
すなわち、シクラメンを犯すこの害虫は彼女に膣内射精する気なのである。
「はぁんっ、あんっ、んぁぁんっ、出さないでっ、中にっ、中に出さないでぇぇっ…!」
シクラメンの懇願が届くことなど当然なく、彼女の膣内を往き来している陰茎は膨れ、ビクビクと震え始めている。
太く大きくなった陰茎は執拗に子宮口を攻め、膣ヒダを擦り上げながらピストンを続ける。
その動きに、発情させられたシクラメンの体も本人の意思に反して絶頂に近付づき、ナメクジの陰茎を締め上げていく。
その快感にますます害虫は肉壺を攻め立て続け、そしてとうとう、その時が来た。
ナメクジ害虫は膣内で限界まで陰茎を伸ばして子宮口に触れ、そのまま押し込むかのように子宮ごと突き上げた。ナメクジの尾先がドクンッ、ドクンッと脈動し、陰茎へと何かを送り込んでいく。
合わせて陰茎も膣内で震えて中のものを先へ先へと送っていき、ついにそれは先端に達した。
「いやっ、いやぁっ!やめてっ、イきたくないっ!やめてぇぇっ……はぁぁぁぁぁああああんっ!」
膣奥でナメクジの陰茎から、大量の精液が迸った。
子宮口に押し当てながら放たれたそれは、陰茎の脈動と共に子宮に流し込まれていく。シクラメンの胎はナメクジの濁汁でどんどん埋まっていき、害虫の汚れで満たされていった。
粘汁が勢いよく子宮口に叩きつけられる衝撃で絶頂に至ったシクラメンは、嬌声を上げながら子宮が重くなっていくのを感じていた。全身が絶頂の痺れに支配されているにも関わらず、胎の中に熱が広がっていくのを女の本能で敏感に感じ取っていく。
それはすなわち、害虫の精を己の胎で受け止めてしまったという事実に他ならない。
未だにビュービューと子宮に害虫の精液が注がれ続けているのを感じながら、シクラメンは涙を流した。
心行くまでとシクラメンの腹の中に精を注ぎ込んだナメクジ害虫は、満足げに膣口から陰茎を引き抜いた。
膣内には潤滑液代わりにナメクジ自身が分泌した粘液がたっぷりと残っている。
それが栓の代わりになって害虫が子宮に詰め込んだ汁が逆流するのを防いでおり、シクラメンの胎の中はナメクジの精液で満たされていた。
「うぁぁ、あぁぁ……団長さん…ひっく、私、私…うぅぅ…」
害虫の慰みものにされ、シクラメンは愛する男を呼びながら泣き続けていた。
だが害虫はそれに興味も持たず、陰茎を出したまま後ろを向きそのまま去っていく。
陰茎からはまだ僅かに粘汁が出ており、後ろを向いた際にシクラメンの顔や胸にもかかった。
全身粘液まみれにされて犯され、さらには精を浴びせられて無関心に放置される。そのあまりにも惨めな有り様に、再びシクラメンの頬を大粒の涙が伝った。
たっぷりと涙を流し終え、ふとシクラメンは飛び散った精の中に小さな粒が混じっていることに気付いた。最初は汚れか何かかと思い、ぼぅっとした頭で何気なくそれを触ってみた。
プチュリ、と潰れた感触がした。
汚れではない。何かを包む、膜のようであった。
しばらくそれを見つめ続け、はっとシクラメンはこの粒の正体の解に至る。至ってしまった。
「これ……まさか、ナメクジの…卵…?…えっ、じゃあ…嘘…今、私のお腹の中に入ってるのって……」
精液の中に混じっていた粒。それは、雌雄同体であるナメクジ害虫の卵であった。
雌雄同体のナメクジ害虫は一個体で雄と雌両方の役割を果たせる。同族の精液で受精することも出来れば、逆に自分の精液で同族を受精させることだって出来る。
それ故に、パートナーがいなければ自分の精液で自分の卵を受精させ、子供を作ることも可能であった。そして簡単に潰れてしまう弱い卵を乾燥や衝撃から守り、安全に孵化させる場所を求めていた。
それが、人間の雌の…シクラメンの子宮であった。
「い、嫌ぁぁぁっ。やだ、やだやだやだぁ…!害虫の、ナメクジの赤ちゃんなんて産みたくないです…!助けてっ…誰か、誰か助けて…っ!」
あまりにもショックな事実に恐怖し拒絶するが、苗床としてシクラメンの子宮に大量の害虫の卵と精液が入ってることには変わらない。
ナメクジの受精卵は内側への衝撃を防ぐ厚い筋肉で出来た子宮壁に守られ、温かな体温と十分な湿り気という最高の孵化環境をシクラメンから与えられている。さらに彼女に宿る加護に体の一部だと誤認させ浄化どころか力を吸い上げ、幼虫達の体を急速に作り上げてく。
シクラメンの胎の中でナメクジの幼虫が孵るのは、もはや時間の問題であった。
ネタが枯渇したのでしばらくお休みしていましたが、またネタが涌いてきたので投稿します。
連載と違って1話完結の短編集は好きなタイミングで休めるのがいいですね。
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