※この作品はR-18です。

艦これのエロいやつ   作:ウマグマ

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【不知火】楽園の暇に

 南洋の海は、いつもと変わらずコバルトブルーに輝いていた。

 連装砲を片手に海を見ながら、桜色の奇麗な髪を風に揺らしている、駆逐艦の艦娘・不知火はふと「この海に戦いで来たくはなかった」と思った。海上に立つ兵器でもあり兵士てもある彼女たちにとって、海は命を賭ける戦場であり、それと同時に目を奪われるような、美しい光景を見せてくれる存在でもあった。とは言え、今は砲弾や魚雷の飛び交う鉄火場ではなく、敵からの襲撃に備えて航行する真昼の船舶護衛任務中だった。

 隣には僚艦である陽炎が、ツインテールを風に揺らしながら周囲に気を配っている。不知火ら駆逐艦隊の任務は、将兵を載せた輸送艦を目的地まで護送するものだが、すでに味方が制海権を取り戻した海域に到着した今、無駄話の一つや二つを交わせる余裕が出る頃合いだった。

 不知火は護衛対象の輸送艦に目を向ける。そこには、多くの兵士たちが艦娘たちを見ようと甲板に並んでいた。好奇の目線を送る者や、敬意をもって眺める者もいる。

 彼らは海兵旅団と呼ばれる歩兵部隊で、艦娘たちと共同で作戦を取る事が多い。島に潜む陸上の深海棲艦を一掃するのが役目であるが、艦娘のような特殊能力を持たない〝普通の兵士〟たる彼らは艦娘よりも脆弱で、危険にさらされる事が多い。艦娘たちは彼ら上陸部隊を砲撃や艦載機の空爆で援護し、上陸作戦を支援する重要な役割を担っている。そういう理由から、彼らから見た艦娘は「戦場の女神」たる存在でもあった。

 

「熱烈な視線ですね」

 不知火の口から、ふとそんな言葉が漏れた。

「ソフトな言い方ね。やらしい目線じゃないの?」

 その独り言を聞き逃さなかった陽炎は、おどけてみせた。

 陽炎はそんな兵士達に視線を送りながら、フッと笑って見せた。

「あたしら艦娘は連中にとってのオカズみたいなもんでしょ。ここ暫くは島嶼攻略作戦に駆り出されて、長いこと前線をたらい回しにされてたからそりゃもう溜まりに溜まってるわよ。今すぐ海に飛び込んであたしらを抱きたいんじゃない?」

 ケラケラと下品な言葉で笑ってみせる陽炎だが、不知火は相変わらず仏頂面で返した。

「艦娘に手を出したら一大事でしょう」

「分かってないわねえ」

 陽炎は立てた人差し指を左右に振ってみせた。一々そういう事をするあたりが陽炎という女だな、と不知火は心の中で呟いた。

「実はね、艦娘たちに秘密のクラブがあるのよ。気に入った男を見つけたら誘って、後は一晩お愉しみ……ってね。立場上はあたし達が上だから、細かい事はどうにでもなるものよ」

「なっ……」

 不知火は思わず変な声を出すが、陽炎はそれを見てからかった。

「そういう所可愛いわねぇ」

「私情をとやかく言うつもりはないですが、大問題が起きてしまったらそれまでですよ。それぐらい分かってますか?」

「大丈夫よ。いつもの事だし、長らく利用してるけど何の問題もないし……」

「参加する側ですか……」

 陽炎の答えに不知火は溜息を吐くが、一方で陽炎は輸送艦から眺めている兵士たちに笑顔で手を振り返した。愛想を振りまきながら、陽炎はそっと不知火に耳打ちする。

「不知火も〝クラブの会員〟にならない?楽しいわよ。イケメン食べ放題よ」

「断ります」

 キッパリと言い放つが陽炎はそれ以上の深追いはしなかった。

 不知火は堅物ではあるが規則の為に仲間を売るような女ではないと陽炎は踏んでいたし、不知火もまた、陽炎のする事を咎める事も報告する事もしないと決めていた。それに、艦娘にもガス抜きが必要という事ぐらい不知火も理解していた。命をやり取りする戦場に身を置いている以上、艦娘のストレスは想像以上に大きい。心のどこかに拠り所がないと戦場では〝壊れて〟しまうという事を、不知火は知っている。

 そうこうしている内に、船の目的地が近付いていた。

 

 

 船の停泊地は元々、観光地として賑わっていた島だった。南洋の楽園として、世界各地から旅行客が押し寄せた、魅惑の地である。白い砂浜、燦々と輝く太陽、華麗な海にホテルや行楽施設の立ち並ぶ歓楽街が人々を出迎える場所だ。

 だが、今では街は深海棲艦の侵攻でとっくの昔に放棄され、かつての民間港を改装した軍事施設の関係者や軍属のみしかここにはいない。

 兵士と艦娘たちは陸に上がり、もぬけの殻となった南国の楽園で三日間の休養を送る事になる。艦娘にあてがわれるのは臨時の宿舎だが、開戦以来放棄された高級ホテルを再利用した、至れり尽くせりの仮宿舎だった。ふかふかのベッドに、眺めのいい部屋、そしてシャワーと風呂が艦娘たちを待っていた。

 艤装を整備に出し、次の出撃まで艦娘は待機する。ちょっとした休息に入った。

 明日の任務の打ち合わせが終わり、自由時間を迎えた不知火はようやくあてがわれた部屋に通された。

 

 広い部屋は独り占めの状態で、不知火の所属している基地の宿舎より豪華だった。

 恐らくホテルだった時そのままベッドと装飾品で、清潔感のある部屋ではあったが、調べてみると部屋の冷蔵庫は空っぽで酒もソフトドリンクの類も無く、テレビの電源を付けても、ケーブルテレビや有料チャンネルはおろか、何も映らない有様だった。

 ――やはり、ここも戦場か。

 生まれて初めてとも言える高級ホテルの泊まり心地が、ややガッカリな物に終わった事に苦笑いを浮かべながらも、不知火はその身体をベッドの上へ放り投げた。

 ふかふかのベッドの感触を味わいながら、ぼうっと天井のシーリングファンを眺め、不知火は物思いにふけった。

 

 姉妹艦――血は繋がっていないが、同じ艦種という繋がりで結ばれている――の陽炎は遊び人だった。

 別れたと本人は言っていたが、艦娘養成学校にいた頃、すでに彼氏がいたし、昼に聞いたように好みの男をひっかけては抱いてもらっているらしい。

 その反面、不知火と言えば、艦娘になる前からお堅く、異性と無縁の人生を送ってきた。だからこそ、不知火という艤装を背負う事になったのかもしれないが、戦場に身を置いて歳を重ねるうちに、恋も異性も知らないでここまで来てしまった。

 

 ――陽炎のように、奔放に生きるのは、私には無理な事かもしれない。

 そんな事を考えていた不知火は、暇を持て余していた。時計の針を見ると、寝るには早すぎるし遊びに出掛けるには遅すぎる時間だ。

 つるんでバカ話をしているであろう同僚の駆逐艦たちと雑談でもしてこよう。そんな思いで、ベッドから立ち上がった不知火は、部屋のドアを開けて外へ出ようとした。

 そこで、ふと賑やかな声が廊下に響いている事に気が付いた。聞きなれない声だった。

 とっさに気配を殺して、そっと半開きのドアから伺う。

 艦娘たち――不知火には見覚えのある同僚の駆逐艦や軽巡――が、兵士たちと和やかに談笑しながら、部屋に入っていくのが見えた。すでに何人かは、兵士の腕に抱き着いて、満更でもない顔を浮かべている様子だった。放棄されたホテルを流用した、応急の宿舎だけあって警備が手薄なのだろう。母港の宿舎でバレたら大問題の光景だ。

「あれが……」

 不知火は、陽炎が昼間に言っていた事を思い出した。陽炎の言った事が正しければ、あれは許されていない類の集いだ。

 陽炎が言っていた事が正しかった事に、不知火は少なからず衝撃を受けた。どうするか迷ってから、不知火は恐る恐る部屋を抜け出し、艦娘と兵士たちが入っていった部屋の前に立ってみた。

 恐れのような、期待のような、好奇心のような、複雑な気持ちが不知火にのしかかっていた。ノックをしようか、と思った所で、自分が何をしようとしているのかを考えて、その手を退けた。

 寸前で思いとどまった不知火は、踵を返して自分の部屋に戻ろうとした。

 が、その背後で部屋のドアが開く音がして、反射的に不知火は振り返った。

 

 一人の若い兵士だった。短い髪と、優男というような風貌の、若い――不知火と同い歳くらいの――青年だった。艦娘たちと混じって部屋に入っていった兵士と比べると、幼く、どこか頼りない雰囲気があった。

 思わず目があってしまった不知火は、つい会釈をした。

「……どうも」

「……あっ、どうも」

 互いに首を少し下げ、挨拶をする。

 気まずい沈黙だった。

「――あなたも〝会員クラブ〟目当てに?」

 当てずっぽうの話題を振った。もしかしたら、中で行われているのはただの〝親睦会〟かもしれない、等と思いながらも言葉だった。

「ええっと……まぁ、そうですけど」

 彼は否定しなかった。

「階級順で人数も足りてたらしくて……僕だけあぶれちゃったんですよ」

 ばつが悪そうに呟く彼の顔は、ますます赤くなっていた。

 失礼します、と足早に立ち去ろうとする彼を前に、不知火は反射的に声を上げた。

「〝待って〟」

 たった一言、口を滑らせた。彼が立ち止まり、不知火へ振り返った。その目は、明らかに期待の色が浮かんでいる。

 不知火の心臓が早鐘のように鳴っていた。よからぬ考えが脳裏を駆け回り、不知火の背中を押していく。

「……不知火でよければ、お相手しましょうか?」

 

 

 * * *

 

 

 彼を自室へ招き入れ、部屋に鍵をかける。

 がちゃり、とロックがかかる金属音を耳にしながら、不知火は胸の鼓動を落ち着かせながら、彼へと向き直った。

 不知火も、性知識が無い訳ではない。

 陽炎の下品なジョークに耳を通して受け流す事もあったし、艦娘になる前、まだ学生だった頃は友人たちから聞いた浮ついた話や、雑誌から来る知識もあった。だが、本番は今日が初めてだ。

「えっと……シャワー、使わせてもらっていいかい?」

 彼に尋ねられ、不知火は頷いた。

 そして、シャワーという単語を聞いて不知火は自分が、陸へ上がってから身体を洗っていないことに気が付いた。

 不知火が反射的に自分の身体の臭いを気にしたのを見て、彼はふと提案をした。

「シャワー、一緒にどうかな?」

 その言葉に、不知火は自分の身体が緊張で更に強張るのを感じた。それを悟られまいといつものように振舞いながら、不知火は黙って頷いた。

 

 不知火は艦娘用の制服を、彼は迷彩服を脱ぐ。服が擦れる小さな音と共に、ブレザーベストや、迷彩服の上着を脱いでいく。

 一足先に上半身が裸になった彼の、歩兵部隊として鍛えられた精強な身体に、不知火は思わず目を見張った。

 互いに下着一枚だけになった所で、不知火は思わず脱ごうとする手を止めてしまった。

 普段は戦闘で、爆風に服を引きちぎられ、地肌を大きく露出する事はよくあるが、それを恥じらう暇や余裕などない。しかし、今は別だった。

 じろじろ見られるのに恥ずかしさを感じながらも、不知火は身体を隠す最後の層となった下着を脱いで、その肢体を露にさせた。

 彼の視線が、釘付けになるのが嫌でも分かった。その年相応の肢体と、成長を迎えて膨らみが増えつつある、控えめながらも張りと形を帯びた乳房と、下腹部の下、髪の色と同じ薄い桜色の茂みの下には、まだ誰も受け入れた事の無い、小さな蕾があった。

「……奇麗だね」

 彼の言葉に、不知火はより恥ずかしさを覚えた。

 

 バスルームに入り、ガラスで仕切られたシャワーブースに入ると、カランを捻り、熱いシャワーを二人揃って浴びる。

 潮の匂いと汗を洗い流しながら、不知火は彼の下半身に視線を落とした。

 緊張しつつも、平静を装いながらそれを直視する。

 まるで内臓が露出しているようで傍目で見るとグロテスクだ、と思った。恐る恐る、手で触れてみる。

 不知火の細い指先が、男性器に触れた。優しくまさぐると、人肌の温かさが伝わってきた。首を垂れていた竿に触れていく内に、それがむくむくと膨らみ始めていくのがはっきりと分かった。

「えっと……フェラ、出来る?」

「え、ええ」

 戸惑いながらも、不知火は聞きかじりの知識を思い出しながら、頷いた。

 

 タイルの床にしゃがみ、不知火は彼の腰まで身体を下ろした。

 目の前には、成人男性の股間があり、むき出しの男性器がそこにあった。片手で肉棒をくい、と持ち上げてから、不知火は顔を近づけた。

 想像していたよりも、ずっと大きいと感じられたそれに、唇を触れる。亀頭の先端にキスをしてから、口を開いてそれを入れていく。

 ぎこちなさに、彼が少しだけ不安のような顔を見せたが、不知火は歯を立てたらまずいだろうか、と慎重にそれを口に含んだ。

「んっ……むっ……」

 熱く滾る肉棒をぎこちなく頬張りながら、不知火は身体の底から熱く湧き出す興奮に支配されていた。

 空いた左手が、自然と不知火の秘所へと延びていく。花弁に指を添わせ、指先でまさぐっていく。

 

 不知火が自分を慰めた事は幾度とあった、海軍に入り、艦娘となってからはそれは顕著になっていた。男と女の混じるこの環境で、誰かに抱かれるという妄想もしてみた事もあったが、今、目の前で起きている事は紛れもない現実だった。そこから先は――妄想の中でしか考えなかった世界だ。

 まだ柔らかみのあった肉棒が、どんどん硬さを帯びていくのが舌先から感じられた。粘りつく別の味――先走り液が唾液に混ざり、舌先を滑る。

「んんっ……」

 段々とコツをつかみながら、不知火は歯を立てないように口で抽挿を続けていく。

 彼が、小さな吐息と呻き声をあげる。感じている、というのが不知火にもはっきりとわかった。

 不知火は、身体が興奮していくのを感じた。

 

 すでに、秘所をまさぐるその指先は、汗ともシャワーの湯とも違う、粘つく愛液で濡れ始めていた。胸のざわめきは激しさを増し、普段はポーカーフェイスを崩さないその顔には、朱が差し始めている。

 息苦しさを感じながらも、不知火は首を動かし、舌を絡め続ける。最初はぎこちなかった動きも、やがてコツを覚えて慣れていった。その証拠に、彼の顔には、余裕の無さがにじみ出ていた。

「うっ……出るっ」

 彼がそう発し、不知火が何のことかと理解しようとした瞬間だった。

「っ!」

 びくびくと不知火の口の中で肉棒が脈打ち硬くなったかと思うと、鈴口から出口を求めるように勢いよく精液が吐き出された。射精、という現象がある事を思い出した頃には、どろどろとした熱い精が、不知火の口中を蹂躙する頃だった。

 射精を口で受け止め、不知火は舌先にねばりつく精液の味に思わず目を閉じた。数度びくびくと震えた肉棒が落ち着くと、彼は腰を動かして不知火の口からペニスを離した。

 ぽかんと空いた口元から、唾液と精液の混じった白濁液がだらりと顎先に垂れる。不知火は、それを反射的にすくい、口の中に放たれたそれを、手の平へと吐き出した。

 白く、粘り気のある精液を眺めながら、これが身体から出てきた事への驚きと、独特の臭気と味に目を白黒させた。栗の花のようなその臭いが鼻孔をつんと刺激していく。

 息苦しさから解放され、肩で息をしながら、不知火は彼の肉棒を見た。まだそれは硬さを維持し、そそり立ったままだった。

「ベッドに行こうか」

 彼の言葉に、不知火は頷いた。

 

 

 身体を軽く拭いてから、かつては宿泊客を眠りにつかせていたであろう、スプリングの効いた豪華なダブルベッドに不知火は身体を横たえた。

 彼は、シャワーに入る前に脱ぎ終えた自分の迷彩服を手に取り、そのポケットから小さな袋を取り出した。封を破いて、避妊具を肉棒に被せた。

 そのままベッドへと戻ると、彼は改めて不知火の肢体に視線を下ろした。

 じろじろと見られる恥ずかしさで、不知火は頬を染める。

 

「脚、開いて」

 彼に言われるがままに、不知火はその両足を広げた。

 自らの秘所をさらけ出すと、彼は腰を下ろして、正常位の姿勢になった。

 避妊具ごしの、隆々とそそり立つ肉棒を見ながら不知火は息を呑んだ。あれだけの大きなモノが、自分の膣内にねじ込まれる、と思うと、さすがに僅かな恐怖が心の底に沸き上がった。

 だが、それを上回る期待や興奮が恐怖を頭の片隅へと追いやる。胸の高鳴りを覚えていく内に、彼の指先が、そっと不知火の秘所へと延びた。

 奇麗な、ぴっちりと閉じたその陰唇を広げると、ピンク色の蕾が露になった、なぞる指先に粘ついた愛液が纏わる。押し広げ、不知火の入り口が露になった。

 そっと、亀頭の先端がその入り口へと這わされた。避妊具越しに熱さを感じながら、不知火は顔を紅潮させて〝その瞬間〟を待つ。

「挿入(い)れるよ」

 彼がそう言うと、ぐぐ、と肉を押し広げる感覚と共に、不知火の身体へ肉棒が押し込まれた。

「あっ!ああっ……!」

 不知火の喉から苦しげな声が漏れていく。頭が思わず反り、目をぎゅっと瞑って痛みに耐えながらも、不知火は自分の膣内へと入っていく異物の感触を受け止めた。

 彼が、僅かに躊躇って腰を止めた。

「ごめん、なさい」

 震える声で不知火は呟いた。ずっとついていた嘘を、詫びるように。

「私、初めて、だから……」

 不知火は微かに震える声で、静かに呟いた。

 困惑した彼が、腰の動きを止めたまま不知火を見る。

「ごめん……その、止めようか?」

 気遣いを受けながらも、不知火は首を左右に振った。

 

 ゆっくりと、彼の肉棒が不知火の膣内(なか)へと挿入されていく。

 痛くなったら我慢しなくていい、と言われながら、不知火は彼を受け止め続けていた。繋がったまま、動かずに止まった。

 しばらくそのままでいると、痛みは先ほどよりも引き、不知火はようやく余裕が出来てきていた。

「変な……感じ……」

 身体が熱を帯びていくような感覚だった。硬さと熱を帯びた、肉棒の感触が避妊具ごしでもはっきりと伝わっている。

「ゆっくり動くよ」

 彼に伝えられ、不知火は頷いた。

 脈を打っている彼のモノが、不知火の膣内(なか)で動き始め、ゆっくりとした抽挿が始まる。

「んっ……んんっ……」

 じんじんと奥底から響く未知の感覚に不知火は困惑の声を上げる。

 その違和感が、快楽と言う信号だと気が付くのはすぐだった。

 

 不知火の腰に添えられた彼の両手が、そのまま下腹部から肋骨、そして二つのささやかな双丘へと添えられる。

「んっ……」

 乳房を這う、その両手の動きに不知火は声を上げる。

 そのごつごつとした手の指先が、生白く張りのある乳房を丹念に撫でまわしていく。柔らかみを帯びた、桜色の乳首が硬さを帯びていく。

「はぁっ、あっ、ああっ……」

 抽挿はゆっくりとペースを上げていく。膣内(なか)で彼が動き、膣壁を擦りあげていくと、ぞわっと這いずるような刺激に不知火は声を上げていく。

「痛くない?」

 彼が尋ねるが、不知火はこくりと頷いた。

「ええ、大丈夫……続けてっ……」

 彼が覆いかぶさるように身体を密着させる、押し付けるようなピストンで快楽に身を任せるがままの激しい交わりが続く。

「はあっ、あっ、はっ、ああっ……!ああっ!」

 ペーズが上がり、より力強く膣内(なか)をかき回され、擦りあげられるたびに不知火は声を上げる。時折、亀頭が奥深く――不知火の子宮の入り口を乱暴に叩くと、その声はより強くなった。

 縋るように伸びた腕がシーツをぎゅうと掴む、喉から否応なく漏れていく嬌声が、部屋に響く。

 結合部から、ほんのりとピンク色の蜜が溢れて、滴になって落ちていく。腰の動きを速めながら、奥から徐々にこみ上げてくる絶頂の予感に、彼はなりふり構わず腰を動かした。

 皮膚と皮膚、肉と肉がぶつかり合う張りのある音と、粘ついた水音が大きさを増していく。汗と、体液の織り成す淫靡な匂いがより強くなっていく。正気を保っていられない不知火は、ただただ一匹の雌となって快楽にふけるしかなかった。

「そろそろ……出すよ」

 余裕がなくなってきた様子の彼に告げられ、不知火はかろうじて頷く事が出来た。

「あっ!ああっ、あんっ!ああっ、ああああああぁぁぁ!」

 びりびりと響く快楽に身を委ねるがままの不知火は、より大きな快楽が膨れ上がる感覚に、叫びをあげる。

 それが弾けた瞬間、より強い刺激が全身に駆け巡り、身体が痙攣する。それと同時に、彼もまた欲望の丈を解放した。

「くっ」

 彼が絶頂に達すと同時に、不知火の膣内でぐぐっ、と肉棒が跳ねた。

 吐き出された大量の熱い精が、ラテックス越しに不知火の膣奥を叩く。重なるように絶頂に身を委ねた不知火の膣壁が、彼を加えこんで離すまいと、きゅうと締め付け、子種を欲した。

「――――!」

 どくどくと激しく脈動する熱い感覚を受け止めながら、不知火は声にならない声を上げ続けた。

「あ……ぁ……」

 後を引く熱さの余韻と同調し、声が掠れ、途切れていく。

 びくびくと何度か脈打ちながらも射精は続き、少ししてようやく収まった。

 互いの呼吸だけが、部屋に響いていた。

 

 彼が、腰を離して肉棒を引き抜いた。体液で濡れてぬらぬらと光る避妊具の先端には、白濁液がたっぷりと納められ、溜まっていた。

 ぽっかりと彼のモノの形を残して空いた膣口からは、破瓜の血と愛液の混ざったものが筋になって流れ、シーツにピンクの小さな染みを作っていた。彼の目の前には荒い呼吸で行為の余韻に浸る、不知火の姿があった。

 不知火の初めては、終わった。彼女は身体の芯まで奔り、通り抜けていった熱を感じながら、満足げな笑みを口元に浮かべていた。

 不知火の隣に、彼がそのまま横たわった。

 たっぷりと精をため込んだ避妊具を外し、そのまま結ってベッド脇のゴミ箱へと捨てる。

 

 この後は、もう一度軽くシャワーを浴びてから、互いに服を着替えて乱れたシーツを元に戻して――別れるだけだった。

 

 不知火は、そのまま彼の腕に手を伸ばして、手繰り寄せた。彼の腕へすがるように抱き着く。何故か心が落ち着いた。

 火照った身体はまだ彼を欲していたが、射精を終えた肉棒はしなしなと萎え始めていくのが分かった。

「大丈夫かい?」

 彼の言葉に、不知火は頷いた。

「……気持ち、よかったです」

 初体験を終えて、不知火は満足げな笑みを浮かべた。痛いだけかもしれない、という不知火の不安は杞憂に終わった。

「ごめん……僕の身勝手に付き合わせて、初めてだったのに」

「いいですよ。私だって、興味があったので……」

 不知火は遠慮がちに答えた。

「私の仕事は艦娘、あなたと同じ、前線で戦う人間――だから、恋も、異性も知らないであの海に散るかもしれないと考えると……」

 正直な言葉が漏れた。彼の腕を抱く指に、きゅっと小さな力が入った。

 言ってしまったが、今夜で終わる関係なら、と不知火は背中を押されて言い切った。

「僕も同じさ。あのクラブの女の子たちも、僕の戦友も同じかもしれない」

 少し離れた部屋で行われているだろう宴――まぁ実際には乱交パーティーだが――を思うと、不知火はふと自嘲気味な笑みを零した。お堅い艦娘、と影で思われ続けていたであろう自分が、結局は蓋を開ければ姉妹艦と同じ事をしてしまった、というのが何だか滑稽だった。

「よければ不知火の我儘を、聞いてくれませんか?」

 不知火は、すっと顔を、彼の頭に近づけた。

 唇を控えめに差し出し、目を閉じる。意を汲んだ彼は、ほんの少しだけ躊躇ってから、彼女の唇に優しく口づけをした。

 お互いに再びベッドの上で抱き合う、彼女の下腹部に、再び元気を取り戻した熱く硬い性器が触れられ、まだたっぷり身体を重ねられると知って不知火は嬉しくなった。だが、彼は避妊具を付けてなかったのを思い出して、急いで裸のまま、放り投げた迷彩服のポケットを漁りにいった。

 そんな滑稽な姿を見て不知火は思わず口元に微笑を浮かべた。壁にかけられた時計を見ると、まだ時間は残っている。彼も、十分やる気はあるようだった。

 二枚目の避妊具を付け、再度の準備を終えて、彼に抱かれ引き寄せられると、そのまま対面座位の姿勢になる。肌をより密に重ねながら、不知火は彼の耳元で、囁くように尋ねた。

「ねぇ、名前を教えて、貴方の名前を」

 思わぬ問いに、彼は少しの間を置いてから、口を開いた。

「小松――小松恭介(こまつきょうすけ)。今日、君に護衛されてた船に乗っていた。第一海兵旅団の上等兵さ」

 そう、と不知火は答えた。

 名前と顔を、覚えておこうと思った。名無しのままで別れたくないから、という思いが勝った。

「君の名前を教えて。艦娘じゃなくて、本当の名前で」

 彼に問われ、不知火は答えた。

「……私の名前は――」

 

 

 * * *

 

 

 

 短い休みが終わった。

 輸送船に乗り込む将兵たちと同じく、不知火たち艦娘も戦争という仕事が始まる。

 埠頭の出撃用スロープで、艤装を装着し準備をしながら陽炎ら駆逐艦たちは他愛も無い、いつもの会話を始める。ここの食堂の飯はそこそこだった、とか、次に入る給料で何を買いたいか、等の他愛もない雑談だ。

 そのスロープの反対側、少し離れた埠頭では、荷物を纏めた迷彩服の兵士たちがタラップを使って輸送船の中へと乗り込んでいた。これから彼らは別の海域へと向かい、島の奪還のために戦う事になる。

 艤装の準備を終えてから、不知火は今日も元気な――むしろ今までで一番機嫌の良い――陽炎の横顔を眺めていた。

 

「陽炎は、相変わらず元気ですね」

「そりゃそうよ、この三日間はお愉しみだったものね♪」

 楽しそうな陽炎が、輸送艦に乗っていく兵士たちの列を見ながら呟いた。

「あたし好みの男が結構多かったのよね。とっかえひっかえで、と~っても楽しめたわね!」

「……元気なのはいいですが、あまり派手にやりすぎるといつか痛い目に合いますよ」

 奔放な姉妹艦に対する呆れが溜息と共に口から出るが、いつもは仏頂面な不知火の顔は、自然と綻んでいた。

 結局、不知火はこの三日間、上官の目を盗んでは、知り合った彼とずっと行動を共にしていた。二人で無人の観光地を楽しんでみたり、身体を重ねたり、ほんの三日間という休息の中で、出来るだけ楽しい事をした。せめて、この時だけは戦争を忘れようと勤めた。

 あの列の中に、そんな彼も紛れているのだろうと考えると、不知火は今日も続く護衛任務を頑張ろうという気持ちになっていた。

 そんな、微弱な不知火の変化を陽炎は見逃さなかった。

「――不知火さ、ここ最近、何か良い事でもあった?」

「別に、何も」

 陽炎の追求をひらりと躱す。

 とっくに何があったかバレているかも、と不知火は一瞬だけ不安がったが気にするだけ無駄だと、頭の片隅に懸念を追いやった。

 

 ふと不知火は輸送艦へと乗り込んでいく兵士たちの列に、目を向けた。

 あの人はいるのだろうかと、艦娘と同じく戦場へと向かう列に、彼の姿を見つけようとする。何十、何百人もいるその長い列を眺め続けながら、そんな都合の良い事は無いかと思いながら、不知火は視線を外そうとする。

 その瞬間――彼を見つけた。

 不知火は思い切って手を振った、力一杯に振ったその手を見て、彼もすぐに気が付いた。

 列を止めずに進み続ける彼は、同じく手を振り返した。それに気が付いた他の兵士たちも不知火に手を振るが、視線が交わっていたのは、彼と不知火だけだった。

 

 またいつか会いましょう、と不知火の口が動いた。

 到底叶わない事だと分かっていても、そう思わずにはいられなかった。

 護衛の指揮を執る軽巡が、駆逐艦たちに出撃を命令する。装備を終えた不知火ら駆逐艦娘たちは、出撃スロープの先から伸びるコバルトブルーの海へと駆けて行った。




行きずりの関係で一本書きたかったけど、それはそれとしてイチャイチャはさせたい
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