※この作品はR-18です。

海賊白兎は闘争と色を好む   作:黒旗

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異常事態

(ベル)達【カーリー・ファミリア】は二十五階層に到達すると巨蒼の滝(グレート・フォール)の光景に目を奪われた。

 

「ダンジョン、本当に謎めいた場所だな」

 

「あぁ、まさか洞窟から森へ、森から水都とは規格外過ぎる・・・」

 

「凄い・・・」

 

(団員)達がそれぞれ感想を言っている中で(ベル)は淡泊だった。

 

「いくぞ」

 

『はい、ベル様』

 

そうして、【カーリー・ファミリア】の下層攻略が始まる。

 

「オラァアアアアッ!!」

 

「死ねぇっ!!」

 

『グギャァアアアアアアアアアッ!!』

 

雄叫びと共に襲いかかるモンスターを屠る(団員)達、その理由は昨日階層主討伐によって器の昇華(ランクアップ)を果たしたリラが影響を与えている。

 

器の昇華(ランクアップ)を果たしたリラは(ベル)の愛を独り占めできた。

 

つまり、器の昇華(ランクアップ)すれば(ベル)に自分だけを愛して貰えるという考えに至ったのだ。

 

そのため、ダンジョンから生まれ落ちるモンスターは誕生と同時に魔石に変えられてしまう。

 

全ては(ベル)の寵愛が欲しい(アマゾネス)の糧として。

 

しかし、それはある意味でダンジョンに危機感を抱かせてしまった。

 

そう、ダンジョンが哭いた。

 

オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!

 

それをいち早く感じ取ったのは(ベル)だった。

 

「おい、お前ら何か来るぞ」

 

(ベル)の言葉に(団員)達は殺戮を止め、見聞色で発動範囲を広げる。

 

しかし、覇気を習得したばかりの(団員)達では完全な状況把握は出来ない。

 

「二十七階層でデケェのが産まれたな。後、この階層で面白そうな奴も産まれたみてぇだ」

 

「それはどういう・・・」

 

「アリサ、剣を寄越せ」

 

「はい、ベル様!!」

 

(アルガナ)の問いを無視し(ベル)は剣を寄越すよう言うと(アリサ)は自身の腰に携えていたもう一本の剣を渡す。

 

「お前らは今から下から上がってくる奴を片付けろ。俺は今から来る奴で楽しむ」

 

そう言って(ベル)は飛び出していくのだった。

 

 

 

(ベル)が飛び出した後、それはやってきた。

 

水面から飛び出してきたのは白い双頭の竜。

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッ!」

 

二十七階層『迷宮の孤王(モンスターレックス)』アンフィス・バエナ。

 

水面から飛び出し啼く階層主の出現に【カーリー・ファミリア】の(団員)達は驚愕の表情を見せる。

 

しかし、それはすぐに獲物を見据える猛獣へと姿を変える。

 

「やるぞ、お前達」

 

「あぁ、アルガナ」

 

「コイツを倒せば・・・」

 

器の昇華(ランクアップ)出来るかも」

 

そう、本来であれば絶望でしかないこの状況を喜んでいる。

 

恐怖で頭が可笑しくなったのでは無い、正気を失ったのでも無い。

 

(アマゾネス)達にあるのは(ベル)の寵愛のみ。

 

つまり、異常事態で産まれた階層主(アンフィス・バエナ)ですら(ベル)の寵愛を得るための糧にしか過ぎないのである。

 

「かかれぇっ!!!」

 

『おぉおおおおおおおおおおおおっ!!!』

 

副団長(アルガナ)の号令と共に肉体に、武器に武装色の覇気を纏い団員(アマゾネス)達がアンフィス・バエナに襲いかかる。

 

それと同時にアンフィス・バエナも動きを見せる。

 

青い水晶のような鱗を持つ頭から蒼い炎が吐き出される。

 

「散れぇ!!」

 

それを見聞色の覇気で察知し各々が回避するも、ある光景に驚く。

 

「何だと、水面が蒼い炎で燃え盛っているだと!?」

 

「ただの炎ではないようだな、あの炎を決して喰らうな!!」

 

『おぉ!!』

 

水に触れても消えない炎を見ても団員(アマゾネス)達の戦意は衰えるどころか烈しく昂っている。

 

「あはははっ、良いぞ階層主!!もっと楽しませろ!!」

 

歓喜の声を上げながらアンフィス・バエナに鋭く重い一撃を浴びせるアルガナ。

 

「【食い殺せ(ディ・アスラ)】【ヴェルグス】」

 

バーチェは魔法を唱えた。

 

その魔法は猛毒の付与魔法(エンチャント)、必毒にして必殺の魔法。

 

(ベル)との初めての邂逅した際も危険と感じ発動させようとしたが一蹴されてしまい使うことは無かった。

 

覇気の習得の際は不要とされていたが階層主との戦いで解放されたのだ。

 

そして、黒紫の毒の光膜は武装色の覇気を纏うことで更に光沢を帯びる。

 

そして、猛毒の一撃がアンフィス・バエナの肉を抉り融かし腐食させていく。

 

Lv.6のカリフ姉妹を中心に攻撃を行い攪乱役など各自それぞれの判断で行っていく。

 

これは以前の【カーリー・ファミリア】ではありえなかった事だ。

 

ここの実力に絶対の自信を持つ【カーリー・ファミリア】の団員達がそれを実感したのが(ベル)との邂逅だった。

 

圧倒的な暴力(ちから)を見せつけた(ベル)によって【カーリー・ファミリア】の団員達はその自信(プライド)をズタボロにされてしまった。

 

それ故に覇気の習得の修行の時も見聞色を用いての不意打ちなど連携を意識した戦闘法も習得したのだった。

 

それが今、階層主との戦闘でも役立っているのは僥倖と言える。

 

「喰らえ!!」

 

「ギャォオオオオオオオオオオオッ!?」

 

副団長(バーチェ)の猛毒の一撃にアンフィス・バエナが悲鳴を上げるも赤い水晶のような鱗を持つ頭から紅い霧が吐き出された。

 

「毒か!?下がれ!!」

 

副団長(アルガナ)の指示に従ってアンフィス・バエナから離れる団員(アマゾネス)達。

 

「厄介だな、あれが何の効果を持っているのか解れば良いのだが・・・」

 

「しかし、手を拱いている暇は無いぞ」

 

そうやって攻略の糸口を探っていると突如アンフィス・バエナが潜水する。

 

「まさか逃げるつもりか!?」

 

「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」

 

「なんだ!?」

 

水中でアンフィス・バエナが啼いた。

 

その意味はすぐに知ることとなった、それは・・・。

 

「チィッ、他のモンスターを呼んだのか!?」

 

「面倒だな」

 

悪態をつく団員(アマゾネス)達だったがそれだけでは終わらなかった。

 

なんとアンフィス・バエナが滝を登り始めた。

 

「何をする気だ?」

 

「拙い、全速で退避しろぉおおおお!!」

 

その声に即応し【カーリー・ファミリア】全員が退避すると同時に滝の最上部に到達したアンフィス・バエナが跳躍し重力に従って落下してくる。

 

ザッッバーーーーーーーーーーンッ!!

 

アンフィス・バエナの着水と同時に巨大な水柱となり衝撃によって大波となって【カーリー・ファミリア】を飲み込まんとする。

 

しかし、それをいち早く察知した【カーリー・ファミリア】は大波に呑まれることを回避していた。

 

「巫山戯た真似を・・・!!」

 

「殺す」

 

殺意を滾らせる【カーリー・ファミリア】は襲いかかるモンスターに歯牙もかけず瞬殺しアンフィス・バエナを仕留めに掛かる。

 

「{ベル様、お許し下さい}リラ、血を寄越せぇ!!」

 

「う、うん!!」

 

アルガナは枷を外した、それは団員の血を飲むことである。

 

アルガナは希少呪詛(レアカース)を持っている、その呪詛(カース)の特性は『血液吸収(ブラッド・ドレイン)』。

 

恩恵を持つ者の血を摂取することで自身の力を激増させるというもの。その代償は耐久が下がってしまうことだが・・・。

 

しかし、それが理由では枷と言うにはほど遠い。

 

一番の理由は、今や【カーリー・ファミリア】は全てが(ベル)の所有物であるからして、それを自分勝手な都合により傷つける事は(ベル)に対する不忠である。

 

しかし、それを行うということはアルガナはこの後(ベル)に殺されても構わないという考えだからである。

 

アルガナは第一級冒険者(リラ)の血を啜り、激増させたステイタスでアンフィス・バエナを攻撃する。

 

すると、アンフィス・バエナが再び蒼い炎を吐き出そうと口を開く。

 

「閉じてろ!!」

 

その瞬間、ノエルの戦斧の一撃がアンフィス・バエナの顎を捉える。

 

強制的に口を閉じられた事によって蒼い炎はアンフィス・バエナの口内で暴発する。

 

それによって身体の体勢を崩したアンフィス・バエナの隙を逃すまいと襲いかかる【カーリー・ファミリア】の団員(アマゾネス)達。

 

そして・・・。

 

「「これで終わりだぁあああああああああああああっ!!」」

 

【カーリー・ファミリア】の総攻撃によって遂にアンフィス・バエナが討伐されたのだった。

 

そして、怪物素材(ドロップアイテム)であるアンフィス・バエナの竜肝(きも)と魔石を獲得したのだった。

 

 

 

一方、その頃(団員)達を置いて飛び出した(ベル)はというと・・・。

 

「お前は俺を楽しませられるのか?」

 

不敵な笑みを浮かべながら全身黒い骨だけの不気味なモンスターと対峙していた。

カーリー・ファミリア以外でのオリキャラは必要ですか?

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