アズレン夜伽話 作:変幻アズレン屋
一言で纏めてしまえば、重桜企業──蔵王が主催のレースイベントは大成功を収めたと言える。
報告によれば、老いも若いも男も女も全世代の人間が満遍なく来場し、会場には破裂寸前まで客が詰めかけたらしい。
……まあ、それもKAN-SENの出演が決まった以上当然なのだが。
一般市民が日常生活の中でKAN-SENを目にする、或いは接触する事は非常に少ない。
国家の──いや、世界の運命を賭けてセイレーンと激闘を繰り広げる彼女達は、それ故に割れ物よりも遥かに丁寧に扱われているからだ。
例えば道行く人に悪意を向けられたら。
例えばマスメディアがKAN-SEN不要論を訴えたら。
人間と同じ肉体、思考を持つ「兵士」である彼女達は何れ戦意を喪失し、人類はセイレーンに対抗する術を失う事になる。
「私達は一生懸命戦っているのにどうして」、と。
そんな事態を防ぐ為に上層部は情報の検閲を徹底し、KAN-SENを基地に閉じ込めた。
「学園」のような軍にあるまじき施設が存在するのもその為だ。
民間への宣伝にしても情報を軍がマスコミに流すだけで、それを元に書かれた新聞がKAN-SEN達に届く事は無い。
たった5分外出するだけでも指揮官の許可がいる、歪な箱庭だ。
ところが今回、何を思ったのか上層部はKAN-SENをレースクイーンとして起用する事を指示し、僕達下っぱは前代未聞の暴挙に翻弄される事となった。
メンバーの選出、衣装の調達、運営側との打ち合わせ。
何もかもが門外漢だと言うのに全てを押し付けられて、東奔西走する羽目になってしまったのだ。
……あのジジイどもはいつかぶち殺してやる。
そうして自慰をする暇も無い位書類に追われ、衣装を見せびらかしてくるKAN-SEN達にムラムラした所で────トドメに「彼女」だ。
『だから指揮官を悩殺しちゃおうかなって♪』
『あら、『お姉ちゃん』の体で興奮するなんて悪い子ですねぇ?』
『私に奉仕して下さい。固くてぶっといおちんちん突っ込んで、浅ましく腰振って──んあああっ!?』
「彼女」の瑞々しい肢体、豊満な乳房、しとどに濡れた肉襞。
今でもあの時の事は鮮明に思い出せる。
そうだ、いくら誘惑されたからと言ってもやって良い事と悪い事があるのだ。
フェラチオをさせて、後背位で犯して、挙げ句の果てに中出しをしたとくればもう言い訳なんて出来るワケが無い。
僕は「彼女」と姦通してしまった。
絶対に越えてはならない、指揮官とKAN-SENの関係から1歩踏み出してしまった。
性欲に任せた取り返しの付かない、とんでもない行為だ。
もしこれが上層部にバレたら、辞職程度で済まされる筈が無い。
下手をすれば──いや、下手をしなくとも軍法会議の上重罰が課されるだろう。
それはよく理解している。
理解しているのだ。
「彼女」だって理解している筈だ。
なのに──────
「ふふっ……♡指揮官のおちんちん、またガチガチになってる」
「っふ、あ……!」
「今朝もお姉ちゃんが抜いてあげたのに、ホントに絶倫なんですね……♡」
夜の野外で────それも「学園」の屋上の隅でレースクイーンの衣装を纏った「彼女」に手淫させている、僕がいた。
言い訳にもならないが、初めて体を重ねた日から「彼女」は毎日のように僕を求めてきた。
気が付けば「彼女」は暇さえあれば僕の肉棒にすり寄る、卑しい女に変貌していたのだ。
──そして僕も「彼女」の虜になった、卑しい男だった。
「ほら……翔鶴の──お姉ちゃんの手コキでいっぱい気持ち良くなって下さい……♡」
「っあ、ふぅ!」
艶やかな白髪をかきあげそう言った「彼女」──翔鶴は僕の足元に跪き、固く反り返った陰茎を手袋を嵌めてなお細い指で擦り上げる。
緩く、激しく。
キツく、穏やかに。
射精しそうで、だけど出来ない絶妙な力加減がもどかしい。
「あら、ダメですよ指揮官?気持ち良いなら『気持ち良いです』って言わないと♡我慢は体に毒ですから、素直にならないと……♡」
「き、気持ち良いです……ッ」
翔鶴の言葉に逆らう気は欠片も起きなかった。
だって翔鶴の声は、気持ち良い。
翔鶴の手淫も、気持ち良い。
気持ち良いなら抵抗する必要なんて何処にも無い。
そして僕の返事に気を良くしたのか女は淫靡な笑みを浮かべると、竿を握り締めていた右手で亀頭を包み込んだ。
柔らかな掌が敏感な先端に押し付けられ、短い喘ぎ声を漏らしてしまう。
「ぅ、あ……!」
「ふふ……♡本当にかわいい……♡」
ただ手を乗せられただけで、別にしごかれたワケでも無いのに感覚が亀頭に集中してしまう。
これから何をされるのか、僕はどうなってしまうのか。
そして何れだけ気持ち良くなれるのか。
考えるだけでゾクゾクする。
──早くシて欲しい。
そんな欲望を籠めた視線を送れば、翔鶴の濡れた瞳が喜悦に歪んだ。
「確かに我慢は毒ですけど、私は指揮官にとびっきり濃いのを射精して欲しいんです。ですから────」
そして────
「耐えられますね?」
「あッ、あああッ!?」
此方の返事を待たず、翔鶴の右手が亀頭をぐりぐりと押し潰した。
先程までの緩急など何処にも無い、無遠慮で乱暴な快楽が尿道口から流れ込み、精嚢を刺激する。
普段なら有り得ない、先端だけに与えられる強烈な刺激に耐えられず一瞬で精液が昇り詰めるが────射精出来ない。
「あぁッ!な、何でぇ……!」
「まだイっちゃだぁめ♡私に気持ち良くなってる所、よく見せてからにして下さい♡」
許容量を越えた快感に腰がガクガクと震え、情けない悲鳴を上げてしまう。
絶え間なく流し込まれる快楽で、思考がぐちゃぐちゃになる。
早くイキたい。射精したい。
だけど翔鶴の掌が蓋をしているせいで、行き場の無い我慢汁だけが溢れだす。
この手が無ければ射精出来るのに。
この手さえ、この手さえ離れれば────!
「イキたいですか?翔鶴の──いいえ、『お姉ちゃんの』掌にたぁくさん射精したいですか?」
「うんッ、射精したいッ!だから……!」
苦しい、どうにかなってしまいそうだ。
射精を止められ、翔鶴に弄ばれて、指揮官としての尊厳を奪われてしまっている。
なのに気持ち良い。
翔鶴の言いなりになるのが、自分を放棄するのが苦しさにも勝ってしまう。
「だったら『お姉ちゃんの手コキでイキたい』って言って下さい♪」
「イキたい!うあぁッ!お姉ちゃんのッ!お姉ちゃんの手コキでイキたいッ!」
最早恥も外聞も無かった。
ここが野外だとか、相手が誰だとか、そんな事は考えてもいられなかった。
ただ淫らに微笑む「お姉ちゃん」にお願いすれば射精させてくれる。
この苦しみから解放してくれる。
だから早く、早く!
「ふふ、よく出来ました♡それなら思いっきりザーメン、射精して下さい……♡」
「ああッ!?」
基地中に響き渡りそうな僕の懇願を聞き届けた翔鶴は、先走りでどろどろに汚れた手をパッと離した。
見下ろす視線の先、肉棒を覆っていた五指が粘性の糸を引きつつ剥がれ、赤黒く膨れ上がった亀頭が露出し──
「ぃあああああッ!」
「あはぁ♡凄い、びゅくびゅく射精てる♡ほかほかの濃厚ザーメン、お姉ちゃんにぶっかけちゃってる……♡」
爆発。
自分の物とは思えない悲鳴を上げながら絶頂を迎え、星々が輝く夜空に向けて精液を打ち上げる。
そしてまるで噴水みたいに吹き上がった精液は重力に従い、目を閉じ舌を突き出す翔鶴へと降り注いだ。
滑らかな長髪が、整った美貌が、薄ら汗ばんだしなやかな肢体が、そしてその肉体を縛り付ける黒いレースクイーン衣装が。
全てが男の白濁に塗れていくのを、翔鶴はうっとりとした表情で甘受した。
「っ、ふう……!?」
「んっ……♡まられす、最後の1滴までくらひゃい……♡」
やがて白い噴火の勢いが落ち着くと、偶々受け止めた精液の塊を舌で転がしながら翔鶴は再び陰茎に手を伸ばした。
今度は先程までと違ってゆっくりと、それでいながらキツく右手で搾り、擦る。
その動作に合わせてとろとろと流れ出す精を掬い上げては見せ付けるようにして口に運んでいく姿に、萎えかけた肉棒が屹立していく。
1回射精しただけじゃ駄目だ。
もっと、もっと気持ち良くなりたい。
「ぷちゅ♡んちゅッ♡ごくっ……♡精子、ご馳走さまでした……♡」
徐々に硬さを取り戻す陰茎を横目で捉える翔鶴の喉仏がこくり、と上下した。
そして息を荒げる僕を見上げると、体の内も外も汚濁に塗れた女が又もや卑猥な笑みを浮かべた。
その蕩けた碧い瞳に見詰められただけで、僕の全身がびくりと震える。
まだ、背徳の宴は終わらない。
一通り精液を弄んだ翔鶴は緩慢な動作で立ち上がると、突如しなだれかかるようにして指揮官の唇にむしゃぶりついた。
「んむっ……!?」
「んっ♡ちゅりゅッ♡じゅりゅ♡んじゅッ♡」
唇が強引に舌で割り開かれ、どろどろの唾液が流し込まれる。
酸素に喘ぎながら男がそれを飲み込むめば、今度は唾液をじゅるじゅると吸引する。
翔鶴の荒い吐息が鼻先にかかり、くすぐったさに男が顔をずらせばすぐさま舌が追従して口内を荒らし回った。
「んぶッ♡ふぅッ♡んちゅりゅッ♡ちゅちゅッ♡」
女の両手は頬を挟み込み、1ミリだって顔が動かないようにがっちりと固定している。
翔鶴の口づけは、決して愛情表現ではない。
極めて独り善がりで、強引なそれは「狩猟行為」と言えるだろう。
僕という獲物を追い立て、快感で喰らい尽くす下準備をしているのだ。
指揮官は何とか立っているものの、全身がびりびりと痺れ、徐々に過敏になっていく感覚に身悶えした。
屋上に吹く冷たい風が、絡み付いた翔鶴の体温をはっきりと感じさせる。
「んじゅうううッ♡ちゅぷッ♡ちゅりゅうッ♡ふへ、もっとわらひの熱、感じて……♡」
情熱的な囁きが耳朶を打つ。
翔鶴と体を重ね、胸板に押し付けられた豊かな乳房を衣装越しに感じる。
女の肉体は「私は貴方に欲情しています」と言わんばかりに熱く滾っていた。
絡み付く太股からも精液や汗ではない粘ついた液体が滴り、指揮官の足をどろどろに汚していく。
互いに限界が近かった。
「ぷぁッ♡うふふ、もうすっかり元気になってる……。皆も寝静まってますし、これならまだまだ楽しめますね♡」
顔を離した翔鶴がわざとらしく嘯く。
言われなくても、こんな中途半端で終わるつもりは無かった。
指揮官の陰茎は硬く勃起したままだし、熱暴走寸前の性欲は留まる所を知らない。
男は抑えきれない衝動のまま彼女の背後に回ると、落下防止用の金網に手を突かせた。
「あんっ♡今日はバックから犯して頂けるんですね……♡お姉ちゃん、とっても嬉しいです♪」
「これが好きなんだろ……!」
「はい♪指揮官と初めて交わった時から、忘れられなくて……♡」
そこは、無粋な金網越しとは言え基地を一望出来る位置だった。
今なら学園が見えるのであれば何処からでも2人の行為を見物出来るだろう。
他の人にバレてしまう──寧ろバラす為にお誂え向きの場所だったが、特に移動しようとは思わない。
だって、このスリルこそ翔鶴が求めていたモノだから。
その証拠に翔鶴の股は先程にも増して洪水を引き起こしており、レースクイーン衣装の臍までざっくりと裂けた薄い布地に愛液で染みを作っている。
「んっ……♡」
そしていよいよ辛抱堪らなくなったのか純白の女が男に振り向き、両手で陰唇を拡げた。
赤い秘肉が晒され、愛液がぼたりぼたりと滴り落ちる。
──翔鶴が、誘っている。
「んっ……♡我慢なんてしないで、指揮官のぶっといおちんちんでおまんこ滅茶苦茶にして下さい……♡」
翔鶴の言う通りだった。
こんな誘惑をされて我慢なんて出来る訳がない。
指揮官はふらふらと導かれるように翔鶴の腰に手を置くと、誘われるままにいきり立ったペニスを押し込んだ。
「あああああああッ!!!」
「うっ、すご……!」
男の肉棒が腟口を割り開き、亀頭が肉壺を削って潜り込む。
翔鶴の瑞々しい肉体がぶるぶると戦慄き、結合部から濁った愛液を吹き溢す。
「激しく、して……!おかしくなるまで、いっぱいシて下さい……!」
指揮官自身もおかしくなりそうなのだから、言われずともそのつもりだった。
男は女の腰をがっしりと掴み直すと、力強く陰茎を押し込んだ。
「あっ……♡んっ♡んっ♡んっ♡あぁッ!」
先程までの余裕は何処に行ったのか、軽く腰を揺らせばそれだけで面白い位に翔鶴の身体が悶えた。
「あぁんッ♡太いッ、太いおちんぽ気持ち良いッ!んああッ!」
勢い良く突き込めば、ゴージャスな嬌声が僕の聴覚を楽しませた。
もう何度翔鶴の肉壺を突いたか分からない。
けれど突けば突く程、腟の具合が良くなっていく。
何処までも肉棒にへばりつき、離れないように吸い付いてくるのだ。
「良いッ!良い、良いですぅ♡もっと腰振って、翔鶴のおまんこ滅茶苦茶にしてぇ♡」
翔鶴は男を昂らせるのが得意だ。
仕草で、声音で、肉体で精液を搾り取る、正しく淫魔のような女だった。
だから一見翔鶴を犯しているように見えるこの現状も、実際は翔鶴に翻弄されているだけなのだろう。
それを理解していながら抗おうとせずに流される所が、僕の浅ましさでもある。
「──ッ」
「あッ、やん♡おっぱい気持ち良いッ!」
気が付けば翔鶴にぴったりと覆い被さり、滑らかな長髪に顔を埋めて腰を打ち付けていた。
両手も衣装ごとたわわな胸を鷲掴み、僕の意思とは無関係に揉みしだいている。
我ながらなんと滑稽な姿だろうか。
人類の希望たるKAN-SENとその統括を行う指揮官が、職務を忘れて獣のように盛るなどセイレーンが見たら失笑するに違いない。
だけど、それでもこの背徳が心地良い。
「し、翔鶴ッ!射精すよッ!」
「あッ!んッ!んッ!あひッ♡射精してぇ!お姉ちゃんの、翔鶴だけの特権ザーメン、腟内でぶちまけてぇあああッ♡」
瑞鶴が聞けば卒倒しかねない、卑猥な淫語が翔鶴の口から次々飛び出せば僕の陰茎も絶頂に向けて膨張を始めていた。
たまらず僕は、まるで強姦するような女の事など微塵も考えないピストンで翔鶴を攻め立てた。
「おッ!おッ!おッ!お゛ぉッ!子宮口抉られるぅ♡わらひもイグッ!このままだとイっちゃうッ!」
しかしそれは諸刃の剣だ。
翔鶴がよがればよがる程、腟の締め付けは強くなる。
与えられる快感は射精感に変わり、精液に変わって尿道を駆け上がった。
「イク……!」
「お゛ッ♡ひぃッ♡んあぁッ♡瑞鶴、瑞鶴ごめんなさいッ!ぃいッ♡お姉ちゃん、指揮官の子種で孕むッ!孕んじゃうッ!んぃぃイク、イクイクイク────────!」
いよいよ女の悲鳴が切羽詰まったモノへと変化する。
そうして。
2人の熱情が頂点を迎えて、破裂して──ー
「──?」
ガチャン、と何かを開けたような、落としたような音が突然耳に飛び込んで来たが、その時には快感が爆発していた。
「──っ!」
「いっ、ぃいッ!イクぅイクぅ!あああぁぁぁぁぁッ────!」
女の嬌声に埋もれながら、精力剤で増強された白濁を解き放つ。
精液が子宮と腟壁に打ち付ける度、巨尻を突き出した翔鶴の全身が狂ったように痙攣を繰り返す。
「うわっ……!」
「あ゛ひッ♡まだ射精るぅ♡んお゛ッ♡あ゛ぁっ、もっときてぇ!」
ぐぐっと女の背筋が反り返り、肉棒と腟壁が擦れ合う。
爪が食い込む位きつく乳房を握り締めても、到底堪えられるモノではなかった。
まるで漏らすかのように、2度3度と彼女の子宮に精を撃ち込めば翔鶴が絶頂し、その締まりでまた僕が射精する。
何とも卑猥で、浅ましい永久機関だった。
「んっ……♡ぁっ♡ふぅっ、んぁ……♡」
たっぷりと、腟全体をコンドームに見立てた上でそれを満たす位に射精した所で、ようやく絶頂の波が引き始める。
「ふぁ……♡いっぱい射精ましたね、指揮官……♡子宮パンパンで、孕んじゃいそう……」
力を失いくずおれそうになった翔鶴の腰を掴んで支えてやれば、振り返った女が卑しい笑みを──いや、勝ち誇った笑みを浮かべた。
──────誰に?
翔鶴は僕を見ていない。
僕の肩越しに、斜め後ろにいる「誰か」に話し掛けていた。
それに気付いた途端、思考がスッと冷え込んでいく。
「私が、指揮官の1番です。誰よりも子種を注いで貰える、特権を持っているんですよ?ふふ、うふふふ──────」
終わった。
何時からかは分からないが、この情事を見られていたのだ。
だが、この時間にこんな所に来るのは誰だ。
外から見付けたのだとして、何故こんな所に来る必要がある。
僕の後ろには、誰がいるんだ────!
「────────ねぇ、瑞鶴」
「はッ……!はぁッ……!」
駆け上がる。
ただひたすらに、一心不乱に階段を駆け上がる。
何で。どうして。
グレイゴーストの所でゲームをして、寮に帰る。
それだけだった筈なのに。
嘘だと思った。
有り得ないと思った。
だけど、心の何処かで納得している私がいた。
今思い返せば、「予兆」は幾らでもあった。
レースイベントの数日前、私は不自然な居眠りをしてしまった。自室でお茶を飲んでいたら、突然眠気が襲ってきたのだ。
翔鶴姉は「疲労が溜まっていたんでしょ?」と笑っていたが、実際は「そういう」事の下準備だったんだろう。
それだけじゃない。
翔鶴姉はレースクイーンの衣装をやけに気に入っていた。それはもう、態々赤城さんに頼んでまで複製してもらうくらい。
あの翔鶴姉が赤城さんに頭を下げるなんて槍でも降ってくるのかな、なんて呑気に考えていたけどそんなワケが無かったんだ。
初めから、全部「この為」だったんだ。
『あぁんッ♡太いッ、太いおちんぽ気持ち良いッ!んああッ!』
『もっと腰振って、翔鶴のおまんこ滅茶苦茶にしてぇ♡』
「嘘だ……嘘だよ……!」
翔鶴姉の喘ぎ声が耳にこびりついて離れない。
手摺を掴んで引っ張り上げ、2段飛ばしで登っているのに屋上が果てしなく遠い。
何で、一体どうしてこんな事になったんだろう。
どう考えても可笑しいよ。
だって翔鶴姉は知っている。
私が指揮官に好意を抱いている事を知っている。
知っていて、「こんな事」をしたんだ────!
「……ッ!翔鶴姉!」
どうか夢であって欲しい。
幻覚であって欲しい。
そう祈りながらやっと辿り着いた階段の終着点、屋上へと続く扉のドアノブを掴んで体当たり気味に押し開け────
「翔鶴姉!何して────」
「イクぅイクぅ!あああぁぁぁぁぁッ────!」
見た。
見てしまった。
私の想像よりずっと太いそれで突かれて、あられもない喘ぎ声をあげる翔鶴姉を。
腰を押し付け、射精で以て翔鶴姉を征服する指揮官を。
扉を開けた私に気付かず繋がったまま腰を振る牡と牝を、全部全部見てしまった。
「あ、あぁ……?」
指揮官の射精は、性知識に乏しい瑞鶴の目線でも信じられない程長かった。
普通の人だったらとっくに萎えて肉棒を抜いているだろうに、指揮官の吐精は止まる所を知らない。
それを受け止めた翔鶴姉の肉体は艶かしく震えて、全身で歓喜を表現している。
「ふぁ……♡いっぱい射精ましたね、指揮官……♡子宮パンパンで、孕んじゃいそう……」
KAN-SENとしての理性がこの状況を咎めている。
規律違反だ、許してはいけない、とがなり立てる。
だけど、だけどそれ以上に羨ましい。
女としての本能が肉棒を欲している。独占する女に嫉妬している。
バックで犯されてる翔鶴姉を、屋上で指揮官とセックスしてる翔鶴姉を見て「羨ましい」と感じるなんて可笑しいんだけど、それでも私の股は湿り気を帯び始めていた。
「ん、ふ……♡」
「──ッ!?」
不意に女が──翔鶴姉が繋がったまま此方に振り向いた。
藍色の、快楽に蕩けた瞳が私を捉えて、そして優越感に歪む。
「私が、指揮官の1番です。誰よりも子種を注いで貰える、特権を持っているんですよ?ふふ、うふふふ──────」
翔鶴姉の瞳が、口元が、言葉が勝ち誇る。
この男は自分のモノだ、お前から奪ってやったのだと主張している。
……そうか、そうだったんだ。
「────────ねぇ、瑞鶴」
翔鶴姉はこの不埒な略奪行為を、心の底から楽しんでいるんだ────
指揮官が肉棒を引き抜くと、ぽっかりと空いた翔鶴姉の腟から白く濁った液体がボタボタと溢れ落ちた。
それは男の精液で、翔鶴姉を孕ませようとした証で、何より──羨ましい。
「え、ぁ……」
「んッ……♡ごめんなさい、瑞鶴……。お姉ちゃん、貴女と同じ人を好きになっちゃったの……んじゅぅ♡」
屋上の床に跪いた翔鶴姉の舌が肉棒を舐め挙げ、弄り回し、掃除していく。
付け根に、裏筋に、亀頭に翔鶴姉の唾液が塗布されるその間も流し目と言葉で私は煽られる。
「……欲しい」
勝手に欲望が漏れだした。
ダメだと分かっていても指揮官の肉棒が欲しい。例えおこぼれでも、心が繋がっていないのだとしても、欲しい。
「指揮官のが、欲しいよ……」
──たった今気付いた。翔鶴姉の事を言えない位、私も卑しい女なんだ。
想い人と姉がセックスしている事に興奮する、浅ましい女だったんだ。
その心情を見透かしたのか、翔鶴姉が淫らな牝の微笑みを浮かべる。
「んちゅるッ♡ね、瑞鶴……あなたも一緒に、気持ち良くなりましょう?」
私は、その誘惑に抗えなかった。
まだ続きます。
毎回騎乗位書いてるのでは?と思ったけど別にそんな事はなかった。