※この作品はR-18です。

【完結】色無き少女と深紅の乙女達   作:ウルハーツ

14 / 41
第2話 袋のネズミ

『次は○○駅。○○駅でございます』

 

 電車内に響くアナウンスが、私達の目的地を知らせる。私と無垢が合流する予定の駅。……でも、今の無垢に果たして降りる事が出来るのだろうか。扉の傍にある縦の手摺りにしがみついて息を切らしている彼女に、歩く力が残って居るか分からない。

 

「のぞみ、どうする?」

 

「……」

 

 この狭い公共の場で無垢を襲う為に、協力してもらった私の友達が聞いて来る。それは「このまま続ける?」という意味の質問なのは聞かなくても分かる。きっと今でも無垢は私との遊ぶ約束を果たす為に、次の駅で降りたいと思っている。彼女を見送って別の場所から降りるのを最初は予定していたけれど、少し。本の少しだけ私は彼女を試したくなった。どうせどっちに転んでも、私にとって悪い事じゃ無い。

 

「ねぇ、次が降りる駅だよね?」

 

「……」

 

「もしここで降りるなら、お終い。だけどもっとして欲しかったら……ふふっ、分かるよね? 良い所に連れて行ってあげる」

 

 私の持つスマホの力で気持ち良くなってしまっていた無垢がもっと気持ち良くなりたいと思ったなら、その時は存分に愛してあげる。でも私との約束を優先して誘惑を振り払ったなら、それだけ私を大切にしてくれているって事。無垢は私の言葉に反応する余裕も無いみたいで、私は最後に1回と彼女のあそこに手を伸ばした。手摺りを握る無垢の手に微かな力が入る。それが緊張と恐怖と微かな期待の元に入ったものだと思うと、凄く興奮した。

 

「ふぅ~……イっちゃえ」

 

「っ! ~~~~っ!」

 

 もう5回以上はこの場で絶頂している無垢の身体は意図も簡単にイかせる事が出来た。例えそれがスマホの力だとしても、間違い無く今私は無垢の身体を支配している。身体を震わせて遂に手摺りを掴む事も出来なくなった無垢がその場に座り込むのを前に、私は他の乗客に見えない様にしながらも彼女への拘束を解いた。後は無垢が私の誘いに応じるか、見届けるだけ。

 

「……っ!」

 

「ぁ……ふふっ、そっか」

 

 駅がホームに入り、揺れが少しずつ収まって行く中で無垢は私が開けたチャックを元に戻して弱々しくも立ち上がる。そして扉が開くと同時にまるで逃げる様に飛び出して行った。後ろで友達が「健気だねぇ~」と茶化して来るけど、私は無垢が私の為に誘惑を振り払ってくれた事が嬉しくて仕方なかった。

 

「のぞみ、降りないと扉が閉まっちゃう!」

 

「! そうだった! 2人とも、ありがとね!」

 

 2人に協力してもらうのはここまで。この後、私は無垢と予定通り遊んで、その最後は……。想像するだけで期待が膨らむけれど、今は無垢が何処へ行ったのか確認する事を優先。私はここで別れる2人にお礼を言いながら、電車を飛び降りた。

 

 

 

 

 

 

 駅のホームを出てすぐの柱に、無垢は背中を預けた状態で立って待っていた。まだ少し息を切らしているけれど、もう大分楽になったらしい。だけど今でも彼女のあそこの下着は濡れたままの筈。ちょっと下から覗き込めば見えそうだけど、中々見えないあの暗闇の奥にある光景を知っているだけで少し優越感の様な物を感じる私がいた。

 

「無垢~!」

 

「!」

 

 私が手を振りながら声を掛ければ、振り返った無垢が私を見て安心した様に可愛らしく手を振り返してくる。もうスマホの効果は切れてるから、私を私と分かる事が出来て安心したんだと思う。通り過ぎる人達は知らない人ばかりだから、判別出来るかと言われれば微妙だもんね。

 

「待った?」

 

『大丈夫。今来たところ』

 

「そっか。って、何か顔赤くない?」

 

『平気』

 

 まるでデート前の会話をしながら、白々しく私は無垢の心配をする。無垢は少し肩を震わせてから何事も無い様に答えて、私は怪しまれない様にそれ以上質問しない事にした。でも今のままじゃ下着が濡れて歩き難い筈。なら、どうせショッピングもする訳だし、最初は下着売り場から見て回ろう。

 

「それじゃあ、行こっか。あ、結構人も居るし、手でも繋ごうよ」

 

 私の伸ばした手に無垢は一回り小さな手を迷い無く重ねてくれた。

 

 それからは純粋に楽しい時間だった。普段入らない様な大きなショッピングセンターでお互いに欲しい物を考えながら歩き回る。最初は予定通り下着のお店へ行って、無垢はそのまま新しい下着を付けた様子。因みにその下着も私が選んだ奴で、ちょっと大人な紫の下着。流石に自分でも大人っぽ過ぎると思ったみたいだけど、それを頑張って履く無垢の姿を想像すると凄い良かったから推しに推した。

 

『ちょっと、疲れた』

 

「あれ、もう? 体力無いなぁ~。あ、じゃああそこで休憩する?」

 

 だけど無垢は電車で体力を使ってしまったのか、そんなに長くは持たなかった。私と繋いだ手に少し体重を掛けて疲れた事を知らせる彼女に、私は傍にあったカラオケのお店を指差して提案する。無垢は声が出ないから基本的にカラオケに行く事はないけど、行った事が無い訳じゃない。前はみここちゃんやヒナタも一緒にカラオケへ4人で行って、無垢は聞き役に徹していたのを覚えてる。ちょっと羨ましそうで、それ以上に身体でリズムに乗って楽しむ無垢は凄く可愛かった。何時も通り、無表情だったけど。

 

「人混みじゃ休憩も疲れるでしょ? お昼もあそこで食べれば一石二鳥じゃない?」

 

「……」

 

 無垢は少し悩んだ様子を見せた後、頷いて了承してくれた。そこで私は無垢にもう少しだけ頑張ってもらい、お店の中へ。受付で取り敢えず2時間部屋を借りる事にして、渡された道具を手に部屋へ入った。微かに聞こえるテレビの音。でも休憩って事で、音量は0にする。それでも外や隣から小さな歌声が響くけれど、外に居るよりは安心して休める場所だと思う。

 

「一応ドリンクバーにしたから、何が良い?」

 

『カルピス』

 

「うん。じゃ、取って来るね。食べたいのがあったら先に決めておいてね?」

 

 頷く無垢を部屋に残して1度出た私は、ドリンクバーの場所へ行く途中にあのスマホを確認する。今でも無垢の写真が映るそこにまだ文字は入れていない。でも今ここで文字を入れてしまえば最後、無垢の身体を私は支配出来る。……他の誰にも邪魔されない部屋で、2人っきりのこの状況。始めるには絶好のチャンスだと思う。

 

 このスマホに言葉を入力すれば、それが命令となって無垢の頭に響く。そしてその通りに身体が支配されてしまう。これは友達に協力してもらって、確認する事が出来た。だからスマホの力を信用して、2人は電車で協力してくれた。だけど今ここで無垢に命令してしまえば、私がやったと気付かれてしまうかもしれない。どうせ最後は分からせるつもりだけど、でも今じゃない。となれば、命令をしても無垢に気付かれない方法。それはスマホをマナーモードにする事。

 

「……よし」

 

 一瞬の震えを手に感じて、マナーモードになったスマホを見下ろす。頭の中に響いた命令も、この状態で送れば本人に気付かれる心配はないままに実行される。ここはカラオケで、歌う場所。なら、こんな命令なら……きっと面白くなる。

 

 

『佐伯 無垢は歌を聞くと感じる身体になる』

 

 

 私は命令を入れたスマホをしまい、カルピスとコーラをグラスに入れて無垢の待つ部屋に戻った。




常時掲載

【Fantia】にて、オリジナルの小説を投稿しています。
また、一部二次創作の先行公開や没作の公開もしています。
少しでも興味を感じられた方。下記URLから是非どうぞ!
https://fantia.jp/594910de58
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。