※この作品はR-18です。

海賊白兎は闘争と色を好む   作:黒旗

15 / 26
都市の反応

【カーリー・ファミリア】の一斉器の昇華(ランクアップ)はオラリオを驚愕の渦に飲み込んだ。

 

「ふざけるなっ!!」

 

そして、それに納得のいっていない女神がここに・・・。

 

【カーリー・ファミリア】との戦争遊戯(ウォー・ゲーム)を三日後に控えた【イシュタル・ファミリア】主神イシュタルはその話を聞き憤懣を漏らしていた。

 

「一斉器の昇華(ランクアップ)だと・・・っ!!カーリーめぇ、一体どんな不正(イカサマ)をしたぁっ!!」

 

イシュタルは新調した煙管(キセル)をへし折り投げ捨てる。

 

「しかも、Lv.6だけでなくLv.8だと・・・あの女神(おんな)一体何処に隠していたというのだぁ・・・!!」

 

そう言いながら神を激しく掻き毟るイシュタル。

 

Lv.8、それはかつてオラリオに籍を置き「最強」と称された派閥(ファミリア)【ゼウス・ファミリア】団長マキシムと同じだと言うこと。

 

現最強であり自神の目の上のたんこぶであるフレイヤの眷族である【フレイヤ・ファミリア】首領・オッタルはLv.7。

 

つまり、【イシュタル・ファミリア(眷族)】の最高Lv.は5。

 

Lv.の開きは1だったとしても致命的、つまりこの戦争遊戯(ウォー・ゲーム)は【イシュタル・ファミリア】に勝ち目など皆無なのだ。

 

「どうする・・・どうしたらいい・・・」

 

神会(デナトゥス)であれだけの啖呵を切ってしまった以上今更中止にすることは出来ない。

 

この状況を打破するべくイシュタルは思考を巡らせるのだった。

 

 

 

 

 

 

黄昏の館、ここは二大派閥の一角である【ロキ・ファミリア】の本拠(ホーム)その会議室では幹部達が勢揃いしていた。

 

「・・・・・・」

 

その会議室の空気は重い、ただただ重い空気が充満していた。

 

「それじゃあ始めようか、今回の議題は【カーリー・ファミリア】についてだ」

 

最初に口を開いたのは【ロキ・ファミリア】フィン・ディムナ、金髪碧眼の少年のような見た目をしているが実年齢42歳の種族は小人族(パルゥム)である。

 

「まず奴等がなぜオラリオにやってきた?目的でもあるのか?」

 

次に口を開いたのは副団長のリヴェリア・リヨス・アールヴ、王族妖精(ハイエルフ)の彼女は長い翡翠髪と同じ翡翠の眼を片目だけ閉じながらそう言った。

 

「そうじゃな、今のところ別段暴れる様子も見せんしのぅ。見境なく暴れるのであれば対処の方法もありはするがのう」

 

副団長(リヴェリア)の言葉に返答するのは最古参幹部であるガレス・ランドロック、現状を話しつつドワーフらしい考えを口にする。

 

「それでも騒動が無かったわけじゃない。来て早々に【イシュタル・ファミリア】との戦争遊戯(ウォー・ゲーム)に加えて二十七階層階層主(アンフィス・バエナ)の討伐による眷族の器の昇華(ランクアップ)によって【カーリー・ファミリア】は第一級冒険者を十五人在籍していると言うことになる」

 

「完全にウチと色ボケ女神はひっくり返らされてもうたなぁ」

 

団長(フィン)の言葉に口を開いたのは【ロキ・ファミリア】主神ロキ、緋色の髪に糸目の彼女が珍しく髪と同じ緋色の眼を開いて更に言葉を続ける。

 

「目的があんのは確実やろな・・・、せやけど気になることがもう一つある」

 

「あぁ、()だね」

 

「ベル・クラネル、ダンジョンに潜らんとLv.8になったかやな。ドチビ二号が不正(イカサマ)をしてんのやったら其処を突いていけんのやけどなぁ・・・」

 

話題は(ベル)の話へと変わった。

 

「チッ」

 

舌打ちをしたのは幹部の一人であるベート・ローガ、不機嫌な様子を隠すこと無く灰色の髪の間から見える琥珀の眼は鋭さを増していく。

 

「・・・・・・」

 

無言のまま(ベル)の記事を目を離さない金髪金眼の美少女、アイズ・ヴァレンシュタイン。

 

強さを求め続ける彼女にとってLv.8(ベル)の登場はあまりにも刺激が強すぎた。

 

「アイズたん、何考えてんのかは大体解るけどアカンで」

 

しかし、彼女の考えを見透かしたように主神(ロキ)が釘を刺してくる。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

そして、未だ無言を貫いている二人の()()()()()の双子の姉妹。

 

【カーリー・ファミリア】の登場に影を落とす二人、ティオネ・ヒリュテとティオナ・ヒリュテ。

 

「今日はひとまずこれくらいにしておこうか。解散」

 

団長(フィン)は二人の気持ちを察し会議を終えることにした。

 

自室に戻った双子(ティオネとティオナ)はモヤモヤとした感情を抱いていた。

 

「くそっ!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

悪態を付きながら拳で机を破壊するティオネ、それとは対照的にティオナは寝台(ベッド)に寝転がるのだった。

 

「なんで今更現れんのよ・・・」

 

「そうだね・・・」

 

その言葉が意味するのはこの姉妹が元【カーリー・ファミリア】に所属していたからだ。

 

(ベル)闘国(テルスキュラ)に現れる前までは闘争のみに身を置くアマゾネスの国であった。

 

何故、ダンジョンに潜らないアマゾネス達が器の昇華(ランクアップ)出来るのか・・・それは団員同士の共食いである。

 

そうして、【カーリー・ファミリア】は高めていったのである。

 

それはティオネティオナの姉妹も身を投じることになる。

 

そうして、二人がLv.3の時ある変化が訪れる。

 

それは妹・ティオナの言葉からだった。

 

「あたしティオネと殺し合いしたくない」

 

その一言が双子の姉妹の運命を変えるのだった。

 

それから色々あり、オラリオで【ロキ・ファミリア】と出会い様々な冒険を繰り広げる。

 

そして今、かつての古巣にして思い出したくない過去のある【カーリー・ファミリア】の登場が双子の姉妹を苦しめる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな騒動の渦中に居る【カーリー・ファミリア】の首領であるベルは一人で人気の無い裏路地に足を運んでいた。

 

すると、背後の建物の間から現れた黒衣の人物が話しかけてくる。

 

『ベル・クラネルだな』

 

「誰だテメェ、面見せろ」

 

突如裏路地に響いた声に殺意を乗せて言い放つベル。

 

『・・・済まないが、このまま会話させて貰う。今回の件、ジャガーノートについて一切口外しないで欲しい』

 

謝罪と共に帰ってきた言葉は今日見た物を黙っておくことだった。

 

「あ、なんでだよ?」

 

『あれは厄災そのものだ、迂闊に人目に触れて良いものでは無い』

 

「それはいいが、それを守る上で俺が得られるものはなんだ?」

 

ベルの言葉に黒衣の人物が口を開く。

 

一角獣(ユニコーン)の角二本、人魚(マーメイド)の生き血三瓶、魔導書(グリモア)を三冊でどうだろうか』

 

「それに加えて深層の情報も寄越せ」

 

『それならば管理機関(ギルド)で情報開示を・・・』

 

「俺が言ってんのはテメェ等管理機関(ギルド)がフレイヤとロキの派閥に隠してやがる()()()()()()()()()()()()のことだ」

 

『なっ・・・!?』

 

ベルの言葉に黒衣の人物が動揺を見せる、それはつまり情報はあると言うことを証明してしまった。

 

「へぇ、カマ掛けてみただけだが意外とマジで持ってんだな」

 

『それを聞いてどうする?』

 

「どうもしねぇっていうか、俺にとっちゃいずれ行くことになるから集めておくのも良いかなと思っただけだ。情報ってのは武器だ、それくらい解るだろ。それと、声だけ聞いても動揺してんのが解るからもう少し腹芸を身に付けた方が良いぜ」

 

『・・・・・・・・・・・・忠告痛み入る』

 

ベルの言葉に黒衣の人物がボソリとそう言った。

 

「まぁ。情報の方は俺が欲しいときに貰いに行くからちゃんと用意しとけよ」

 

『・・・それ以外のものはギルドのロッカーに入れておく』

 

「あぁ」

 

黒衣の人物はその後姿を消して去って行くのだった。

 

管理機関(ギルド)走狗(イヌ)か・・・まぁ、今は泳がせとくか。丸見えだっつーの、下手クソ」

 

ベルはそう言いながら見聞色の覇気で把握しながらもある方向へ目を向けた後宿へと戻っていく。

 

「まさか、この位置にいる私に気付いていた?ありえない、気のせいだろう」

 

目を向けた方向の先には黒衣の人物がいたのだった。

 

 

 

「うふふふ、面白いわね【カーリー・ファミリア】」

 

楽しげに声を発するのは【フレイヤ・ファミリア】主神フレイヤ。

 

「いいえ、【カーリー・ファミリア】じゃなくてその中の一人ね。私は貴方に惹かれている(興味がある)わ、ベル・クラネル」

ベルの専用武器は?

  • エース
  • 秋水
  • 天羽々斬
  • 雪走
  • 閻魔
  • 破爪と黒剣で造った刀
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。