海賊白兎は闘争と色を好む 作:黒旗
今年もよろしくお願いします
去年読んで下さった読者の皆様本当にありがとうございました。
本年も「海賊白兎は闘争と色を好む」をよろしくお願い致します!!
ベルがウダイオスとジャガーノートとの戦闘を開始した頃、モンスターの地上進出を阻止するべく第一級冒険者逹による掃討戦が始まる。
【フレイヤ・ファミリア】は突き詰められた『個』のカによってモンスターを殲滅し、【ロキ・ファミリア】は互いに補完し合う『組織』のカによってモンスターを制圧する。
【カーリー・ファミリア】は
見聞色の覇気で周囲を把握しながら武装色の覇気を拳・蹴り・武器に纏わせて『場』を支配する。
それを見ていたかつて幼少の頃に所属していたヒリュテ姉妺の双子の姉である【ロキ・ファミリア】幹部《
「なによ、あれ・・・」
「凄い・・・」
姉の言葉に続いて妹の【ロキ・ファミリア】幹部《
そして、様変わりした【カーリー・ファミリア】の戦いを見た姉妹は戦慄する。
新しく【カーリー・ファミリア】の頭目に座ったベル・クラネルによって変えられた屈強なる
「ここまでとはね、【カーリー・ファミリア】」
団員達を指揮しながらも自らも槍を振るう【ロキ・ファミリア】団長《
「一歩でも間違えばタダでは済まない連携を一切の躊躇もなく行うとは・・・」
躊躇の無い連携戦闘を一切乱れることなく行っていることに驚愕を隠せずにいる【ロキ・ファミリア】副団長《
「その連携を十数人単位でこなす意志疎通能力も恐ろしいのぅ、
戦斧でモンスターの頭蓋を粉砕する【ロキ・ファミリア】大幹部《
「チッ」
舌打ちをしながらもモンスターを蹴り潰す【ロキ・ファミリア】幹部《
「凄い」
普通に感想を述べながらモンスターを斬り捨てる【ロキ・ファミリア】幹部《
【フレイヤ・ファミリア】の幹部陣は興味がないため、モンスターの撃滅に身を投じる。
しかし、これだけ撃破しようともモンスターの波は止まることはなく更に増していく。
しかし、時間が経つにつれて【カーリー・ファミリア】のアマゾネス達の動きが更に鋭くなっている。
「まさか、彼女達は今さっきまでズレていた・・・?」
動きが格段に上がった【カーリー・ファミリア】の面々を見てフィン・ディムナがそう呟く。
そう、フィンの推測通り【カーリー・ファミリア】の
何故、今の今までズレが残っていたのかというと彼女達の根本は「圧倒的強者である雄への服従と忠誠と奉仕」のためダンジョンにてズレを修正する時間は最低限に留めていたから故である、このモンスター地上進出の
つまり、ここからが【カーリー・ファミリア】の真の姿といえる。
すると、地面が隆起を始めた瞬間巨大な手が出現した。
「なんだ!?」
「総員下がれ!!」
巨大な手の出現に対して全員が一旦距離を取る。
更に地面が隆起し全体が姿を現す、それは十七階層の階層主・ゴライアス。
しかし、通常のゴライアスとは姿が異なっていた。
身体がグツグツと溶鉱炉の様になっていた。
「なにあれ・・・?」
「知らないわよ、普通ではないことは確かよ」
「なんてことはねぇ、ぶっ殺す!!」
「斬る」
「やれやれ、困ったもんじゃのうダンジョンにも」
「そうは言ってられまい」
普通の強化種とは違うゴライアスを目の前にして冒険者達が猛る。
すると、ゴライアスが溶鉱炉と化している部位に手を入れあるものを取り出す。
「あれは剣か・・・?」
眼の前で起こったありえない光景に冒険者達は一瞬思考を止める。
ゴライアスが取り出したもの、それは無骨な片刃の剣。
それは問題ではない、溶鉱炉の部分から人形の何がが生まれ落ちてくる。
その人形らしきものは冒険者達に迫ってくる。
「剣よりもあれが気がかり・・・いや、判断材料が多過ぎて考えが纏まらないな」
剣を持ち溶鉱炉のような肉体のゴライアスを見据えながらフィンがそう漏らす。
「フィン、考えを巡らせるのは良いが、戦ってみなければ何も判らんぞ」
「それもそうだ」
ガレスの言葉にフィンは同意する。
「アルガナ」
「あぁ」
「「狩るぞ」」
姉妹の言葉に女戦士達が殺気をむき出しにする。
【フレイヤ・ファミリア】は既に戦闘態勢に入っている。
戦いの合図はゴライアスの
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
それと同時に人形達の気勢が強まり、冒険者と激突する。
人形を蹴散らしながらゴライアスへと進む冒険者に対しゴライアスが巨剣を振るう。
その剣の一撃をガレスが受け止め、伸びた腕を足場にして頭に向かって駆けるアイズ。
足元を崩すためにベート・ティオネ・ティオナが右、アルガナ・バーチェ・アリサが左の膝裏を攻撃するも膝裏が溶鉱炉のように変化した瞬間そこからトゲのようなものが隆起する。
その結果一撃を加えることが出来ずに終わるもしかし、その後ゴライアスが体制を崩した。
急に態勢を崩したことによってアイズは頭部への攻撃を中断せざるを得なかった。
その理由はオッタルが足首を両断したからだ。
「温い」
たった一言武人がこぼしたこの言葉に他の冒険者達が触発される。
右足首を切り飛ばされたゴライアスはオッタルに目掛け巨剣を振り下ろす。
それを指揮棒を振るうかのようにして弾くオッタル。
その瞬間、ゴライアス目掛けて魔法が打ち込まれる。
【バーンダイン】
ヘグニの放った猛火がゴライアスの顔を焼く。
「異形の巨人に我が業火が通じぬというのか・・・!?」
ヘグニの言葉の通り顔を焼いたはずがそこは溶鉱炉のように赤く発光しているがゆえに損傷が見られない。
【永伐せよ、不滅の雷将】【ヴァリアン・ヒルド】
その直後、特大の雷の砲撃がゴライアスに降り注ぐ。
「チッ、面倒な」
しかし、ゴライアスは背中を溶鉱炉の様に変えるとそこから塊を放ち砲撃を防いでみせた。
「【
猛毒の
その瞬間、バーチェの拳に灼熱感が襲う。
「うぐぅうううううううううううううっ!!」
絶叫するもバーチェが拳を引かない、その理由は・・・。
「たっぷりと味わうと良い」
その言葉の後、バーチェは猛毒を放出する。
バーチェの拳は未だに溶鉱炉の中に有り、拳から猛毒を注ぎ込んだのだ。
「ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!?」
猛毒を受けたゴライアスが悲鳴を上げ、その原因たるバーチェを叩き潰そうとする。
しかし、そんなことを許すはずもなく叩き潰そうと振り上げた腕はアリサの剣とノエルの戦斧によって両断される。
もう一本の腕をセリアの大剣とエレナの
残った両足はクレーリアの大朴刀とラウラの大槌によって潰された。
「「「「「くたばれぇえええええええええええええええええええええっ!!」」」」」
大怒声と共にそれぞれの一撃を放つ冒険者達。
そして、異形の灰色巨人は灰へと姿を変えるのだった。