報告番号:SPG-031-AFN
名称:ナメクジ型害虫(仮称)
危険度指定:一般
開示判断:閲覧制限→一般非公開→オープン
代表報告者:コダカラソウ研究員
この害虫は、植物の葉を主食とするナメクジ型の中型害虫です。
温暖で多湿な気候を好み、森の奥で洞窟や木の洞を棲み家としています。
生活形態は、単体のみで活動しているものから、番いで活動するもの、あるいは十匹以上の群れを形成しているものまで様々であり規則性はありません。ナメクジ型害虫(仮称)の複数の個体が集まって生活しているものも血族とは限らず、何を基準にして単体あるいは複数で活動しているのかは現在調査中です。*1
食性は主に植物の葉や花を食べており、木の葉から雑草、落ち葉に至るまで何でも食べます。
ただし若く柔らかいもの、特に他の動物にも薬効があるものを好みます。そのためナメクジ型害虫(仮称)の生息域の近辺では、ナメクジ型害虫(仮称)によるものと思われる、木の新芽を食べ尽くしたり花畑や薬草の群生地が根こそぎ食い荒らされた光景がしばしば目撃されています。
また、柔らかく栄養価の高い旬の野菜を狙って森の近くの農地に近付く光景も目撃されています。
ナメクジ型害虫(仮称)の成体は成人男性ほどの大きさまで成長しますが、その体躯でも問題なく壁や木を登る様子が目撃されています。
その運動能力を活かして高所まで登り、後述の罠をしかけます。
ナメクジ型害虫(仮称)の全身からは、常に粘液が分泌されています。
ナメクジ型害虫(仮称)は乾燥を苦手としており、粘液によって肌を乾燥から守っていると考えられます。
粘液には乾燥防止と滑りを良くする効果があるほか、媚薬、筋弛緩などの効果がある複数の有害物質が含まれています。*2
ナメクジ型害虫(仮称)はこの粘液を防衛手段及び他の生物への攻撃手段に用いていると考えられます。*3
ナメクジ型害虫(仮称)の全身には微細な毒腺が存在しており、ナメクジ型害虫(仮称)自身の意思により任意で開閉をすることが可能です。ナメクジ型害虫(仮称)は目的や対象により毒の比率や量を変えていると考えられます。
ナメクジ型害虫(仮称)捕獲して粘液を恒常的に採取、成分を分離することが出来ればローションや媚薬などのグッズを作成することが可能ではないでしょうか?このテーマを研究するチームを発足することを提案します。
↑提案を受理。収容しているナメクジ型害虫(仮称)を単為生殖によって繁殖させ、粘液を採取・加工して商品化するプロジェクトを発足します。ただし、発案者だからといって商品化した際に割引などは行わないためそこは留意しておくように。ジュフン主任
ナメクジ型害虫(仮称)は、卵生であり雌雄同体です。
体内には精子を生成する精巣と卵を保有する卵巣の両方を持っており、単為生殖を可能としています。
生殖器は尾先にあり普段は体内に仕舞い込んでいますが、繁殖時には尾先から露出させます。生殖器は精巣と卵巣両方と繋がっており、生殖器の根本でそれぞれに繋がっている管が合流しています。
管には任意で開閉できる弁が付いており、精液と卵の両方を混ぜて、あるいは片方のみを生殖器から排出することが可能です。
単体で精子と卵を同時に排出し自家生殖することもあれば、複数の個体が集まり交配することもあります。交配する際は精子のみ、卵のみと分けて排出することで、雄役と雌役に分かれて生殖を行います。*4
卵は成体のナメクジ型害虫(仮称)よりもさらに乾燥に弱く、自然上での孵化率はかなり低いと考えられます。
そのため、ナメクジ型害虫(仮称)は卵の乾燥を防ぎ孵化率を高めるため、様々な手段を講じます。*5
その中でナメクジ型害虫(仮称)が最も好む方法が、人間を含む大型哺乳類の雌を捕らえ、卵の苗床にすることです。
ナメクジ型害虫(仮称)の粘液には滑りやすくする成分と他の生き物の体の自由を奪う毒が含まれています。
ナメクジ型害虫(仮称)はそれを獲物に浴びせて動けなくし、巣に持ち帰り獲物と交尾して子宮に卵と精液を送り込み苗床にします。
哺乳類の子宮内は温かい温度が一定に保たれ、なおかつ湿度も十分にあるという、ナメクジ型害虫(仮称)の繁殖にとって理想的な環境です。そのためナメクジ型害虫(仮称)は繁殖期になると積極的に苗床となる獲物を狩ります。苗床以外で卵を孵化させる方法は、苗床となる獲物を得られなかった個体または番いが苗床の代替として行っていると考えられます。
討伐したナメクジ型害虫(仮称)の巣を調査したところ、ナメクジ型害虫(仮称)の数によって苗床にする獲物が違っていることが判明しました。
群れで行動しているナメクジ型害虫(仮称)は、牛や馬などの大型動物を主に苗床していました。
反面、個体または番いで行動しているナメクジ型害虫(仮称)は、人間を好んで苗床にしていました。
これは、群れではナメクジ型害虫(仮称)の数に比例して苗床の中に射精、産卵する量が増えるため、子宮の大きな生物を苗床にする必要があるからだと思われます。
それに対して個体または番いのナメクジ型害虫(仮称)は、一匹ないし二匹分の精液と卵を納められる大きさの子宮であれば十分なため、人間を利用していると思われます。
ただし、群れが複数の女性を連れ去り苗床にしていた事例も確認されており、十分な数の苗床となる女性を確保出来る場合は動物よりも人間を積極的に狙うと考えられます。
ナメクジ型害虫(仮称)が人間を苗床にする場合、好んで狩るのは若い女性です。
若い女性は特有の匂い物質を発しており、それは年齢と共に減少します。ナメクジ型害虫(仮称)はその匂いを元に苗床に相応しいターゲットとして定め、狩りを行っています。*6
↑コダカラソウ研究員、仮にも若い女性なのですから私物の下着を持ってくるのはやめてください。男性研究員が目のやり場に困ります。エヌケーピ研究員
ナメクジ型害虫(仮称)は獲物を捕らえると巣まで運び込み、安全な場所で獲物と交尾して精子と卵を産み付け獲物を苗床にします。
子宮内は温かく湿っており孵化の理想的環境であるため、外気に触れる場所に産卵した場合よりも数割孵化率が高くなります。
苗床の胎内で幼虫が孵化すると、幼虫の成長を促進させるため再び苗床と交尾を行い、生殖器から幼虫の餌となる体液を苗床の胎内に送り込みます。幼虫はそれを餌として急速に成長していきます。
そして交尾を繰り返し幼虫が十分に成長しきると、苗床の膣を通って産まれてきます。
ナメクジ型害虫(仮称)が人間の女性を苗床とする場合、もっとも好むのは花騎士です。
花騎士が苗床にされ子宮内にナメクジ型害虫(仮称)の卵が産み付けられると、加護が花騎士の体の一部と誤認して浄化が行われません。そして卵は誤認を利用して花騎士から加護を奪い取り、中の幼虫に加護を与えて急速に成長させ孵化させます。
この作用により花騎士の子宮を利用した場合の孵化に要する期間は通常の約半分、孵化率はほぼ100%となり、他の生物を苗床にしたり外気中に産卵した場合に比べて遥かに多くの幼虫が誕生します。
花騎士の胎内で孵った幼虫は、そのまま母体の花騎士の加護と魔力を吸収し続け成長します。そして他の苗床と同様にナメクジ型害虫(仮称)は苗床の花騎士と交尾し、子宮に幼虫の餌となる栄養豊富な体液を送り込みます。
胎内の幼虫は花騎士以外の苗床に比べおよそ2倍の速度で成長し、約半分の期間で出産を迎えます。
そのため、苗床にされた花騎士は死ぬまでの間に通常の苗床と比べ約2倍もナメクジ型害虫(仮称)と交尾し、孵化率の高さも相まって倍以上の数のナメクジ型害虫(仮称)の幼虫を出産することになります。
ナメクジ型害虫(仮称)の成体は草食性ですが、苗床の胎内にいる幼虫のみ特定の条件下で雑食性となることが分かりました。
討伐したナメクジ型害虫(仮称)の巣を調査したところ、ナメクジ型害虫(仮称)に苗床にされていた花騎士を発見、保護しました。
産み付けられていたナメクジ型害虫(仮称)の卵は保護した時点で既に孵化しており、彼女の胎内に幼虫がいることが確認されたため摘出手術が行われました。
子宮収縮薬の摂取によって強制的に幼虫を出産させ、排出された幼虫は子宮内を再現した容器に入れ、観察・実験を行うことが決定しました。*7
実験の結果、容器内の幼虫は幼虫以外の全ての物を食べ尽くした後、幼虫どうしで共食いを始めました。共食い開始後にナメクジ型害虫(仮称)から抽出した体液を容器内に与えたところ共食いを止めましたが、容器内の体液を全て食べ尽くした後は再び共食いを始めました。*8
ナメクジ型害虫(仮称)が胎内で幼虫が孵化した苗床と交尾して餌となる体液を送り込むことは知られていましたが、これは成長を促す以外にも、十分な栄養を与えて共食いを防ぎ産まれてくる幼虫の数を減らさないために行っていると思われます。
過去に救出された苗床の女性達から得た証言を分析したところ、単為生殖のナメクジ型害虫(仮称)は苗床の子宮に一度に1回分産卵しますが、番いではまれに2回分以上の卵を産み付け、その場合は1回分の産卵よりも遥かに多く苗床と交尾して幼虫に体液を与えていたことが判明しました。群れの場合は番いの場合よりもさらに2回分以上の産卵の頻度が上がり、それは群れの規模に比例していました。
これは、単為生殖では一度に2回分以上の産卵をすれば幼虫に十分な栄養を与えることが出来ないため行わず、番いでも養分を用意する親害虫の負担が大きいためあまり行わないからだと思われます。
逆に群れでは負担が分散されるため、苗床に産ませる幼虫の数を増やすために積極的に多く産卵していると考えられます。
補遺1.以前は動物や死骸も捕食する雑食性と考えられていましたが、それらは肉食または雑食の近縁種に再分類されており、本種は草食のみであることが判明しています。コダカラソウ研究員
補遺1-2.過去にもナメクジ型害虫(仮称)によって人間や動物が連れ去られる事件が報告されていましたが、目撃場所やナメクジ型害虫(仮称)の生息域、巣の調査及び被害者の年齢性別等から、実態は約7割が肉食性の近縁種による捕食目的の誘拐であり、ナメクジ型害虫(仮称)による誘拐は苗床確保目的の約3割程と推察されます。
補遺2.ナメクジ型害虫(仮称)の粘液から不純物を除去し、媚薬入りローションとして商品化されました。各国の娼館及びアダルトグッズ販売店への販路は拡大しており、研究所の新たな財源として大いに期待できます。タネツケバナ研究員
補遺2-2.増加する需要に対して養殖しているナメクジ型害虫(仮称)の数が不足しているため、繁殖場の拡大及び産卵数の増加が求められます。
補遺2-3.既存の繁殖場の拡張では増産が間に合わないため、各国に繁殖場を設立し、そこで繁殖及び粘液の加工を行うことが決定しました。
補遺2-4.某繁殖場にて、スラムから誘拐した女性を苗床にしてナメクジ型害虫(仮称)を繁殖させていた事件が発覚しました。被害者は数名おり、全員が保護されました。事件の主導的立場にいた職員は拘束後インタビューを行い、繁殖場に勤務していた従業員全員に記憶処理を行いました。
補遺3.研究所は世界と人々を害虫から守るために行動することが活動理念であり、営利目的で害虫を利用し人を害することは絶対にあってはなりません。事件の概要は事後処置メ-58『永久保存』を行うことが決定しました。コダカラソウ研究員
補遺3-2.事件を受け、全繁殖場の停止及び研究に必要な数のナメクジ型害虫(仮称)以外の全ての処分が決定しました。それに伴い、以後の媚薬入りローションの販売も終了になりました。
補遺3-3.事件の主導的立場にいた職員は、『終了』しました。
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