海賊白兎は闘争と色を好む 作:黒旗
「あー、暇」
「いや、
「んなもん必要ねぇよ」
「どういうことだ。なんで覇王色の覇気がダンジョンから・・・いや、この感じはロジャー?」
そう、ダンジョンより溢れ出た覇王色の覇気の気配はベルがロックス海賊団の一員として戦った最後の敵。
「あの野郎もこの世界に来てるって事なのか?」
そう口にしながら苦虫を潰したような顔をするベル。
「まぁ、丁度退屈してた所だ。相手になって貰うぞ、ロジャー!!」
すぐさま好戦的で狂気的な笑みを浮かべながらダンジョンに向かって走り出すのだった。
「??」
同じ部屋にいたカーリーは混乱していた。
ダンジョンの入り口付近までやって来ると、多くの冒険者や一般人が覇王色の威圧によって気絶している。
それを無視してベルはダンジョンに飛び込む。
そうして、ロジャーの気配を見聞色の覇気で探りながら進んでいくと深層・三十七階層「
しかし、そこにはロジャーの気配がすれど姿はなく代わりに一本の刀が中央に刺さっていた。
「あれは確かロジャーの愛刀だった「エース」だよな」
そう、
「なんで刀が有るのにロジャーの野郎は居ねぇんだよ」
とんだ肩透かしを食らったと言わんばかりに息を吐くベル。
しかし、この刀を放置して他の冒険者に回収されるのも癪に障る。
「仕方ねぇ、持って帰るか」
そう言いながら刀の柄を握った瞬間、内包されていたロジャーの覇気がダンジョン内に炸裂する。
「うおっ、びっくりしたぁ」
そう言いながらも平然とするベルだが・・・。
「おいこら、刀が俺を試すなんざ調子に乗ってんじゃねぇぞ!!!」
その言葉と共にベルも覇王色の覇気を爆発させる。
そうして起こるのは覇王色の衝突。
「王」の資質を持つ
その苛烈さは嘆きの大壁がひび割れ崩壊し原形を留めぬまでに至り、天井が崩れていく。
更に覇王色の衝突によってダンジョンから産まれたモンスター達は冒険者に目もくれずに生き物のように地上を目指す。
圧倒的強者からの蹂躙から逃れるように・・・。
そのモンスター達の地上進出を防ぐべく三大派閥【ロキ・ファミリア】【フレイヤ・ファミリア】そして、【カーリー・ファミリア】が
『・・・・・・・』
モンスターの進行を阻止するために集まっているにも関わらず冒険者逹の纏う空気は重い。
それもそのはず、元よりロキとフレイヤの両派閥は主神の仲が悪い。
そこにLv.8のベル・クラネルを擁する【カーリー・ファミリア】がオラリオに来たことによって二大派閥から三大派閥となった。
新参の派閥な上に
それは【フレイヤ・ファミリア】のみであり【ロキ・ファミリア】の場合はヒリュテ姉妹とカリフ姉妹との確執である。
これに関しても両派閥の姉妹同士の間題だとしても、殺気充満するこの場で一触即発の状況である。
しかし、モンスターと接敵すれば殲滅するため戦闘を開始するのだった。
覇王色の衝突によってモンスターの地上進出と同時にダンジョンに動きがあった。
深層・四十階層の
以前ベル・クラネルに完全敗北を喫したジャガーノートにある感情が生まれていた。
それは憎悪、煮え滾る怒りがジャガーノートに変化を齎す。
漆黒の全身の骨は太さと厚さが増しており、破爪も長大さと鋭利さが増している事で体高は6mとなっていて倍の巨体に変化させている。
更にその骨には
その巨体では持ち味であった敏捷が下がるかに思えた、しかしその予想を越える事が起こる。
ジャガ一ノートの巨体が宙に浮いている、これにより巨体でありながら敏捷性を保っている。
更に骨全体が丸みを帯びており、空気抵抗を受けにくくしている。
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
声帯の無いジャガーノートは不気味な声を上げて目的地・三十七階層へ進出する。
場所は戻って、三十七階層。
「うぉらぁあああああああっ‼」
その雄叫びと共に引き抜かれたロジャーの愛刀「エース」はベルの手に握られており、覇王色の衝突も終わりを向かえる。
これで落ち着けると思いきや、突如嘆きの大壁に亀裂が走る。
そして、遅れながらにダンジョンが哭いた。
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
その絶叫と共に産まれた
しかし、
二本腕が四本腕になっており、肋骨の隙間が骨の膜で覆われていて魔石を狙った戦闘が出来ない。
元よりこの場所は王の領域、それを侵す者は死あるのみ。
「ウォオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
王の咆哮によって二本の黒い巨剣が地面から出現する。
「へぇ、お前も武器を使うのか」
ウダイオスが剣を二本の腕で装備するのを見てそう言いながらエースを構える。
三十八階層へ繋がる昇降口から何かが飛び込んでくる。
それは四十階層で産み落とされたジャガーノートである。
「この前とはまた違った奴だな」
初見で違うことを見抜いたベルはエースに武装色の覇気を纏わせ、見聞色の覇気を発動する。
その瞬間、ウダイオスが
「こんなもん当たるかよ」
そう言いながらベルは杭を回避した時、ジャガーノートがいつの間にか背後に回り込んでいた。
すると、ジャガーノートの破爪が変化する。
爪同士が重なり合い一振りの刃と化し、獲物であるベルを両断すべく振り下ろしてくる。
「面白いな、お前。前に潰されたのがそんなに気に入らなかったのか?」
そう言いながらもベルは嗤う、それは己に憎悪し復讐を誓う存在を嘲るように。
更に左右からウダイオスの横薙ぎが迫って来る。
それらに対してベルは・・・。
「さぁ、来い!!」
全身に武装色を纏い三方向からの猛撃を受けたベルは意識が飛びかけた時。ある聞き覚えの有りすぎる声が聞こえて来る。
『わーはっはっはっは!!面白ぇ事してんじゃねぇか、ベル‼』
「は?」
もう聞くことはないと思っていたその声の主は豪快に笑い、ベルは呆気にとられる。
『それからよぉ、エース拾ってくれてありがとよ‼礼に最後の一撃に使わせてやるよ』
その声の主はゴール・D・ロジャー、かつての宿敵の海賊。
『それから…纏えるのは武装色だけじゃねぇぞ』
「いや、待ちやがれロジャー‼」
そう言った瞬間、ロジャーは消え目の前にいるのはモンスターニ体。
「意識を飛ばして気に入らねぇ奴に助言されるとはなぁ…」
「心底腹が立つ…‼」
そう言いながらエースに再度武装色の覇気を纏わせると、そこでロジャーの言っていたことを思い出す。
武装色の覇気だけじゃない…確かに奴はそう言っていた。
つまり、見聞色も纏えるのか?
いや、違うな。
それなら…覇王色が纏えるのか!?
ロジャーに出来て俺に出来ねぇ訳が無ぇんだよ!!
そうしてエースに覇王色の覇気を纏わせるその瞬間、覇気による雷が迸る。
「おい、モンスター共この技は神でも避けるんだってよ」
その言葉と共に放たれた技の名は…。
その一撃はウダイオスとジャガーノート、ニ体のモンスターを一蹴するように両断し魔石と
そして、ベルに握られていたエースは消えていた。
ベルの専用武器は?
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エース
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秋水
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天羽々斬
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雪走
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閻魔
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破爪と黒剣で造った刀