Bad End※
ヒナタの家から登校して、その日は一日中ヒナタと一緒だった。移動教室の時もずっと一緒で、のぞみは何事も無かったみたいに私のところへ近づいてきたのを、ヒナタが間に入り込んで助けてくれたりもした。
みんながおかしくなった原因はもう、分かってる。だけど怖く感じてしまってるのは本当。私が距離を置こうとしているのが分かったみたいで、離れた位置からあのスマホを取り出して操作しているのも見えた。だけどヒナタが傍に居てくれたから、その腕をこっそり触っている間は私に何も起きない。驚いた様子でこっちを見て来るのぞみをヒナタが睨んで……それから油断した時に少し触られる瞬間はあったけど、殆ど危ない事のない学校での時間を過ごし終えた。
「姫子さんとの作戦通り、全員を家に呼ぶ事は出来たわ。ここからが本番よ」
「……」
休み時間、ヒナタと一緒にみこことのぞみを家へ誘った。当然、他の誰が居るなんて言わない。一緒に居たヒナタが来て、お姉ちゃんは居ないとだけ伝えてある。今日の出来事でのぞみはヒナタがスマホについて知った事を察してると思う。二人とも最初は怪訝な顔をしていたけど、ヒナタが『貴女達のした事はもう分かってるわ』って言ったのが念押しになって来る事を了承してくれた。お姉ちゃんの方も、大学でみつさんを家に呼んでる筈。
「三人の持っているあのスマホを奪う。乱暴な事はしたくないけど、少し手荒くなるわ」
『仕方ない』
私とお姉ちゃんとヒナタで、それぞれ一人ずつのスマホを強引にでも奪う。それがお姉ちゃんとヒナタの考えた今日やろうとしている事。
『一人ずつ確実に奪った方が安全』
『駄目です。いつまた誰が無垢の身体を弄ぶか……解決は速い方が良い筈です』
そう言って決まったこの作戦。私はそれを聞いた時、何か嫌な予感を感じた。だけどお姉ちゃんとヒナタは私の為に本気になってくれている。二人を信じれば、きっと大丈夫。
家に到着して、その時を待ち続ける。そうしたら、いきなり聞こえて来るインターホンの音。
「来たわ。準備は、良いですね?」
「えぇ。大丈夫よ」
『平気』
お姉ちゃんが玄関の扉を開ける。外には1人ずつじゃなくて、みこことのぞみとみつさんの3人が同時に待っていた。その手に、あのスマホを持って。
それを見た瞬間、心臓を掴まれた様な、そんな気がした。みここが笑みを浮かべて、ヒナタも気付いたみたいに動いたけど……もう遅かった。
「はい、ストップですよ! 藤浦セ・ン・パ・イ♪」
「なっ!?」
「姫子先輩も、止まってください」
「ど、どうして!?」
「ヒナタから誘われて、まぁ大体は察したんだよね。このスマホで無垢を襲った事だろうな~って」
「でも、この前先輩と一緒に居たみつさんとついさっきそこでバッタリ出会いまして。……分かっちゃったんですよ」
「無垢ちゃんを大事にする姫子先輩と、無垢ちゃんがよく話をするヒナタちゃんが一緒に待ってる家への招待。私達を糾弾して、スマホを取り上げるつもりだったんですよね?」
みこことみつさんが操作したスマホで、ヒナタとお姉ちゃんの身体が固まったみたいに止まってしまう。私達は失念していた。あのスマホは確かに私を遠隔操作するみたいに使えて、だけど
「無垢、お姉さんとヒナタに相談して私達から逃げようとしたんだ?」
「!」
「残念だなぁ~。悲しいなぁ~。お仕置き、しないとね?」
スマホを使われた訳じゃない。なのに近づいてくるのぞみから、私は逃げられなかった。足が竦んで、助かると思った希望が近づいてくる足音と共に崩れて行く気がして。
私は部屋のベッドに転がされる。家へズカズカと入って来た三人はお姉ちゃんとヒナタも操って、一緒に私の部屋へそのまま上がり込んできた。
「一体、何をするつもり!」
「無垢!」
「うるさいなぁ。ん? これ、あたし達が持ってるのと同じスマホじゃん?」
「へぇ~。藤浦先輩も貰ってたんだ、あの女の人に」
「二台あるって事は、もう一台は姫子先輩のかな」
私を連れて移動する途中、リビングに置かれていたスマホにも気付かれて、のぞみはそれも手にしながら部屋にやって来た。ベッドに転がされた私はどうするべきか考えるけど、左右と足元を囲まれて逃げ場なんてどこにも無い。
「みつちゃん! お願い、正気に戻って!」
「貴女達はそのスマホを使った事で、おかしくなっているのよ!」
「って言ってますけど?」
「ふーん。別に良いじゃん? それで無垢を好きに出来るならさ」
「ですね~。あ、だったらお二人を混ぜてあげましょうか? 前までは一人占め! って気持ちだったんですけど、何か同じスマホを持ってる二人に出会ったら一緒でも良いかなぁって気がしてきたんですよね。連携とか、出来る見たいですし?」
「そうだね。共通認識、なのかな。姫子先輩も、私達と一緒に」
「!?」
「はい、だぁめ! 無垢は見てようね~!」
のぞみからスマホを受け取ったみここが、それをお姉ちゃんとヒナタに手渡したのを見て、ベッドから急いで降りようとしたのをのぞみに止められる。あれを使わせたら、三人と同じになってしまう。またお姉ちゃんは可笑しくなって、ヒナタも……。それだけは止めなきゃいけないのに、私にはのぞみを跳ね退ける力も無い。
ヒナタとお姉ちゃんは必死に嫌がっているけど、その身体はみこことみつさんの操作でスマホを操作し始めていた。きっと、私の時みたいに誰かも分からない人の声が頭の中に響いているんだ。私の目の前で、私の味方になって助けてくれようとしてくれた二人が、変わってしまう。
「姫子先輩。楽しみましょう」
「そう、ね。せっかく無垢をもっと、愛してあげられるんだから」
――――――お姉、ちゃん。
「ヒナタ先輩♪ 素直になりましょうよ~!」
「…………無垢」
――――――ヒナタ。
目の色が変わってしまった様な、そんな気がした。さっきまで動かない身体を必死に動かそうとしていた二人が、もう抵抗もしない。私を助けようとしてくれた二人は、もう居ない。
「ふふっ。それじゃあ、始めよっか? 皆で無垢を愛してあげるからね」
のぞみの言葉は、私の希望に止めを刺した。
『佐伯 無垢は誰にも抵抗出来ない』
『佐伯 無垢は両手をあげて頭の上で固定する』
『佐伯 無垢は足を両足を大きく開く』
『佐伯 無垢は身体の感度が全て10倍になる』
『佐伯 無垢は何があっても意識を失わない』
私の意志はもう関係ない。身体が勝手に動いて、急に敏感になって、乗りかかって来る五人から逃げるなんて出来る訳もなかった。服をすぐに脱がされて、下半身だけ下着を残した姿にされた私は触れられるだけで痺れるみたいな快感に頭の中が即真っ白になる。
「私は最初、おっぱいにしよっと」
「あ、ならあたしもおっぱい触りたいです!」
「それじゃあ、私は太腿から」
「私もみつちゃんと同じにしようかな」
「なら私は……」
のぞみとみここが私の胸を触って来る。みつさんとお姉ちゃんが太腿を撫で回してきて、可笑しくなりそうな感覚の中でヒナタと目が合った。もう変わってしまったヒナタに、それでも助けて欲しいと思いながら。そうしたら、ヒナタは少しだけ笑みを浮かべて……私の動かなくなった両腕を身体の下に敷きながら、顔を近づけて来る。
「はむっ、じゅるっ!」
「!?」
「あ! キスがあった。つい身体ばっかり考えちゃってた」
「ですね。てっきりアソコを誰かが触るもんだと思ってましたけど……みんなで触っちゃいます?」
「うわぁ、えげつない快感になりそう。まぁ、良いじゃん? 何したって気絶しない様にしたし」
「壊れちゃうかも……もしそうなっても、お姉ちゃんが大事にしてあげるからね」
頭の中がまた真っ白になる。ヒナタが私を舌を弄ぶ度に、直接脳を刺激されるみたいに気持ち良くて何も考えられない。みんなが喋っている事だけは分かるけど、その内容も分からない。身体中から流れて来る刺激が、もう私の受け止められる快感を超えているのに、誰も手を止めてくれない。
「~~~~っ! ! ~~~~っ!」
「あれ、先輩もしかしてイってます?」
「うん。それも、一回や二回じゃないね」
「連続で休む間もなくイき続けてる感じ?」
「凄い。もう、こんなにビチャビチャになっちゃってる」
何度も壊れる様な気がして、その度に現実に引き戻される。ヒナタはずっと私にキスを続けていて、今度は一番敏感なアソコから感じる刺激に身体が仰け反った。でも無意識に快感を逃がす為の行為ですら、五人に抑え込まれた私は許されない。今日で私は本当に壊されてしまうんだって、嫌でも分かる。気持ち良くなりたくないのに、怖いのに、身体は逆らおうともしてくれない。
「えいっ!」
「~~~~!?」
中に入って来る感覚。また真っ白になって、イク。だけど入って来たそれは中を掻き回し初めて、何度もイき続ける。楽しそうな笑い声が遠くなって、急に近く戻ってはまた遠く……。誰か、助けて欲しい。だけど助けてくれる人はもう、居ない。
「頭がおかしくなるくらい、気持ち良いんだね」
もう一人のお姉ちゃんみたいだったみつさん。
「あっははっ! 先輩、可愛い~!」
先輩として私を本当に慕ってくれていたみここ。
「ヒナタ、そろそろ変わらない? 私も無垢とキスしたくなってきたし」
友達として、ずっと接してくれていたのぞみ。
「ずっと、溢れて来ちゃうね。ふふっ」
信頼していたお姉ちゃん。
「んっ……駄目よ。これは、私だけ。そうよね、無垢?」
大好きだった、ヒナタ。
私はもう、これ以上何も考えられない。きっと意識を失う事も出来ず、狂ってしまうんだと思う。本当に壊れてしまうその前に、みんなと一緒で楽しかった日々が蘇って……涙が溢れて来る中、また真っ白になる。
それを最後に私は考える事を止めた。