嗜虐西遊記-白象宮《足癬》ver【投稿終了】 作:ドン・ドナシアン
「さて、次は足じゃな……。ここは、余人に任せん。わらわが直々に責めてやろう」
小白香が言った。
すると沙那の片足が勝手にあがり、小白香に足の裏を示す体勢になった。
沙那の身体が、脚を開いて立った状態で、片脚を上にあげるという不安定な姿勢で固定される。
「うむ……。これは、まだ若い足癬病じゃな……。思ったよりも育っておらん。これでは、まだ、痒くはないであろう?」
小白香が、明らかに失望した表情になった。
そして、沙那の足の裏に顔をくっつけんばかりにして、足の裏を凝視しては、なぜ若いのだと口の中でぶつぶつ言っている。
冗談じゃないと思いながら、沙那はこの変態娘のやることを黙って見守っていた。
だが、痒くないところではない。
足の裏はじんじんと疼くような痒みを発散し続けている。
この娘のお陰で足癬病の巣のような絨毯の上に素足で一日立たされたのだ。
抵抗はしたが、結局すっかりと沙那の足は、足癬の病にかぶれてしまった。
痒いに決まっているだろう──。
小白香が、沙那の足の裏をすっと指でなぞった。
「ひっ」
力を与えない刺激に、足の裏の痒みが一度に拡大する。
それによって、耐えていた怒りが、一気に沸騰した。
こんなに、苦しいのもつらいのも、全部この変態王女のせいだ。
そう考えると、この小白香への憎しみが爆発する。
「やはり、それほどの痒みではないな」
「じょ、冗談じゃないわよ──痒いに決まってるでしょう──」
沙那は怒鳴りあげた。
足の裏も痒いし、全身も痒い。
しかし、大声で怒鳴るとそれが少しはましになるのがわかった。
沙那は、全身を振り乱しながら、感情の迸るまま、大声で悪態を叫び続けた。
「や、やかましいのう──。こっちこそ、冗談ではないわ──。こんな若い足癬病の痒みなど、痒さのうちに入らんわ──。しかし、思うたよりも、足癬が進まなかった理由はわかったぞ。踵や足の裏の横辺りは、かぶれも進んでおるのに、足先や足の裏全体はあまり、酷くはなっとらん。つまり、お前は、足癬病の絨毯で、片脚を交互に入れ替えて片足立ちしたり、硬い踵で立ったりしておったのだな。それで、ある程度は病の種と接触するのを防いでおったのであろう……」
確かに沙那は、ひと晩中雪蘭を抱えてあの部屋ですごしたときに、片脚を交互に入れ替えて、もうひとつの足の甲に乗せたりしながら、できるだけ足の裏全体が渇いた状態になるように頑張った。
おそらく、あの絨毯の湿った状態が足癬病の病を拡大すると思ったのでそうしたのだが、結局は朝になる頃には、激しい痒みが襲ってくるようになった。
しかし、これでも、まだ初期の状態だというのだろうか……?
「あっ、この足の指のあいだに、小さな水泡ができておるな……。どれ、潰しておくか」
小白香の手が足の指と指のあいだのひとつに伸びた。
足の裏に水泡が潰される気持ちの悪い感触が起きた。
沙那の足の裏から臭気が発散する。
小白香は、沙那の指のあいだから漏れた水泡の中の汁をほかの足の指のあいだに拡げるように指で伸ばしていく。
「や、やめなさいよ──。へ、変態娘──」
沙那はその気色の悪さに悲鳴をあげながら、小白香の指を振り払おうとしたが、ほかの身体は少しは動くのだが、小白香が触れている足の裏だけはびくともしない。
それにしても痒い。
だが、確かにいまは、まだ足の裏の痒みは耐えられる範疇かもしれない。
それよりも、局部などに塗られた薬剤の痒みが大きいのだ。
しかし、そんな弱みを少しでも見せたくないので頑張っている。
「さてと……」
小白香が顔をあげた。
すると沙那の足の指が少しだけ拡がって、お互いの指が接触しない状態になった。
「そのまま、待っておれ」
小白香は、そう言い残して、沙那の背中側の棚に進んだ。
そして、すぐに戻ってくる。
戻ってきたときは、一足の編み上げ靴と小さな小瓶を手にしていた。
「な、なによ、それは──?」
沙那は得体の知れない恐怖に包まれて声をあげた。だが、その編み上げ靴と同じものを白象が履いていたことを思い出した。
さっきの白象と小白香の関係を考えると、その靴も何らかの拷問具に違いないような気がする。
「これは、『足癬靴』と呼んでおる霊具だ。今度こそ、お前の足の裏を重度の足癬病にしてくれるぞ、沙那──。この靴の効果は、ただ足癬の病に侵すだけではないぞ。この靴は、一切の内外の刺激を遮断するのだ。これを履かされたが最後、わらわの道術がなければ靴が脱げんので、わらわの許しがなければ、痒い足を掻くことはできんというわけだ」
「なっ」
沙那は一瞬、言葉を失った。
「いまのように、足の指を開いた状態で固定されるから、指を擦り合わせることさえできんということだ。わらわも、何度も足癬奴隷を使って実験をしたことがあるが、この靴を履かせっぱなしにさせて、刺激を完全に与えないと、思ったよりも呆気なく狂ってしまうらしいわ……」
「く、狂う?」
「おう、そうじゃ。狂うのだ。試しに、そうやって狂女となった三人を監禁部屋に閉じ込めて、斧を一本放り込んだことがある。あれは、面白かったぞ。三人がその斧を奪い合って、自分の足を切ろうとするのだ。結局、三人とも、自分の足を二本とも切断して、嬉しそうに笑いながら血の海の中で死におった。だが、興味深いのは、三人の誰にも、斧で靴を破ろうとしたものがいなかったことだな」
「はああ?」
この小娘はなにを喋っているのだ。
本当に狂っている……。
「無論、そんなものでは、わらわの霊具は壊れんが、試みもせんかったからな。それよりも、三人とも、あの斧で自分の足を切断することしか考えられんかったようだな。面白いであろう?」
小白香は大声で笑ったが、沙那は唖然として声も出なかった。
ふと見ると五人の奴隷女たちの顔も強ばっている。
「……まあ、だから、いまでは、なるべく、奴隷を狂わせん程度に、何日かに一度は痒みを癒す痛みを与えるようにはしておるがな……。いずれにしても、人を支配するには、都合のよい支配霊具じゃ──。だが、これを履かせると、痒みでなにも考えられなくなり、道具として役に立たなくなるのが難点ではあるがな……」
小白香はあっけらかんと言った。
沙那は、改めて、呆然と目の前の亜人の王女を凝視してしまった。
髪が白く、頂点に小さめの角があることを除けばことを除けば、外見は人間族にそっくりで、顔にそばかすさえある平凡な顔立ちの少女だ。
しかし、中味は完全な異常者としか思えない。
「よ、よくも、そんな残酷なことを平然と……。し、しかも、あんた、その靴を母親の白象にも履かせていたじゃないの──」
「なにが残酷だ──。わらわは、痒みの向こう側にある快感を皆に教えているだけぞ。いまでは、母者にしても足癬の痒みを癒してやるときには、快感で身体を震わせおるわ──。かくいうわらわも、わざわざ自らの道術で、足の裏に足癬の病を飼って、数日おきに痒みの向こう側の快感を愉しんでおる。ほれっ」
小白香が片足のサンダルを脱いで、足の裏を沙那に示した。
猛烈な悪臭が部屋に立ち込めて、五人の奴隷たちが控えめながら、顔をしかめて後退りする。
小白香の足の裏は、ひび割れと水泡が破れたような痕がいっぱいで、膿のような汁気が足の裏全体を覆っていた。
沙那は絶句するとともに、心からの恐怖を感じた。この王女を狂っているといわないで、誰を狂っているといえるだろうか。
これまでの旅で、数々の変態と出逢ったが、この娘は極めつけだ。
自分の足をわざわざ病気にして、その苦しみを快感として愉しむなど、沙那の理解を完全に逸脱している。
「しっかりと、悪性の足癬病になったら、お前にも、痒みの向こう側の快感を教えてやるぞ、沙那──。もっとも、その前に『主従の誓い』をしてもらわねばならんがな」
小白香がサンダルをはき直した。途端に悪臭が消える。
すると、小白香が、持っていた小瓶の中の液体を両方の編み上げ靴の中にこぼした。
「な、なにを入れているのよ?」
沙那は叫んだ。
「もちろん、足癬病の種のたっぷりと入った水じゃ。かなりの濃さだからな。これで、間違いなくお前は重度の足癬病に侵される。靴の中は足癬の病の大好きな環境に調整しておるしな……。こいつらが活発に増殖して、お前の足を食い破ってくれるぞ──。わらわがさっき言ったことが嘘じゃないということもわかるだろう。お前のいまの足の痒さなど、足癬病の痒さのうちには入らんわ」
小白香が笑った。そして、沙那のあげている片方の足に、その靴を近づける。
「ひっ──。いや、いやだってば──。やめなさい──。ああっ──」
沙那の抗議もむなしく、片脚に編み上げ靴を履かされてしまった。履かされてわかったが、確かに、さっき足の指を拡げられた状態で靴の中の指が固定されてしまっている。
動かそうとするのだが、指はぴくりとも動かない。
靴が足の肌に密着しているという感覚もない。まるでなにもない風のようなものが足を圧迫しているという感じだ。
この感触だけで気味が悪い。
編み上げ靴を履かされた足が下がって床に再び密着した。
今度は、もうひとつの足もあがる。
小白香は、さっきと同じように、すでにできている水泡を潰して、中の汁を出すと足の指に伸ばし、『足癬靴』を履かせてしまう。
その足も元に戻され、沙那は再び、両脚を開いた状態で足を床に固定された。
沙那の両脚に編み上げ靴を履かせ終わった小白香は、満足した表情を沙那に見せた。
「さて、じゃあ、わらわはこれで行くとする──。ほかの新入りの奴隷たちも待たせておるでな──。ひと通り奴隷たちを見回ったら、一度様子を見に来てやろう──。そのときに、『主従の誓い』を結ぶ気になったか訊ねてやる。わらわが戻るまでは、この五人の女の責めをただ受け続けよ……。それにしても、本当にお前の身体は、感じやすくて面白いのう……」
小白香が沙那の両方の乳首に両手を伸ばして、手のひらで転がすように動かした。
「あふうっ、はっ、はっ、はあっ──」
しかし、手のひらはほとんど沙那の乳首の先に当たるか当たらないかの繊細な感触だ。
その状態でゆっくりと痒みの頂点のような乳首の先を動かされるのだ。
しかし、それだけの刺激にも係わらず、沙那の身体には、肉が溶けるような疼きが凄まじい勢いで押し寄せてきて、その快感の強い波にあっという間に追い詰められる。
「早いのう──。もう、赤い光か──。なぶる暇がないではないか──」
小白香が笑いながら、乳首から手を離した。
快感が離れたことでがっくりと脱力したが、すぐに痒みの苦痛が襲いかかって、沙那は身体を跳ねあげた。
沙那は身体を振り乱して、今度は痒みの苦しさに悲鳴をあげた。
「……そういえば、尻が弱いのだったな」
小白香の指がすっと沙那の腰の後ろに伸びた。
その指先がお尻の亀裂を撫ぜさげていく。
「ふくうっ──。そ、そこは──」
小白香の指が肛門の入口をこちょこちょと動いた。
沙那は身体を弓なりにして、全身を震わせた。
「おうおう、そんなに悦ぶな、沙那──。あまりにはしたないぞ──。ほう、簡単に指を受け入れるのだな。これも面白い」
小白香が笑いながら、沙那の肛門の中にずぶりと指を挿しこんだ。
沙那は絶叫した。
尻の穴をなぶられるというのは、なんど受けても大嫌いな調教だ。
しかも、それを赤の他人に触れられるというのは、汚辱以外のなんでもない。しかし、同時に、沙那の身体は、肛門を刺激されることで、骨が溶けるような甘い快美感を爆発させてしまう。
しかし、小白香は大した刺激を与えることもなく、すぐに、沙那のお尻の穴の中から指を抜いた。
「さて、じゃあ、わらわは本当に行く──お前たち、まずは、沙那の尻の穴に痒み剤を塗れ。それが終わったら、全身を愛撫して焦らし抜くのだ。時折は必ず、痒み液を塗り直せ。気を失ったら休ませてもよいが、二刻(約二時間)以上は休ませてはならん。わかったな──。とにかく、明日の朝までに、この女から性根を抜いてしまえ。本格的な痒み責めは、それからだ。さもないと、この頑固そうな女は、頭が狂っても、屈服などしそうにない」
小白香は五人の奴隷たちに言った。
明日の朝……。
改めて、それを考えると、沙那は愕然としてしまう。
小白香は、丸一日、この女奴隷たちに沙那を責めさせ続けるつもりなのだ……。
しかも、小白香の口ぶりでは、それは全体の責めの入口にすぎないような感じだ……。
奴隷たちがしっかりと返事をするのを確認すると、小白香は『移動術』でどこかに消えていった。
沙那は、五人の奴隷女とともに、ここに残された。
「じゃあ、沙那さん。お尻に薬を塗りましょうね……」
五人女のひとりが、くすくすと笑いながら、薬剤の入った瓶を持って背後に回った。
「ふうっ──」
肛門の入口に指が当たる。
あっという間に熱い感覚が襲うので、確かに痒み剤を塗られたということがわかる。
沙那は身体を振り乱して、肛門を抉る指先から逃げようとするが、すかさず、前側から群がった女たちが、あの柔らかな指先で乳房や股間などに指先を這わせ始める。
前にも後ろにも逃げられなくなった沙那は、我慢できなくなって裸身を悶えさせて、大きな声で嬌声をあげてしまう。
女たちの責めが始まった……。
全身の性感帯を五人の女に同時になぶられるのだ。
沙那には堪らない責めだ。
うなじに指が這う。
乳首をくすぐられる。
脇の下をつつかれる。
乳房の全体が指先でなぞられる。
耳穴に指を入れられる。
股間の女陰の襞が一枚一枚剥ぐようにくつろげられて刺激される。
別の手が肉芽の周りを動く。
さっき、肛門に薬剤を塗った指は、いまは肛門そのものには触れていないが、その下の部分の女陰とのあいだの股間に指をいったりきたりさせている。
すべてが弱い情感だが、それらは確実に沙那の快感の波を増幅していく。だんだん子宮が熱くなるのがわかる。
全身が快感の疼きに飲み込まれる。
「はあっ、はっ、ああっ……ああっ──」
沙那は、その情欲のままに全身をうねらせ大きな声をあげた。
「ちょっと、休憩……。点滅したわ……」
五人のひとりがそう言うと、指先が一斉に離れていく。
すると今度は薬剤の痒みが沙那に襲いかかってくる。
「そ、そんな……」
沙那は、“やめないでもっと刺激して”という言葉をやっとのことで飲み込んだ。
そんなことを口にするなど、あまりに惨めすぎる。
「……ね、ねえ、に、逃がして──。さ、策があるのよ──。あなたたち、全員を助ける策が──。本当よ──。嘘じゃないわ──。この離宮のすぐそばまで、救援隊が来ているの──。お願いよ。わたしをそこまで行かせて──。そうすれば、今日の夜には、あなたたちは自由の身よ──」
哀願の代わりに口にしたのは、出鱈目の救援部隊の話だ。
信じる可能性は皆無だが、試みをして、損をするわけでもない。
「救援なんて……。馬鹿な話……」
女たちはやっぱりくすくすと馬鹿にしたような笑い声をあげた。
「う、嘘じゃないわ──。小白香のやったことは、三魔王軍全体への裏切り行為よ。小白香は、白象魔王をないがしろにして、実権を奪い、いまは、道術で監禁して、魔王の地位を乗っ取ろうとしているわ。そ、そんなことは許されない──。金凰魔王はそれを怒り、わたしをひそかに間諜として、ここに送り込んだの──。すでに軍が宮殿のまわりに展開しているわ──。わ、わたしが戻って、小白香の暴走が真実であることを告げれば、金凰軍が本格的に動く──。そのときに、奴隷宮に監禁されている者は全員解放されるわ──」
沙那は全身を揺すりながら頭に思いつくことを滅茶苦茶に喚きたてた。
とにかく、なにもされないと、痒みが全身に襲いかかるのだ。
とてもじゃないが、少しもじっとはしていられない。
「金凰陛下が?」
ひとりが不安そうな表情をした。するとその隣の亜人の女も表情を変えた。
反応があったことが意外だったので、沙那も少しだけびっくりした。
「あんたたち、馬鹿? 嘘に決まっているでしょう──。それに、金凰陛下が小白香様をどうにかするわけないわ。金凰魔王陛下は、むしろ、小白香様をお好きなのよ。それは見ていればわかるでしょう──」
真っ黒い髪をした亜人の女が言った。
彼女はさっきも沙那への責めを中断するときに、ほかの四人に指図をしていたから、なんとなく五人の中の指示役という感じだ。
「う、嘘じゃない──。すぐそこに軍は来ているのよ。でもわたしが戻らなければ、帰ってしまうわ。わたしを逃がせば、あんたらも自由になれるのよ──」
沙那は声をあげた。
「と、とにかく、沙那が自分が間諜だって言っていることだけでも、小白香様にお知らせした方が……」
最初に反応した亜人女が不安そうに言った。
「そんなことをしたら、五人揃って足癬奴隷にされるわ。あんな惨めな境遇になりたいの? もう、この話は終わり──。それよりも、あたしたちがやるのは、沙那の性根を責めで奪い取ることよ。小白香様にいわれたでしょう──。さあ、次は道具を使いましょう。小白香様の霊具を持ってきて」
黒髪の女が指示をして、棚から小さな箱が運ばれてきた。その箱の中から、黒髪女が男根を模した張形を取り出した。
「もう、そんな出鱈目な話なんて、まったくする気も起きないようにしてあげるわね、人間」
黒髪女がその張形を持つと、その先端がうねうねと動き出した。
霊具だ──。
沙那は咄嗟に思った。
道術の力で振動を始めたその張形が、無防備な沙那の股間に静かに触れた。
「はああっ──」
骨まで響くような鋭い快感に、沙那は全身を跳ねさせた。
「いやっ、いやっ、いやっ──」
沙那は絶叫した。
しかし、振動する張形は、沙那の女陰の周りから、あっという間に逃げて後ろに動いていく。
そして、沙那の股越しに、張形が別の亜人に手渡されて、肛門の蕾をくすぐる。
「あふうっ──」
一気に快感があがるが、張形は沙那を追いつめるほどには、長く同じ場所にはいない。
すぐに、またお尻から離れる。
今度は矛先が逆戻りになり、前側の股間に戻っていく。
それを繰り返される。
張形の振動が、沙那の股間を前後するにつれて、もう沙那の両腿は痙攣のような震えをとめられなくなった。
「凄い……。随分、感じやすい身体……」
「しかも、派手……。なんか可愛い……。こんなに声をあげちゃって……。最初は、怖い人かと思ったけど……」
「ふふ……、一生懸命、悶えちゃってるわ……」
女たちが沙那を責めながらささやく。
だが、もう沙那には、それに反応する余裕がない。
もうすぐ、いく……。
自分の息がますます荒くなり、あられもない声が迸り続けているのがわかる。
「真っ赤よ──」
誰かが叫んだ。
沙那の首の宝石のことを言っているのだろう。
小白香に装着されたこの霊具は、沙那の快感を感知して、沙那の情感があがると赤くなり、達しそうになると点滅する。
「まだまだ──」
黒髪女が今度は肉芽そのものにぐっと張形を当てた。
快感が爆発した。
「はがああっ──」
一気に快感の波が全身を駆け抜けた。
「点滅したわ──。引きあげて──」
声がした。
その間も沙那は絶頂の道を一気に昇りあがっている。
「……大丈夫よ──。まだまだよ──」
黒髪女の持つ張形が肉芽から女陰に移動して、ぐいと膣の中に挿入された。
「い、いくううっ──」
沙那は股間を突きあげた。
その瞬間、思い切り乳首をねじあげられた。
「痛いいい──」
一瞬だけ痛みで快感の噴きあがりが停止した気がした。
それを待っていたかのように、さっと張形が女陰から引き抜かれる。
「そら、お預けよ──」
黒髪女が張形の振動を沙那の顔の前にかざしながらにんまりと笑った。
寸前どころか、髪一重のところから絶頂を取りあげられた沙那の身体には、発散することができなかった快感の渦がうごめいている。
沙那は恨めしく、眼の前の奴隷女を睨んだ。
「はらはら、させないでよ、一条──。許可なく沙那を絶頂させたら、五人揃って足癬奴隷にされるのよ」
ひとりが批判するように言った。
この黒髪女は一条というのかと思った。
しかし、なにかを考えられるのは、この束の間の時間だけだ。
あっという間に痒みが沙那に襲いかかる。
沙那の思考力はそれで完全に奪われてしまった。
「そうよ、あんたら──。あたしたちが考えるのは、ひたすらに小白香様の言いつけだけよ。ほかのことなんて、考えるにも値しないわ。沙那のたわ言に耳を傾けないの──。そんな気になりそうだったら、この人間族の女を責めなさい──」
一条がほかの四人に言った。
そして、しばらくしてから、再び本格的な五人の責めが始まった。
五人のうち三人は、一条が操る張形と同じ淫具を持ち、ほかのふたりは指先で沙那の肌を刺激していく。
五人は息を合わせて沙那の性感帯を刺激しては、すぐに離すということを繰り返す。
それでいて、感じる部分から張形の先や指先を完全には遠ざけず、その周辺をくるくると回ったりするのだ。
沙那は翻弄された。
五人の性技は確かに卓越したものであり、それを一身に受けている沙那は、言語に絶する切ない官能の痺れを味わい続ける。
緩やかな刺激なのだが、沙那の感じやすい身体は、それでも絶頂するだけの刺激を拾ってしまう。
しかし、達しそうになると、五人が一斉に刺激を引きあげる。
すると全身を蝕む痒さが戻ってくる。
それが延々繰り返される。
焦らしと痒みの繰り返しがあまりにも続いたことで、沙那の思考力は痺れきってしまい、もう口惜しいとか恥ずかしいとかいう感情はまったく消えてしまった。
とにかく、この苦しみから逃れたい。
それしか考えられない。
「お預けね……。じゃあ、休憩……」
またもや、一条の指示で、追いあげられたところで責めを中断された。
火のように昂ぶった情感が緩やかにさがっていき、入れ替わるように痒みの苦痛がやってくる。
「お、お願いよ──。やめないで、このまま──」
沙那はついに絶叫した。
「ふふふ……。やっと頭に血が昇ってくれたようね、沙那──。でも、本当に休憩。喉が渇いたから、あたしたちも水を飲みましょうか……。準備のあいだに、あなたたちふたりは、沙那の身体に痒み液を塗り直して──」
一条が言った。
「じゃあ、塗り直してあげるわね、沙那さん……。あらっ? でも、これ見て──。酷い状態。すこしばかり、拭かないと薬剤なんて濡れないわ」
「本当ね。蜜が溢れまくって、床がおしっこ洩らしたようになっているわ。お尻にまで伝い流れている──。凄い──」
ふたりの女の嘲りの言葉に、五人がもう一度集まってくる。
しかし、もはや、それさえも、沙那は気にならない。
痒い……。
こんなにも刺激を受け続けているのに、少しも痒みは癒えない。
なんという強烈な持続力を持つ薬剤だ……。
それなのに、また、薬剤を足されるのだ。
五人の奴隷が布を持ってきて、沙那の身体や床を拭き始める。
その間、ひとりが乳首に痒み剤を足していく。
「……も、もうやめて、焦らしもやめて──。気が狂ってしまうわ──」
沙那は声をあげた。
すると、薬剤を足すために、沙那の股間から淫液のしたたりを拭き取っていた女たちが一斉に哄笑した。
「音をあげてくれたわね、沙那──。小白香様が戻ったときに、少しくらい、あんたが追いつめられてくれてないと、あたしたちが叱られるのよね。ほっとしたわ、沙那──。じゃあ、もっと続けましょうね──。でも、少し休憩してからね」
一条がそう言って離れていく。
ふたりが残り、また丹念に沙那の局部に痒み剤を足していく。
もう反駁の気持ちが湧いてこない沙那は、薬剤が塗られる指先の感触に、歯を喰いしばって漏れそうな声を耐えながら、ぶるぶると全身を震わせるだけだった。
同時に沙那は、まったく別の苦痛に自分が襲われ始めたのを感じていた。
足が痒い……。
猛烈に痒い……。
なんだろう、これは……?
痒い──。
足の指のあいだがただれそうに痒い……。
しかも、薬剤を塗り直された場所からも火がついたような熱さと痒みが襲いかかってきた。
「お、お願い──、早く、責めて──。責めてったら──」
沙那は絶叫した。
「休憩だと言ったでしょう──。そこでゆっくりしていてよ」
女たちがそう言って笑った。
沙那の身体に薬剤を塗り終わったふたりも加わり、五人の女たちは床の上の車座になって、飲み物とお菓子のようなものを口にしている。
当分は動きそうにない。
沙那は足の裏のもどかしいような痒みと、身体からの火のつくような痒みという二種類の痒みに襲われながら、歯をかちかち鳴らして、うめき声をあげ続けるしかなかった。