佐伯家は主にリビング、姫子の部屋、無垢の部屋の3部屋が存在する。みつはその全ての部屋へ行った事があるものの、無垢の部屋へ入るのは片手の指で足りる回数である。だがこの日、みつの中で無垢の部屋へ入った回数はまた1回追加される事となった。
「ふふっ、気持ち良い?」
「っ!」
無垢の部屋は机とベッド、本棚といった一般的な家具以外に特別な物が置かれていなかった。精々、ベッドに子供の頃から大事にしていたぬいぐるみがある程度だろう。そんな質素な部屋の中で、みつは同じベッドへ横になりながら無垢の身体を直接弄んでいた。今までの様にスマホを使った攻めではなく、人肌を感じる事が余計に無垢の身体を敏感にさせる。
みつが背中から抱き着きながら胸と秘部を弄り、耳元でした問いかけに無垢は必死に首を横に振って否定する。しかし触れる度に反応する無垢の身体が感じているのは明らか。だが素直にさせるにはまだ足りないと判断したみつは、またあのスマホを取り出した。
「このスマホの力は操ったり刺激するだけじゃないんだよ。例えば」
『佐伯 無垢の胸の感度は10倍になる」
「!?」
3度目の声。そして今までの攻めで疼いていた胸の感覚が一際強くなった時、みつが両手で無垢の胸を鷲掴みにする。途端、無垢の身体は大きく跳ね上がった。
「(おか、しい……おっぱいが……気持ち、良すぎるっ……!)」
「ほら、乳首も一緒に触ったらすぐイッちゃうよね?」
「(いやっ、イキたくないっ! 嫌なのに……いや、なのに……駄目、我慢……出来ないっ!)」
必死に絶頂を我慢していた無垢だが、敏感にされた胸を左右同時に弄られながら乳首も攻められると我慢なんて出来る訳がなかった。全てはみつの思い通りに、無垢の身体は絶頂を迎える。声が出ない代わりに何度も痙攣する身体。それで無垢の絶頂を理解したみつは、無垢の身体から離れると……スマホを手にする。
『足を開いて手は後ろに回して固定する』
頭の中が真っ白になっていた無垢は響いた言葉の通りに動いてしまっている事にすら気付かない。まるで両足を逆さになった蛙の様に広げ、両手を背中に回して自らの体重で固定してしまった無垢はそこでようやく自分の体勢に気付いて驚いた様子を見せる。そして首を横に振りながら身体を動かそうとするが、やはり無駄であった。
「沢山、愛してあげる」
「(どうして、こんな事するの……みつさん)」
恐怖と悲しみの感情に支配されながら、無垢は服を脱いで自分に覆い被さって来るみつへ視線を送り続けた。
みつの胸と自分の胸が触れ合い、擦れる。それだけで電気が走った様な快感を全身で感じ、更にみつは無垢の開いた足と交差する様に足を入れて自らの秘部と無垢の秘部で貝合わせを始める。
「これで最後、これが終わったら……貴女は私を好きになるの」
「佐伯 無垢は絶頂すると黒羽 みつが好きになる!」
「っ~~~っ!」
スマホに入力した言葉を強く読み上げると同時に決定してから、胸や秘部を強く擦りつけたみつ。堪らず絶頂を迎えた無垢は頭の中が再び真っ白になる……が、その心に変化は訪れない。しかしみつは無垢が絶頂した事に気付いていた為、無垢の身体を抱いて耳元で囁いた。
「無垢ちゃん、私の事……好き?」
無垢にとって黒羽 みつは姉の後輩であり、もう1人のお姉さんの様な存在だった。だから好きと言っても親愛。それ以上の特別な感情は無い。そして今日、全てがみつの仕組んだ事だと知った無垢の彼女に対する思いは当然マイナスになってしまう。
「……」
みつの言葉に首を横に振って否定した無垢。それに驚いた様子で目を見開いたみつはスマホを確認する。……その画面にはエラーと一行の文字。
「感情の操作は、出来ません? ……そっか、こういうのは駄目なんだ」
今まで考えた事の全てが成功していたみつは初めてスマホにも出来ない事を知った。それは感情の操作。肉体的な操作をする事は出来ても、感情を変える事は不可能だったのだ。
「仕方ないね。それじゃあ」
「っ!」
だがみつはその事実にショックを受けた様子は無かった。手にしていたスマホをベッドの隅に放り、みつは再び無垢に襲い掛かる。心を操る事が出来ないが、身体を支配出来る事実は変わらない。今のままでも十分に無垢を自分のモノに出来ていると思う事は出来たのだ。……だが、何かを手に入れれば更に欲しがるのが人の性。みつは今この時、ゆっくり無垢の心を堕として行く事を決めた。
「まだお昼まで時間もあるから、沢山イこうね?」
「(もう、止めて……いやぁ!)」
それからみつが大学の講義に行くまでの数時間、無垢は身体を弄ばれ続けた。そして最後には絶頂の連続で倒れた身体を操られて両手でピースを作り、それを写真に納められる。もしも他人に見られれば、明らかに合意の上で行われた様な写真。今後、無垢がそれをネタに脅される事はまず間違い無い。
「安心して。今日みたいに学校を抜け出す様な事にはしないから。ただ無垢ちゃんが自由で私が自由な時は、相手してもらうと思うけどね」
「……」
全てが終わり、うつ伏せでベッドに倒れる無垢。自由に動ける様になったその身体は度重なる絶頂で力が入らなかった。そしてそんな彼女を背後に、ベッドから立ち上がっていたみつは脱いだ服を一枚ずつ着ていく。そして最後に帽子を被り、横目で無垢へ視線を向けながら告げると、佐伯家を後にした。
「……」
自分以外に誰も居なくなった部屋で、無垢は瞳から涙を流す。信じていた相手にされた仕打ちが無垢の心を深く傷つけたのだ。そして、みつはこれからも自分の身体を弄ぶ。……無垢は失意のまま、ゆっくりと目を閉じて眠りについた。
空が茜色に染まる頃、無垢はメールの音で目を覚ました。送り主は姉の姫子であり、その内容は『これから帰るよ』というもの。そこで今日は家事当番だった事を思い出した無垢だが、数時間寝ても身体の怠さは無くなってはいなかった。そこで申し訳なく思いながらも、無垢は姫子に夕飯を買って来て欲しいとお願いする。当然理由を聞かれた為、無垢は『今日、体調不良で学校を早退した』と返事を返した。黙っていてもばれてしまう可能性は十分にある。もし黙っていた事がばれた場合、後が怖いのだ。
メールを返信してから脱いでしまった服を再び着用した時、玄関の開く音が無垢の耳に届いた。そして誰かが駆け寄って来る足音。やがて無垢の部屋が勢いよく開かれ、そこから血相を変えた様子で姫子が姿を見せる。
「無垢! 体調が悪いって、どうしたの!?」
「……」
恐らくメールを見てから買い物もせずに一直線で走って帰って来たのだろう。その額には汗が滲んでおり、姫子は無垢に近づいて額や頬を触り続ける。こうなってしまえば最後、姫子は異常なまでに過保護となってしまう。ただの風邪でも自由にさせてはくれないのだ。
『大丈夫。ちょっと、調子が悪かっただけ』
「でも早退したんでしょ? よっぽどの事よ。数日はお姉ちゃんに家事も全部任せて良いから、学校休んで寝てないと。あ、でもその前に病院にも……」
『本当に、大丈夫』
焦った様子で矢継ぎ早に姫子を落ち着かせる様に、もう1度大丈夫だと文字で告げた無垢。「でも」と心配する姫子にそのメモを突き出して強調すれば、やっと落ち着いた姫子が「無理はしちゃ駄目よ」と言ってから今日1日の家事を代わりに熟す為に部屋を後にする。
「……」
姉に今日あった出来事の全てを打ち明けるべきだったのかも知れない。だがみつに襲われたと知ったら、責任感の強い姫子はみつとの接点を作ったと自分を責める可能性もある。綺麗で美人で優しい自慢の姉だからこそ、無垢は彼女が悲しむ様な事を言いたくは無かった。
常時掲載
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