聖櫻番長のセックスフレンドだらけの爛れた非日常 作:クビキリサイクル
「―――というわけで、きみにここに来てもらったわけ」
「何がというわけですか」
夜、望月先輩の自室にて、俺こと新城一也はそうツッコんだ。
カメラやらアルバムやら写真やらがやたら多いのを除けば、清潔感さえある普通の女の子の部屋と言えよう。勉強机には恐らく写真のデータを整理する為であろうノートパソコンが鎮座されているが、その正面にある筈の椅子は、今はベッドに座らされた俺の目の前に動かされていた。顔を赤らめ、緊張した面持ちの村上先輩を乗せて。
部屋の主である望月先輩はと言えば、部屋の中をうろつき、身振り手振りを交えてこれまでのあらましを一通り話していた。
「文緒ちゃんの事で話があるの」なんて連絡してくるから来てみたはいいものの、だ。
偶然が重なって村上先輩が昨日あの場所で、あの時の情事を目撃してしまったのは、本当に迂闊だったとしか言いようがない。純真な村上先輩が友達のあんな現場を目撃したんじゃ、ショックを受けて泣いちゃうのも納得だ。俺が二人に無理矢理、などと思われなかったのは不幸中の幸い、なんだろうか。
笹原先輩がおじいさんの証言と、部屋に落ちてた証拠品から、村上先輩が来ていた事に気付いて誤解を解きに行ったら、望月先輩に聞かれてたのも、まぁいい。いや良くないけど。
問題は。
「それで俺が呼ばれた理由の辺りがぼかされたままなんですけど」
その理由をいつ話してくれるのかと、話の随所で驚愕しつつも待ち侘びていたら、というわけで、と来た。
覗いてしまった件で謝ろうと言うのなら、椎名が呼ばれない理由が無い。
恐らく別の用件なんだろうと思うが、まさかバラされたくなければ云々だとは思えないし、思い当たる節が無い。
そんな俺に望月さんはこれ見よがしに溜息をついてみせる。
「こういうことはほんっとーに鈍感なのよねぇ、新城くんは」
「そんなこと言われましても……」
「まぁ要するにぃ」
「望月さん」
沈黙を保っていた村上先輩が、望月先輩の言葉を遮る。
そこから先は私が、という意思を感じさせる語気に、望月先輩は口を噤んだ。
「すー…………ふー…………」
大きく深呼吸。
真面目過ぎるくらいに言葉を選ぶ村上先輩でも、これだけ前置き長く喋ろうとする事はそうそう無い。余程、言葉にするのに勇気がいることなのだろうと思う。
急かすつもりは無いが、ちゃんと一言一句逃さないように聞くべきだろう。じっとその顔を見つめ、次の言葉を待つ。
置時計の秒針が時を刻む音が部屋に満ちる。
俺も望月先輩も、村上先輩が紡ごうとする言葉を、静かに待っていた。
やがて。
意を決した村上先輩が、スカートを握り締め、俺の目を見つめ返して。
「新城君は……私が」
そして、言った。
「私も、貴方に……抱かれたいと。……そう願ったら、叶えてくれますか?」
…………。
……………………。
…………………………………………。
「ちょっと待ってくださいね」
飛来した言葉の爆弾が衝撃的過ぎて、意識が飛び掛けた。
視線を下に逸らし、膝に肘掛け、手の甲を額に当てて頭を支える形になる。
頭を抱えているように映るだろう。実際そんな感じだ。
村上先輩が、今なんと言ったか。精査してみようか。
新城君は。うん、俺が。
私が。村上先輩が。
私も貴方に。村上先輩が、俺に。
抱かれたいと。
そう願ったら。
叶えてくれますか。
…………………………………………。
「誤解が無いように確認するんですけど」
受け取った情報を認識して余計混乱しそうだったので、今一度確認を取る。
「村上先輩も、俺とセックスしたいと。そういう解釈で合ってますか?」
「…………」
恥じらいで赤らめた顔でこくん、と頷かれてしまった。
そうか。誤解無くそのままの意味なんですね。そうですかそうですか……。
……………………………………………………………………………………。
「しーんじょーうくーん?」
思考の海に沈もうとしていた俺を引き上げるように、咎め気味の望月先輩の声。
「内容が内容だからびっくりするのも当然だけどぉ。文緒ちゃんが勇気を振り絞って出した言葉に、頭を抱えて黙り込むのはどうかと思うわよぉ?」
「いや、それはそうですけどね…………」
昨日の事もあるし、女子にも性欲や性行為に対する興味がある事実に対して偏見がある訳ではない。純真な村上先輩と言えど、だ。あの朝比奈だって、知識が備わりさえすれば人並みに性に対して興味関心が湧いてもおかしくはないだろうと。
先輩のこの様子だと、昨日の現場を見て衝動的に、という訳ではないだろう。きっと昨日からここに至るまでに何度も何度も自問自答してきたに違いない。
俺からの返答を待つその姿は、身動ぎせずにじっと待っているようで、その実、身を竦ませて、必死に抑えても漏れ出てしまう震えを隠そうとしている。無闇に触れてしまえば壊れてしまうんじゃないかとさえ思う。
望月先輩や周囲に流されたからではなく、自分の意思で言葉にした願い。
それに疑いの目を向ける事など許される筈も無い。
だからこそ、俺も嘘偽りなく、正直に自身の気持ちを吐露するべきだろう。
塞ぎ込んでいた姿勢を正し、村上先輩と向き直る。
「村上先輩とそういうこと、したいかどうかですけど」
不安そうに見つめ返してくる先輩。
自己評価の低いこの人の事だから、俺が嫌と言ってくるかもしれないと思っているのだろう。
隣に立つ望月さんは、答えなんて分かり切ってる。むしろそれ以外の答えは認めないわ! なんて顔を向けてくるので、やたら対照的。
「あえて明け透けに言います。すっげーしたいです。むしろこっちからお願いしたいくらいに」
「っ! …………ほ……本当、ですか?」
「大マジです、けど」
一呼吸置いて、大事な事を言葉にする。
「ご存じの通り、俺は椎名と笹原先輩と既にヤッた身です」
「……はい」
「結局これからどうするか。二人と話し合ってもいなければ、考えがある訳でもありません。そんな状況で、致し方ない理由ではなく、村上先輩にまで手を出してしまうのは、あまりに軽薄なのではないかと思うんですよ」
村上先輩に性的魅力があるかと聞かれれば過剰なくらいあると答えられるし、抱けるかと聞かれればめっさ抱きたいと答えられるが、じゃあ抱くかとなると話は別だ。
欲望に従うのは簡単だが、その行動には責任がついて回る。
致しかなかったとはいえど、既に椎名と笹原先輩の純潔を奪ってしまった以上、俺は果たさなければならない責任がある訳で。その成し方さえ考えつかぬままに責任を上塗りするのは不誠実だと思う。
二人にも、村上先輩にも。
「したいからするでヤッてたら、俺の場合キリが無いと思うので……。ええ、まあ自分がクズい発言をしてるのは分かってるんですけど、せめてゲスにはなりたくないかなと」
「クズいなんて……そんなこと」
「だめよぉ~だめだめ!」
突如割り込んでくる望月先輩。
ズイっと身を乗り出してくるので、少し仰け反ってしまった。
「新城くん。文緒ちゃんとえっちなことするのが嫌なわけじゃないのよね?」
「そらそうですけど、嫌じゃないから困るというか」
「基世ちゃんの作ったお薬が原因だとしても、心実ちゃんや野々花ちゃんとしたことも、ちゃんと責任取りたいって思ってるよね?」
「思ってますよ。まぁ、……二人が俺に責任取ってほしいのかは分かりませんが」
「それならぁ、心実ちゃんや野々花ちゃんが、きみとまたえっちなことしたいって言って来たら、どうするの?」
「えぇ?」
その可能性は全然考えてなかった。
薬を誤飲してしまったが為にあんな行為をするに至ったので、二人とも不本意だったろうと思い込んでいた。
しかし、女子にも男と同じように性欲や性行為への興味があるのだから、一度味わった快感をもう一度得たいと考えるのは当然かもしれない。
その相手として考えるのならば、初めての男である俺が浮かぶのもまた当然な訳で……。
「もちろん、二人がしたくないって言うのにきみが強要するのはいけないことだし、きみがどーしてもしたくないって言うなら無理にとは言わないわぁ。でも、お互いにしたいって思ってるなら、女の子の気持ちにきちんと応えてあげるのも、男の子の責任の取り方の一つだと思うわよぉ?」
「…………それは、まぁそうかもしれませんね」
「文緒ちゃんの事も同じよぉ」
後ろに下がって村上先輩の隣に立ち、その両肩にぽん、と手を置く。
「あの文緒ちゃんが、えっちなことしたいって本人に面と向かってお願いするなんて、すっごく勇気のいる事だと思わない? その勇気にちゃんと応えてあげるのは、責任っていうものじゃないのぉ?」
「うぅむ……」
「…………言っておくけど、決めたのは文緒ちゃんだけど、最初に言い出したのは野々花ちゃんだからねぇ?」
「え、なんで?」
「さぁ?」
首を傾げられた。
どういう流れで俺が村上先輩とするのを笹原先輩が提案する事になるんだ? なに? 「セックスするのってすごい気持ち良かったから、村上さんも新城くんにしてもらったら?」的な思考回路? 流石にそれは良いように取り過ぎか。
「理由はともかく、野々花ちゃんも許してくれたんだからぁ、きみがしない理由はもう無いと思うんだけど~?」
「ともかくで置いていい所じゃないですが……」
「……あ、あの」
責任の取り方について議論する中、村上先輩が声を上げる。
「はい。どうしました?」
「……本当はこんなこと駄目って、思ってたんです。あなたはきっと思い悩んでるでしょうし……私の我儘で、困らせちゃいけないって。それに……は、はしたないって自分でも思ってましたから……」
「……まぁ、悩んでたのは確かです」
「でも、新城君は……私ともしたいって、言ってくれて……。ほ、本当は、拒絶されるかもって……、嫌われるかもって、もうお友達にもなれないかもって、こ、怖かったんです……」
「俺があなたを嫌うとか普通に有り得ませんが」
「っ♡」
突如顔を赤らめ、胸が苦しくなったように両手を胸に当てる先輩。
「だ、だから、その…………あなたがしたいって思ってくれるなら……、抱いて、……ください」
「……村上先輩」
「お二人に怒られたら、一緒に謝ります。あなたの責任も、一緒に背負います。絶対に後悔しませんから、どうか……」
つっかえつっかえでも、力強く宣言してみせる村上先輩。
本当に、勇気を振り絞って言ってくれているのだろう。
羞恥と不安で身体を震わせても、目を潤ませても泣きそうになっても、こんなに恥ずかしい言葉を口に出したのだから。
望月先輩が背中を押してくれているとしても、だ。
……実際のところ、事ここに至っても、この人を拒む方が正しいのかもとは思う。
童貞は既に捨てたから。相手が望んでいるから。許しは得ているから。
それらしい理由を並べようと、開き直って欲望のまま抱きに行けば、意志薄弱な男だと思わざるを得ないだろう。他の人はともかく、俺自身が。
それに、ここで受け入れてしまったら、これから先も望む相手に望まれたら受け入れてしまう自分が容易に想像つく。
芯が無く、ふらふらばらばらとあちらこちらに手を出してしまう、女の誘惑に弱いクズ男。
他の誰でも無いこの俺が、そうなってしまう。
(けどまぁ……この人が傷付かずに済むのなら、それもいいか)
こう思ってしまう辺り、俺ももう末期なのだろう。
頭を抱えて、ガリガリ掻き毟って、自分の優柔不断さに呆れ果て、それでも正しい事より目の前の人が笑顔になれる間違いを犯す。自分が不名誉なレッテルを一生貼られる事になろうとも。
それに―――まぁこれはいいか。
腹を決めて、望月先輩のベッドに深く掛け直す。
「どうぞ」
「!」
「同情とか思わないでくださいね? 俺としちゃ、昨日に引き続き贅沢してるみたいで申し訳ないくらいなんですから」
「……はいっ」
口元を両手で抑えて、感涙に咽び泣いているような表情を見せる村上先輩。
俺に抱かれることがそんな喜ばしいことだとは到底思えないが……まぁ、喜んでくれてるならいいか。
昨日脱童貞したばかりとはいえ、相手は経験無し(の筈。印象からの思い込みだが)。年下と言えど、一日の長があり、男である俺がリードするべき。そう考え、俺の隣をポンポンと軽く叩いて、ここに座る様に示唆する。
顔を赤らめながらも、俺の意図をきちんと察して、村上先輩は腰掛けていた椅子から立ち上がる。
これから性行為を始めるのだと実感して、緊張しているのだろう。固い上に緩慢な動作だったが、急かしはしない。
「……うん。もう大丈夫そうねぇ」
彼女の隣で寄り添っていた望月先輩が、優しい微笑みを浮かべる。
この場面に立ち会うのは若干過保護が行き過ぎているのではないかと思ったが、流石にこの先は一緒に居られないだろう。俺の方を見て、「あとはよろしくね?」と言いたげなウインクをしてくる。
……けど、なんか。
明るさを感じさせる筈のそれに、寂しさを感じたような……。
「それじゃあ、私はしばらく外で時間を潰してくるから」
そう言って望月先輩は部屋の外へと
ガシッ
「「――――――え?」」
村上先輩が、その腕を掴んでいた。
「駄目です」
「ふ、文緒ちゃん?」
「ここに、いてください」
それは本気でイミワカンナイ。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
これが正しい事かは分かりません。
けれど間違いなく、私がしたいことでした。
はしたなくて、卑しくて、自分勝手な我儘だけれど、あの時の光景を目にした時から。……いいえ、正直に言いましょう。ずっと前から抱いていた願望でした。
こんな想いを吐露してしまえば、一歩進むどころか今の関係さえ壊れてしまいそうで、本当に怖かった。その怖れが現実になったらと、考えるだけで身体が震えてしまうぐらいに。
でも、彼が受け入れてくれて……嫌うのは有り得ないなんて言葉まで当たり前に添えてくれて、勇気を出して良かったって今は思えます。
私一人じゃ決して踏み出す事は出来なかったけれど、望月さんが傍にいてくれて、背中を押してくれたお陰です。
けれど、
それを看過することは出来ませんでした。
「……こ、ここにいてって、どうしてかしらぁ?」
引き攣った笑みで言いながら、望月さんは手首を掴んだ私の手をぐいぐいと引っ張って振り解こうとします。
図書委員のお仕事で多くの本を持ち運ぶ機会がある私ですが、力持ちという訳ではありません。むしろ非力な部類に入るでしょう。私も本気で掴んでいるとはいえ、望月さんが本気で振り解こうとすれば、最後に力負けするのは私だと予想出来ます。その気配が無いのは、望月さんが私に怪我をさせないように気遣って、引っ張りも振り解きも加減しているからだと思います。
私の事を優先してくれる望月さんの優しさは、本当に嬉しい。
でも、それとこれとは話が別。
私の引き下がらない意思を伝えるように、望月さんの引っ張る力と綱引きするように、望月さんを引っ張ります。
「流石に私同伴でこの先の事するのは気まずいかなーって思ってたんだけどぉ……もう、言わせないでぇ?」
「…………」
「あ! もしかしてぇ、文緒ちゃんって見られる方が好きなの? 私に撮られたくないっていうのも恥ずかしいからじゃなくて、撮られると興奮しちゃうからとか!?」
「…………」
「……ご、ごめんねぇ? 今のは冗談だから……そろそろ、離してくれないかしらぁ?」
「…………」
「うぅ~~~……」
ちらり、と新城君に向けて救援を求める視線を送る望月さん。
私が何故このような行動をするのか、きっと分かっていないのでしょう。
それは彼も同じで、戸惑いながらも望月さんに助け舟を出す言葉を言います。
「あの……俺も初体験で3Pした身ですが、流石にしない人の目の前でってのは気が引けると言いますか……」
「そ、そうよぉ! するならちゃんと二人きりでぇ、ね?」
「……む」
私の意図を察せずに、私を説得しようとする二人に、頬を膨らませてしまいました。
……野暮だと思っていましたが、しっかり言葉や行動にしないと駄目でしょうか。
そうじゃなきゃ、伝わらないのなら。
「望月さん」
「ど、どうしたの?」
「望月さんに背を押されてですけれど、私は自分の気持ちを言葉にしました」
「うん。そうねぇ。だから」
「だから」
「望月さんも、自分の気持ちを見ないフリしちゃ、駄目です」
「――――――――――――」
呆気に取られた、そんな表情でぽかんと口を開けて。
少しだけ静寂。
そして、ぼふんと音が鳴りかねない程、望月さんの顔は真っ赤になりました。
「な、ななな、なにを言って……!」
「今度は、私が背中を押しますから」
そう言って……強引ですけれど。
私は驚きで力が抜けた望月さんの腕を勢い良く引っ張り、諸共倒れ込みます。
新城君の方へと。
「おっと」
自身の身体に飛び込んでくるように倒れてきた私達二人を、新城君は優しく抱き留めてくれました。
右半身には私が、左半身には望月さんが。それぞれ腕の中に抱かれて、彼の胸に頭を預けている形になります。
……あの時も思ったけれど、やっぱり新城君の身体は、すごく男らしい。
制服越しに触れても伝わる身体の硬さ、体格の大きさ、肩幅の広さ、抱き留めてくれた腕の太さ。こんなにも私や女の子と違うのだと感じると、彼が男の子。いいえ、男の人だとより実感するのです。
こうして彼に身体を預けるのは過去に一度二度ではありませんが、これからもっと先に進むのだと思うと、胸が痛いくらいに高鳴ってしまいます。
そして、それは。
バランスを崩して、彼の胸に耳を当てる形になった望月さんも同じで……。
「~~~~~~っ!??!?」
先程よりも顔に血流が集まり、林檎と見紛うばかりの赤さになってきていました。
「あ、の……大丈夫です?」
「だ、だだ、大丈夫じゃないぃ~……。ごめん、今は、ちょっと、見ないでぇ……」
彼に今の顔を見られないように、望月さんは顔を俯かせます。
こう言ってはなんですけれど……とても可愛いと、そう思いました。
普段溌剌としたあの望月さんが、少女漫画のヒロインのように頬を朱に染めて、か細く声を出しているというのは、大変珍しい事です。今私の手にカメラがあれば、思わず一枚撮ってしまいそうだと思う程に。
これがいわゆる、『ギャップ萌え』というものでしょうか……? 望月さんの可愛い女の子を撮りたいという気持ちが、少しだけ分かった気がします。
「望月先輩見てほわーっとなってる所悪いですけど、何故にこの人を巻き込もうとしてるのか説明してもらえます……?」
混乱を前面に出して新城君は私に問い掛けます。
望月さんを見て一瞬頭から飛んでしまいましたが、今私達は彼に凭れ掛かっている状態です。性行為を始めようとしていた私はともかく、外へと出て行こうとした望月さんまで。
私が何をしようとしているのかは察してもらえたようですが、鈍感な彼にはその理由まで思い至らないのでしょう。
でも、それを私の口から言うわけにはいきません。
私も自分で口にしたから、ではなく。
この事は、本人の口から。望月さんの意思で言葉にしなきゃいけない事だから。
ですが、その後押しは、してもらった私がしなきゃいけない事です。
顔を上げて、すぐ傍にある新城君の顔を見上げる。
「……ごめんなさい。私からは、何も言えません」
「いや、村上先輩が黙秘権行使したら、永久に謎のままですけど……」
「そんなことありません。……理由は、望月さんが一番分かっていますから」
新城君の頬に両手を添えて、正面で向き合う。
「新城君には、どうか受け入れて欲しいです……」
改めて見つめ合う彼の顔を、素敵だと思うようになったのはいつからだったでしょうか。
見つめるだけで胸が高鳴るようになってからだったように思います。出会ったあの時からずっとそう思っていたようにも思います。何気ないやり取りを交わして過ごしていく内に、段々とそう思うようになったかもしれません。
そんな彼の顔の、触れ合うことが一番意味を持つ、その唇に。
とても恥ずかしいですけれど……私の初めてを捧げたいから。
私は口付けました。
ごめんなさい! エロ入れんかった! 流石に次こそは!
【中略】(自分語りうぜぇなと見返して思ったので消します)
今年ももうすぐ終わりですが、年内に文緒・エレナ編終わらせられる……かはともかく、次の一話ぐらいは投稿したいです。