アーティは我らの団専属ハンターである。あくまで駆け出しの、であるが。
さて、彼女がハンターとしてスカウトされてから数日が経ったある日のこと。
「アルセルタス、ですか?」
低ランクのクエストを一通り熟したアーティが受付嬢に提示された初の中〜大型モンスター狩猟クエスト、それがアルセルタスの狩猟だった。
「あまり癖の少ない動きをするので、立ち回りを学ぶにはもってこいかと!」
なるほど。一応、アーティ自身もアルセルタスは見たことがあった。些か気持ち悪いフォルムではあるが、戦えないことはない……はずだ。アーティは胸元で拳を握り、
「やります!」
とクエストを受注した。意気揚々とクエストに向かったアーティを見送ってから、受付嬢は思い出した。
「……腐食液について説明してませんでした」
▽
遺跡平原にて。
岩場に足を踏み入れたアーティは、ブゥゥゥゥン……という羽音を聞いた。音のする方を見ると、緑色の光沢をもった巨大な甲虫が飛んでいる。
「いくぞ……!」
腰の片手剣を抜く。大剣などと違い片手剣にはやれることが多いが、選択肢が多いというのはとっさの判断を鈍らせる原因に成りうる。つまり本来は熟練したハンターが扱うものなのだ。
それでも片手剣が駆け出しハンターに支給されているのは生存率の高さ故である。盾のガードに小回りの利く重量の剣は、相手の攻撃を受けにくいことにおいて定評のある武器種だった。
『キチ……キチキチ』
横なぎに振るわれた前足を転がって避け、できる限り柔らかそうな腹を狙って行く。突進、鎌振りかぶり、横なぎ……しばらくするとその個体の癖がつかめてきた。
(攻撃するとき威嚇も挟むんだ。それを見切れれば攻撃チャンスっ)
視線の向こうではまたアルセルタスが鎌を上にあげて威嚇した。脳内では次の行動がパターン化され、予測を立てていた。
その固定化された思考が、最大の隙になった。
『キシャア……!』
ぱしゃり、とアーティの顔に液体が掛かる。
「ひゃっ」
思わず顔を抑え、さらに違和感を感じた。胸当てが緩んでいるのだ。だが理由を確認するよりアルセルタスの方が速い。突撃してきたアルセルタスにアーティは為す術なく吹っ飛ばされた。
アルセルタスが飛ばす液は物質の腐食を早める効果がある。薄い布や紐くらいなら簡単に強度を下げることができ、防具の紐が緩められることによって衝撃がより強く伝わってしまうようになるのだが……彼女は知る由もない。
「かっ……は」
岩壁に叩きつけられ、肺の中の空気が押し出された。滲む視界に、両足をすり合わせる相手が見える。今から捕食するぞ、とでも言いたげだ。振り下ろされる鎌を必死に盾で防ぐが、
ギィン!
すぐにスタミナは切れ、掲げていた盾が手を離れた。カサカサと昆虫独特の動きで距離を縮めてくるアルセルタスに、ついにアーティの緊張の糸が切れた。背には岩壁、逃げ場などない。
「やだ……誰か、だれかぁ!」
目の前に無機質な複眼が迫る。恐怖のあまり黄金色の液体が太ももを伝った。ぎゅっと目を瞑る。
『キシャアア……!』
数秒が経った。アルセルタスはまだ金切り声を上げている。それに混じって何かざく、ざくと肉を切るような音がした。もしかしてあまりの恐怖に痛みが麻痺してて、もう私の体は──
そんな想像をして、ふっと意識が遠くなった。そのままアーティの世界はホワイトアウトした。
▽▽▽
バルバレには他のギルドと比べても、一際異色なハンターを一人擁している。名前は『ナズ』。渦巻くような虹彩にところどころカールした鮮やかな紫髪が特徴の、少しエキゾチックな魅力のある女性だ。刃がうっすら透けた双剣を担いでいる。
彼女は飢えていた。
砂漠船から降り立った一人の少女。ショートカットの黒髪と肉付きのいい肢体は周囲の男の視線を集めているが、誰よりも濃く昏い視線を向けているのはナズだった。取り敢えず
食事も入浴も睡眠も排泄もすべてを観察した。染まる前のキャンバスを知っているからこそ、染め上げた後比べるのが楽しいのだとナズはよく理解していた。
さて。そろそろ接触しようかな、などと考えていたところで、アーティがアルセルタス狩猟のクエストを受けた。
(……これだ)
▽
男たちは一応ハンターである……向上心はとうの昔に捨てたが。いまの彼らはただ日銭を稼ぎ娯楽に耽るためだけに生きていた。
今現在の彼らの流行はマヒダケやネムリ草などを調合した粉末を使用した強姦だった。その標的として選ばれたのが最近やってきた新入りの女。劣情をそそる姿の前に彼女を犯すことは半ば確定事項だった。
では何時決行するのか。初めの方はキャラバン共が同行していたし、ほかにも簡単なクエストで長引けばすぐばれるようなクエストしか受けていなかったためなかなか機会がなかったが、ついに女がアルセルタス狩猟のクエストを受けたことが分かった。
「この日だ。あらかじめキャンプで隠れておいて、この粉塵を撒く。あとはいつも通りだ」
男たちは下卑た笑みを浮かべ、採取ツアーと称して先に遺跡平原に向かった。
▽
ポポが引く車に揺られる十数分の間も、ナズはアーティの顔を見つめていた。やがて遺跡平原のキャンプに着き、ポポ車から降りたナズの鼻を独特の香りがついた。
(……クタビレダケ?いや、ほかにも何か混ざってる。知ってる、あいつらの薬の匂いだ)
かさり、と叢から音がした。見れば小さな巾着を片手にした男が、支給品を漁るアーティに後ろから近づこうとしている。
(ふうん。殺しておこうっと)
透明のまま姿を竜に戻す。舌をアーティに近づこうとしている男の首に巻き付けへし折った。さらに勢いをつけて突進し、叢に隠れた残りを轢き潰す。簡単にミンチになった人間を見下ろして、
(……脱ぎやすいからってフィールドに軽装で来るのはハンターとしてどうなの?)
と流石のナズもあきれた。振り返るとアーティは既に出発した後だった。人型になってから、匂いを追いかけた。ついでにと巾着も拾っておいた。
岩場に着くと、既にアーティは追い詰められていた。恐怖にぐちゃぐちゃになった顔をみて思わず笑みが浮かぶ。しばらくその姿を楽しんでいると、いよいよ盾も弾かれ状況は絶体絶命の様相を呈してきた。
「ふふ……手始めにぃ」
ナズは息を吸い込み、巾着袋の中身の粉末をふうっと吹いた。あたりに昏睡成分の含まれた霧が広がる。息を吐き切ると次にアルセルタスの背中に飛び乗り、ザクザクと肉を切り刻んで怯ませる。
仰向けにもがくアルセルタスを尻目にアーティを抱きあげ、そのままエリア移動をした。キャンプは……血の匂いがひどいからやめておこう。翼を生やし、適当な高台を見繕ってアーティをそこに寝かせた。
「……なんで防具脱げてるの?もしかして誘ってるのかな?」
アルセルタスの腐食液で緩んだ防具は、抱えて飛んだ際の衝撃で完全にはだけていた。更に下着もところどころ解れている。
股間を隠す薄い布を剥がすと、むわぁと濃厚なアンモニア臭がする。思う存分に吸い込んで、思わず声を上げた。
「はぁぁ……くっさ❤︎」
ナズはその長い舌を露わになった穴に突っ込んだ。アーティの体が痙攣するのも構わずに膣壁を舐めまわす。
「ずじゅっ、ずるる……ぷは。まだ膜があるんだね、とっといてくれたんだ、うふふ……」
やがて舌先が肉厚な輪っかを探し当てた。その未知の感覚に意識のないままアーティが声を上げる。
「いっ❤︎……んっ、くぅ……っ❤︎」
「子宮口だぁ❤︎アーティちゃんの一番大事なとこ❤︎」
真ん中の穴に舌先を固くして挿入しようとする。初めは抵抗していたものの、周囲をなぞると次第にくぱくぱと穴が広がった。屈服した子宮の最奥に思い切り舌を突き入れる。
「~~~~ッッ❤︎❤︎」
ぷしゃあと潮が吹きだし、ナズの顔にかかる。アーティの絶頂に合わせて子宮口が健気に舌を締め付けた。
「かわいいなぁ、かわいいなぁ……ああ、でも、そろそろ時間」
最後に思い切り舌を引き抜き、無様に潮を吹いて腰を震えさせるアーティを抱きかかえてナズはキャンプへと戻った。
▽
「ん……」
「あ、起きた?」
「!?」
飛び起きるとそこはキャンプのベッドだった。声の主はアーティの傍、ベッドに腰かけていた。
「死にそうになってたから助けたんだ」
「あ、ありがとうございます……」
紫の鮮やかな髪の女性。しばし見とれた後、とんでもないことに気付く。
「あ、あの、つかぬ事をお伺いしますが、私の防具は……」
「ああ……
かあっと頭に血が上る。たしか、私は、も、漏らして、それをこんな人に洗わせて……!?
恥ずかしさに悶えるアーティを見て、ナズは笑った。
「こんな顔もするんだね……可愛いなぁ」
・ナズ
周りからはけむり玉と毒武器でじわじわと命を削るヤバい奴、と思われている。ソロプレイしかしないのであまりナズについての情報は出回っていない。
前述の通りオオナズチであります。透明になれて霧が出せて器用な舌持ってるって……それなんてエロ本の竿役?
・アーティ
最初はもうちょっと筋肉質にするつもりだったけどぷにあなの方がいいかなって理由でおぼこい田舎娘にした。名前の由来は作者の大好きな防具『アーティアシリーズ』から。
黒髪むちむち野暮め女の子。こんなん狙わないほうが失礼でしょ。
なお角王剣アーティラートを担ぐかは未定。
因みにですけど、私はHN「とら」、チャアカーです。未だに4gのインターネット通信やってるんで、最近やった方はもしかしたら見かけたことある可能性が微レ存。