※この作品はR-18です。

海賊白兎は闘争と色を好む   作:黒旗

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開戦

『さぁ、ついにこの日この時を迎えました!!歓楽街の女王【イシュタル・ファミリア】と真の戦士を尊ぶ殺戮国家テルスキュラ無二の派閥【カーリー・ファミリア】の戦争遊戯(ウォー・ゲーム)だぁあああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!』

 

放送(アナウンス)される声と共に熱狂が爆ぜる。

 

更に戦争遊戯(ウォー・ゲーム)では神の鏡というものが都市中で発動しその様子を見ることができる。

 

今、迷宮都市オラリオはお祭り騒ぎとなっている。

 

『司会は私【火炎爆炎火炎(ファイヤー・インフェルノ・フレイム)】イブリ・アーチャーと解説はこの(ひと)我らがガネーシャ!!』

 

『俺がガネーシャだぁあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!』

 

司会と解説の紹介にて気分が最高潮に達しているガネーシャの雄叫びが木霊する。

 

『さて、三日前の神会(デナトゥス)で急遽開催決まった戦争遊戯(ウォー・ゲーム)なのですが・・・私達には何も知らされていないのですがガネーシャ事の発端は何なのでしょうか?』

 

『うむ、実はオラリオに来たばかりの【カーリー・ファミリア】が【イシュタル・ファミリア】の歓楽街を欲したことからが事の始まりだ。しかもだ、カーリーはイシュタルにいきなりやってきて「お前の敷地広くて欲しいから寄越せ」的なことを言ったらしくてそれにイシュタルがキレたというのが主な展開だ』

 

『ガネーシャ・・・、長い間貴方に仕えてますがそんな長文喋れたんですね、しかも落ち着いて』

 

『イブリ、反応する所が違うぞ』

 

『ツッコミまでこなしているっ!?』

 

『ガネーシャ・ショック!!』

 

「なんだこの茶番」

 

司会解説席の様子を見ていた【ガネーシャ・ファミリア】団長のシャクティ・ヴァルマは呆れていた。

 

 

場所は変わり、戦争遊戯(ウォー・ゲーム)の舞台であるシュリーム古城跡地。

 

そこでは【イシュタル・ファミリア】が【カーリーファミリア】を迎え撃つべく警戒を強める。

 

「ねぇ、この遊戯(ゲーム)私達の負け確定だよね」

 

「うんうん、相手にLv.8が居るもんな。勝てっこないよ」

 

しかし。【イシュタル・ファミリア】の団員達の士気は低かった。

 

「アンタ達みっともないこと言ってんじゃないよ」

 

そこへ発破をかける一人のアマゾネス、アイシャ・ベルカ【イシュタル・ファミリア】のまとめ役を務める女傑で二つ名は【麗傑(アンティアネイラ)】、Lv.3の戦闘娼婦(バーベラ)

 

「アイシャ、そうは言ってもさぁ・・・」

 

「それをフリュネに聞かれでもしてみろ、あの化け蛙に何されるか解ったもんじゃないよ」

 

「うっ!?」

 

アイシャの口から出た名前、フリュネとはフリュネ・ジャミール【イシュタル・ファミリア】団長にしてLv.5の第一級冒険者、おかっぱ頭で二m超えの巨女の戦闘娼婦(バーベラ)、二つ名は【男殺し(アンドロクトノス)】。大きな目と裂けた口、短い手足と顔と胴体がずんぐりと太っており、モンスターと思われても無理のない体格をしている。

 

更に自分が最も美しいと思っており、それ関連の理由で【ロキ・ファミリア】の【剣姫】アイズ・ヴァレンシュタインを襲撃している。

 

「全く、イシュタル様も厄介なことしてくれたよ」

 

アイシャは釣り合っていない勝負をした主神に悪態をつく。

 

「そうだよねぇ」

 

「げへへへっ、そんなもん決まってるさ」

 

「フリュネ」

 

その声に反応してアイシャが振り返ると現れたのはフリュネ。

 

「Lv.8とはいえ所詮は男さ、負けたとしても『魅了』しちまえばこっちのもんさ!!」

 

ゲラゲラと醜悪に嗤うフリュネの言葉に他の団員が納得する中で、アイシャだけが不安に襲われていた。

 

「{なんなんだい、この妙な悪寒は?フリュネの言う事もそうだとは思うが何か踏んじゃならないものを感じるねぇ・・・}」

 

アイシャの予想は当たっていたしかし、それを口にした所で真に受けるものは居ない。

 

それだけ美の神の『魅了』は絶対なのだ。

 

 

一方、攻め手側の【カーリー・ファミリア】はというと・・・。

 

「ベル様、揃いました」

 

「おう」

 

各々過ごしていた【イシュタル・ファミリア】とは違う点が【カーリー・ファミリア】にはあった。

 

それは「絶対的支配者」の存在である。

 

確かにフリュネ・ジャミールが【イシュタル・ファミリア】団長の地位についているが組織を束ねる器ではない。

 

理由は傲岸不遜・協力性皆無・自己陶酔・人望皆無など理由を挙げればきりがない事は確か。

 

ベルの場合は実力(つよさ)こそが全ての闘国(テルスキュラ)だからこそ成り立っているとはいっても団員全てがベルへの絶対的忠誠・信仰・崇拝をしている。

 

故に、団員達はベル()の為ならばどんな理不尽もやってのけるという狂信に近いものを宿しているのだ。

 

「お前らは動くな」

 

『?』

 

ベルの言葉に一同が混乱する。

 

「こんな茶番は一気に終わらせる」

 

「それでは、ベル様はゆっくりとご観覧していて下さい。【イシュタル・ファミリア】は我々で・・・」

 

アルガナがそう言いかけた時、ベルはしかめた顔でこう言った。

 

「アルガナ、俺に同じ事言わせんのか?」

 

「申し訳ありませんでした!!」

 

アルガナはベルの反応を見てすかさず謝罪とともに土下座をする。

 

「解ればいいのさ、アルガナは利口だからな」

 

「はい!!」

 

そうした会話の後、この一言が放たれた。

 

 

 

戦争遊戯(ウォー・ゲーム)のはじまりだぁああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!』

 

 

 

人々が、神々はこの一戦にて目する。

 

一人の海賊(うさぎ)の圧倒的蹂躙撃(ぶたい)を。

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