「佐伯 無垢は絶頂すると黒羽 みつが好きになる!」
『佐伯 無垢は絶頂すると黒羽 みつが好きになる』
「(……ぁ……)」
みつの言葉と同時に絶頂した無垢は、真っ白になる頭の中で別の声を聞いた。その途端、無垢は自分の心が塗り替わって行くのを感じた。みつに対する親愛の気持ちは今までの全てが彼女のせいだと知った時点で薄れてしまっていたが、それとは全く違う感情が無垢の中で生まれてしまう。こんな事をされている以上、思う筈の無い感情。だがスマホの強制力は絶対であった。
「無垢ちゃん、私の事……好き?」
「……」
その問いかけに無垢は自然と頷いていた。そしてみつを受け入れる様に何時の間にか自由になっていた両手を広げて見せる。遂に無垢の心を手に入れる事が出来た。その事実にみつは笑みを浮かべ、自分よりも小さな無垢の身体へ甘える様に抱き着いた。
「キス、しよ?」
みつの言葉に頷いて、無垢は自ら顔を近づけて目を閉じる。みつはそれに答える様に同じく目を閉じ、無垢の唇を奪った。みつにとってのファーストキスであり、無垢にとってもそれは同様である。優しい触れるだけのキスだが、心の中は満たされた2人。ゆっくりと目を開けた無垢の目には、何処かハートのマークが浮かんでいる様にも見えた。
もう身体を拘束する必要も、感度をおかしくする必要も無い。完全に自分のモノとなった無垢にみつは笑みを溢れさせる。
「今日から私達は恋人。良いよね?」
「(恋人……みつと、私は……うん)」
頭の中でそれが嬉しい事だと思った無垢は、特におかしいと感じる事も無くそれを受け入れる様に頷いた。当然恋人関係ならば、身体を許す事も当たり前。みつが再び身体へ手を伸ばして来ても、無垢が先程の様に嫌がる事も抵抗する事も一切無かった。
みつは無垢と向かい合ったまま、両手で胸を揉みしだいて楽しみ始める。それに何度も身体を震わせながら、蕩けた表情で無垢はみつへ視線を向け続けた。そして自然と再びキスをした時、みつは無垢の身体に覆い被さって合わせていた自分の秘部と無垢の秘部を擦れる様に腰を動かし始めた。
「ん、ぁ……無垢ちゃん、無垢ちゃん……!」
お互いを呼び合う事は出来ないが、お互いが相手を求め合っている事は分かる。胸を弄っていた両手をベッドへ突いて、本格的に貝合わせを始めた事で無垢は快感に身体を震わせながらもみつの首へ手を回して抱き着いた。まるで小動物が飼い主に甘える様なその光景が、余計に無垢を自分のモノに出来たと感じさせてみつを昂らせる。やがて互いの愛液が擦れ、卑猥な水音が部屋の中で響く様になった時。無垢が何度目かの絶頂を迎えそうになる。が、そこでみつは急いでスマホを手に取った。
「まだイっちゃ駄目だよ」
『佐伯 無垢は黒羽 みつが絶頂するまで絶頂出来ない』
「っ!」
頭の中の声と共に、溢れそうになった快感が突然塞き止められてしまう。急に絶頂出来なくなった事で目を見開いた無垢だが、それを見て成功した事を確認したみつは更に激しく秘部を擦る。もうどれ程強く激しくしたところで、無垢が1人で絶頂する事は無い。遠慮の無いその攻めに無垢は地獄の様な強制寸止めを味わう事となった。
「もう少し、もう少しで……私も……!」
これ以上は無理だとばかりに首を強く振って終わりを懇願する無垢に、みつはそう告げて一際強く腰を押し付けた。既に彼女も絶頂の間近まで快感に支配されており、その行為が止めとなる。
「イ、ク……っ! あぁあぁぁぁぁ!」
「! ~~~~っ!」
無垢の上で大きく身体を海老反りさせ、絶頂を迎えたみつ。そして彼女が絶頂した事で条件が満たされ、無垢もまた同時に絶頂を迎える。やがて力無く倒れた自分の身体が無垢の身体へ凭れ掛かりそうになった事で、みつは最後の力を振り絞って潰れない様にその脇へ倒れた。
「はぁ……はぁ……気持ち、良かったぁ」
「……」
「ねぇ、もう1回キスしよ?」
絶頂の余韻に浸りながら、みつはキスをせがむ。無垢はそれに頷いてみつとキスをすると、呆けた様子で天井を見上げた。みつは今日初めての絶頂だったが、無垢は既に何度も絶頂した後なのだ。当然疲労が溜まっている。
「まだお昼まで時間、あるね。このまま少しだけ、一緒に寝る?」
みつが何もしなければ、無垢は安心して眠る事が出来る。疲れてしまった無垢はみつの言葉に頷いて、ゆっくりと目を閉じる。……それから1時間程、みつと無垢は裸のまま同じベッドで眠りについた。
その後、目を覚ましたみつによってもう1度する事になった無垢。大学の講義へ行く為、みつは昼過ぎには佐伯家から出る事に。その際、今後恋人としてどの様に過ごして行くのか。また姫子にどの様な説明をするのか考えた結果、今はまだ黙っている事で話は決まる。
それから、無垢はみつの恋人として過ごす様になった。実際に恋人が出来たからと言って、普段の生活が大きく変わる訳では無い。だが放課後にヒナタやのぞみ達と過ごす事は極端に減り、代わりにみつと過ごす事は明らかに多くなった。姉にも知られず、2人で会っては街で過ごして。時折ラブホテルへ一緒に入っては行為に及ぶ事だってある。
例えみつに対する想いがスマホの力で塗り替えられたものだったとしても、今の無垢にとって彼女と共に居られる時間は本当に幸せだった。
第2章投稿開始日は、12月1日からを予定しています。
常時掲載
【Fantia】にて、オリジナルの小説を投稿しています。
また、一部二次創作の先行公開や没作の公開もしています。
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