アズレン夜伽話 作:変幻アズレン屋
ソビエツカヤ・ベラルーシアは豪胆無比なKAN-SENだ。
彼女を含むソビエツキー・ソユーズ級戦艦は「かつての大戦」に於いて起工こそするも建造に至らぬまま解体されているが、彼女がそれをコンプレックスに感じている所は見られない。
寧ろ「あんな欠陥品の装備で戦場に出るなど願い下げだ」と宣言する気迫と自信に満ちており、実際KAN-SENとしての彼女は戦闘を行う度にカンレキの少なさを全く感じさせない程のセンスと直感によって戦果を挙げていた。
その有り様は正しく女傑。
比類なきカリスマ性を持ち合わせた、強者だ。
であればこそ、そんなベラルーシアが指揮官の心を射止めたのは至極当然と言えよう。
明朗快活な性格の彼女は人間関係であっても正面から正々堂々ぶつかり合い、逃げも隠れもせずに互いの心を感じあった結果として銀色のエンゲージリングを左手の薬指に嵌めていたのだ。
今や彼女は母港全てのKAN-SENの羨望を一身に受ける、ある種のアイドルであった。
赤城が、ベルファストが、オイゲンが────ありとあらゆる陣営の、ありとあらゆるKAN-SENが文字通り彼女に嫉妬したのだ。
例え当人が指輪を「互いを結び付けるファクターの1つ」としか考えていなくてもそれは変わらないし、ベラルーシアもその嫉妬こそ自らが優れている証だとして否定せずに受け入れていた。
が、しかし──────
■■■
疼く。
衝動が、欲求が、あらゆる感情が心の中で疼いている。
しかし、それを顔に出してはいけない。
表出させれば彼女の全てが無駄になる。
「……フン」
北連が誇る戦艦にして人類の希望たる指揮官の伴侶であるソビエツカヤ・ベラルーシアは、人目を忍んで深夜の母港を歩いていた。
時刻は既に午前0時を回り、ごく一部の警備やKAN-SENを除けば皆眠りに就いている頃だろう。
それは指揮官とて同じ事であり──だからこそ、この時間でなければならない。
「────」
ロイヤルの寮を掠め、軍港施設を横目にひたすら歩を進めるベラルーシアは、母港の端にポツンと佇む建物──即ち、雑用や工事等を行う男達が寝泊まりする宿舎へと侵入した。
警備の者はいつもの事ながら居眠りをしていたが、彼女はそれを咎めなかった。
そして「いつも通り」部屋の扉を叩く。
「Добрый вечер(こんばんは)、ベラルーシア」
「Добрый вечер、同志」
ベラルーシアを出迎えたのは中肉中背なこれと言って特徴の無い、北連の青年である。
彼はこの母港で書類の廃棄や明石の商店等を手伝う年若き二等兵であり、この少々古びた寮に住まう数少ない男性だ。
「もう、業務には慣れたのか」
「ええ、お陰様で。皆とても優しくしてくれる」
「そうか……それは何よりだな」
ベラルーシアと青年の接点は大したモノではない。
いつも通り「やらかした」明石の後始末に追われ、その細腕で瓦礫の山を片付けている所を偶々通りがかったベラルーシアが手伝ってやった──それだけの関係性だ。
だが、しかし。
「僕は貴女にも優しくして欲しいんだけど」
「フン、馬鹿な事を──んッ♡」
青年は獣欲に呑まれた視線を隠す事もせずに、はち切れんばかりに実ったベラルーシアの乳房へと手を伸ばす。
彼女もそれを拒まず、寧ろ腕を組んで乳房を寄せ上げる事で軍服越しに肉の実感を伝えようとしていた。
(──っ、そうだ。これが欲しかった……!)
布地の上から這い回るゴツゴツした指の感触に感覚を集中させながら、ベラルーシアは鼻にかかった歓喜の溜め息を漏らす。
そう、ベラルーシアは指揮官との愛を裏切り青年と肉体関係を結んでいるのだ。
それも1度や2度ではなく、この3ヶ月の内に20回に登る程。
ここ最近は互いに忙しく体を重ねている時間など無かったが──久方ぶりに、ベラルーシアはKAN-SENから女になる。
「こうやって優しく揉まれるのが好きなんだよね?」
「お前があまりにも軟弱だから──っは♡鍛えてやろうと言うだけだ」
「相変わらず素直じゃないんだ」
「うるさい……っ、口を動かす暇があったらもっと手を動かせ──んんっ♡」
少しずつ、少しずつベラルーシアの瞳に情欲の火が灯る。
あまりに大きく軍服のボタンを止められずインナーを丸出しにした、破廉恥な胸元。
抜群のスタイルを持つKAN-SENではさして珍しくもないが人間がするにしてはあまりにも性的な衣服を突きだし、やわやわと揉みしだく青年の指に押し付ける。
「──っ、はぁ♡んんっ♡そうだ同志、もっとしろ……!」
青年の指が乳肉に沈み込む度に、ベラルーシアの背中がびくりと震える。
彼女の素肌はその剛毅な性格に反して敏感だが、例外として乳房は服を纏っている時の方が感度が良くなる事を青年は知っていた。
指揮官に何度も抱かれているベラルーシア自身すら知らなかった性感帯を、青年はたった1度体を重ねただけの見抜いてしまったのである。
それは正しく肉の罠。
ほんの少し気を許したが最後、正面からぶつかり合う指揮官との交流では絶対に逃れられない粘着質で湿った罠にベラルーシアは嵌まったのだ。
「僕はもっとベラルーシアとお話ししても良いんだけどなぁ……」
「だま、っれ……♡そんなつもり──ぃう♡最初から無いだろうが……あんッ♡」
青年は敢えてベラルーシアのスカートを脱がさず、布地の上からむっちりとした臀部を撫で回す。
KAN-SENとして強靭なな肉体を与えられた彼女はショーツを着用しないので、革の向こうに秘めらているのはありのままの生尻だ。
その柔らかく、しっとりとした触感に満ちた肉に指を沈ませればベラルーシアはじわじわと染み込む熱に甘い吐息をついた。
「ね、ベッド行こうよ」
「あ、ああ────んむッ♡」
そうしてもつれ込むようにベッドに女を押し倒した青年は、遊ぶようなフレンチキスを落とした。
これもベラルーシアは拒まない。
青年の頭を抱え込み、咥内に侵入してきたぬめった舌を従順に迎え入れる。
鼻息も荒く、我が物顔で蠢く青年の舌に己の舌を絡めて奉仕する。
「んんっ……♡んちゅ♡んむッ♡んんぅ……♡」
厚めの黒いニーソックスに包まれた脚がピンと伸び、ソビエツキー・ソユーズ級としての矜持をかなぐり捨てた軟体動物さながらのキスを繰り返す。
今やベラルーシアの肢体は淫らな熱に犯され、淫靡なフェロモンをさして広くはない室内に燻らせ始めていた。
スリットの入ったスカートの内でもじもじと太股は擦り合わされ、その根元からは淫蜜が止めどなく溢れだしている。
そう。年端もいかない、片手で捻りあげられる程軟弱な男に組み敷かれてソビエツカヤ・ベラルーシアは興奮しているのだ。
「満足した?」
「まだぁ……キス、もっとしろぉ……♡」
涎で口元をべったりと濡らしなから、ベラルーシアは懇願する。
こんなに甘い、媚びた声は指揮官にすら出した事が無い。
どろどろの欲求に、火照る肉体に──女はその身を委ねる。
■■■
「はーっ♡はーっ♡あはぁ……♡」
「あはは、すっかり出来上がってるじゃん。ベラルーシアはホントに淫乱だなぁ」
「それは……っ、ふぁッ♡同志が、こんな──んぅッ♡」
「言い訳したってダメだよ?ほら、ベラルーシアの汁でこんなに指がねばねば……」
「い、言うなぁっ!ひぅっ♡」
気が付けば、服は殆ど脱がされていた。
北連の気高さを示す純白のコートも、胸のサイズに対して明らかに小さくボタンすら殆ど止められないコートも、深いスリットの入ったスカートも、ぴっちりと肌に密着したインナーも何もかも床に打ち捨てられ、ニーソックス以外の全てを失ったありのままの姿をベラルーシアは青年の下で晒していた。
そして膝まで伸ばした艶やかな青髪を散らし上気した頬を隠す事もせずに、青年の焦らすような表層だけの手マンに悶えている。
「……っ、ふぅッ♡んんッ……♡あぅッ……♡んくぅッ♡」
「ダメだよ。声は抑えないで」
「あぁッ!?んひッ♡あはぁッ♡あぁんッ♡」
口を結んで何とか矯声を抑えようとするベラルーシアを咎めれば、すぐにそうなった。
普段見せている豪胆さはすっかり鳴りを潜め、青年の指の為すがままに肉感たっぷりの肉体を弄ばれる。
「なんで──あぁ♡こ、こんな……んんぅ♡ダメだ、イけない……んぁぁッ♡」
「ベラルーシアは敏感なんだから、すぐイっちゃったら楽しめないでしょ?」
「そ、そんな────」
女を焦らす事においで青年は天才であった。
短く整えられた爪がクリトリスを中心に、しかしそれには触れないよう周囲を撫で回せば、小さく水音を立てて開閉する淫唇から粘度の高い愛液がとろとろと垂れ落ちる。
抵抗する気配など一切見られず、ベラルーシアは心の底から青年の指に隷属していた。
だが、本当はこんな筈ではなかったのだ。
(ダメ──ダメだ。私はこの男に逆らえない。ダメだと分かっても此処に来てしまう……♡)
最初に手伝いをして以来、驚くべき程のスピードで青年はベラルーシアの心に滑り込んだ──いや、青年が張った蜘蛛の巣にベラルーシアが猛スピードで突っ込んだと言うべきか。
決してぶれない芯がある指揮官とは真反対の、どこか頼り無く庇護欲をそそられる青年にベラルーシアはのめり込んでしまったのだ。
念の為に経歴を洗ってみるも、何処かの陣営が放った間諜と言う訳でもない。
完全に都合の良く、鋭く尖ったベラルーシアの穂先を容易に絡め取る男。
そうして全く気付かぬ内に心を許し、誘われるがままに体を重ね──箍が外れた。
「鬼畜──ぅあ♡同志は鬼畜だ、っ、ぅん♡私をこんな風にして……!」
「鬼畜とは心外だなぁ、元々ベラルーシアに淫乱の素養があっただけでしょ?」
青年を詰るも、言葉の端々は快楽で蕩けている。
そう、段違いだったのだ。
太さも、テクニックも、持続力も指揮官とは天と地ほどの差があった。
不貞に及んだ後悔は10分もしない内に女陰を掻き回される喜びに変わり、どこか怖じ気付いていた腰は抽挿の度に青年の腰にぐりぐりと押し付けるようになっていた。
そして一夜の内にベラルーシアの中からプライドと指揮官への操は失われ、代わりに逞しい肉棒に媚びへつらう世にも卑しき女が出現したのだ。
「ココはどうかな……?」
「あッ!?はぁッ♡ふ、くぅッ♡んんぅ────♡」
──故に、散々焦らされたクリトリスを青年がそっと撫で上げた時、それだけでベラルーシアは軽い絶頂を迎えてしまった。
ぴりぴりと痺れるような快感の中、爪先を丸めて腰を跳ね上げた女がびくびくと震える。
みっともなく喘ぐKAN-SENを見下ろして、青年はあざけるようにくすくすと笑った。
「前、わざとランジェリー置いてったでしょ」
「な──!」
「色んなヤツが来るから、あれ隠すの大変だったんだよ?」
「ち、違う……!あれは────」
絶頂の余韻で肉体をくねらせながら女は声を震わせる。
そう、当人は否定しているがおよそ2週間程前になる前回の性交の際、ベラルーシアは意図してネグリジェを忘れていったのだ。
理由は勿論、ただ1つ。
「違わない。また此処に来る理由が欲しかったんだよね。ランジェリーを回収しないといけないからって……」
「────!」
「図星なんだ」
「そんなに私を辱しめて、楽しいか……?」
「楽しいよ?ベラルーシアは可愛いもん」
「このっ……!」
カッと赤くなった顔を両手で覆うベラルーシアの耳を舌でねぶりながら、青年は囁く。
「ね、今日はアレ着てしようよ」
「……何だって?」
「いいでしょ?その方がきっと気持ちが良いよ?」
それはそうかもしれない、とベラルーシアは思った。
先にも述べた通り、彼女は全裸で事に及ぶよりは多少の布を身に纏っていた方が乳房の感度が高くなる。
それに加えて2週間振りのまぐわい。
次がいつになるか分からない以上、どうせなら最大限気持ち良くなるべきなのではないだろうか。
(もっと──もっと、気持ち良くなれるのか……?)
最早ただ陰茎を挿入されるだけではベラルーシアは我慢できない。
より気持ち良く、より激しく、より淫らにと逆上せた思考が囁いている。
だったら────
「……分かった。着る」
次なる快感に、ベラルーシアはごくりと白磁の喉を鳴らした。
ランジェリーとは下着や部屋着の内特に装飾によって「女性らしさ」を強調するモノであり、その大体がカラフルな色彩やレースを用いて着用者をアピールする意図を持たされている。
更にその中でもセクシーさ、性的アピールを重視したモノが所謂「ベビードール」だ。
ベビードールは他のランジェリーと比べて保温や吸汗と言った基本機能ではなく、薄さを意識した視覚へのインパクトを重視している。
例えばレースやフリルを追加したり、胸元にスリットを入れてそれを紐で結んだりと言った過剰なまでの装飾と布地の削減が為されている場合が多いだろう。
「ふーっ……♡んはぁ……♡んちゅっ……♡んりゅぅ……♡」
今、腰まで青髪を伸ばした北連の女傑──ソビエツカヤ・ベラルーシアは扇情的な黒いベビードールを身に付けて、ベッドの縁に腰掛けた青年の股座で丹念に肉棒を舐め上げていた。
文字通り指揮官等とは比べ物にならない、バキバキに勃起した肉の槍に奉仕しているのである。
「──んッ、れる……♡んちゅッ♡ふぁぅ……♡んッんぅ……♡」
垂れ下がった睾丸から浮き出た筋を舌の腹でなぞり、張り詰めたエラの裏側を刮ぎ取って、最後に赤黒く膨らんだ亀頭を舌先でチロチロと舐め回す。
そのサイクルを何度も、何度も──ベラルーシアは肉棒全体に唾液をまぶすかのようにして繰り返していた。
「んぁぁ……♡どうだ……これで、良いのか……♡」
「うん、その調子で続けて」
「ああ──んりゅぅ♡ちゅっ♡ちゅぱっ♡れるぅ♡」
そんな女の奉仕を受ける青年は時折満足気な吐息を漏らしながら、右手で彼女の頭をゆっくり撫でていた。
幾ら世界広しと言えど、北連のKAN-SENを跪かせて撫でる男など本来指揮官だけであり──この青年が如何に異常な状況に身を置いているかが介間見える。
その一方で左手は乳房へと伸ばされ、レースが刺繍された布地ごと下部からやわやわと揉みしだいていた。
(あぁ……胸、ぴりぴりして──変になりそう……ッ♡)
KAN-SENにあるまじき娼婦の如き扱いを受けるベラルーシアは、しかしじわじわと染み込む淫熱に興奮を隠せなかった。
これが指揮官相手では此処まで乱れる事はなかっただろう。
彼は明るく誠実だったが、性に関しては控え目に言ってかなり稚拙だ。
キスの仕方も胸の揉み方も知らない、挙げ句の果てに早漏な男をベラルーシアは導いてやったりもしたのだが──結局それでは満足出来なかった。
「同志の……匂いっ♡じちゅッ♡同志の、我慢汁っ♡これ、これぇ……♡これが欲しかったのぉ……♡りりゅ……♡」
北連の仲間が聞けば耳を疑うような媚びた牝声を漏らしながら、ベラルーシアは青年の肉棒に奉仕する。
陰嚢の皺を舌先で丁寧に伸ばしたかと思えば、先端から溢れ出る我慢汁を舐めとるその行為は、一見先ほどまでいいようにされた事への逆襲に見えるが────
(何故──何故だっ。何故舐めているだけなのに体が疼く……!)
熱心に肉棒を舐め上げる彼女の太股は、その内心に反してもじもじと擦り合わせられていた。
わざと大袈裟に立てたフェラの音に掻き消されてこそいるものの、耳を澄ませればベビードールでほんの僅かに隠された秘裂からちゅく、ちゅく、と濁った水音が聞こえる筈だ。
そしてそれ故に、ベラルーシアの決壊は当人が想定するよりずっと早い。
「──ぁむ♡んぶッ♡すまない……ッんむッ♡同志指揮官……だが、ふはぁ♡わらひは、もう……んむぅッ♡」
愛する男に懺悔しながら、たった5分で我慢の限界を超えたベラルーシアは青年の逸物を頬張った。
そう、最早どうあっても指揮官では満足出来ないのだ。
初夜の時に軽く腰を振っただけで情けなく射精され、愕然とした事をベラルーシアは今でも鮮明に覚えている。
ヘコヘコと腰を打ち付けられるだけでは1回たりとも絶頂出来なかった事を、体が明確に記憶している。
だから──この青年が欲しい。
「んッんッんッ♡んんぶッ♡んじゅっ♡じゅぷッ♡じゅじゅッ♡」
生易しい動きをするつもりはなかった。
眉根を寄せたベラルーシアは、頬を凹ませその美貌を自ら台無しにしながら顔を激しく前後に揺らして、すぼめた唇で以て肉棒を愛撫した。
同時に左手が睾丸を揉みほぐし、右手は輪っかを作って根元の辺りを扱き上げる。
指揮官とではなく、青年の部屋に通うようになってから身に付けた手管の1つだ。
「っ。それ、イイ……!」
「んぅ──♡んぶッ♡じゅぱッ♡じゅぶりゅ……♡んぶぅッ♡」
堪らず、と言った様子で漏らした青年の反応に嗜虐心がそそられ──より激しくなった頭の動きに合わせて艶やかな青髪が舞い踊る。
ただ一方的に弄ばれるだけでなく、適度に反撃の余地が残されている所がまたいじらしかった。
これもまた指揮官とでは得られない、湿った粘性の快感だ。
「っ、ぐ、ベラルーシア……!」
「じゅぼッ♡ぐぶッ♡ぶちゅッ♡んッ♡んッ♡んぶぶッ♡んぅぅ──♡」
そして頭を撫でていた手が押さえ付けるような動きに変化した時、どくどくと竿が脈動を始めた時、ソビエツカヤ・ベラルーシアは青年の腰をガッチリと掴んで茂みに顔が埋まる程深く肉棒を咥え込んだ。
「っ、あ、射精る……!」
「んぉッ!?んくッ、んぶぅぅぅぅ────♡」
青年が表情を歪めるのと同時にびゅぶ、と音を立てて煮えるような粘液がベラルーシアの喉奥に直撃した。
青年の手は女の頭を掴んで固定し、逃げる事を許さない。
そんな突然の暴虐に驚きつつも、ベラルーシアは猫のように目を細め普段艦隊に檄を飛ばすその口で雄のマグマを受け止める。
「んっ……く、んく……ん、んん……」
こくり、こくりと喉仏が上下すると、喉に絡み付く精液の感触にベラルーシアは心の底から歓喜した。
これが──これが欲しかったのだ。
指揮官とは量も濃さも桁違いの、文字通り女を屈服させる魔性の液体が欲しくて欲しくて仕方がなかった。
一滴足りとも溢すまいとえづきそうになる己を抑え受け止めた精液を体内へと流し込む。
そうして何分が経っただろうか。
完全に脈動が収まったのを確認すると、ベラルーシアは右手で根元辺りを緩く扱きつつも咥内から肉棒を引き抜き──口を開けて、キチンと飲み干した証拠を見せ付ける。
「ん、偉い偉い」
「あはっ……♡」
青年の適当極まりない賛辞に、女の心が悦びで満ちる。
もし彼女が犬であれば、尻尾を千切れんばかりにぶんぶんと振っているのは想像に難くない。
まるでペットだ。
北連の誇りあるKAN-SENが。
何者にも崩せない筈の女傑が。
醜悪な男の性器をしゃぶって悦ぶなど──一体どこまで征服欲を煽れば気が済むのか。
その昂りが青年に次の行動を起こさせる。
「あっ……♡凄い、こんなに熱い……って事は、まだやれるんだな……♡」
「当たり前じゃん。こんなにエロいんだからさ……」
「口ばかり達者でも──っ、硬い……♡」
乱暴に両腕を掴み、引っ張り上げたベラルーシアを腰に乗せる。
射精を終えてなお硬く反り返った肉棒が、物欲しげに涎を垂らす秘唇に擦れてにち、と淫猥な音を立てた。
だが、挿入はしない。
困惑するベラルーシアをそのままに、ただ彼女の椅子となる。
「な、なんで……?」
「ねぇ、ベラルーシア────」
彼女の耳に口を寄せ、耳朶を食みながらひそひそと囁く。
ペットとしての忠誠を見せてみろ、と。
「おねだりしないと、ダメでしょ?」
「────!」
ベラルーシアの頬が真っ赤に染まった。
ただでさえ壊れかけのプライドを、完全に壊せと。
指揮官ではなく僕に忠誠を誓えと、その証を此処で示せと言外に要求されているのだ。
「いらないの?」
「……欲しい」
忍耐の限界は当の昔に超え、正常な判断力を失ったベラルーシアはぱくぱくと口を開閉させている。
どうしても欲しいが、人の人格を持つ者として最低限のプライドが邪魔をするのだ。
「コレ」だとか「アレ」呼ばわりは出来ても卑語を口に出す行為には僅かな抵抗感が残っていた。
「じゃあ、ちゃんと言わないと」
「くっ……」
ベラルーシアは腰をカクカクと前後に動かし必死になって濡れた秘唇を擦り付けるが、其処から先が続かない。
挿入しようと腰を浮かしたその瞬間に、青年の腰はスッと引いてしまう。
(い、言えるものか……!例え同志が相手でも、「あんな事」言える訳が……!)
心の中で必死に否定するも、ベラルーシアの肉体はあまりにも正直だった。
はっ、はっ、と息を荒げ肉棒に愛液をなすりつける光景は、その淫靡さを除けば犬のマーキングにも見える。
攻防を繰り返す内に気付けば女の唇も「お」の形に歪められ、喘ぎにも近い小さな声を発するようになったが────
「それじゃあお預けかなー」
「あッ♡やっ……♡」
羞恥に堪えきれず顔を伏せたベラルーシアの乳房に──1番の性感帯に、そっと青年の手が添えられた。
(あ──────)
ただそれだけ。
揉む事もベビードールを脱がせる事もせずに、ただ体温だけが伝わってくる。
なのに──女の意識は焼け落ちた。
「お、ぉ……っ!」
口が緩み、明確な「お」が静かな部屋に響く。
屈服と屈辱を迫られた女の意識が撹拌される。
そして────
「お、おちんぽ……♡」
言った。
言ってしまった。
指揮官には絶対に言えない、屈辱の一言目を口に出してしまった。
切欠さえ作ってしまえば、後はもう止まらない。
「ど、同志の……同志のガチガチおちんぽ、私のおまんこに突っ込んでくれっ!おまんこ目茶苦茶にして、同志のザーメンで種付けしてぇっ♡」
「分かった」
返事は一言。
一息に言い切ると同時に濡れた肉塊が肉筒に押し込まれ、秘裂が左右に割り開かれる感触にベラルーシアは口を大きく開いて喘声を上げた。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ♡」
それは間違いなく、女が待ち望んだ肉棒の感触だった。
瞬く間に膣口が雄の槍で押し広げられ、傘の部分が肉襞を削ってずぶずぶと潜航する。
続いて突き上げられた青年の腰が腿肉に密着した時、ベラルーシアはそのしなやかな背筋を弓なりに反らして絶頂の法悦に喘いだ。
「────っ、ヤバ……!」
だが、そんな女の事情に男は頓着しない──と言うより、している余裕など無い。
ちゅるちゅると絡み付き、襞のブラシで肉棒を愛撫するベラルーシアの肉筒は最高の名器だ。
1度彼女と交わってしまえば世界中のどんな女を抱いても2度と満足する事は無いだろう。
故に、青年は最初から責め立てるように腰を振った。
「あッ♡あンあンあぁッ♡そんなっ、うぁぁッ♡いきなりぃッ!?」
ずちゅ、ずちゅ、とうねる膣肉を猛った怒張が出入りする。
エラまで引き抜かれた喪失感に眉を潜めた次の瞬間、めりめりと押し込まれた肉塊が胎を焼く。
青年の首に回した腕の間で、寄せあげられた乳房がベビードール越しにたぷんたぷんと弾み──弾ける。
「んんぅッ!?ち、ちくびぃ♡んおぉ♡ちくびやめろぉッ♡ッい♡んいぃッ♡」
躍動に堪えかね布地から飛び出した乳首が青年の口に捕らえられ、ベラルーシアの肢体が激しく跳ねる。
軽く気をやった彼女を無視してばすばすと腰を打ち付ければ、艶やかな青髪が舞い踊った。
「あぁンッ♡奥っ、奥もっと突いてぇ♡あッ♡イイッ♡はぁっ♡深いぃ♡」
遂には自らも腰を振り出したベラルーシアが淫らに啼き、恋人がするような──絡み付くような湿った対面座位を享受した。
それは「女」を満たしてくれる青年との交わりに対する歓喜。
KAN-SENとしての己を脱ぎ去る抵抗、今まで築き上げたプライドの崩落、そしてあまりにも下品に乱れる自分の姿への羞恥。
恋人と呼ぶにはあまりにもはしたない表情を浮かべ、純情と呼ぶにはあまりにも貪欲な動きでベラルーシアは腰を振るう。
「すきっ♡同志の雄ちんぽすきぃっ♡おッ、おぉッ♡奥まで届くぅぅ♡はひッ♡ひぃぁッ♡おおぉ♡おっ♡おおおッ♡」
薄手のニーハイに包まれた両脚が、上下する青年の腰に絡められる。
112cmの乳房を、むっちりと実った尻肉を、白く泡立つ結合部を押し当て、再び膨張しつつある雁首の感触をより深く迎え入れようと腰をくねらせる。
そうして猥語を放つ唇から飛んだ涎が胸板を汚せば、いよいよ以て突き上げが激しさを増し始めた。
「あぁッ♡ぁ、あ゛ーっ♡ダメっ、イクっ♡イっク♡お゛ぉっ!?ぶっといぃ♡指揮官よりぶっとい同志のちんぽでイク、イクイクイク────」
天井に向けて開きっぱなしの口から悲鳴染みた喘ぎが垂れ流され、誇り高きKAN-SENがただの雌に堕ちる。
上限を超えた性感が、無制限の快感となってベラルーシアの脳を焼く。
青年に腰の動きをシンクロさせ、千切れてしまうのではないかと思うほどきつく膣を締め付けるその肢体がぶるぶるっ、と震え────
「お゛ッ────────♡」
ぶびゅぐ、と勢い良く噴き上がった精液が子宮に注ぎ込まれ女の背筋が反り返る。
どくんどくんと脈動する肉棒に膣襞が寄り添い、淫らな雌の征服を促すようにぬめって蠢く。
「~~~~ッ♡あぇッ♡あぁッ♡っん♡くふぅッ♡」
声を噛み殺そうとして、しかし快楽の逃げ場を失った喘声が漏れた。
平時の軽薄さを脱ぎ捨て寡黙に白濁液を放つ青年と絡み合い、一心不乱に互いの熱を感じ取る。
「はーっ……!はぁっ……!」
5分も経っただろうか。
硬直が解け脱力したベラルーシアは、ぼふりとベッドに倒れ込んだ。
全身から噴き出した汗にベビードールを濡らし、頬に貼り付いた髪を剥がす事すらせずにひくひくと震えている。
青髪の女への種付けを終えた青年は何をするでもなく、ただ見下ろしていたが────
「ぉ……犯して、くれ。もっと、もっと……おかしくなるまで、滅茶苦茶にしてくれ……!」
汗で濡れ光る腰が突き出される。
四つん這いになり、自らの指で淫唇を開き、肉筒から垂れ落ちる精液を見せ付ける。
雄に完全屈服した雌犬の姿を、青年に見せ付けた。
「はやく、はやくぅ……♡」
「この……!」
あまりにも安い挑発に、あまりにも品の無い懇願。
しかしだからこそ、青年は雌の誘惑に抗えない。
「あぁぁぁぁ────♡」
ゆらゆらと揺れる尻を両手で掴み、獣のように覆い被さると蕩けるような、甘い鼻にかかった媚声が部屋中に響いた。
夜はまだ──始まったばかりである。
長針が1周した。
仰向けに横たわった青年の上で、ベビードールを脱ぎ捨て四つん這いになったベラルーシアが肉棒を乳房で挟んで揉み潰す。
ぬぐ、にゅぶぶ、と重みのある肉塊が、汗と唾液を潤滑油にして弾む。
やがて、スライムのように歪んだ乳房に白濁した液がぶちまけられた。
ベラルーシアは下顎にも打ち付ける雄の体液に、満面の笑みを浮かべた。
────朝はまだ来ない。
長針が1周した。
青年が構えたハンドカメラの中で、騎乗位のベラルーシアが腰を打ち下ろす。
精液でどろどろに汚れた豊満な乳房が、たぱんたぱんと上下に弾む。
青年がシンクロさせていた腰の動きを止めると、サディスティックな微笑は困惑に変わった。
捕食者から雌犬に早変わりした女が、青年に胸を押し付けて懇願を始める。
────朝はまだ来ない。
長針が1周した。
青年に組み敷かれ、正常位で犯されたベラルーシアが甘い悲鳴を上げる。
青年の胸板と乳首が擦れ、痺れるような悦楽を女に伝える。
ぱちゅっ、ぱちゅっ、と肉の打ち付ける音が部屋の中に響き渡り、膣を耕す肉棒に悶えた脚がシーツに新たな皺を刻んだ。
────そして、朝は。
「んッ……♡んちゅっ……♡んふ♡んん……っ♡」
カーテンの隙間から僅かに射し込む陽光の中で、ベラルーシアは半勃ちの肉棒をしゃぶっていた。
もう後1時間もしない内に起床時間となるだろうし、ロイヤルメイド隊は既に炊事や洗濯に勤しんでいるだろう。
身嗜みを整える事を考えれば、刻限は相当に迫っている。
「帰らなくて良いの?」
「んっ……♡」
しかしベラルーシアは、青年の問いに対して亀頭にキスをする事で返答した。
完全に理性を失っているのだ。
鋭い碧瞳を性交の悦楽に蕩かし、全身を体液塗れにした女に正常な判断をするだけの心は残されていない。
「ねぇ──────」
故に────
「指揮官に、この格好見せてあげよっか」
「んぶぅ……♡あはっ♡」
あまりに破滅的な青年の提案にも、ベラルーシアは肉棒を咥えて笑うだけであった。