/ぴるぐりっ! ~はちはち異界巡礼譚~ 日本語版
/摧一切善之功 胎蔵界
/第一〇夜 逢魔万象
/第三錠
りんごさんは、仰向きに寝かせたエルシンシアさんの股間の上に手をかざしました。外套に触れるか触れないかの距離感でも、じっとりむわっと湿った熱が籠っているのがわかる蒸れっぷり。下着のなかが極苦処さながらに大変なことになっているのは、想像するにたやすいことです。
「んじゃ、ヤっちゃうよー」
りんごさんは指先からそっと雫を滴らせるようなイメージで、天手をエルシンシアさんの秘所に潜り込ませました。
「んっ!? ふ……!」
ぴくりと肩を震わせるも、紅い唇を噛んで耐え忍ぶエルシンシアさん。
(わー、ちっちゃ! ってかやーらか!)
三つも年下の(容姿ではもっと下のようにも見える)女の子の、未熟な恥丘の感触は、数えきれないほどの女の子と遊んできたりんごさんですら感動を覚えるほどのもちもちぷにぷに、極上の触り心地を与えてくるものでした。
ちなみに――天手は温度は伝えれくれないそうですが、形状や硬度や質量はわかるとのこと。ふつうの触感とは全然違っていて、空間ごとを脳で感じるんだとかなんとか。
(ってかもうべっとべと……でも触ったことすらなさそーだし、いちお、ほぐしたげとこっか)
まずは小手調べということで、天手でさわさわくすぐる感じで陰唇を上下になぞります。
「ぴゃっ!? ふ……っ、くぅ……っ! ……っ!」
(ちょっと撫でただけでこれかー……、まだかなーり緊張してるっぽいし……あ、そだ)
不可視の指が往復するたび、初々しく反応するエルシンシアさんの具合をおもんぱかって、りんごさんにある閃きが。
「ねー、エルシィ、これから徐々に敏感そーなとことか、深いとこ触ってくけど、これ以上はだめ! ってなったら教えてね。そこまでしか触んないよーにするからさ。それなららくしょーでしょ?」
「ん……っ! んっ! わ……、っ、わかった……っ、です……のっ」
自分に決定権が与えられたとわかったからか、エルシンシアさんがやや力を抜きました。まんまとりんごさんに乗せられたとも、気付かずに。
りんごさんは陰唇を刺激する天手を維持したまま、細長い別の天手を陰核にそおっと絡みつかせました。そしてこねこねと弄ぶみたいに、真珠のようなクリトリスの先端をかわいがります。
「んんっ!? ん……っ! ん……っ! んふぅ……っ!」
エルシンシアさんは一瞬、当惑の声を上げかけたものの、すぐにそれを受け入れました。なんだかちりちりするけど慣れれば大したことはない――エルシンシアさんは、きっとそう判断したのでしょう。
天手による愛撫は外部刺激ですが、温度もなければ摩擦もしないので、指で触るのと違って、痛覚の閾値には達しません。しかし性感量は変わらないといいますか、むしろ直接神経にもたらされるので、雑味がない分、開発があっという間に進んでしまうのでした。
「はぁ……っ、は……、ん……っ、ん……っ、ぉ……、んぁ……っ、ふゃ……」
深く熱い息を漏らし、瞳の焦点が怪しくなってきたエルシンシアさんの状況を見ても、それは歴然でした。呼吸はさっきより落ち着いていますが、明らかに快感を受容してしまっています。
「うぅ、ん……、ふぅぅ……っ、ふゎ……、……ぅんっ」
エルシンシアさんは、この日初めて性感を味わうはずですが、こうやって拒否感が現れる一歩手前でいじくられていくものですから、ごくごく自然に性的刺激に慣れさせられ、教え込まれていってしまうのでした。
「はぁぁ……、ぁふ……、ふぅ、ん……っ、……ほゎぁ……」
きつく結ばれていた唇もすっかり緩みきり、潤んだ双眸は垂れ目がちなのもあって、幼さを残した顔をますますとろけさせているようにも映じます。その様相は――。
(ぅ……っ、この子、やっば――)
少女性愛嗜好の気のあるりんごさんにとっては、纏多草の媚毒よりもなお情欲を沸き起こらせる要因ともなろうもの。
(止めるとか、やっぱ無理、でしょ――、あたし……わりと、本気で――、……ほしくなっちゃってる――)
きゅぅぅっと心臓が締め付けられるのを感じ、りんごさんは己のホットパンツのなかに左手を突っ込みます。そしてタイツの上から秘部を擦りつつ、さらなる天手の群れを展開。いとけない膣奥へと進軍です。
(このままイカせられるけど――イカせちゃったら、おわりだもんね……♥)
こんなことばっかり悪知恵の働くりんごさんが、慎重に慎重に天手を伸ばし、次に目指したのは小前庭腺――俗にGスポットと呼ばれる領域です。
(この辺、かなー……?)
ざっくり目星をつけ、りんごさんは天手でさわさわ刺激を送り込んでみます。
「はぁぁぁぁ……、ふぅっぅぅ……、んんぅ……っ、ふゎぁ……」
ごく微妙な変化でしたが、先ほどよりも深く熱く、しとやかな息遣いになるエルシンシアさん。
しかし体液は確実に着実に溢れてきていて、外套に深緑の染みをつくっていますし、体温によって白檀の香木の馨香と、喉に絡みつくようなかぐわしい女の子の匂いが立ちのぼってきています。ビンゴでした。
「おぉ……、ほぉぉぉ……、はふ……、はぁあぁぁぁ……」
性感の量の上昇率と質の変化率があまりに緩慢で連続的でしたので、エルシンシアさんはきっとお腹のなかがなんだかじわじわぽかぽかしはじめたぐらいにしかわからなかったでしょうが――その実、エルシンシアさんが堪能しているのはすでに相当な性感となっていました。
まどろむように、とろけるように、いつしか嫌だと思うハードルすらわからなくなったまま、どんどん思考を削ぎ落とされて、愉悦の沼に沈められていく――媚毒の助けもありましたが、もちろんそれは、りんごさんの思惑通り。
取り返しがつかなくなるぐらい高まるそのときまでエルシンシアさんが気付くことはなく、気が付いたときにはもうおしまい。快楽の大海の底なき慈悲なき逃げ場なき
唇の端から唾液をこぼれさせるエルシンシアさんのとろけ顔を覗き込み、りんごさんが鼻息荒く囁きかけました。
「ふーっ、ふ、んっ、っ、んっひひ……、どーお、エルシィ? ……っ」
「ふぇ……?」
「ふ……っ、これが……、えっちだよ……。っ……、きもちー、でしょ? しあわせ、でしょ? べつに……っん、やーな感じ、しないでしょ?」
「んふぅぅ……かりゃだ……、ぜんぶぅ……、はぁぁぁ……、ふやふやぁ……すりゅぅ……っ」
「はぁ……かわい……、もお、いーよね……っ」
くらくらするほどの昂ぶりに衝き動かされ、りんごさんの天手は最奥――子宮に到達します。
(うっわ子宮ちっちゃかわいー……、卵巣はこれかなー……? さすがにこの辺はまだ早いけど……子宮口ぐらいなら、ヤっちゃっても、いーよね……?♥)
初稼働にしていきなり莫大な量の愛液をせっせと大量生産させられている幼膣のなかで、りんごさんは天手を手のごとく五股に展開させました。そして分かたれた先端それぞれを指に見立てて、ぷりぷりした未成熟な子宮口をそっと摘まみ、撫でまわしたのでした。
「ぴゃぉぅっ!? ……っ!? ……???」
脱力し、弛緩しきった肉体にはひとたまりもなく、エルシンシアさんは困惑し目を見開きますが――。
「おっ!? おっ! おっ! あっ! にゃにっ!? にゃにっ!? あっ! あっ! にゃんっ! あっ! にゃんれすのっ!? あっ! あっ! まっへっ!」
すかさずこりこりかりかり、五本指で間断なくなぶられまくり、突如として明確に形を持った、圧倒的なまでのぞわぞわ感に悶絶です。
「これっ! あ! あ! らめ! あ! りゃめっ! んぉっ! とめひぇえっ! んっひいぃっ!?」
「えー? んんっ、な-に言ってんのか、わかんないしー、ぁっん……、止めらんない、なー?」
ぐっちょぐっちょとエルシンシアさんの胎内以上に、自分の陰部をいじくりまわしつつ、りんごさんは舌なめずりしました。最高のその瞬間を目前に、興奮のあまりりんごさんの瞳孔は開き切っています。
「しょっ、しょんにゃ――んあうっ! はっ! あ! あ! こんにゃ! こんにゃのっ! とんじゃうっ! はぁうっ! おにゃかっ! とんでっちゃぅうっ! ばらばらにっ! なっひゃうぅぅぅっ!」
雲の揺籃で午睡するような至福のまどろみから、突然激しすぎる享楽の荒波に放り込まれたエルシンシアさん、初めての制御不能な規模の快感に対し、対処の仕方も知らなければ、この先どうなるかもわからないので、もはや頭を真っ白にしながら寝具を握りしめて喘ぐしかありません。
(この子……っ、ほんっと、えっちすぎ……っ!)
「ひゃぁぁああんっ! もおおぉっ! やらああぁっ! ひんじゃぅっ! ひんじゃぅひんじゃぅひんじゃぅぅううっ! ひ――あっ!? ぅ――っ!?」
しかし、お腹を突きだすようにして仰け反り、髪を振り乱して、ただ泣き叫んで淫戯に痴れ狂うだけだったエルシンシアさんに、やがて最後の変化が訪れます。
「――っ!? はーっ、はーっ、にゃに――っ、これ……っ!? は……っ、落ち……っ!? 浮いて……っ!? あ゛っ!? こわっ! こわいっ! ぅっきゅぅ――っ!」
「っ、だいじょーぶ、だいじょーぶ、おかしくないから……ん……っ、そのまま、身を任せて――」
その予兆をなにより待ち望んでいたりんごさんは、昂揚で理性が根こそぎ吹き飛んでしまいそうになりつつも、しっかり攻め手のペースを守ってエルシンシアをその最も高い頂に追い詰めていきます。その甲斐あって――。
「あっ! あーっ! はっ! ふっ! あ! あ゛! あ゛! くるっ! くるっ!? きてるっ!? やっ! やあっ! こわっ! たすけっ! たすけてっ! おねえさまっ! おねえさまぁあぁっ! ――っ!? ――っ!? ――っ! ――っ! ――っ!」
「――っ、あたし、も――っ♥」
エルシンシアさんが、一四歳の女の子が人生で初めて迎えるにしては、深く鋭くあまりに凄絶なエクスタシーへ到達します。追いかけるようにして、りんごさんにも強烈な達成感に由来する充足的な絶頂が訪れました。
「ふうぅぅぅん……っ! っくぅっぅぅぅう……っ! ……っ!」
びっくんびっくん華奢な手足を痙攣させるエルシンシアさんを、満ち足りた余韻のなかで眺めていたりんごさんの胸の裡には、しかし一抹の疑問が生じていました。
(……おねえさま、って――?)
まぁ、まもなくエルシンシアさんが回復し、渾身の張り手を頂戴したおかげで、それどころではなくなったんですけども。
さてさて、りんごさんとエルシンシアさんがくんずほぐれつしていた頃、残された三人はというと、臨時休憩室より少し離れた広場で焚火を囲んで腰を落ち着けていました。どうやら魔物も襲う相手を間違えたと思い知ったのか、しばらく姿を見せる気配がなく、三人はゆったりティータイムに興じています。
「はすのさんは、どうしてそんなにお強いんですー?」
「ん……」
きらきら輝く純真無垢な青緑の瞳を向けられ、はすのさんは狐耳をひくひくさせて当惑します。
「わたしは……、べつに、強くない……」
「でも、ぼくを助けてくれたときなんか、ばしゅって飛んできて、ずばずばーってあっという間に纏多草をやっつけてくれたですー!」
「……あれは、コウルトで知り合った、
注目されたり話題に挙げられたりすることをとりわけ苦手とするはすのさんは、とにかく恥ずかしそうにしていますが、シィアさんが勘付く様子はありません。
「ぼくにもそういう剣があったら、できますですー?」
「……これは祭具じゃないから、むり」
「うぅ……そうですかー……」
はからずも、すげなくばっさり切り捨ててしまい、シィアさんが意気消沈します。
(ぁ……う……、こ、こういうとき、どうしたら――)
胸中にさらなる狼狽を積み上げていくはすのさんに、サンセットさんが助け舟を出しました。
「シィアさんは、強くなりたいんですね」
あどけない顔つきにはそぐわない真剣な眼差しで、シィアさんは肯んじました。
「ポホヨラのために、ママを絶対に探し出さなきゃいけないから――この先なにがあっても、諦めずに、ママを見つけるには、きっともっと強くならなきゃって、思うんですー」
「同行さんは、見つけないんですか?」
「ぼくの巡礼は、ママを見つけるための旅なので、寄り道したり、時間ぎりぎりになっちゃったり、間に合わなかったりも、あるかもなんですー。ぼくは弱っちいので、お役にも立てないのに、行けるところまで一緒に、っていうのは、虫がよすぎる話かなって、思うんですー」
「なるほどっ。さすがポホヨラの女王のお嬢さんだけあって、シィアさんはとってもしっかりした責任感をお持ちなんですねっ」
「そ、それほどでもないですー。ぼくはただ、みなさんにご迷惑をおかけしたくなくて――」
(……わたしの目的よりも、うまくいくかどうか、ずっとずっとあやふやなのに――それを、こんな子が、ひとりでだなんて――)
まじりけのないシィアさんのその確固たる意志を見せつけられ、はすのさんは心臓に利剣が突き刺さったような衝撃を受けていました。
(……つよい。もう、つよいよ、シィアは――わたし、なんかより、よっぽど――)
「はすのさん、ぼくでも強くなれる方法、知ってますですー?」
「ん……んん……」
どうにかちからになれないものかと、はすのさんは眉間に眉寄せ、しばし熟思してみますが、シィアさんに適切なアドバイスはひとつも思い浮かびません。はすのさん自身、毎日山に籠って地道に鍛錬する(時折りんごさんに協力してもらったりして)ぐらいしか経験がありませんので、仕方のないことですけども。
「旅をしながらでしたら、できることも限られてますし、ご主人さまが大事にしてること、大切に思っていることを、伝えてあげたらいいんじゃないでしょうかっ」
「……大切に、思ってること……」
サンセットさんの助言を得て思い馳せるは、いつもの狩りや、旅に出てからこっち、何度も陥りそして切り抜けてきた窮地の場面。
「……自分を見つめ直して、自分の出来ることを見極めて……、自分の得意なとこで、勝負すること、かな……?」
「ぼくの、得意なこと……、うーん……、わかんないですー……」
「サンはひとつ、知ってますよ」
「え!? なんですー!?」
「それは、とっても博識なことです。スフィンクスのなぞなぞに、色んな神器の名前まで――天上民のエルシィさんにも引けを取らない物知りさんだと思いますっ」
シィアさんは真っ赤になって慌てふためきました。
「あわわ……そ、それは、ぼくを育ててくれた、プロムっていうひとが教えてくれたからですよー。プロムママは、昔は吟遊詩人さんだったとかで、毎晩お話を聞かせてくれたですー。神話以外は、ぼくは全然で……」
「それでも、複数の神話を跨いだ知識を持っている方はそうそういませんよっ。ほかの方には絶対に真似できない、すばらしい長所ですっ」
(さすがサン、よく見てる……ん?)
話題が自分から逸れたことでほっと胸を撫で下ろしていた矢先、はすのさんはやにわに立ち上がり、臨戦態勢。柄に手をかけました。
「ご主人さま? どうなさったんですか?」
「視線、感じる」
「また、魔物ですー?」
「違う。これは、人間みたいな――」
険しい表情で闇の奥に目を走らせるはすのさんをよそに、ごごごごごと重低音が響き、はたして休憩室の石扉が開かれました。なかから現れたのは、片頬を真っ赤に腫らしている割にやけにすっきりした面持ちのりんごさんと、深くフードをかぶってうつむいたままぶつぶつ
「あ! りんごちゃんっ、エルシィさんっ。ご無事ですかっ」
「んー、まー、らくしょーだった、かな?」
「……ほっぺた、赤いけど、なにがあったの、りんご姉」
「え? いやー、またなぞなぞみたいなのがあったってゆーか……ま、そーゆーことで、ね」
「……?」
りんごさんに言葉を濁され、首をかしげるはすのさんでしたが、ほかのふたりは雰囲気で察してしまったようです。シィアさんに至っては、耳まで朱が差しています。
エルシンシアさんは誰とも顔を見合わせようとせず、今にも爆発寸前といった感じで、腹の底から絞り出すようにして唸りました。
「……さっさとこの最悪最劣の