※この作品はR-18です。

命育む花の乙女たち   作:桃色レンコン

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一般公開用黒塗り版はこちら→じごくからのししゃっ!


じごくからのししゃっ!(Uncensored ver.)

報告番号:SPG-053-AFN

名称:クモ型害虫(仮称)

危険度指定:一般

開示判断:閲覧制限→一般非公開→オープン

代表報告者:コダカラソウ研究員

 

この害虫は、小規模な群れで暮らす雑食性のクモ型の小型及び大型の害虫です。

主にあまり人の入らない森の奥に生息しており、生息域の狭さもあってあまり人とは接触しません。

 

群れは一匹のオスと多数のメスで構成されたハーレムを形成しています。

オスが出した糸を木の間や地面近くに張って巣を作ります。縄張りの範囲内に複数作りそこに何匹ものメスを常駐させ、オスは縄張り内を巡回して巣の修復を行います。

メスも糸を出せますが、後述の理由で巣の作成・修復はオスの役割となっています。

クモ型害虫(仮称)の群れの規模はオスの強さ及びメスの数に比例しており、オスが強ければ縄張りはより広範囲にまで広がり、メスの数が多ければ縄張り内により多くの巣と罠を作ります。

 

 

 

クモ型害虫(仮称)は雑食性であり、縄張り内の木に実った果実および罠にかかった動物を捕食します。

果実の収穫は主にオスの役割で、収穫したものを持ち帰り縄張りを周って巣にいるメス達に分け与えます。ただし、これは巣の周囲にない木に実ったものに限ります。

基本的にクモ型害虫(仮称)が食べる果実が実る木の周囲に巣を作るため、その場合は巣にいるメスは自分達で果実を食べます。果実が実らない木に巣を作った場合のみ、メスは完全にオスの運んでくる果実に依存することになります。

群れに擁するメスが多いほど多くの巣を作り常駐させることが出来るため、より多くの木をクモ型害虫(仮称)は独占することが出来ます。

 

また、巣は獲物を捕獲する罠の役割もあり、クモ型害虫(仮称)は果実を求めて木に近付いてきた動物を絡め取って捕獲し食料とします。*1

クモ型害虫(仮称)は牙に毒腺を有しており、巣に絡めとられた獲物に噛みつくことで運動能力を奪います。

この役割は巣に常駐しているメス達の役割であり、巣に獲物が引っ掛かると一斉に襲い掛かり噛みついて毒を注入します。獲物は毒で身動きが取れなくなり、縄張りを巡回するオスが巣に来るまで何度も噛まれ続けます。

巣を訪れたオスが獲物を確認すると、糸をかけて拘束し獲物は完全に逃げられなくなります。*2

その後、獲物は時間をかけてクモ型害虫(仮称)達に捕食されることになります。

 

 

 

クモ型害虫(仮称)の生成する毒は強力な麻痺毒となっており、少量でも獲物の運動能力を奪います。ただし、運動能力には重大な影響を及ぼしますが内臓及び呼吸器への異常は確認されませんでした。これは、いつ巣に訪れるか分からないオスを待っている間に獲物が死んで鮮度が落ちることを防ぐためだと考えられます。*3

 

 

 

クモ型害虫(仮称)は性別により極端にサイズが異なっており、成体のオスは胴体だけで成人男性の上半身ほど、足を広げれば人間の身長を大きく超えるサイズの大型害虫です。

一方、メスは成体であっても指先ほどの大きさしかない極めて小さなサイズの小型害虫です。

一般的に同種の害虫の雌雄のサイズはほぼ同じ大きさか、どんなに体格差があっても数倍程度に収まります。

しかしこの害虫はオスと比較してメスが数百分の一の大きさであり、かなり珍しい生態をしています。

そのため生態が解明される以前は大型害虫とそのおこぼれをあずかる別種の超小型害虫だと考えられており、当該種の研究の遅れの一因となっていました。

毒及び糸の生成は雌雄ともに可能ですが、メスはあまりにも小さいため生成量はオスに比べて極めて少ないです。

そのため巣の修復のような大量に糸を使用することは出来ないため、修復はオスの役割となります。

反面、罠にかかった獲物に毒を注入するのは少量で済むため、複数のメスで行うことになります。

なぜ同じ害虫でこれほどまでの体格差に進化したのかは不明です。

 

 

 

補遺1. 討伐したクモ型害虫(仮称)の巣を調査したところ、卵及び幼虫が発見されませんでした。雌雄であまりにも体格差があるため交尾しているとは考え難く、繁殖方法は今のところ不明です。コダカラソウ研究員

補遺1-2. 生け捕りにしたクモ型害虫(仮称)のメスを約1年間飼育しましたが、その間に産卵を行いませんでした。幼体であった可能性も考慮し解剖したところ、成熟した性器があったため成体でした。繁殖期の時期及び発情の条件は今のところ不明です。

 

補遺2. 基本的に森の奥に生息しているクモ型害虫(仮称)が森の浅い場所で目撃されることがたびたびありますが、今のところ理由は不明です。人間の気配を感じると優先して襲い掛かってくるため、騎士団によるクモ型害虫(仮称)の討伐報告の多くは他の害虫の討伐目的で森に入り浅い場所で両者が遭遇したものです。コダカラソウ研究員

補遺2-2.上記の性質から、単独の花騎士や何らかの理由で森に入った一般人が遭遇し報告に上がらないまま犠牲になった事例が多くあると想定されます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

諸君、我々は敗北した

 

 

 


 

 

報告番号:SPG-   -AFN

名称:クモ型害虫(仮称)

危険度指定:一般

開示判断:閲覧制限

代表報告者:ピーターペッパー研究員

 

この害虫は、多数の小型のメスと一匹の大型のオスで構成されたハーレムの群れで暮らす雑食性のクモ型の害虫です。

主に森の奥に生息しており、生息域の狭さもあって繁殖期以外では人とは接触しません。

 

クモ型害虫(仮称)はオスとメスで大きくサイズが異なり、成体のオスは人間の身長を大きく超えるサイズの大型害虫である反面、メスは成体であっても指先ほどの大きさしかない小型害虫です。

産まれたばかりの幼虫は指先ほどの大きさであり雌雄ともにほぼ同じサイズですが、メスは成体になってもサイズが変わらない一方、オスは数百倍のサイズにまで成長します。

そのため物理的に交尾は不可能であり、後述の方法で繁殖するためにメスはここまで小型化するように進化したと考えられます。

 

 

 

クモ型害虫(仮称)の群れは森の奥に縄張りを持ち、木の間や地面近くにオスが出した糸を張って巣を作ります。

メスも糸を出せますがサイズが小さいため出せる量も少なく、巣の作成はオスの役割となります。

代わりに、メスは巣にかかった獲物を狩るという役割を担います。

 

クモ型害虫(仮称)は雑食性であり、果実および巣にかかった動物を捕食します。

クモ型害虫(仮称)は食べられる果実が実る木の周囲に巣を作り、メスは獲物がいない間は木を登り果実を食べます。

巣はクモ型害虫(仮称)の家であると同時に捕獲用の罠でもあり、クモ型害虫(仮称)は果実釣られてきた動物を絡め取って捕食します。

その際にメスが獲物に噛みついて牙にある毒腺から麻痺毒を流し込み、獲物の運動能力を奪います。

毒は少量でも効果があるため体の小さなメスでも可能であり、一斉に獲物に襲い掛かり毒を注入します。

巣を訪れたオスは獲物を確認すると糸をかけて完全に拘束し、獲物は時間をかけてクモ型害虫(仮称)達に捕食されることになります。

 

 

 

クモ型害虫(仮称)は強力な麻痺毒及び媚薬効果のある毒を生成し、普段の狩りでは麻痺毒のみを用います。

麻痺毒は花騎士であっても拘束し続けられるほど強力ですが、分解が早いのか頻繁に注入する必要があります。

媚毒は繁殖期にのみ苗床として捕獲した人間の女性に用います。こちらも同様に頻繁に捕獲した女性に注入していますが、麻痺毒と共に注入しているのか、あるいは分けて注入しているのかは今後調査します。

 

 

 

クモ型害虫(仮称)の繁殖は、卵を受精及び孵化させる苗床として人間の女性を用います。

繁殖期になるとオスは縄張りから行動範囲を広げ、人間の女性を探します。

途中で男性あるいは苗床に適さない年齢の女性を見つけた際は積極的に攻撃を行います。

これは、捕食して繁殖のための栄養源にするためと、自身の目撃者を出来る限り少なくすることが目的だと考えられます。

また、クモ型害虫(仮称)は苗床として加護を持たない女性よりも花騎士を好んで使用します。そのため、花騎士を目撃した場合はたとえ複数人いても積極的に襲い掛かります。

 

苗床用の女性の捕獲に成功したクモ型害虫(仮称)のオスは縄張りに戻り、巣で拘束してメスに麻痺毒と媚毒を注入させます。

苗床の身動きを完全に封じると、オスは続いて苗床と交尾を行い射精して苗床の子宮内に精子を送り込みます。

苗床の子宮内で卵を孵化させるためには、当然メスも子宮内に卵を産み付けて有精卵にする必要があります。

 

繁殖に苗床を利用する多くの害虫が、オスが苗床と交尾して膣内射精するようにメスも苗床の膣に産卵管を挿入して子宮内に卵を産み付けます。

しかしクモ型害虫(仮称)のメスは前述のとおりオスと比較して数百分の一、人間の指先程度の大きさしかなく、その産卵管は苗床に挿入しても膣の入り口付近にしか卵を産み付けることが出来ません。

そのため、クモ型害虫(仮称)は卵を産み付ける方法としてかなり特殊な手段を取ります。

 

苗床がオスに膣内射精されると、次いで複数のメスが苗床の膣に侵入しクモ型害虫(仮称)の精子で満たされた子宮の中に入り込みます。

そしてメスは子宮内で産卵することで有精卵にし、クモ型害虫(仮称)の幼虫を苗床の子宮内で孵化させます。

メスは苗床の子宮内から出てくることは無く、産卵後子宮内で死ぬと考えられます。

 

その後苗床の子宮内でクモ型害虫(仮称)が孵化し、徐々に苗床の腹部が大きくなっていきます。

その間はオスが口移しで苗床に消化した食事を与え、メスは苗床が逃げられないように頻繁に毒を注入します。

そして幼虫が十分に成長すると、苗床の膣から数百匹の幼虫が産まれてきます。

出産後はすぐにオスが再び交尾して膣内射精し、メスが子宮に侵入して卵を産み付けます。

しかし観察した結果、メスが先に膣に入りその後オスが交尾する場合もありました。どのような違いがあるかは現地点では不明です。

 

クモ型害虫(仮称)が花騎士を好んで苗床にするのは、メスが子宮内で死んで死体を残してしまうためだと考えられます。

害虫の死体からは毒気が発せられるため、苗床となった女性がそれを子宮内から人体に浴びれば非常に危険です。

しかし花騎士であれば加護の力である程度は中和が可能のため、加護を持たない女性が苗床になった場合よりも子宮内で発せられた毒気に耐えうると考えられます。

そのため、クモ型害虫(仮称)はより永く苗床を使用し、より多くの幼虫を産ませるために花騎士を好んで利用していると考えられます。

 

 

 

補遺1.子宮内のメスの死体は世界花の浄化の力が届きにくいと考えられ、苗床の子宮内に永く残留すると考えられます。そのため、上記の仮説が補強されます。ピーターペッパー研究員

 

補遺2.苗床となった女性が出産したクモ型害虫(仮称)の幼虫は、メスの成体とほぼ同じ大きさでした。クモ型害虫(仮称)のオスはここから数百倍の大きさまで成長しますが、メスは生涯ほぼ同じ大きさのまま生殖器を成熟させるのみとなります。ピーターペッパー研究員

補遺2-2. オスがどれほどの期間で成熟し成体となるかは現在調査中です。

 

補遺3.子宮内に残留するクモ型害虫(仮称)の死体への耐性の都合上、加護が強い花騎士ほど苗床に適していると考えられます。ピーターペッパー研究員

補遺3-2.加護を持たない一般人と花騎士、あるいは花騎士の加護の強さに応じて子宮内に侵入させるメスの数を変えている可能性もあり、今後の調査が待たれます。

 

補遺4.苗床にされた花騎士の胎内で何の支障もなく害虫の卵が孵化出来るのは、子宮内に残留するメスの死体が理由だと考えられます。害虫の死体が発する毒を中和し花騎士の体を守るために加護が消費されてしまうため、産み付けられた卵を殺すことが出来なくなっていると考えられます。ピーターペッパー研究員

補遺4-2.今回の実験で使用した苗床は平均的な強さの加護を持つ花騎士でした。仮説の証明のためには加護を持たない女性、加護が弱い花騎士、強大な加護を持つ花騎士をクモ型害虫(仮称)の苗床にして対称実験を行う必要があります。

補遺4-3.加護が弱い花騎士は騎士学校を成績不足で除籍された元学生を、強大な加護の花騎士は怪我、出産等で引退した元花騎士を利用すれば花騎士の苗床の確保が容易と思われます。

 


 

上記レポートは、ピーターペッパー研究員による人体実験の結果に基づいて作成されたものである。

彼女は部外者の知人の花騎士を繁殖期のクモ型害虫(仮称)が生息する森に呼び出し、クモ型害虫(仮称)に捕獲させた。

ピーターペッパー研究員は花騎士であり、その魔力は隠密行動に特化した特殊なものであった。それを利用して自身は隠れて部外者の花騎士が連れ去られるのを観察し、その後もクモ型害虫(仮称)の巣の周囲で花騎士が苗床にされる一部始終の観察を行った。

レポート内に記されている捕獲から出産に至るまでの全ては部外者の花騎士の身に起こったことであり、これを誘発し放置したピーターペッパー研究員の所業は決して許されるものではない。

 

このレポートが作成されているのを発見後、研究所は直ちにピーターペッパー研究員を拘束しインタビューを行った。その結果上記の事件及び研究に利用する予定の花騎士の誘拐計画が発覚した。

その後すぐさま部外者の花騎士の救助のため討伐隊を編成し、討伐及び救助のため観察に用いられたクモ型害虫(仮称)の巣へ派遣した。

しかしクモ型害虫(仮称)の討伐後に巣を調査したところ、部外者の花騎士のものと思われる捕食された女性の骨の一部があるのみであった。

 

ピーターペッパー研究員へのインタビューの結果、クモ型害虫(仮称)に部外者の花騎士を襲わせたのは痴情のもつれによる私怨と判明した。

また部外者であれば害虫の生態研究のために必要な犠牲であったと判断されると考え、一部始終をレポート作成に利用したと発言している。

 

研究所ではいかなる理由であろうとも人体実験など行わない。

害虫の研究はスプリングガーデンの平和のために行われるものであり、数多の犠牲の上に研究が成り立っているのは承知の上である。

だが、我々自身が研究のために、あえて踏み台にするために他者の犠牲を積み上げることはあってはならない。

それは理念に反するものであり、絶対に許されてはいけない。

 

このレポートはそんな犠牲を基に作成されたものであり、この犠牲を許容したデータに基づいた研究を継続してはならない。

だがそうすれば犠牲となった彼女の死と苦痛は完全に無意味なものとなってしまう。

また、この研究結果は彼女を使った観察を行わなければ得ることの出来なかった大変貴重かつ有用なデータである。

将来クモ型害虫(仮称)による被害が拡大し早急な対処に迫られた時、このレポートによる生態研究が大いに役立つ可能性がある。

これを破棄してしまえば、同じ結論に辿り着くまでにどれほどの幸運と年月を必要とするか分からない。

 

よって、このレポートの破棄は行わず、限られた者のみが閲覧を可能とする閲覧制限に指定する。

クモ型害虫(仮称)による甚大な被害が発生し、閲覧許可を持つものが必要と判断した場合にのみ、研究員にのみ公開を許可する。

真っ当な方法によってこのレポートの記載内容と同じ結論に辿り着き、一日も早くコレが破棄される日が来ることを願う。

諸君、我々は敗北した。

たった一人の悪意が全ての研究員の熱意に優ると証明してしまった。

 

 

 

 

追記

ピーターペッパー研究員は極秘裏に『終了』した。

*1:
実験1.討伐したクモ型害虫(仮称)の巣から修復したばかりの新しい部位の糸と古い部位の糸を採取して強度の確認を行いました。新しい糸は熊に相当する重量で負荷をかけても耐え、また古い糸でもあっても狼に相当する重量をかけても千切れませんでした。巣はオスによって頻繁に修復されるため、捕まった野生動物、ましてや人間が逃げられる可能性はほぼ皆無です。

*2:
実験2.討伐したクモ型害虫(仮称)の巣から採取した糸の粘度の確認を行いました。成人男性ほどの重りを張り付けて吊るしたところ、剥がれ落ちることはありませんでした。誤ってコダカラソウ研究員が触れてそのまま転倒し雁字搦めになった際、花騎士の彼女であっても千切ることは出来ませんでした。着用している衣服を脱ぐことで脱出出来ましたが、仮にクモ型害虫(仮称)の毒を注入されていれば脱出は不可能でした。

*3:
実験3.生け捕りにしたメスのクモ型害虫(仮称)に実験動物を噛ませて麻痺させた後、放置して経過を観察ました。その結果、実験動物は約24時間後に運動機能を回復させ、その後も異状なく食事を行いました。

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