黒いビニール触感のシートと、PCに繋がったディスプレイの置かれたテーブル。そこは漫画喫茶の一室で、私と佐伯は狭いそんな場所で肩を並べて適当に食べ物を摘みながら、のぞみに関しての話をする。場所が場所だから、声は潜めての話。佐伯は喋れないからメモを使っての会話で時間は掛かるけど、別にその間が苛々したりはしない。そりゃ、どうでも良い奴が時間掛かってたら面倒だけどさ。なんか、許せちゃうんだよね。それに汎用性のある言葉は予め用意してあるみたいだから、言う程待ち時間も長く無い。
最初は小学校の頃、どんな感じだったかについて。その後は今の感じについて。お互いの共通点でもあるのぞみについての話をしながら、私は徐々に佐伯との仲が深まっている気がした。にしても、時折ポテトとか摘んで食べる姿は本当に可愛い。こう、人に対する可愛いって感じよりも犬猫に近いかも。かと言って人扱いしていない訳じゃない。人なのに、そんな風に思えてしまうって話。
『最近、のぞみは楽しそう。持田に会えて嬉しかったみたい』
「それは私も嬉しかったから、分かるかな。佐伯にも会えたしね」
『ん……新しい友達。私も嬉しい』
「っ! 嬉しい事言ってくれるじゃん。はい、ポテトもう1本」
言葉で、声で言われた訳でもないのにそれを読んだ私はちょっとだけ本気でときめいた。多分顔は赤くなってると思うけど、それを気付かれたく無かったから誤魔化す為にポテトを差し出す。佐伯は特に気にした様子も無くそれを食べて、何か餌付けしてる気分で更に高揚した。
本当に、この目の前の生き物は何なのかと疑いたくなる。オタクの言う『萌え』って言葉を気持ち悪く思ってたのに、今私が感じてるのはきっとそれに近い。これを常日頃からのぞみは感じていると思うと……羨ましい。
【奪えば、私のモノになる】
のぞみの幸せそうな姿の理由が佐伯の存在なら、佐伯を私のモノにしてしまえば良い? 確かに今日一緒に居た時間は楽しかった。このまま別れたら、また会える時までこの楽しさを感じる事は出来ないかもしれない。のぞみが羨ましい。私も佐伯と仲良くしたい。もっと、もっと……。
「佐伯が、欲しい」
「?」
口に出してしまった言葉は佐伯本人には届かなかった。だけど何かを言った事は分かったみたいで、首を傾げる。可愛らしく、まるで私の心を刺激する様に。
もう、抑えられなかった。今日の約束しようとしたあの日から、佐伯の事を考えると頭に浮かぶ考え。2度は振り払ったそれが3度目に浮かんだ時、私は振り払おうとも思わなかった。佐伯に身体を向けてちょっと手を伸ばせば、すぐにその肩を掴む事が出来る。驚いて戸惑いから広がるその目が可愛くて、息が荒くなるのを感じた。
「佐伯……んっ」
「っ!?」
始めてのキスはロマンチックとは程遠いポテトの味だった。でもその奥に感じる佐伯の唾液が甘くて、私は両肩をガッシリと掴んだまま舌を捻じ込む様に入れる。訳が分からずに困惑していた佐伯が状況を理解した様に私の身体を押し返して来るけど、その力は物凄く弱かった。この程度の力なら、多分私の片手でも押さえ込めるくらいには弱い。
少し満足してキスを止めた時、少し潤んだ瞳で私を見つめる佐伯の瞳には『なんで』という意思が浮かんでいた。メモが無くたって話せる事はあるんだ。
「佐伯が、可愛いのが悪いんだよ。可愛すぎるから、我慢出来なくなったんだ」
こんな狭い場所で逃げられる訳が無い。焦った様子で佐伯の全身に力が入り、立ち上がろうとするその身体を私は押し倒した。黒いビニールのシートが鈍い音を鳴らす中、佐伯の身体に馬乗りになった私はパーカーワンピのジッパーに手を掛ける。小さな手が私の腕を掴むけれど、柔らかい感触があるだけで本当に無駄な抵抗。
パーカーワンピの前を開けて見えてくる素肌。胸は水色のブラ、下は真っ白なショーツ。……あぁ、可愛い。愛おしいって気持ちが溢れて来る。
【犯したい。犯したい、犯したい!】
怯える
「気持ち良くして、私しか考えられない様にしてあげる」
「!」
無垢の身体が強張るのを全身で感じる。ここは漫画喫茶だから声を出してしまえば他の部屋にバレてしまうけど、無垢は声を出せない。つまりどんな攻めをしたって、きっと気付かれる事は無い。もう無垢自身も逃げられないのだから、思う存分に楽しむ事が出来る。
ブラを上にずらして晒した無垢のおっぱいを弄ぶ。無垢はかなり敏感みたいで、少し乳首の周りを指でなぞったりするだけで面白いくらいに反応した。でも喘ぎ声だけは絶対に聞こえない。ちょっと物足りない気はするけれど、場所と今やってる事を考えればそんなのは些細な事。無垢の柔らかくて暖かいおっぱいを私が好き放題しているってだけで、お釣りが来る。
「気持ち良いでしょ?」
「!?」
耳元へ囁き掛ける様に話し掛ければ、無垢は必死に首を横に振って否定する。今までの行為で外れかけていた頭の帽子がそれで零れ落ちて、彼女の真っ白な髪が露わになる。そこで私はパーカーワンピの中に入っていた彼女の髪を引っ張り出すと、思いっきり顔を埋めた。香るのはシャンプーの香りだろうか。それに混じって確かに存在する無垢自身の匂いが私の頭の中を満たしていった。これは、癖になる。一度知ったら止められない中毒性すらありそう。
「ここも濡れてるじゃん」
「っ!」
髪を出した手をおっぱいへ戻さずに下へ向ける。ショーツ越しに感じる暖かさは人肌よりも強くて、布越しにその部分をなぞってみればヌルっとしていた。それは間違い無く無垢が愛液を流している証拠。つまり、女として私に反応している。気持ち良くなってるのは一目瞭然だけど、こうして実際にその証を見るとグッと来るものがある。
「意味無いね、これ。脱いじゃおっか?」
ショーツに手を掛けて少し下に引っ張る。開かれた足に降ろされた事で生地が伸びて大事なところは完全に丸見え。無垢の身体は小さいから、後ろから抱きしめていてもそれを見る事が出来る。黒いビニールシートは分かり易く濡れていて、私は無垢のあそこに手を伸ばした。暖かい膣の壁。指が締め付けられる感覚を感じながら、無垢の中に入り込めた喜びで私の身体が震える。キュッキュと定期的に締められる指先の感覚だけで、私がイキそう。
「ふぅ~」
「っ!?」
だけど私が先にイク訳にはいかない。指から伝わる快感に悶えながらも、私は無垢の耳へ息を吹き掛けておっぱいの掴んだ手で乳首を摘む。後は自分も気持ち良くなるのを覚悟した上で挿入した指を動かせば……無垢の身体が面白い様に暴れる。快感から逃れたいんだろうけど、自由に身動き出来ない無垢には何にも出来ない。
「ふふっ、そろそろかな? ……イケ」
本当に思い通りに無垢をイかせる事が出来た。耳元で囁きながらちょっと舌を伸ばして耳を舐めた瞬間、今まで以上に無垢が身体を痙攣させたから、イったのはすぐに分かる。そしてその事実が最高に気持ち良くて、私も軽くイってしまった。多分今、私の下着もビショビショだと思う。……そうだ。どうせこの場所には私達しか居ない。だったら私も脱いじゃえば良いんだ。
一度無垢の身体から離れる。両腕は変わらず後ろ手に拘束されたまま、足だけは自由になった無垢はそのまま横たわる。でもイったせいで真面に動く事が出来ないらしい。余韻に浸っている間に、私はスカートの下に履いていた下着を脱いでシートの隅に放る。そして無垢のショーツも脱がしてから足を掴んで広げ、片足を自分の股下に。掴んだ足を前屈みになってから肩に掛ける。後はシートに両手を突いて少し腰を浮かせれば、私のあそこと無垢のあそこが触れ合う。
「んっ……声は抑えないと」
女同士で繋がれないとはいえ、お互いの大事な部分をくっ付ける行為は似た様な気分になれる。でも唯一の問題は無垢が声を出せないからと安心していたのに、私が気持ち良くなってしまう事で我慢しないといけない。余り激しくしてしまうと水音が響いて周りにも聞こえてしまいそうで、その辺は注意しないといけないんだけど……正直気持ち良すぎて、考えてられないかも。
「んっ、ちゅ……周りに聞こえない様にしないとね。あ、んっ!」
「~~~~っ!」
気を付けないといけないって分かってるのに、腰を動かす身体が止められない。もし隣に人が居たら、きっと水音に気付かれてしまっている。誰もいない事を願いながら、私は無垢とキスをする事で自分の口を塞いだ。それでも漏れてしまう喘ぎはもうどうしようも無い。ただ無垢と気持ち良くなりたくて、他の事を考える余裕なんか無かったから。
「んっ、来る……イっちゃう。ほら、こっち向いて。一緒にキスしながらイかせてあげる」
「っ!」
逃げる無垢の顔を両手でガッシリと捕まえて、再びキスをしながら腰の動きを激しくする。もう周りなんて知らない。この込み上げてくる快感に身を委ねて、彼女と一緒にイけるなら……それで良い。
頭の奥で真っ白な快感が弾けた。身体が勝手に震えて、キスしていたから大きな声は出さなかったけれどくぐもった声は響いてしまう。身体から一気に力が抜けて、私は無垢の横へそのまま転がる様に倒れ込んだ。キスが終わって同じ様にイった無垢は虚ろな目で天井を見上げていて、私は力の入らない身体を何とか動かして鞄からスマホを取り出す。……そして無垢の姿を写真に納めた。
「っ!?」
自分の醜態が撮られた事に気付いた無垢の目に光が戻り、無表情なのに分かる怯えた顔が私を見つめる。そんな無垢の姿も可愛くて、私は撮った写真を無垢に見せた。胸もあそこも映っていて、明らかに濡れている太腿はヤった跡だと分かる。ついでにムービーも撮り始めれば、無垢は身体を隠そうとする。両手が使えないから丸まって。でも、さっきの写真と撮り始めた瞬間は決して無かった事には出来ない。
「そうだ、流石になんか身分証は持ってるよね……あったあった」
「っ!」
自分の身体を隠すのに必死だった無垢の隙をついて彼女の持ち物を漁った私は、生徒手帳を見つける。何処で必要になるか分からない身分証は普通持ち歩いているから、あると思った。免許とかでも別に良かったけど、流石に持って無いらしい。私はそれをしっかりとカメラに映してから、無垢の顔を撮影する。『止めて』と訴えかける彼女の目が、私の加虐心を刺激した。
「もしのぞみとか他の誰かに今日の事を話したら、分かるよね?」
「……」
無垢の顔が恐怖に染まる。完全な弱みを私は今、手に入れる事が出来た。身分証と一緒に映った映像なんかが世に出回ったら、今のネット世界じゃ簡単に特定出来る。無垢は容姿も特徴的で可愛いから、危ない奴が下心を持ってやって来るかも知れない。そしてそれは無垢だけじゃなくて、彼女の家族にも危険がある。我ながら最低だとは思うけど、無垢の口を塞ぐには効果抜群な方法。
「これからよろしくね、無垢」
これがあれば、これから無垢は私の思い通り。今日は場所が場所だから我慢する必要があったけど、次はもっと遊べる場所で。そんな期待を抱きながら、私はニヤける顔を抑えられなかった。
「あぁ~あ。ちょっと近い場所で欲望を刺激し過ぎちゃったかな? 今回は複数の欲望が一点に集まってるせいで、周りの人にも影響が出ちゃったのかもね」
人気のない路地裏。スマホを片手に独り言を呟く女から離れた場所には、漫画喫茶から出て来るあずさと無垢の姿があった。無垢の身体を抱いて歩くあずさの姿は、傍から見れば妹や子供思いのお姉さん。見た目気が強そうな彼女だが、今はそれよりも隣の子を大事にしている雰囲気の方が勝っていた。
「モテすぎるのは危ないね。競争心まで刺激しちゃうんだから。……まぁでも、これも1つの結末って事だね」
そう言って女は路地裏の闇へと消えて行った。そこにあの2人の真実を知るものはもう、当事者以外誰も居ない。
常時掲載
【Fantia】にて、オリジナルの小説を投稿しています。
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