メグちゃんの腋毛 作:雨冠
メグちゃんは部屋の電気を点けないまま、リビングから漏れる明かりだけを頼りに中に入っていった。ベッドの脇にあるランプが灯されると、部屋が薄暗いオレンジ色に照らされる。ベッドの上に横座りで佇(たたず)む彼女の姿に、妖艶さを感じる。
「アンタ、もう我慢出来ないんでしょ? 私がヌイたげるから、とりあえず全部脱いで」
「ホントにいいの……?」
「何、今さらそんなこと言ってんのよ。私とエッチしたいんでしょ? だったらもっと堂々としてなよ」
確かにセックスをすると決めたのだから、ためらっていても仕方ない。僕はベッドの前で服もパンツも全部脱ぎ、彼女と向き合った。勃起したチンコを見られるのが死ぬほど恥ずかしい。
恥ずかしさを紛らせようと、咳払いをひとつしてベッドに上がる。どう「ヌイて」くれるのかが分からないので、とりあえず彼女の前にあぐらをかく。
「もう始めてもいいのかな? じゃあ、するね」
親指と人差し指でチンコの根元を掴むと、彼女はカリに鼻を近付けて止まった。どうするつもりなんだろう。
「はあ……男の人の匂い、興奮する」
なんだかうっとりとした表情で呟いた。僕もさっき、彼女の腋の匂いを嗅いだとはいえ、チンコの匂いを嗅がれるのは恥ずかしい。
「クサい?」
「クサくないよ。というか、アンタはさっきお風呂入ってたから、匂い自体があんまりしないかな」
そう言うや否や、彼女はチンコを口の中に含んだ。唾液のぬめりや口内の温かさが気持ちいい。と思っていると、ジュルジュルと大きな音を立てながらのディープスロートが始まった。
「あっ! これヤバ……」
腰が抜けそうな快感がチンコを這う。彼女を見ると、上目遣いで笑みを浮かべた。彼女が僕のチンコを咥えているだけでも充分に興奮する。さらに、この強い快感と音、頬を深くくぼませた顔を見ていると、すぐにでもイキそうだ。
絶頂は一分もしないうちに訪れた。
「メグちゃん……イキそう」
そう言うと、チンコから口が離れて手コキに切り替えられた。
「いいよ。出しちゃえ」
イタズラっぽく笑うと、彼女は空いた左の掌で鈴口を包み込む。チンコの根元にくすぐったさを感じると、熱が放たれた。彼女の掌に精液が吐き出されていく。
「わー! チンチンビクビクしてるー」
彼女は目を輝かせながら掌に精液をかけられている。
「どう? スッキリした?」
強烈な快感とともに射精が収まると、急に身体が倦怠感に包まれる。彼女は掌を精液まみれにされても嫌な顔ひとつしない。
「腰が抜けるくらい気持ちよかった……」
「あはは。そこまで言ってくれるのは嬉しいよ。じっとしてて。私が拭いたげる」
彼女はベッド脇にあるティッシュを何枚か取ると、自身の手を拭いた後、チンコについた精液を優しく拭っていく。
「まあ、こんなもんでいいかな。今度は私のことを気持ちよくしてくれる?」
ティッシュをゴミ箱に捨てると、彼女は何やら期待のこもった瞳で見つめてきた。今度は自分が彼女に何かをする番だと思うと緊張する。
「……どうしたらいいか分からない感じ?」
ただ彼女を見つめるだけしか出来ないでいると、勘づかれてしまった。
「う、うん……」
「アンタ、もしかして童貞だった?」
「いや、そうじゃないんだけど、あんまり経験はないから……」
「そうなんだ。なんか可愛いー。アンタの好きなようにしたらいいのに。そだなあ……なら、上から順番にしてよ」
「上から順番」ということはキスだろうか。これ以上聞いてばかりも情けないので、思うようにしてみる。
近付いて抱き締める。さっきの勢いで抱き締めた時とは様子が違う。目や唇に直視出来ないほどの色気を感じる。その色気に吸い寄せられるようにキスをすると、彼女は両腕を僕の腰に回し、締めつけた。
薄い唇の柔らかさを味わう。二三度ついばむようにキスをすると、彼女の舌が僕の唇を舐めた。舌を絡ませてそれに応える。
「あっ、はあ……」
ピチャピチャと唾液が撹拌(かくはん)される音や漏れる息が僕を昂らせる。しばらく夢中でキスをしていると、彼女の唇が離れた。
「ふふ。チューしてるとなんかムラムラしちゃう……そろそろ他のとこも気持ちよくしてほしいかな」
至近距離で目を見ると、吸い込まれそうで頭が上手く働かない。次は何をしようか。
「じゃあ……とりあえず、その上に着てるのだけでも脱がしていい?」
最終的には一糸まとわぬ姿にしたいところだが、何事も段階というものがある。
「いいよ。じゃあ、脱がせて」
甘えん坊の幼児のように、彼女は口角を上げた。それなら遠慮なく脱がせよう。
ベビードールの裾に手をかけてめくると、ネイビーの無地のパンツが覗いた。次にヘソ、パンツと同じ色のブラジャーが見えた。胸を越えたところで彼女に両手を上げてもらい、そのまま引き抜く。
あらわになった肌の面積が増えると、より彼女の妖艶さも増したように思える。
「私、お腹出ててみっともないでしょ? それに今日、アンタとこんなことになると思ってなかったから、下着も地味だし……」
つい自虐的に言う腹に目が移ると、僕はそこに釘づけになった。パンツの上部から何本もの太い毛がハミ出し、さらにヘソの下にも短い毛がまだらに生えている。女性でもヘソの下に毛が生えるものなのか。
「メグちゃん、毛が……」
「毛? ああ、下の毛のこと? 私、こっちの毛も濃くて、パンツに収まりきらないんだよねー。あはは」
彼女の羞恥心の感覚が分からない。体型はそれなりに気にしているらしいが、腋毛や陰毛はどうでもいいのだろうか。それともヤケで笑っているのだろうか。
「あと、ヘソの下も……」
「ん? これって生えてたらおかしい? みんな生えるもんだと思ってた」
自身のヘソ毛を摘まみながら、彼女はあっけらかんとそう言った。
「いや、分かんないけど……」
僕が知らないだけで、女性は皆、ヘソの下に毛が生えるものなのだろうか。
「それにしてもアンタ、ホントに体毛が好きなんだねえ」
「えっ……そうなのかな」
「あ、そっか。好きかどうかも分かんないんだっけ。まあ、見るなり触るなり、したいならしてもらってもいいけど」
いくら彼女の体毛に興味があるといっても、そればかりも申し訳ない。僕は彼女とセックスがしたいんだ。それならまずは、彼女を気持ちよくさせることを考えよう。
「上から順番」という言葉を思い出し、次はどうしようかと頭をひねる。口の次は胸だろうか、それとも――
「……じゃあ、そこに仰向けになってもらってもいい?」
「ん? うん」
指示どおり、彼女はその場で仰向けになった。なんとなく意図が伝わっていなかったような気がするが、なぜだろう。僕は彼女の向かって左側、腰の横に膝立ちになって右腕を持ち上げ、頭の側に開かせる。
「ちょっと待って。アンタ、今から何するつもり?」
何やら慌てた様子だ。
「何って……腋を舐めようかなって」
「えっ!? 私はてっきり、次はおっぱいかと……いや、腋でもいいんだけど……無理しないでよ」
確かにさっき、正直なところ、彼女の腋が
ひとつ深呼吸をして、恐る恐る腋に顔を近付ける。彼女はなんとも言えない渋い顔で黙っている。
――あれ? 意外に大丈夫かも。
興奮しているからかどうかは分からないが、腋の匂いが苦ではない。それどころか、こんなに強い匂いを発していると思うと、なんだか余計に愛おしささえ感じる。
「クサくない? 気持ち悪くなるくらいならすぐやめなよ」
「ホントに嘘じゃなくて良い匂いだよ。舐めてもいい?」
「うん……だったらいいんだけ、どっ、あんっ!」
ざらついた硬い腋毛の感触とともに、汗のしょっぱい味がする。話し声より幾分高い喘ぎ声が色っぽい。彼女は腋が性感帯なのか。
「ヤっ……ん、あっ! はあ……んっ!」
腋に唇を押しつけて吸ってみたり、腋毛を口に挟んで少し強めに引っ張ってみても、彼女は艶っぽい声を上げる。僕の愛撫で彼女が感じてくれているのが嬉しい。
しばらく腋を愛撫した後、顔を離して彼女を見下ろすと、頬を赤く染めて肩で息をしていた。
「はあ……腋を舐められたのなんて初めてだから、ものスゴく恥ずかしかったんだけど。ちょっと痛かったし」
「ごめん……」
さすがに腋毛を引っ張ったのはやりすぎだっただろうか。
「ううん。えっと……別に嫌だったわけじゃないから気にしないで。なんていうか、興奮……したし」
無我夢中なのは僕だけだと思っていた。もっと彼女をエッチな気分にさせたい。
「ねえ、メグちゃんのおっぱい触ってもいい?」
「いいよ。じゃあ、アンタにブラ外してもらおっかな」
ゆっくりと彼女は上体を起こした。彼女の背中に両手を回し、ホックを外す。少し手間取っていると笑われてしまった。恥ずかしい。
腕からブラジャーを取ると、剥き出しになった肌の面積がまた増える。やや外側に広がっている胸は、掌に収まりそうな大きさだ。乳輪がやや大きく、乳首とともに浅黒い色をしている。
「私が巨乳だったらパイズリでもしてあげたいんだけどねえ。でもこんなだからそれは諦めてね」
「メグちゃんのおっぱい、僕は好きだよ」
「そう言われるとなんか恥ずかしいな……」
目を泳がせるのが可愛い。
「触ってもいい?」
「……どうぞ」
彼女は少し胸を張った。右の掌で左の胸に触れてみると、しっとりした柔らかさと体温が伝わってくる。
「あっ、そうだ。私、おっぱいは感度悪いから、アンタが退屈しちゃうかもね……」
「わっ」
急に股間に何かが触れたかと思ったら、彼女はチンコの根元を右手で握っていた。
「アンタが私のおっぱいを好きにしてる間、チンチン触っててあげる。イカない程度にゆっくりシゴくからさ」
「うん。いいけど……」
返事をするや否や、彼女はゆっくりと手コキを開始した。確かに刺激は弱くて射精まではしないだろうが、これはこれでむずがゆい気がしないでもない。ただ、彼女が自ら進んで僕の身体に触れてくれることが、本当に嬉しい。
手コキに対抗するわけではないが、今度は両手で胸を鷲掴む。
「メグちゃんのおっぱい、柔らかくて気持ちいい」
「アンタのチンチンはカッチカチだけどね。ふふっ」
今まで彼女のことをずっと、「サバサバした」性格だと思っていた。しかし、時々覗かせる無邪気さから、案外明るい性格なのかもしれないとも思えてきた。僕が今まで見てきた彼女は、ほんの一部分だけだったのかもしれない。
両手を胸から離し、今度は左の乳首に舌を這わせてみる。舌先で転がすのと、口に含んで吸うのを繰り返す。
「乳首はどう? やっぱり、そんなにかな?」
乳首を愛撫しながら彼女の顔を上目で見ると、白い歯を見せて微笑み返された。と思っていると、なぜか空いた左手で頭をグシャグシャと乱暴に撫でられた。
「正直言うと、ちょっとくすぐったいくらいで気持ちいいかって聞かれると……でもアンタは、ホントに私のことを考えてくれてるんだね」
やはり、彼女が言ったとおり、快感はないらしい。
「アンタは私に気持ちいいと思ってほしいんだよね?」
「それはもちろん」
「だったら……私の
心臓が跳ねた。ついに彼女のパンツに隠れた、「毛が濃い」だろう部分を見れると思うと、冷静ではいられない。今まで羞恥心を微塵も感じさせなかった彼女も、さすがに股間を見られるのは恥ずかしいようだ。恥ずかしがっている姿を早く見たい。
「どうする? パンツ、私が自分で脱いだ方がいい? それとも、アンタが脱がせたい?」
「うーん……僕が脱がせてもいい?」
「いいよ。じゃあ、脱がせて」
彼女はチンコから手を離すと、その場で膝立ちになった。あとはパンツを脱がせば、一糸まとわぬ彼女を見られる。
パンツに両手をかけ、ゆっくりと下ろしていく。すると、彼女の股間があらわになった。縮れた密度の濃い陰毛が広い範囲に生い茂っている。毛の一本一本が長く、土手の中央部分が盛り上がるほどに密集している。股間の筋さえも見えない。
次に彼女は体勢を変え、こちらに両足を伸ばした。僕が太ももに引っ掛かったパンツを引き抜くと、彼女は横座りになる。もう彼女の身体を隠すものは何もない。
僕の目の前に全裸の彼女がいると思うと、どうしてもエッチな気分になってしまうのと同時に、どこか非現実のようにも思えてきた。小ぶりな胸や肉付きの良い下半身、濃い陰毛、そのどれもが綺麗で魅惑的だ。
「ひとつお願いがあるんだけど」
「何?」
「もし私のアソコが汚くても言わないでくれる?」
「メグちゃんに汚いところなんてないよ」
「ホント、アンタはお人よしなんだから……」
彼女は横座りの状態から両足を閉じたまま、また前に伸ばした。僕を一度チラッと見ると、膝を曲げながらゆっくりと足を開いていく。M字開脚の体勢になった。
「めちゃくちゃ恥ずかしい……」
右腕で目元を隠しながら、彼女は小声でそう言った。土手の方から繋がっている縮れた毛は、途切れることなく股関節の近くからアナルの方まで続き、どの部分も濃く、肌を覆い隠している。灰色の大きなビラビラと赤黒く充血したマンコ、焦げ茶色のシワが放射状になっているアナルは、目を凝らさないと見えない。
――もっと近くで見たい……!
我慢出来ず、跪(ひざまず)いて股間に顔を近付けると、腋とは違う強い匂いが漂ってきた。マンコとアナルを繋ぐようにして湿っている部分は、愛液が流れ落ちたということだろうか。彼女も僕と同じように興奮しているのだろうか。
「んー! 恥ずかしすぎる……シャワー浴びてないからクサくない?」
濃厚なチーズと干物のような匂いに、かすかな尿の匂いが複雑に混ざり合い、頭がクラクラするほど魅了される。改めて「女」なんだと知らしめられた。
「そんなことないよ、良い匂い。スゴい興奮する」
「……ヤダー」
このままクンニをしたいところだが、まだ眺めていたい気持ちもある。一旦、股間から顔を離して彼女と向き合った。
「え……?」
「あのさあ、メグちゃん」
「どうしたの?」
「メグちゃんのお尻が見たい」
「……お尻? アンタ、お尻が好きなの?」
質問には肯定も否定もしない。内心は尻が見たいというよりは、マンコとアナルがより見やすいだろうという考えだが。
彼女は訳が分からない様子のまま、身体をひねって膝立ちになり、こちらに尻を向けた。
――うわっ、デカ!
向き合っていた時には分からなかったが、彼女の尻は予想外の大きさだった。顔や胸の大きさと比べると、アンバランスで重量感がある。この角度からでも、尻の割れ目に添うようにして生える尻毛が目に飛び込んできた。太く黒々とした野性的な猥雑さがそこにある。
「私、下半身デブだから、お尻を見られるのはちょっと恥ずかしいな……張りがなくてだらしないでしょ?」
首をひねってこちらの様子をうかがっている。確かに尻は張りがあるとは言えず、やや垂れ気味ではあるが、その大きさは欲情を刺激するには充分だ。
「メグちゃんのお尻を見てるだけで僕は興奮してるよ。あ、あともうひとつお願いがあるんだけど」
「ん? 何?」
「四つん這いになってくれないかな」
「え……アンタ、結構Sなこと言うんだね。慣れてきた?」
最初に比べれば緊張は薄れてきたような気はするが、どうだろう。四つん這いにさせるのはSなことなのだろうか。
「僕はただ、メグちゃんの股間をじっくり見たいというか……あっ」
自分の言葉に、自分が彼女の体毛に執着していることを気付かされた。やはり、僕はそういう性癖に目覚めてしまったのだろうか。
「なるほど、そういうことかー。というか、アンタが見たいのは私のアソコの毛でしょ? ホント、穴が空くほど見ないと気が済まないんだね。ふふっ」
彼女には全てお見通しのようだ。
「アンタって優しそうに見えて意外にしつこいよね。まあ、そこに興奮しちゃってる私も私だけどさ」
背中が前に倒れていき、僕の指示どおりに四つん這いになった。視界の中心に大きな尻が映ると圧倒されそうだ。
「触るね」
「う、うん……」
その大きな尻を両手で鷲掴む。ただただ柔らかかった胸と比べると、ほどよい弾力がある。これはこれで癖になる触り心地だ。
「きゃっ! ちょっと……ヤダぁ……」
尻の割れ目を両手で開くと、毛で隠れていたアナルがはっきりと見える。シワの一本一本と中のピンク色の肉が魅惑的だが、それよりもやはり、どうしても毛に目が留まってしまう。シワの上や周辺に生い茂るうねった毛に、劣情を催してしまう。
その尻毛を右手の親指と人差し指で何本もまとめ、優しく引っ張ってみる。
「ああんっ! ……恥ずかしいから」
引っ張る度に皮膚を持ち上げ、刺激のせいなのかアナルが収縮する。まるで生き物のように動くアナルが堪らなく卑猥だ。
「メグちゃんのお尻の穴、可愛いよ」
「そんなと、こっ……んっ! 褒め、られて! も、はぁ……嬉しくな、いっから」
彼女の言葉が喘ぎ声のように聞こえる。尻毛を引っ張られることに快感を感じているのだろうか。それとも、恥ずかしさのあまり上手く喋れないのかどうかは分からない。
そろそろクンニがしたい。尻毛から手を離し、両手の人差し指と中指で、陰毛に覆われたマンコを開く。
「ヤンっ」
マンコの中は艶かしく湿っていて、膣壁から膣壁へと、透明な愛液の糸が多数伸びている。彼女の呼吸に合わせて中の肉が生々しく動き、否(いや)が応でも性欲を煽られる。
顔に陰毛が当たることも構うことなく、膣内に舌を突っ込んだ。高級なチーズのような酸味と塩味が舌にまとわりつく。
「んっ、はっ! ……ヤ、んん……あんっ!」
舌を上下に動かすと、彼女が喘ぎだした。抜けた陰毛が口に入るのを、時々指で取り除きながらクンニを続ける。マンコの味と匂いに喘ぎ声が加わり、性的要素が多角的に理性を狂わせる。
どれくらいの時間を愛撫していたのかは分からないが、いつの間にか彼女の声が聞こえにくくなっていた。様子をうかがうために、一旦、クンニをやめる。
股間から顔を離して彼女を見ると、腕の支えは崩れ、上半身の全体重がのしかかっているのか、ベッドに深々と左頬がめり込んでいた。視線は定まらず、苦しそうに不規則な呼吸を繰り返している。やりすぎてしまった。
「ごめん! メグちゃん、大丈夫?」
「……う、うん。大丈夫。はあ……ちょっ、とは……んっ、手加減してよね」
おそらく、ここまでぐったりしているということはイッたのだろう。僕の愛撫で彼女がイッたのは嬉しいが、ここまでしてしまったのはさすがに申し訳ない。
今ならあられもない姿を好きなだけ眺められる、と一瞬頭をよぎったが、そこまでするつもりはさらさらない。身体をあまり見ないようにして、彼女が落ち着くのを待つ。
しばらくすると、彼女はゆっくりと起き上がり、僕と向き合って座った。
「私がこんなになるまでするなんて、アンタなかなかイジワルだねえ。身体があっつい……」
「ご、ごめん」
「いや、私は怒ってるんじゃないんだけど。あ、あのさあ、アンタの……その……」
何を言おうとしているのかは分からないが、彼女がここまで言葉を詰まらせているのは初めて見る。
固く口を結ぶと、僕の肩に右腕を回し、密着してきた。と思ったら、左手がカリを包み込む。
「ねえ、チンチン頂戴(ちょうだい)……ダメかな。私、もう我慢出来なくて……ごめん、アンタのこと考えてる余裕なくて」
耳元に口を寄せてカリを左の掌で擦りながら、言葉を絞り出すようにそう言った。荒い吐息が耳に当たり、思わず胸がギュッとなる。今までで一番、彼女に色気を感じる。
「ううん、いいよ。僕ももうメグちゃんに入れたいから」
「嬉しい……私がゴムつけたげる」
彼女はコンドームの箱を手に取って包装を外し、中からひとつ取り出してその袋を破いた。精液溜まりを押さえて空気を抜くと、カリにコンドームを乗せる。親指と人差し指で、輪をチンコの根元に向かって引っ張っていく。
「よしっ、ついた」
コンドームが装着されると、目を爛々(らんらん)とさせてこちらの目を覗き込んできた。何か言いたげなようだが黙っている。
「どうしたの?」
「どうって、アンタがどうしたいのか分からないと出来ないから待ってるの。早く指示してよ」
どうしたいと言われても、後は挿入以外にない――と考えたところで気付いた。どうしたいとは、おそらく体位のことだ。
「うーん……僕はメグちゃんのしたいようにしたい」
「えー……私が決めるの? まあ、そういうとこもアンタらしいといえばらしいけど」
彼女のためを思ってのことだったが、心底残念そうな声色から失敗だったと痛感する。僕がリードした方が良かったようだ。
「じゃあ、後ろからして。さっきアンタに舐められた時、後ろからしてほしいなって思ったんだ」
またこちらに背を向けて四つん這いになった。
「自分でしといてなんだけど、この体勢、死ぬほど恥ずかしいから、出来れば早くしてもらえると……急かしてごめん」
「あっ……うん。分かった」
要望がなくても、今すぐセックスをしたいのは僕も同じだ。カリをマンコに当て、そのままゆっくりと押し込んでいく。
「んんっ!」
彼女の甘い声が漏れた。チンコの根元までが膣内に飲み込まれると、チンコが心地よい圧迫感に包まれる。ついに彼女とセックスをするのだと思うと、幸せで胸の奥の方がじんわりと温かくなってくる。
「あ……んっ、は……」
両手で腰を掴んでゆっくりとピストンを開始すると、その動きに合わせて彼女も尻を押しつけてきた。クネクネと動く大きな尻が悩ましく、僕を昂らせる。
徐々に腰の動きを早めていく。チンコを根元まで突き入れる度、乾いた音が鳴る。彼女の乱れた声を聞いていると、一人の女性の前に動物だと感じる。彼女は今、自らの性欲を満たすためだけの動物だ。ただ、それが僕にとっては喜びになる。肉欲の全てを僕で発散してほしい。
ピストンをしながら両手で尻を掴み、尻の割れ目を押し広げる。
「ん、ダメ……! ああっ、あっ! 恥ずかっ、しい……」
こちらに首をひねり、快感でゆがんだ顔で見つめてきた。やはり、アナルを見られるのは恥ずかしいようだ。ピストンをする度、緊張と弛緩(しかん)を繰り返すアナルが卑猥だ。
チンコを膣奥まで突き入れたまま、一旦、ピストンをやめる。右手で尻毛を優しく引っ張ると、マンコの締まりが強くなった。
「ヤダっ! 引っ張ったらダメだって……恥ずかしさで死んじゃう……」
恥ずかしいのは分かるのだが、僕も彼女のことを考える余裕より、欲求が上回りそうだ。今はとにかく尻毛を引っ張りながら、がむしゃらにピストンがしたい。
欠片ほどの自責の念は振り切って、再びピストンを開始する。改めて今、自分のしていることが本当に性欲のおもむくままだと実感すると、なんだかニヤけてしまった。
「あっ……! あ、はっ……あ、んっ! ……ああっ、あ!」
腰の辺りに重たい熱を感じる。これ以上ピストンを続けると射精してしまう。しかし、まだセックスを続けたい。
「あっ……え?」
膣内からチンコを引き抜き、尻毛から手を離す。急にやめられたことに驚いたのか、彼女は首をひねり、訝(いぶか)しげにこちらを見た。
「えっ、え? 終わり?」
「いや、バックだと自分勝手すぎるかなって思って……僕、やっぱりメグちゃんと向かい合ってエッチしたいんだ。ダメかな」
彼女は体勢を変え、こちらを向いて正座する。
「それなら最初から言ってよー。お尻の毛をイジられて恥ずかしかったのに……いいよ。アンタの好きなようにして」
背中を両腕で支えながら仰向けにさせると、彼女は足を肩幅に開いた。カリをマンコに当て、再び根元まで押し込んでいく。
「ああっ……入ってきた」
僕を受け入れてくれた彼女の表情は、色気をまといながらも本当に穏やかだ。まるで、僕の全てを許してくれそうな包容力を感じる。
こんなに綺麗な姿を見ていると、今度はなるべく時間をかけながらセックスがしたいと思える。彼女の首の左右辺りに両手をつき、覆い被さる体勢になった。理性に抗うように、ゆっくりと腰を動かし始める。
「んっ……はあ、ん……」
呼吸のように彼女の小さな嬌声が漏れた。その開いた口に舌を滑り込ませると、舌を絡めてきた。お互いの唾液の擦れる音と、彼女の舌の動きが喘ぐ度に途切れ、また舌が動く。
しばらくキスをしていると、また腋を愛撫したいという気持ちが膨らんでいく。口から顔を離し、今度はさっき触れていなかった左腕を持ち上げ、腋を晒させる。汗をたっぷりと貯え、僕にとってのフェロモンを発する腋毛が堪らない。強い匂いのするその場所を、目一杯舌を伸ばして荒っぽく舐める。
「ああんっ! ……ん、ダメっ……あー!」
やはり腋が弱いようで、身体を震わせながら濡れた声を上げた。僕もこの匂いと腋毛の感触に我慢出来そうにない。制御をしているつもりでも、どうしてもピストンが早くなってしまう。
一心不乱に腰を膣奥に打ちつける。どうして僕が愛するのはメグちゃんじゃなければいけないのかは分からない。ただ、少なくともこんなに満たされるセックスが出来るのは、おそらく彼女だけだ。セックスをして、より彼女のことが愛おしく思えるようになった。
「は、はっ……んん! …あっ! あん」
チンコの根元に痺れを感じる。そろそろイキそうだ。限界までピストンを早めると、彼女は悲鳴にも似た声で乱れた。目の前が腋毛でいっぱいなので、どんな表情なのかが見えなくて残念だが。
「あー! うっ……あっ、あ、ああん! ……んっ、あー!」
「はあ……はっ」
膣奥にチンコを打ちつけると、身体の中心を一気に熱が走り抜けて射精した。精液が吐き出されていく快感で、酸素不足になりそうだ。射精をしている間、彼女は小さく身体を震わせている。イッたのだろうか。長い射精がようやく収まると、僕の頭の中には最高という思いしか残らなかった。
■□■□■
コンドームをゴミ箱に捨て、布団に入る。身体を右に向けると、メグちゃんもこちらを見ていた。額に浮かぶ汗が色っぽい。
「アンタとのエッチ、めちゃくちゃ気持ちよかった……私たち、身体の相性良いのかなあ」
僕はもちろん、彼女もセックスに満足してくれたのが本当に嬉しい。
「あっ」
彼女はチンコを掴んで優しく手コキをする。なんだか僕も、こうやって触られるのが癖になりそうだ。
「また触ってる」
「いいじゃん。アンタのチンチン触ってると、なんか落ち着くんだよね」
「興奮じゃなくて?」
「あはっ。はいはい、エロいこと考えてますよ。すいませんねー」
唇を尖らせて全く悪気のない様子だ。そんな彼女が愛おしい。
「ねえ、メグちゃんは僕と付き合ってくれる気になった?」
僕が一番気がかりなのはこれだ。セックスだけではなく、やはり彼女には愛してほしい。彼女は「うーん」と唸った後、口を開いた。
「チンチン触りながらでなんだけど、やっぱりアンタのことは元旦那の弟としてしか見れないかなあ」
「そっか……」
ドラマのような「セックスから始まる恋」を少しは期待したのだが、現実は残酷だ。一度セックスをしたくらいでは、彼女の心を動かすことは出来ないようだ。
「セフレじゃダメ? エッチ自体は嘘じゃなくて、ホントに気持ちよかったし。ほら、アンタが望むなら腋毛も剃らないからさ。あ、これは私がめんどくさいだけなんだけど。はは」
ここでもしセックスフレンドにならなければ、二度と彼女と一緒にいられなくなるのだろうか。
「メグちゃん」
「どうしたの?」
「僕、メグちゃんのセフレになりたい」
「うん。それは全然構わないよ」
「だったらさあ……」
彼女の肩に両腕を回して抱き締める。
「今からもう一回しない? それでもメグちゃんが僕を好きにならなかったら、またもう一回。僕、メグちゃんが彼女になるまでエッチするから。覚悟してよ」
僕の目をじっと見つめた後、彼女は吹き出した。
「何それー! 急にちょっと男らしくなっちゃって、キュンキュンするじゃん……しょうがないなあ、今日は朝までコースかな。オバチャンなんだから手加減してよね」
やはり、彼女が僕を一人の男として見てくれなくても、自ら離れるなんてあり得ない。今はセックスフレンドでも、いつか彼女が僕を愛してくれるなら、今日この時を笑って話せる日が来るだろう。いつかきっと――
――Fin.