一台のセダンが、森の中を通る県道をひた走っていた。
運転席に座る二十代の男女は、一見すると普通のカップルに見えた。
ただ、ラフな格好をしている彼の財布には、海軍将校である事を証明するIDカードが入っていて、非番でこの運転席に座っていたし、助手席に座っている彼女の、癖のある紫の長髪と端麗な顔つきは、艦載機を自在を操る航空母艦艦娘・隼鷹であると物語っていた。
北方海域における大規模作戦が終了し、大湊基地の艦隊は束の間の休暇を与えられていた。
もちろん、日々の哨戒や演習は行われているが、戦力の空白化を防ぐ為に予備部隊と主力部隊と混合でローテーションが組まれており、隼鷹ら大湊基地艦隊の主力部隊――特に作戦終盤の激戦を戦い抜いた部隊――は真っ先に休暇を与えられた。
それは提督や、作戦に参加した支援要員とて例外ではない。彼女らを作戦成功に導いた提督もまた、予備艦隊の指揮官へ仕事をバトンタッチし、僅かながらの休暇を楽しむ事になった。
三日という休暇ではあったが、ある者は実家へと帰省し家族と無事を喜び合ったり、ある者は遠出をして観光旅行へと出かけたり、また、ある者は遠出も帰省も嫌って宿舎でのんびり過ごしていたりと、三者三様の過ごし方を選んでいる。提督と隼鷹は、予てより計画していた小旅行を満喫していた。
とは言え、非常事態があるとも限らず長期外泊やかなりの遠出は出来ず、隣の県にある温泉街しか選択肢が無かったのだが。
彼と同じく私服姿の隼鷹は、視界を駆け抜けていく大自然を眺めながら、道すがらのコンビニで買ってきた酒を、ちまちまと飲みつつドライブを楽しんでいた。
車内にほのかな酒の匂いが漂うが隼鷹は気にもとめない様子で、運転席の彼も慣れっこの様子だった。
「なぁーカズちゃんさぁ、道これで合ってるかい?」
カーナビと景色を交互ににらめっこしながら、隼鷹が彼の名前を呼んで尋ねた。
「ああ、もうちょっとで着く筈だよ。さっき看板が見えたんだ」
彼が言うのと同時に、温泉宿や観光地の看板が見え始め、視界が開けると温泉街が見えてきた。
車は、二人が予約した旅館の駐車場に停まった。
隼鷹は、車を降りてから旅館の外観――開業からそれほど経ってないのか、小奇麗で洒落た作りの――を前に思わず「おおっ」と感嘆の声を上げた。
荷物を持って玄関を通り、仲居さんやスタッフからの歓迎を受けつつ、チェックインを済ませ、部屋へと案内される。
部屋に荷物を置き、また二人きりに戻ったところで、ようやく一息ついた。
「あー……疲れたなぁ」
最近は前線の指揮所や執務室で、こもりっきりの作業していた彼は背を伸ばしながらぽつりとつぶやいた。
隼鷹は、そんな彼を横目に窓の外を眺めた。部屋の向こう側には、山肌に青々と茂る木々などの雄大な自然の景色が、夕暮れの空の下に広がっていた。
「良い雰囲気の旅館じゃんか、悪くないねえ」
「うん。だけど一番の魅力と言ったら……」
彼が言い終わる前に、部屋の間取りを確認していた隼鷹が気が付いた。
気になっていた扉を開けると、脱衣所と――擦りガラスの向こうにぼんやりと見える大きめな風呂が目に映った。
「家族風呂あるじゃん!」
「そう、それがあるから最高なんだ。知り合いがここがオススメだって」
二人で風呂場を覗いている内に、自然と隼鷹が身体を寄せてきた。
「一杯やりながら風呂に入れるとは最高だねぇ……それに一緒に入れそうだし」
隼鷹は笑みを浮かべていた。隼鷹は彼の腕を抱きながら「ここ最近、ご無沙汰だったもんな」と呟いた。
長く続く大規模作戦中では、パートナーを抱くのは不可能に近い。
指揮官である提督も、現場の兵士や整備班も、何より艦娘自身もやる事が山積みだし、途切れる事の無い出撃で疲弊しやすく、空いた時間は眠って体力回復に専念するしかない。こうした状況でも〝やる事はやっている〟艦娘はいるが、ごく少数だ。
そういう理由から、この時期は作戦から解放されてパートナーと揃ってハメを外したくなる男女が急増する。そして、艦娘の〝できちゃった婚〟と既婚艦娘の懐妊が僅かに増加するのも、こうした時期だ。
二人は旅館に来るまで、近くの観光地巡りはしていたものの、その途上、国道や県道沿いにある建物――ラブホテルの建物や看板を通り過ぎる度に、互いに視線がちらちらと誘導されていたし、ハンドルを切って入場したくなる誘惑に駆られていたが、宿に泊まるまでは我慢していた。
互いに顔を見合わせて少し考えるが、結論はすぐに出た。
「ま……とりあえずお茶でも飲んでゆっくりしような?途中の寄り道でちょっと疲れた事だし」
「そうだね。晩御飯もまだだから……今晩でいいか」
その後、大浴場でひとっ風呂浴びて、二人で旅館の晩御飯に舌鼓を打つ頃にはすっかり夜になっていた。
地元料理と地酒を大いに満喫し、部屋に戻ってからは、互いに浴衣姿のまま晩酌が始まった。
用意したつまみと、旅館の売店で買った大量の缶ビールはみるみる内に空になっていき、隼鷹との他愛も無い世間話や、大規模作戦での積もる話も大いに盛り上がっていった。
数本近い缶ビールを空ける頃には、部屋の時計は夜の10時を指し示していた。
彼は、そろそろ今日最後の風呂――おまちかねの家族風呂に入る事にした。
「先にお風呂入って来るよ」
「おーう、あたしはこれ飲み終わってから行くわ」
隼鷹はにっ、と笑ってからまだ開けてない最後の缶ビールのプルタブを起こした。
* * * *
脱衣所に入った彼は浴衣を脱いで裸になると、浴室の引き戸を開けて、風呂場へと入る。温泉の熱気と湯気が、入るなり彼の身体を包み込んだ。
壁掛けのシャワーの向こうにある、石造りの大き目な浴槽――すくなくとも宿舎の自室にある物の2倍以上はある――を目にして、彼は思わず期待通りだと笑った。電球色の薄暗く暖かい照明と湯気が雰囲気を醸し出していたし、浴室の向こうにある窓からは、覗き見防止の柵の向こうに、満点の夜空が広がっていた。
たっぷりと張っている湯船に目が移りつつも、まずは身体を洗おうと、彼はシャワーを浴びる事にした。
カランを捻って熱いシャワーを浴びながら、ふと彼はこの旅行の事を思い返していた。道中、隼鷹が何の気なしに呟いていた「新婚旅行みたいだな」という言葉を反芻する。
二人は、まだ入籍していなかった。基地としては大きめの、出動率の高い部隊に身を置いてある二人は、恋愛こそすれど夫婦として過ごすにはまだ忙しい日々を送っている。
それでも、夫婦同然に長い時間を二人は過ごしてきた。
数年前に配属された新人である彼を、来た時から支えていたのは隼鷹その人だった。貴重な航空母艦の艦娘として活躍し続け、部下と上官としての信頼関係が、愛情に変わるまで時間はかからなかった。恋人どころか夫婦も同然の長い時間が過ぎ、二人とも二十代の終りがそろそろ見えてくる頃合いになっていて、互いのキャリアには変化が訪れていた。
彼は艦隊の指揮官から地方基地――大湊よりも規模の小さな基地の司令官として着任する予定となっており、隼鷹は彼の副官として同じく着任予定となっている。
そのタイミングで、結婚をしようと二人で決めていた。
「どうしたものかな……」
ぼそっと、独り言が彼の口から漏れた。
二人には、これから新しい生活が待っている。それを思うと、彼の心の中に期待と楽しみに混じって、微かな不安がよぎる。
若くして背負うことになった基地司令としての仕事、恋人ではなく夫婦として彼女とこれからを過ごすという、経験した事のない日々を前にした、些細な不安。
楽しい温泉旅行に、ふとそんな事を考えてしまう自分は不安症なのだろうか――と、思った彼は今、目の前の休暇に専念しようと気持ちを切り替えた。
少し経って、遅れて隼鷹が脱衣所へ入ってきた。浴衣を脱いだ彼女が、浴室の引き戸を開けた。
ふと、彼は振り向いて隼鷹を見た。
手ぬぐいを肩にかけて、自分の裸を隠そうともせずにそのまま豪快に入ってくるのが彼女らしいな、と彼は思った。それでも、長期作戦で出来た禁欲生活を経たからこそ、互いに見慣れていたその肢体も、今日は一段と官能的に見えた。
すらっと伸びるスタイルの良いラインと、胸に燦然とそびえる、豊満な二つの双丘。適度に剃って整えた跡が見える、彼女と同じ髪色のアンダーヘアの下も、はっきりと見えていた。
「おー、良い風呂してんなぁ」
家族風呂に改めて感嘆している隼鷹だったが、風呂に入らすシャワーを浴びて身体を洗ってる彼を見て、隼鷹はニヤリ、と笑った。
「お身体洗ってさしあげましょうか?……ってもう洗ってるか」
わざとらしく口調を作りながら、隼鷹は彼に後ろから抱き着いた。豊満な、弾力のある乳房が背中へぎゅっと押し付けられた。
「一足お先に洗ってるよ」
苦笑いを浮かべつつも、背中へ擦りつけられる乳房の感触に彼はドキっとしつつ、隼鷹を見た。
「……僕が君を洗おうか?」
「いいねぇ。じゃあ、お願いしますかね」
にしし、と隼鷹は笑った。
互いに立ったまま、彼は隼鷹の身体を洗う。
据え付けのボディソープを両手につけて、彼はそのまま隼鷹の身体をくまなく舐めまわすように、その手で満遍なく肢体を撫でていく。
泡が立ち、白い肌を撫でまわす。オイルマッサージでもするように。
「すっごくやらしーじゃん……」
背後から、両手で身体をまさぐられながら隼鷹が呟く。
「ずっと触れたくて我慢してたから……それに隼鷹だって、僕にこうしたかっただろ?」
「そうだけどさ……んっ」
彼の両手が、隼鷹の乳房にかかった瞬間に小さな声が漏れた。
手の平からはみ出すほどの、張りのあるそれを、泡だらけの手が丹念に揉みしだく。上へ寄せ上げて手を離すと、たわわに実ったそれが重力に身を任せて落ちて、ぶるんと跳ねた。
「久しぶりだもんなぁ……たっぷり、愉しんでくれよ」
照れながら隼鷹が呟くと、その両手は泡だらけになった乳房をさらに揉みしだいた。
手の平に当たる乳首が、ほんのりと硬さを帯びていく。
胸を揉まれながら、隼鷹は下半身が徐々に疼いていくのを感じていた。じれったくなった隼鷹は、背中から回された彼の手に、そっと片手を触れさせた。
「ねぇ、こっちも……」
泡で白くデコレートされた肌に、その手をすべらせ、腹部から下――秘所へと手を伸ばさせた。
彼の指先が、下腹部へと延びる。鼠径部を、彼の指先がそっと撫でると隼鷹は背筋をぞくぞくと震わせた。
隼鷹のお尻に、熱く硬いものが触れる。その感触に、否応なく気分は高まっていく。
丁寧にその指先が、花弁を撫でていく。
「あっ、んんっ……」
反射的に、嬌声が隼鷹の喉から漏れた。
その反応を愉しみながら、割れ目の先端にある小さな豆――クリトリスを指の腹で刺激する。
「んんっ……んっ……」
執拗に責められ、隼鷹は喉奥から漏れる声を必死に噛み殺しながら、身体を駆け巡るその刺激を受け止める。
泡だらけになったその形の良いお尻に、彼の硬くなった肉棒が擦りつけられる。
湯とも違う粘つく液体の感触を覚えてから、彼はその刺激を止めて秘所から手を離した。隼鷹の耳元で、彼は囁いた。
「そろそろ……欲しいな……」
お預けも限界だったのは、擦りつけられる肉棒の硬さを確かめる隼鷹も承知だった。
紅潮した顔で、隼鷹はこくりと頷いた。
シャワーで互いの身体の泡を流すと、隼鷹は浴室の壁に手をつき、滑らないよう注意しながら、両足を広げて見せた。
愛液でたっぷり濡れ、いまにも男根を欲しがる花弁を彼の前へと突き出しながら、隼鷹は胸の高鳴りを感じていた。
「今日は生でしても大丈夫だからさ……好きなだけ、あたしに注いでよ」
首を傾け、隼鷹はにっ、と笑いながら彼に言った。
彼も、笑顔で返しながら、すっかり硬くなりそそり立った肉棒を、そっと穴に沿わせた。
入り口に亀頭が当たって、いよいよだと隼鷹が思った瞬間、彼は腰を一気に突き出した。
ずるっ、と一気に挿入され、身体の奥底から突き上げられる衝撃に隼鷹は濁った嬌声を喉から漏らした。
「あ゛っ、ああっ……」
やがて、それは恍惚な声へと変わった。
焼けるように熱々とした肉棒の感触と、
彼もまた、避妊具なしの生の気持ちよい感覚に、思わず目をきつく閉じる。
彼の両手が、隼鷹の腰をがっしりと掴んだ。腰を引くと、奥まで挿入された肉棒が、ずるずると膣壁を擦る。その都度、下半身から伝わるその刺激に隼鷹は脳を焼かれるようだった。
程よく絡まるひだに撫でられ、掴んで引っ張られるているような感触に彼も深い吐息を漏らした。
ゆっくりと、腰を動かして抽挿を開始する。
亀頭が子宮口をやさしくノックする度に、隼鷹は小さな嬌声を絶えず漏らした。
「あっ、ああっ、すっごい……いい……」
荒げた呼吸で、隼鷹は呟く。
その気持ちよさに、思わず膝が笑いかける。壁についた両手が、少し震えているのがわかった。
ゆっくりとした抽挿は、やがてスピードを増していく。
にちにちと粘つく水音が激しくなり、腰と腰がぶつかる肉音も、テンポを上げていく。
「あっ、んんっ……」
腰を動かすスピードが上がっていき、隼鷹は声を上げた。
長い間お預けを受けた反動か、隼鷹もじんじんと感じている刺激の波が、段々と大きさを増していた。
「ごめん……気持ちよすぎて持ちそうにない……」
腰を打ち付けながら、焦ったような余裕のない声が彼の口から漏れた。
隼鷹も、大きな快楽の波が身体の底から湧き上がろうとしていた。
「いいよっ、イっちゃいなよ……
「くっ……うっ……!」
彼が呻くと同時に、その腰が重なり、深く突き上げたままで止まった。
ぐっと肉棒が硬さを増した瞬間、鈴口を押し広げるようにこみ上げた熱く濃い精液が、隼鷹の
「んっ、あっ、あああっ!」
同時に達した隼鷹が、快楽の波に身を委ねる。声を上げ、反射的に締まった膣が、きゅうと彼の肉棒を包んで、ぎゅっと咥え込んだ。
どくどくと、熱い精液が放出される。一度、二度と
重ねていた腰を離し、ずるっと肉棒が
互いの荒い呼吸が、浴室に響き渡った。そのまま余韻に浸りながら、二人とも、互いに向き合ってその場にへたり込んだ。
秘所に指を這わせた隼鷹が、その指先に絡みつく精液と、垂れた滴を見て笑った。
「……いっぱい、出したね。ちょっとイクの早かったけど」
「だいぶ、溜まってたから……」
肩で息をしながら彼はそう答えたが、射精を終えた肉棒は頭を垂れながらも、まだ硬さと長さの維持はしていた。
それを見て、隼鷹は淫靡な笑みを口元に浮かべた。
「まだまだ出来そうだねぇ……ちょっといい?」
隼鷹は、その細い指先で彼の肉棒を優しく握った。
先端から白い滴――尿道にまだ微かに残った精液――を垂らした肉棒は、愛液と精液でぬるぬるになっていた。それを片手でしごいていく内に、彼がその刺激に微かに呻き声を上げた。
その反応が面白くて、隼鷹はしごくスピードを上げてみる。硬さを取り戻し、また隆々と勃起をしはじめたそれを見て、隼鷹の口元には無防備な獲物を見つけたハンターのような、そんな笑顔が浮かぶ。
しごくのをやめて、その手を離す。腰を下ろしたままの彼に隼鷹が向き直った。隼鷹はそっと彼の股間に、腰を落とし。そのまま対面座位の姿勢になった。
「手で出すのは勿体ないしさ、次のも……あたしの中に沢山ちょうだい?」
腰を下ろした隼鷹は、自分の下腹部にそっと添えられた肉棒を指先で撫でながら、呟く。
彼が頷いてから、隼鷹はそっと腰を浮かし、その先端を再び自分の秘所へとあてがった。
「今度はあたしが動くから……」
そう言うと、隼鷹は一気に腰を落とした。
「ああっ……!」
濡れそぼった秘所に、再び滾る肉棒が一気に挿入される。
精液と愛液が混じり、とろとろになった膣壁が肉棒を擦りあげると、互いに情けない声が漏れた。
湯と、汗でしっとり濡れた互いの皮膚がぶつかる、ぱちぱちとした肉音が浴室に響き渡る。
自分の腰の位置を調整しながら、隼鷹は
腰を動かすと、一番気持ちいい場所を亀頭が擦っていく瞬間に、より大きな嬌声が漏れる。両手で彼の頭を抱き、痴態を隠そうともしない蕩けた顔のまま、隼鷹は必死で腰を振り続ける。
彼は、肉棒を包み込む熱い
両手は床につき、手持ち無沙汰だった彼は、そのまま隼鷹の背に両手を回して、引き寄せた。
「あっ、ああっ!んんっ……」
顔を寄せて、アルコールの匂い交じりの口づけを交わす。
唇を舌でこじ開け、無防備なその
「んんっ、んっ……ううっ」
息苦しさに耐えかねて、唇を離すと、唾液がアーチを作る。
結合部からは絶えずぐちゅぐちゅと粘つく水音が流れ、激しい抽挿で描き出された精液と愛液が、浴室の床に垂れていく。
「あっ、ああっ、んっ、んうっ!」
腰を動かす力が止まらず、隼鷹はせき止められた大きな快楽の流れが、一気に放出されるような感覚に陥る。
もう限界が近づいていた。
「あっ!イっちゃうっ、あたし、イきそうっ!」
「僕も、もう無理そう……!」
歯を食いしばって、何とか射精に耐えていた彼が、先に音を上げた。
どくん、と脈打った瞬間に肉棒が再び、がちりと硬くなって、爆ぜた。鈴口から溢れだす二度目の白い奔流が、隼鷹の子宮へ注ぎ込まれる勢いで放出された。
「あっ、あっ、あああああっ!」
少し遅れて絶頂に達した隼鷹が、白濁液をぶちまける彼の肉棒を
身体をよじり、反射的に身体が反る。ばちばちと心地よい刺激が脳裏まで駆け抜け、その快楽に抗えなくなる。
理性を片隅に押しやって、雌と雄として繋がり続ける。互いに足りなかった、欲しかったものを貪欲に欲しがる。
二人は身体を強く抱きしめながら、そのまま二度目の絶頂の余韻へ浸った。
荒い呼吸の中で、繋がったまま、二人は小鳥が啄むような優しい口づけを交わした。
* * * *
改めて互いに身体を洗い、汗も、互いの体液も流し終える頃には二人はすっかり疲れ果てていた。
ようやく熱い湯船に浸ると、二人は同じタイミングで恍惚の声を上げた。激しいセックスで疲れた身体に、温泉は効いた。
湯船に浸りながら、彼と隼鷹は窓の外に広がる、星の浮かぶ夜空を一緒に眺める。
互いに火照った身体を寄り添わせ、時折、他愛も無い会話をしながら、その間に流れる静寂を楽しむ。のぼせてしまわないなら、ずっと過ごしていたいと思う時間だった。
「あー……こうして平和な時間が流れてるとさ、やっと作戦が終わったんだなぁ、って思うんだよな」
隼鷹は、ふと呟いた。
「そうだね。二人きりで、戦争も関係ない時間を過ごしてると、本当にそう思うよ」
彼も、本音を呟いた。
「次の仕事場だけどさ、内海の基地だから、もうしばらく前線には出ないでしょ?」
「うん。殆どは訓練とか、雑多な仕事とか、ちょっとした出撃程度になるだろうね。負担はかなり少ない職場だよ」
「そっかぁ」
隼鷹は、少し考えてから、呟いた。
「……赤ちゃん、作れるかな?」
いつもの隼鷹の口から、到底出る事の無い言葉が漏れた。思わず、彼が素っ頓狂な声を上げた。
「えっ……!?」
「真剣に考えてたんだけどさ。もうあたしもアラサーだし、タイミングも考えれば、結婚するなら早めに子供が欲しいと思ってた所なんだ」
隼鷹は湯船の中で、自らの下腹部にそっと手を当てた。
「今日は無理だけどさ、式が終わって結婚したら、割と本気で欲しいと思ってるんだ……ダメかな?」
「産休、取れるか上に掛け合ってみるよ」
それは助かる、と隼鷹は笑った。
「っていうか〝子供欲しくない〟とは言わないんだね」
「当り前さ、僕だって欲しいから……」
そう答えた彼の顔を見て、隼鷹は少しだけその笑顔を曇らせた。
「その割には、何か不安そうだけど」
図星だった。
異動と新しい仕事、新婚生活、それに出産と子育て。今の彼には初めてだらけの出来事が続くのだ。
だが、それを見透かしてか、隼鷹は歯を見せて笑った。
「大丈夫だって!人生なるようになるし、あたしだって頑張るからさ」
「……そうだね」
彼は微笑みを浮かべた。
窓の外に広がる夜空を改めて眺めながら、二人は湯船の中で、その手を重ね、ぎゅっと握った。
温泉旅行いきてえなあ