※この作品はR-18です。

まさかの自分の創造した世界にクラス召喚されたが、これまで通りやりたい放題する   作:日向ネツ

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異世界創造

 ――いつだって、この世界は退屈だった。

 

 

 高校二年ということもあって、まだまだ思春期だからってのもあるんだろうが、マジでそれ以外の感想しかなかった。何せ、俺――霧島(きりしま)創一(そういち)は無敵の力を生まれながらに持っていたんだからな。

 

 

 たとえば、今、俺は家の自室にあるベッドで寝っ転がっている。そして、俺は喉が渇いた。しかし、飲み物は近くにない。かといって、ジュースを取りに行くのは面倒だ。そこで俺は念じるわけだ。この近くにペットボトルのオレンジジュースを出現させろ、と。

 

 

 カラン。

 

 

 すると、俺の顔の近くにオレンジジュースが出てきた。俺は起き上がってペットボトルを手に取ると蓋を開けて、ジュースを飲む。それは紛れもなくいつも飲んでいる味だ。

 

 

 簡単に言うと俺はどんな願いでも叶えられる無敵の能力者だ。何かを念じるだけで容易く実現する。出来ないことがあるとすれば、死ぬことと自我を失うこと、そして、この力を無くすこと。それくらいだ。

 

 

 確認できている限りはそれ以外のことは何でも出来る。その気になれば、世界を掌握することも簡単だし、新たな世界を創造することすらできる。けど、異世界創造はともかく、世界を手中に収める気なんざする気はない。今の俺にそれをすることの魅力が見出せないからだ。

 

 

 

 

 

 

 ぶっちゃけ、俺はこの世界に執着を持てずにいる。両親は小さい頃から仕事人間で俺のことなんざほっといてるし、かといって学校で友人を作って遊ぶことに魅力も感じない。いや、感じないとは言わないが絶対に必要だとは思わない。だから、俺は通っている高校ではそこそこの関係を築いて終わっている。

 

 

 この退屈を埋める方法はただ一つ。世界を創造すること。眠っている時に意識のみを創造した世界に移動させ、その世界で好き勝手やること。例を挙げるなら美女だけを生み出して、そいつらで性欲を発散するとかな。それが今の俺にとっての唯一の楽しみとなっていた。

 

 

 悲しいヤツだと思うなら好きに思ってくれていいが、ぶっちゃけ現実を自分の思うがままに変えるのと大差はない。どんな人間だって俺と同じ力を持てば自分の欲望を満たすためだけに使う。それはすでに実証済みだ。そういう連中と俺にどれほどの差があるというのか。

 

 

 まぁ、そう問いかけると口だけのヤツがグチグチ言ってくるだろうから、表立って言うことはないけどな。

 

 

 

 

 

 

 さて、前置きはここまでにして、そろそろ本題に入ろうか。俺はこれから新たな世界を創造しようと思う。これまでは世界の全てを俺が設定し、ゲームに近い世界ばかりを創造していた。その世界に好みの女を生み出し、ハーレムを堪能していたわけだ。

 

 

 けど、これから創造するのは性欲発散用の世界という形をした玩具とは違う。設定を最低限にし、俺がほとんど手を加えることなく動かす、自然な世界だ。

 

 

 こう言うとおかしいか。でも、それ以外に言い方が分からねえからな。これから軽く補足説明するからそれで何とか理解してくれたら助かる。

 

 

 

 

 

 

 俺のこの力は俺の思い通りに物事を動かすことが出来る。だが、逆に言えば思い通りにしかならないということでもある。

 

 

 例えば、アニメなんかでモブキャラとかが出たりするよな? 場合にもよるとは思うが、原作者は基本的にモブキャラの設定なんかしない。アニメや漫画、小説を執筆する時はそれでいい。適当に存在だけほのめかしておけば、それで事足りる。

 

 

 だが、世界を創造する時はそうはいかない。一人一人の人物の設定をしないとまともに動きやしねえ。もちろん、ロープレのNPCのように決まったパターン通りに動くようにすることも出来るが、そんな人間が現実世界に溶け込むかと聞かれれば否だ。

 

 

 一応、設定しなくても力の方が勝手に補完してくれるという機能はある。こいつはかなり便利で俺が設定していないところも勝手に補完してくれる。補完について要望を出せばそれに添ってオートで設定の穴をなくしてくれる。とはいえ、基本的にランダムなため、設定にかなり偏りが出ることもままある。

 

 

 俺が創りたいのは現実と同じ、一人一人が自分の意志を持ち、俺がいちいち全てを設定しなくても動く世界だ。俺が動かしてるんじゃ、これまで創っていた玩具と変わらねえ。この退屈な世界とは比べものにならない新たな世界を創造してこそ、愉(たの)しめるというモンだ。

 

 

 

 

 

 

 まぁ、この世界にも一応面白そうなモノはあるけどな。けど、それを確かめるためにも世界の創造は必須だ。だから、今から創る。

 

 

 俺は現在時刻が午後十一時になったことを確認する。課題も終わってるし、明日の準備も済んだ。風呂や着替え、歯磨きも済ませてる。後は寝るだけだ。寝てからが勝負でもある。

 

 

 俺はベッドに入ると電気を消し、そのまま睡眠に入った。

 

 

 

 

 

 

 力を使えば容易く眠りに入ることが出来る。そうしたら、意識を別の場所に移動させるイメージを持つ。すると、俺の周囲の光景が変わり、前方に無数のモニターがある部屋のようなところに移動した。

 

 

 世界創造した後は流れに身を委ねるつもりでいるとはいえ、早々に世界が滅亡したら意味がない。だから、正面のモニターを使って創造した世界をある程度監視する。向こうには絶対に感知されない監視システムだ。これで向こうに余計な影響を及ぼすこともない。別にこんなものがなくても監視できるがこっちの方が楽だからな。全てのモニターを同時に見れるように自分を改造してあるし、これが一番気楽だ。

 

 

 俺は異世界を創造する、と頭の中で念じる。そして、世界についての大まかな設定を施す。

 

 

 植物や人間以外の動物に関しては補完能力に委ねる。銀河などの宇宙関連に関するモノも同様だ。生命が存在する惑星はひとまず一つでいい。人類種は……普通の人間である人間族とエルフ、ドワーフ、それから空想上の動物をいくつか創造して、それと人のハーフである獣人も創ろう。もちろん、獣人は普通の動物との交配もありだ。その辺も補完能力に要望として出しておかないとな。あとは魔力といった特別な力も存在させないとな。

 

 

 あとは人類の敵である魔族や魔王も創造しようか。見た目は人間と同様で、実力は最低でも人間族の五倍以上にしよう。魔王は当然それよりも遥かに上だ。他にも雑魚の魔族もいくつか出そうか。そっちは……。

 

 

 

 

 

 

 そんな感じで次々と設定を頭の中で念じる。同時に一瞬で何でも記憶できるように頭を改造し、何を設定したのか一瞬で思い出せるようにしておく。

 

 

 ……ひとまず、こんなものかな。ある程度設定を施した俺は世界を創造し、それをモニターに映させる。すると、新たな宇宙が誕生し、数多の星が創造されていく。やがて、モニター全てが一つの星に集中する。どうやら、この星が生命が存在する唯一の星のようだ。

 

 

 最初は海だけの何もない星だった。だが、やがて地殻変動でも起きたのか大地が海を押しのけるように盛り上がり、十の大陸が出来る。押しのけられた海はどうやら大地が盛り上がったことにより生まれた窪みの方に流れ込んだようだ。物理法則通りになっているのかどうかは知らないが、少なくとも俺の見ている限りはそうなっている。

 

 

 そして、ある程度大陸の形が定まってきたところで事前に設定したとおり、ある程度散らばった場所に十人の神が現れる。連中こそがそれぞれの大陸の神であり、さまざまな権能(けんのう)を持つ怪物たちだ。

 

「……さて、それじゃ、神も生まれたところで連中に創造神(オレ)の声でも聞かせてやるか」

 

 創造神などと間違っても名乗れない小物なのは自覚している。だが、この世界での創造神は紛れもなく俺だ。ならば、声を聞かせてやらなきゃダメだろう。

 

『……聞こえるか?』

 

 最初は呆然と呆けていた連中だったが、俺の声にはっとした顔になる。とりあえず、声が届いていることを確認した俺はさっさと話す。

 

『今、その世界に生まれた神全員に声を伝達している。返答はするな。私の言葉だけを聞け』

 

 俺の言葉に神たちは首肯することで肯定の意を示す。それを確認した俺は淡々と話を続ける。

 

『この先、その世界には数多の物質及び生命が創造される。お前たちの仕事はそれぞれに与えた役目に沿った仕事をすることだ。それはもうすでに各々理解していると思う。そして、最後に重要なことを一つ伝えよう』

 

 そこで一拍置く。そして、一番重要なことを口にする。

 

『私は人類種と呼ばれる種族を生み出す予定だ。お前たちにはそいつらを殺すことを禁止する。もちろん、お前たちの使命も果たさねばならないが人類種を守護することもお前たちの仕事だ。忘れるな』

 

 俺に獣姦の趣味はない。だから、人類種の滅亡だけは避けてもらわないとならない。そんなことになったら、もう一回創り直しになるからな。

 

『私からは以上だ。だが、忘れるな。私は全てを知り、不可能なことなど一つもない。それを各々よく刻みつけておけ。では、諸君らの健闘を祈る』

 

 それだけ言うと俺は声を伝えるのをやめ、モニターの監視に努める。連中には人に化けることのできる力を与えている。これで連中も俺の言葉を忘れることはないだろう。まぁ、そんなしょうもない小細工をしなくても、無理矢理記憶を消去しない限り忘れることはないだろうけどな。

 

 

 ちなみに先ほどのは念話というモノで端的に言えば口に出さずに脳内のみで好きな相手と話すことの出来るモノだ。まぁ、道具なしで脳内で会話できるスマホとでも思っときゃいい。

 

 

 さて、後はゆっくりと見守ろう。といっても、時間は一気に進めさせてもらうけどな。一応、現実世界の時間は止めてあるからここにどれだけいても向こうに支障はないが、ダラダラと何十億年も見守るのはさすがに過酷にもほどがある。成功する保証もないんだから、なおさらだ。極力手を出さないという縛りがなきゃ、百パー成功するけどな。けど、その縛りなしで世界を構築しても何の意味もない。

 

 

 

 

 

 

 一応、世界は目まぐるしい速さで時を進め、樹木が大地から生え、生命もあちこちに誕生しつつあるが、それをボーッと見てるだけじゃ暇なので、軽く雑談でもするとしよう。

 

 

 現実世界は物質や生物が自然発生し、進化していって今の形になったと聞く。まぁ、この辺は宗教による思想とかも絡んでくるから何とも言えないんだけどな。

 

 

 けど、この世界は違う。まずは神を創り、それからさまざまな生物を創造していく。そうすれば現実世界のような科学だけに満ちたクソつまらない世界ではなく、魔法や陰陽術といった特別な力に満ちた楽しい世界になる。

 

 

 俺も何だかんだで思春期の男だからな。やっぱり、そういうのに憧れちまう。もちろん、それだけが楽しみなわけじゃない。この世界は現実世界と違い、容姿端麗な人間が生まれやすくなっている。そうして、生まれた美女たちを犯す。その瞬間もまた楽しみだ。

 

 

 

 

 

 

 そうこうしている内に人類種が誕生した。この世界では魔力が存在しているため、現実世界と違って特異な力を持って生まれた人間が山のように生まれるだろう。その分、現実よりも悲惨なことになる可能性は高い。現実じゃ、せいぜいが火を使ったり、集団で襲ったりする程度が関の山だったらしいが、この世界の連中はとてつもない力を振るうことが出来る。それが吉と出るか、凶と出るか。どうなるのか楽しみだ。そして、それだけでもこの世界を創造した価値はあるというものだ。

 

 

 基本的には一秒に数万年から数千万年程度の速度で進めていく。場合によっては数十億年ほど時を進めなければならない可能性があるんだ。それくらいで進めなきゃ、いつまで経っても終わらない。

 

 

 最低でも中世ヨーロッパ程度の文明は欲しいからな。可能なら現代レベルの文明が欲しいが、これは一番最初の世界だし、贅沢は言わない。別に複数の世界を同時に運用したっていいんだからな。

 

 

 ……にしても、妙だな。もう人類種が誕生して数千年は経っているはずだが、一向に文明らしきモノが出てこない。それどころか、魔族が現れ、連中が世界を支配しはじめてさえいる。理由が分からずに首を傾げていると突然モニターから大きな音が鳴る。

 

「……あん?」

 

 そこで人類種にとっての最初の危機が訪れたらしい。モニターに『危険!』という黄色い文字が浮かび上がる。人類種に危機が及んだ時は報せるように設定しておいたからな。これのおかげで人類種が絶滅する可能性を低く出来る。

 

 

 極力干渉しないと言ったものの、それはあくまで世界の運用に支障がなければの話だ。人類種の絶滅は世界創造の失敗を意味する。だから、俺は急いで何が起こっているのか把握しようとする。

 

「こいつは……」

 

 人間族とエルフ、そして、獣人の中でも手練れと思われる者たちが赤い鎧を纏った巨人のような魔族に苦戦していた。人類種三人の後ろには数多の人類種が固唾を呑んで見守っていた。俺からしたら理解不能な光景だ。

 

 

 不可解に思った俺はそれまで飛ばしていた人類種生誕の歴史を洗う。もちろん、人類種が生まれてから数千年は経っているので必要な情報だけを検索する形で原因を探る。原因はすぐに分かった。

 

 

 どうやら、流れに身を委ねるだけでは人類種は魔力を扱えることを理解できなかったようだ。まぁ、それまで魔族やさまざまな空想上の動物――いわゆる幻来種(げんらいしゅ)といった強大な力を持つ者たちから隠れていたようだからな。そりゃ、魔力も使えないわけだ。その状態であの魔物に見つかっちまったから危険と警告が出たわけだ。

 

 

 

 

 

 

 俺は人類の敵として魔族を設定した。だが、連中は生まれた時から魔族になれるわけではない。最初は魔物と呼ばれる弱い状態から始まる。そこから、人間を殺したり、長い年月を集めたりといった方法で魔力を蓄えることで魔族化という変化を起こし、人の姿を手にする。

 

 

 魔物は蓄えている魔力量にもよるが雑魚ならば人類種でも一対一で勝てる。あの魔物はそれなりに強いがそれでも魔族化出来るほどの魔力量はない。他の人類種の様子を見る限りではあの三人はかなりの実力者のようだし、打倒できない敵ではないはずだ。

 

 

 だが、それはあくまで人類種が魔力に目覚めていたらの話だ。覚醒していなければ魔族化していない魔物でも歯が立たない。だから、あの程度の敵に見つかったくらいで人類種が危険に陥ったんだ。

 

 

 

 

 

 

 まぁ、一応魔族にも生殖機能は持たせているとはいえ、やはり人類種ともヤりたいからな。仕方がない。魔力覚醒させてやろう。

 

 

 俺はエルフの女が追い詰められ、獣人の女と人間族の男が身を挺して庇おうとしたのを見て、念じる。人類種の魔力を使用可能にしろ、と。

 

 

 

 

 

 

 すると、奇跡が起こる。人間族の男と獣人の女の体から発せられた魔力により、魔物が吹き飛ばされる。突然の事態に驚く三人だったが、エルフの女からも絶大な魔力が発せられているのを見て、三人は活路を見出したようだ。最初は獣人の女が魔物の腹を切り裂き、次にエルフの女が胸を魔力による弾丸で撃ち抜く。留めに人間族の男が持っていた刀に魔力を通し、魔物を縦に真っ二つにした。

 

 

 奇跡の逆転勝利に人類種から歓声が上がる。俺はそれを見て、ひとまずの危機を脱却したことを悟る。

 

 

 魔力に覚醒し、魔物と戦う力を手に入れた人類種は魔物を倒した三人を中心にして、文明を築きはじめた。どうやら、これでいくらか軌道修正は出来たようだな。

 

 

 

 

 

 

 ……とりあえず、ここで一休みするか。俺は現実世界だけでなく、新たに創造した異世界の時間までも止めるとモニターだらけのこの部屋から出た。

 

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