※この作品はR-18です。

ぴるぐりっ! ~はちはち異界巡礼譚~   作:伊土 讃阿

5 / 35
第二八夜 泡沫仮譚
第一錠 ♥


 

 

 

 さてさて、このたび御同行が訪れたのは――波風の界・アシバリ。

 

 暗黒・蛍光・白銀・極寒の世界だった前回のミナツカから一転して、目に鮮やかなコバルトブルーの海原と、きめ細かで砂金がごときまばゆいビーチが渺茫として際涯なくつづく亜熱帯のこの界では、聖佛教系土着聖伝密教(アガマヒンドゥダルマ)信仰の下、波風のガイアがもたらす豊富な水産資源を糧に、フタナ島が開かれた一〇〇〇年前の時代から界民が安寧な日々を営んでいるのでした。

 

 ところが――御同行が到着するわずか四日前、雷禍がアシバリを襲っていたのでした。海は大荒れ、波風のガイアも循環不順で遊泳どころか漁さえままならず、住居も舟も落雷で木端微塵、天帝院は薬湯の順番待ちをしている被災者で溢れかえる始末。

 

 アシバリにはホムスビ一六神もいませんでしたし、御同行は路銀(アルシーヴ)節約のためにもアシバリ復興のお手伝いをしながら、時間を潰さざるを得ませんでした。

 

 今回のお話は――、そんな他愛もない、取るに足らない、なんでもない日の、一夜のできごと。

 

 これは――。

 

 天をして無間地獄がごとき。

 

 魔をして色究竟天がごとき。

 

 人をして大悲胎蔵金剛大螺旋がごとき。

 

 うたかたのような、ふたえの国の夜伽薬。

 

 ではではみなさま、お観測(みはか)りの時間でございます。今宵もごゆっくり、お楽しみくださいませ。

 

 

 

/ぴるぐりっ! ~はちはち異界巡礼譚~ 日本語版

/摧一切善阿密哩多 胎蔵界編

/第二六夜 泡沫仮譚

/第一錠

 

 

 

 日中のお手伝いの報酬代わりに、と借りられた、質素な宿の一室。ひとつしかない敷布団に横になったまま、浴衣姿のりんごさんがたずねました。

 

「んー? 今日はふたりで部屋に篭もりっきりでまったりのんびりべっとりいちゃいちゃとろとろ爛れまくったずぶずぶえっちしたいって?」

「そッ、そんなこと一言も言ってないですのッ!」

 

 にたにたとりんごさんに茶化され、エルシンシアさんは白い頬を真紅に染めてぷりぷりしました。

 

「た、たまにはゆっくり過ごしましょうか、と言っただけですのッ!」

 

 行きついた界で宿を確保したあと、時間が空いていれば、りんごさんとエルシンシアさんはふたりで外に繰り出してご当地グルメやスイーツなどを堪能するのがすっかり恒例となっていました。

 

 しかしつい先日、雷禍に見舞われたばかりのここアシバリでは、界民はまだお店どころではありません。次の界へ向けての作戦会議の必要もありませんでしたし、よってふたりは大変なお暇を持て余していたのです。

 

「でもさ、エルシィ、それ――誘ってくれてるんだよね」

「~~ッ!」

 

 恥ずかしそうにもぐもぐするエルシンシアさんは、しかし嘘がつけません。エルシンシアさんは天上民で、彼女の信奉するギリシャ神話系聖火教(ゾディヤストラ)では、言葉で偽ることは許されないからです。

 

「お外が、こッ、こんな状況じゃ……外出しても、しょうがないですし、……し、しばらく、りんごさんの、ぉ、お相手、してあげられなかったですし……?」

「――ッ!」

 

 艶めくふわふわの金髪を人差し指に巻きつけつつ、いじらしく弁解をするエルシンシアさんの姿を見て、りんごさんは心臓が圧搾されたような思いでした。

 

 エルシンシアさんの天上民らしく端整で可憐な目鼻立ちは、儚さと気高さを見事に両立させていますし、本人の性格とは対照的におっとりした印象を与える垂れ目は、滑らかなターコイズ(フェロザー)の瞬きをたたえ、見るものすべてを魅了してやみません。

 

 たしかに背は低くちんちくりんで胸も成長する兆しはこれっっっっっぽっちもありませんが、まだ齢一四にも関わらず、エルシンシア・アストワト・ウルタさんの容貌はおとぎ話の妖精のように完成されていて、そんな子が羞恥に耐えつつ夜のお誘いを申し出てくれているのですから、はっきり言って、かなりの面食いでちょっぴり少女性愛嗜好気味なりんごさんにとっては、鼻血を噴きだしながら卒倒してもおかしくない場面だったのです。

 

(……誘われなくても、今日あたり襲う気まんまんだったけど――)

 

 正式にお付き合いをはじめてから、もう数えきれないほどしとねを共にしていましたが、毎回仕掛けるのはりんごさんからでした。

 

 普段は顔に似合わず高慢かつわがままで傍若無人、狂犬的なエルシンシアさんにも心境の変化があったのでしょうか、まさか誘ってくれる日が来ようなどとは夢にも思わず、涙ぐみかける――というより妙な汗をじっとりかきはじめたりんごさんなのでした。

 

(これはちょっと、歯止め効かないかも)

 

 りんごさんはくらくらするほどの興奮を自覚しつつ、今が好機とばかりに提案しました。

 

「あのさ、これ、しばらく売れそーにないからって、手伝いの報酬のおまけにもらったんだ。せっかくだから、着てみよーよ」

「……? なんですの、その紐?」

 

 りんごさんが背嚢から取り出したるは、布切れが付いた紐と言いますか、紐が付いた布切れと言いますか、まぁいわゆるかなり際どい感じの、黒いマイクロビキニでした。

 

「水着だけど」

「??? どう見ても紐じゃないですの。からかうのはよしてくださる?」

 

 こういった趣きの衣装とは御縁のなかったエルシンシアさんは、手渡された水着を矯めつ眇めつしながらも、ぴんと来ていないご様子。

 

「いや、ほら、ちゃんと水着だってば。ここが胸当てになってて、こっちが股の方で――」

 

 説明を受けるうちに、エルシンシアさんはますます真っ赤になりました。

 

「は、はは、はれんちですの!」

「水着はだめなんだっけ? ふーちゃん的には」

「補助脳(フラワシ)ですの! ……ほ、ほかに誰も見てないのなら、も、問題ないそうですけど……こんなの恥ずかしくて当たり前ですの!」

「えー、みんな着てるよ? ほら、シィアも最初会ったときこんなかっこじゃなかった?」

「それがいやなんですの! みなさん感覚が狂ってるんですの! どう考えてもおかしいですの! なにも着てないのと一緒ですの! 下着よりも露出が多いじゃないですの! 堕天民や薄汚れた浮浪者でさえ、もっとましなボロを身に着けてますのに! わたくしにこんな売春婦(パリカー)じみた浮浪者以下の格好をしろとおっしゃるんですの!?」

「はすのは下着つけてないけど」

「な――ッ!? あのひと、そこまで――!」

「ちなみにサンもだけど」

「ッ!? サンセットが、そ、そんな――」

「それにエルシィ、この前、信女(マイナス)の呪いかなんかで豚に変身? させられたときは、全裸でその辺歩いてたじゃん? それに比べたららくしょーでしょ」

「――ッ!? ああっ、あ、あれは、――ッ! ああ、もうッ! わたくしから誘ったからって、調子に乗るなですの――ッ!」

 

 エルシンシアさんはかんかんになって、水着をぺしんと床に叩きつけたのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 しかしそれから五分後――そこには、結局白い衣装(スドラ)からビキニへお着替えしたエルシンシアさんの姿が。

 

「うぅぅ……はずかし……」

 

 禁欲は教義的にもよくありませんし、エルシンシアさんも女の子ですから、多少なりと着飾ってみたかったという心理はあったのでしょう。今や後悔の念しかなさそうですけど。

 

 その証拠に、いつもの美麗な刺繍が入った深緑の外套を頭からかぶり、顔どころか胸元まで紅潮させながら、腕で胸元を覆い、もじもじと太ももを擦りあわせていました。

 

(相変わらずちょろすぎるんだけど……だいじょうぶかなー、この子豚ちゃん……)

 

 エルシンシアさんの将来を改めて心配しつつも、幼いながらも肉付きの良い肢体をじっくりねっとり凝視するりんごさん。

 

 エルシンシアさんはなんとか隠せないかと努力していますが、水着の方が手や腕より小さいので、むしろもっとえっち感があってたまりません。とはいえ、りんごさんとしても、かわいい彼女の水着姿はきちんと見ておきたいもの。

 

「ねー、なんで隠しちゃうの?」

「だ、だってこれ、いまにも、その、はみだしそうですのに……」

「いつもは普通に全部見てるじゃん?」

「それとこれとはべつですの! うぅぅ……なんだか着てる方がかえって、い、いやらしさを強調してる気が……」

 

(ぅ……、だんだんわかってくれるようになったっぽい?)

 

 御同行に加わる数か月までエルシンシアさんは当然純潔でしたし、性知識も皆無に等しかったのですが、本人はなかなかどうして素質に溢れた子でした。りんごさんの熱心な教育の甲斐もあって、めきめきとそちらの才能も現してきたのでした。

 

 開発の成果をお腹の底でじっとりと熱く実感しつつ、りんごさんは腰に手を当て、堂々と胸を張りました。

 

「ヘンに意識しすぎだって! ほら、あたしも同じの着てるけど、全然恥ずかしくないよ?」

「当然ですの……そんなにご立派なばるんばるんをぶらさげてれば……」

 

 エルシンシアさんがうらめしそうに、じとっとりんごさんの身体をねめつけます。

 

 ばるんと大きく張り出した乳房に、きゅっと絞られたウエスト、ぷりんと持ちあがったお尻――無駄なお肉は一切なく、されど痩せすぎず、適度に脂肪が乗っていて、どんな角度から眺めようとも欠点などまったく見当たりようのない完璧な女性の肉体。

 

 それを助長しているのが、ちょうどおとなとこどもの中間の、艶やかさとあどけなさをないまぜにした、生意気そうなミドルティーンの整った顔立ちです。

 

 本人が気さくで溌剌とした性格なことと、ころころとよく変わる表情も愛嬌があり、第一印象は非常に親しみやすいようですが、ふとした瞬間に黙っていると、その実、化粧もしてないのに美術彫刻がごとき非の打ちどころがないほど綺麗な顔のつくりをしていることがわかってどきりとさせられ、ばっちり開いた気の強そうなディープブルーの双眸と、セミショートの燃えるような紅葉色の赤毛が、そこに神秘的な雰囲気を付加しているのでした。

 

 一〇年前にあらゆる記憶を失った状態ではすのさんに拾われ、右肩のりんごのような痣にちなんだ名前を与えられた天木(あまぎ) りんごさん(現在推定一七歳)は、出自はおろか正体さえ定かではなく、人間なのか亜人なのかはたまた眷属なのかもわかりませんがともかく、容姿を調整されたはずの天上民でさえ羨むその美貌と、不思議な御業があったからこそ、長らく勧請(偽)神として主に女の子を中心に信仰を集められていたのでした。

 

 そんなりんごさんですから、際どいビキニをまとっていても、奔放というわけでもなく、スポーティな、陽気で爽快かつアーティスティックな性のイメージをまとっていて、それが逆説的に、エルシンシアさんに甚大なダメージを与えていたのでした。

 

「だからエルシィもほら、ちゃんと見してよ?」

「ぴゃっ!?」

 

 りんごさんが不意にぴしっと指を指揮棒のように振るうと、途端にエルシンシアさんの腕が見えない手に掴まれたかのようにぐいっと引っ張られて、雪原がごとき白くなだらかな胸と、いつしかりんごさんが贈った銀の首飾り、むにっとしたお腹、そして下腹部に刻印された、艶めかしく踊る蛇の紋様――りんごさんへの絶対服従の証たる七頭馬の契約(ウッチャイヒシュラヴァス)が露わになりました。

 

 見えず聞こえずさわれず無味無臭、しかして金剛よりもなお不壊不折。周囲の空間へ局所的な正体不明のちからを生成するそのたぐいまれな御業は、りんごさんが(偽)神としてその身に宿す権能――天手です。

 

「うんうん、やっぱり似合ってるじゃん! すっごいかわいー、かわいーよ、エルシィ! ってゆーか、んっひひ、思ったより背徳感やっばいなー、ちっちゃい子にこーゆーの着せるのって……」

「うぅぅ……っ」

 

 じっとり舐めまわすようなりんごさんの視線を受けて、エルシンシアさんは唇を噛みながらぷるぷる震えます。きっとりんごさん以外のひとが見れば、エルシンシアさんは恥辱と悔恨、怒気で今にも爆発するのでは、受け取ったところでしょうが――。

 

「なんていうか、ミニマム感がますます強められてるってゆーか、すっごい……すっごい……ぞくぞくして……いじめたく、なるなー?」

「~~っ!」

 

 かすかにエルシンシアさんの息が荒くなり、翠緑の瞳が熱を帯びはじめたのを、幾度となく肌を重ねてきたりんごさんは、如実に感じ取っていました。

 

 そして一歩、また一歩と距離を詰めるごとに、エルシンシアさんのかんばせが急速にとろけていく様を、りんごさんは真正面から愉しみます。

 

「は……っ、は……っ、ふぅ……っ」

「ねー、エルシィ、わかってる? 自分が、どんだけ――いじめてオーラ出してんのか。こんなの、どうにかならないわけないじゃん?」

「……っ♥ ……っ、……っ」

「わかってたの? わかってて、着てくれたんだよね。今日は、自分から誘ってきたしね。いじめてもらえるって、思ったんだよね」

「……っ♥ ……っ、……っ♥」

「よかったね、今日やばいと思うよ、あたし。ほんと朝まで寝かさないから。朝まで泣かしまくっちゃうから。涙とか鼻水とか汗とか愛液でぐっちょんぐっちょんになって足腰立たなくなるまでヤっちゃうから。イキすぎて気絶しても、イカせて叩き起こしちゃうから」

「はー……っ♥ はー……っ♥ は……っ♥」

「急に無口になっちゃったね。期待してるんだ。想像してるんだ。自分が、めちゃくちゃにされちゃうとこ。気づいてる? 触ってもないのに、水着の上からでもわかるぐらい、乳首かちかちになっちゃってるよ? いじめて、いじめてー、って言ってるみたい。うっわ、下もべっとべとじゃん。着替えててよかったね」

「ふーっ♥ ふーっ♥ ふーっ♥」

 

 目の前に詰め寄ってきたりんごさんを、潤んだ瞳で見上げるエルシンシアさんは、立っているのがやっとという様子。頭のなかはとっくに真っ白になり、ぞくぞくとどきどきだけに囚われているのでしょう。

 

「じゃ、しよっか。あ、違ったっけ。してほしーんだっけ、――子豚ちゃん?」

「ぁ――っ♥」

 

 りんごさんが指で蛇の紋様をそっと撫でるや、ぶるぶると小さく身震い。エルシンシアさんからふんわり香っていた乳臭さを含んだ白檀の芳香がむわっと濃くなって、軽く達しているのがたやすく察せられます。

 

 りんごさんの指と、不可視不可触の御業で迎えさせられた法悦の数々を思い起こしているのでしょう。

 

「どーなの?」

「は……っ♥ は……っ♥ ……っ、……っ、――はひ……っ♥ して……っ♥ くらひゃいぃ……っ♥」

 

 すっかり開発されきったエルシンシアさんは、あっさりおねだりしてしまうのでした。

 

 

 

 

 

 

「はぁあぁああっ♥♥ っくぅうっ♥♥ いっくぅぅぅっ♥♥♥ いきますうぅぅぅうっ♥♥」

「……っ、エルシィ、イキすぎ……っ」

 

 甘い甘いこどもの嬌声を耳朶に浴びながら、りんごさんは、本日五度目のきつい締め付けを中指で味わいました。同時にお腹のなかで、昏い欲望がぐつぐつ煮えたぎり、熱い泡が弾けているのを感じます。エルシンシアさんを落ち着かせるために、幼い子宮の裏側をとんとん小突いていた天手を解除します。

 

 久しぶりだからでしょう、エルシンシアさんの感じっぷりと言ったら、妙齢の淫魔もかくやといったていですし、りんごさんもその気に当てられて、かなりの精神的快感を得ていました。

 

「はーっ……♥ はーっ……♥ はーっ……♥ んく……っ♥」

 

 経験の浅い女の子ならとっくに失神してもおかしくないほどの深すぎる絶頂――しかしエルシンシアさんも、りんごさんにさんざん開発されていましたから、もう慣れたもの。敷布団の上、乱れたビキニ姿で、ゾディヤストラ信仰の証たる深緑の外套を縋るように握りしめ、汗みずくになった平らな胸を上下させつつも、次はまだですの? と言わんばかりに、甘えた眼差しをりんごさんへ送っています。

 

 そんなエルシンシアさんを前にして、りんごさんはずっと抑圧していた獣欲がついに解き放たれた音を聞きました。

 

「あのさ……、こっちも、使ってみない?」

 

 りんごさんは、部屋の片隅の背嚢の、奥深くに仕舞い込んでいたフタナ杉を天手で引っ張り出しました。

 

 フタナ杉というのは直径七、八センチぐらいの太さで、長さは三〇センチほどの、ずいぶん丈が短くずんぐりした印象を受ける、フタナ固有の寄生植物です。葉も枝もなく、肌色の樹皮は意外とつるつるしていて、片方の先端にでっぱりのある豚の腸詰という形容が一番伝わりやすいかもしれません。

 

 フタナ杉は枝と実と種が一体化していて、動物に根を張り、別の個体と交尾させ、卵子を横取りすることで繁殖する特異な生態を持っています。フタナ杉に寄生されると、フタナ杉の感覚が宿主に伝達されてしまう症状が起きますが、とくに害はありませんし、何度か放精させてやれば跡形もなく抜け落ちますので、女の子同士でのえっちなどで重宝され、今やフタナ島の名物となっています。

 

 というか、そういう目的でわたしがつくったんですけどね! 建前は変成男子思想からの要求事項ってことにしてますけど!

 

「……どうして、そんなもの……持ってるん、ですの……?」

「え!? いや、まー、いつぞやの依頼のお礼でもらった、ってゆーか……」

 

 エルシンシアさんの疑問ももっともです。フタナ杉は成育が難しく、若いおフタナさんが易々と手を出せるほど安価な代物ではないからです。

 

 りんごさんが持っていたのは、以前で請け負ったたいへん恥ずかしい依頼の報酬のおまけだったのですが、あまりに恥ずかしい内容であったために、誰にも打ち明けていなかったのでした。

 

「話せば長くなるから、あとでね。で、どーお? ここ暑いから、そろそろ使わないと腐っちゃいそーだしさ。一回ぐらい、試してみない?」

「ぇ……りんごさんが、どうしてもって、いうなら……」

 

 それなりに迷いはあるものの、度重なる絶頂のせいか、エルシンシアさんはなすがまま状態でした。

 

 りんごさんが、じゃーさっそく、と頷いてフタナ杉を己の股間にあてがうと、フタナ杉の細い根がりんごさんの皮下に侵入しはじめました。それはなかなかにグロテスクな絵面であり、それ以上に気味が悪い触感を伴うので、りんごさんは思わず顔をしかめました。りんごさんは何度か寄生させた経験があるのですが、そうそう慣れるものではないのです。

 

 さて、一〇秒としないうちにりんごさんは無事フタナ杉を装着できましたが、ひとつ問題がありました。

 

 フタナ杉が大きすぎ、エルシンシアさんの幼い膣口には到底収まりそうになかったのです。いくらりんごさんがいじくりまくったとはいえ、まだ指二本でも窮屈なほどでしたから。

 

(これは一回出して縮めるしかないかなー)

 

 そう判断したりんごさんは、エルシンシアさんの耳元で囁きました。

 

「ねー、舐めてくれる?」

「む……それを、ですの? だいじょうぶ、ですの?」

「うん、汚くないよ。いつもみたいにしてくれたらいーから。それとも……、エルシィには難しかったかなー?」

「むぐぐ……、楽勝ですの」

 

 あっさり煽られたエルシンシアさんはのそのそと起き出すと、りんごさんの股の間に顔を寄せ、ちょっと面食らった風に言いました。

 

「ち、近くで見ると、ずいぶん、ものものしい、ですのね……ん……、それに、あっつい、ですの……れろっ」

 

 はじめはおずおずと舌で突っついてみたり、唇でついばんでみたりしていましたが、恐れがなくなってきたのか、いつものように唾液をたっぷり乗せた舌を押しつけ、丹念に情熱的に奉仕しはじめました。

 

「う……、く……、すっごい、きもちーよ、エルシィ……」

 

 りんごさんが教え込んだ口技と、エルシンシアさんの被虐的な熱は、フタナ杉相手だとしても有効で、りんごさんに痺れるような性感をもたらしていました。

 

 なにより、自分より三つも年下(推定)のちっちゃい子にえっちな水着を着させて、凶暴なフタナ杉を舐めさせているという背教的なその構図が、りんごさんをとてつもなく昂揚させていました。というか、出すとこ出したらほんとにだめですからね、これ……。

 

「ちゅ……っ、んぅ……っ、ぇおっ、れる……っ」

 

 りんごさんがいつになく感じている姿を晒したためか、エルシンシアさんも気をよくして、口淫に没頭しつつありました。天上民らしい要領のよさか、あるいは本人の才能に由来するものかはわかりませんが、フタナ杉を愛でるのが初めてとは思えない、よどみのない動作で、わりと容赦なく攻め立てていきます。

 

「んっ、あっ、はぁっ、あっ♥ あっ♥ あっ♥ すごっ♥」

 

(あ、これほんとやば……っ)

 

 フタナ杉をつけたのは久しぶりでしたし、エルシンシアさんの予想外の巧みさも相まって、情けなくもあっという間に込みあげてくるりんごさん。相手がフタナ杉経験者ならきっとがっかりされる程度の早さでしたが、エルシンシアさんが無知でもっけの幸いでしたね。

 

「ぅっく、も、でるっ、でるよっ、エルシィ……っ!」

 

 フタナ杉から白い樹液が勢いよく迸ります。エルシンシアさんはちょうど先端を刺激していたので、まともに口内や鼻のなかに受けてしまいました。

 

「んぅううっ!? んぶっ、ごぼ……! にが……っ!?」

「……っ、ごめ、いうの、忘れてたけど、生産元、怪しいやつ、だから、ちょっと苦いかも」

 

 鮮烈な放精感の余韻のなか、肩で息をしながら、りんごさんが手拭いでエルシンシアさんの顔を拭おうとしますが。

 

「げほ……っ、ちょっと、どころ、じゃ……お゛っ、に゛が……っ、ぅ゛ぇえっ、なにこ――お゛う゛え゛え゛ぇ゛ぇえ゛え゛え゛!」

「わ、わー! ごめん! ごめんね! お手洗い行こ! お手洗い!」

 

 なんともまぁ、えっちどころではない、一大事になってしまったのでした。

 

 解説しておきますと、四ツ目屋(えっちなどうぐや)なんかで出回っているものは、品種改良で様々なフレーバーがありますが、りんごさんが持っていたのは野生種の、しかもかなりえぐみがきついやつで、いわゆるハズレだったのです。ついてなかったんですね。

 

 さてさて、エルシンシアさんはかろうじて夕飯を吐き戻しはしませんでしたが、それなりに体力を消耗してしまったので、ぐったりしてしまいました。りんごさんは添い寝をしながら、ひたすら慰めと謝罪を繰りかえしていました。

 

「ほんっっっっっとごめんね? もうずぇえええったい、舐めさせたりしないから! ね? ね?」

「もう……いいですの。りんごさんも、散々な目にあってた、みたいですし……」

 

 フタナ杉の出所を問い詰められ、一切合財白状してしまったりんごさんは、むしろ同情されていました。

 

 そして――さらに不思議なことに、喧嘩したり気分を損ねるようなことがあれば、仲直りするまではつんけんしたままきっぱり距離を置くのがエルシンシアさんの常だったのに、今回はそういった気配はありません。それどころかむしろ、擦り寄ってきて、火照った矮躯を押しつけてくるではありませんか。

 

「ん……っ、ふ……っ」

「ちょ、どしたの? 体調、悪い? なんかすっごい熱いよ?」

 

 りんごさんもやや困惑気味。

 

(フタナ杉に毒はないはずだけど……、えぐいのは例外……? どーしよどーしよどーしよ)

 

 と迷っている間にも、エルシンシアさんは肌に珠のような汗が浮かばせ、どんどん息を荒ませています。

 

「ふー……っ、ふー……っ、ふー……っ」

「えっと、誰か、呼んでこよっか――」

 

 そう言って、りんごさんが起き上がろうと体勢を変えたところで。

 

「……すの」

「え? なに?」

「さわって、ほしいん……っ、ですの……っ!」

 

 涙を溜めたターコイズの双眸で悲痛に訴えながら、エルシンシアさんが手を握ってきて、いとけなくもぐっしょり濡れそぼって火傷しそうなほどに発熱したあそこに誘導してきたのでした。

 

「あっつっ!? なに、これっ、フタナ杉のせい?」

 

 えぐみがあるフタナ杉は、基本的には好まれません。ではどうしてその手のフタナ杉が生き残っているかというと、それは強烈な催淫作用を持っているため、一回の寄生で繁殖する能力がきわめて高いからなのです。

 

 どうしてえぐみのない、いいフレーバーに催淫作用を持たせなかったのか、ですって? それは、樹液を悪用する輩が出てくる懸念があるからです。ですので、フレーバーと催淫作用の共存は、基本的には不可能な仕組みにしています。基本的には、ですけど。

 

 ちなみに、乱用防止のため、催淫効果にはすぐに耐性が付くようにも設計しています。基本的には、ですけど。

 

「んっ、んっ、んんんっ」

「ちょおっ、エルシィ、ほんとにへーきなの?」

 

 そうとは知らないりんごさんは、手のひらに必死に陰核を押しつけてくるエルシンシアさんに対して戸惑いを見せていましたが。

 

(なんか毒じゃなかったっぽいし、だいじょうぶかなー……? いつぞやの媚薬を浴びたときとおんなじ感じだし……今のエルシィ、すっごいえっちいし)

 

「いじるからね? きつかったら、言ってよね?」

 

 冷静に考えてみれば、天上民であるエルシンシアさんは常時、清浄なるアシャ・ワヒシュタの加護を受けていますので、毒物に弱くなるサジタリウスを降ろしていないときに、ただの植物の毒の効果を受けるわけがありません。そういうわけで、持ち前のなるようになれ精神で、りんごさんは求めに応じはじめます。

 

「ふぁあぁあうっ♥♥ あうっ♥ はぁうっ♥♥ あっ♥ あっ♥」

 

 途端にエルシンシアさんはあられもない嬌声を上げ、なりふり構わないと言った感じで、かっくんかっくん腰を揺らしながら、凄まじい快感に翻弄されているようでした。

 

 ためらいがちだったりんごさんの手つきも、エルシンシアさんの具合を見て、次第に興が乗ってくるや、いつも以上にねっとりした責め方に変化しました。

 

 数々の女の子を泣かせてきた(りんごさんの名誉のため、一応弁解しておくと、女の子たちにせがまれたのが先なのですが)人差し指と中指の本領発揮と言ったところです。

 

「はぁあああっ♥ いくっ♥ いくっ♥ イクっ♥ イクっ♥ っくぅうぅぅうんっ♥♥♥」

 

(わ、わー……すっご……)

 

 指ににゅるにゅると絡みついてくる膣粘膜の感触に、りんごさんも思わず感嘆。それもそのはず、いつもはきつきつでぷりぷりの若いお肉だったエルシンシアさんの幼膣が、ふわふわとろとろの熟成肉に変貌し、いつもより遥かに柔らかくぐにぐに動いていたのですから。

 

 実は、えぐみのあるフタナ杉には催淫作用のほかにも弛緩作用もあったのです。悪用されてしまったときに、女の子の身体を守るための善後策的な措置なのです。……ほんとうですよ?

 

(いつもよりやわっこくて、きもちー……これから、ここに入れるんだよね……)

 

 りんごさんはごくりと生唾を飲み込みます。エルシンシアさんのかつてない痴態と、フタナ杉がもたらす過大な生殖衝動が、りんごさんの理性を根こそぎ吹き飛ばしてしまっていました。

 

「んにぃいいいっ♥ ――っ♥ ――っ♥♥ ――っ♥♥♥」

 

 エルシンシアさんが声もあげられないほどひときわ深いエクスタシーに至ったのを見計らって、りんごさんは震えるエルシンシアの足を開かせ、愛撫と媚薬で桃色に充血し緩みきった陰唇に、どくんどくん脈打つフタナ杉を押し当てました。

 

「は……っ、は……っ、エルシィ……っ、入れるから、ね……いーよ、ね?」

「はーっ、はーっ、は……っ、……ふぁぃ……?」

「ちから、抜いてね……っ」

「にゃ、に――ぴぎゅぅうっ!? あぎ――っ! ――っ! ――っ!」

 

 十分な前戯をしていたこともあり、フタナ杉は無理なく侵略しつつありましたが、とはいえ、やはり一四歳の幼穴は小さすぎ、エルシンシアさんは子豚の悲鳴じみた声を上げ、かなり苦しげです。

 

 当然、フタナ杉も収まりません。七割も入ったところで、先端が行き止まりにぶち当たってしまいました。

 

「か、ふ――っ、こ、れ゛、い゛ぎ、でぎな゛――、――っ!? は――っ! ぅ――っ! ――っ! ――っ!」

 

 目を見開き、ぱくぱくと口を開け閉めしているエルシンシアさん。思いっきりイッてるんですね。

 

 エルシンシアさんは、厳密には処女ではありません。りんごさんに、天手で形成した張型で、ずいぶん前から何度も貫かれています。ですが指と舌を除いて、物質を挿入されるのは今回がはじめてで、しかもそれが本来の限界を超えて押し広げられているものですから、普段の何十倍もの異物感に昂ぶり、すぐに気をやってしまっているようなのでした。

 

(う、あ……とけ、そ……)

 

 そのため、りんごさんが受ける性感は尋常ならざるものでした。あつーいふわとろお肉の感触自体もさることながら、そのお肉がにゅるんにゅるんと絡みついて、そしてぞわぞわ蠢き、くすぐってくるのです。

 

 射精感をやりすごすために、りんごさんも一旦休憩。その間にエルシンシアさんも多少落ち着いてきたようで、ぜえぜえとなんとか呼吸できていました。

 

「どーお? エルシィ、痛くない?」

「楽、勝……、ですけど……圧迫感が、すごい、ですの……ですけど――」

 

 エルシンシアさんが額に汗で金髪を張りつかせ、陶然とした面持ちで、下腹部をそっと撫でました。

 

「ですけど?」

「なんだか……ほんとうに、りんごさんと、繋がれた、気がして……」

「~~ッ!」

 

 ぞくぞくぞく! と得も言えぬ歓喜が腰の奥から放たれ、背筋を駆けのぼり、後頭部にぐっさり突き刺さるのを、りんごさんは感じていました。

 

(もう長いこと、エルシィ以外の子とえっちしてなかったけど――なんかもー、できる気しないな……)

 

 そしてエルシンシアさんのことが無性に愛おしくて愛おしくてたまらなくなり、ごくごく自然に顔を寄せ、口づけをしていたのでした。

 

 最初はじゃれつくように、瑞々しい唇をついばみます。やがて舌を入れて、唾液でべとべとになるのも構わず、粘膜同士をいやらしく絡めあわせる濃厚な接吻に。

 

 ただひたすら欲望のままに、舐めまわしたり、吸いついたり、甘噛みしたり――、りんごさんの頭のなかに、エルシンシアさんを一晩中いじめたおす計画は微塵も残っていませんでした。

 

 唾液の糸を引かせながら顔を上げ、りんごさんは切なげにたずねました。

 

「ねー、動いて、いーい?」

 

 エルシンシアさんもとろんとした面持ちで、りんごさんの口元を細い指で拭いました。

 

「今日はもう、へたばったんじゃないんですの?」

「なにおー。生意気言ってると、泣かしちゃうぞ」

「こっちは今にも泣きそうですのに?」

「ぅは、その締め方、やば……」

「ふふ……楽勝ですの」

 

 エルシンシアさんのいじめてオーラもすっかり霧散して、甘いちゃモードに。まぁ、もうそんな雰囲気じゃないですし、久しぶりのえっちですので、普通にらぶらぶした方が充足感がありますから、仕方ないですね。

 

 所詮、調教プレイもふたりにとっては気まぐれからはじまった、ちょっとしたスパイスに過ぎず、ごっこ遊びのようなもので、そればっかり

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。