第一話「るる」
「これで……終わり、っと」
時計の針が19時を指している。窓の外は静かに雨が降っており、外の冷気が僅かに染み込んできて緩やかな暖房の空気と窓際で押し合っている。
大きめのデスクに置かれたPCと、ゆったりと座れるサイズのチェア、シングルベッドにテレビ。以前は本が詰められてい書棚は次第に電子化が進んでその冊数を減らしている。ささやかながら、これが俺の小さな城だ。
「それじゃ、俺はこれで退社します」
『お疲れ様』
作成していた文書データを送付し、ボイスチャットで課長に終了の報告をする。当初は反応に戸惑いを見せていた課長も、これが常態化して数年経った今では慣れたもので軽く答えを返してくる。
俺は会社との接続を切り、自宅のデスクから椅子をやや離すと大きく身を伸ばした。
「んっ……」
ここからは
俺は手早くシャツを脱ぎ、下着ごとズボンを脱ぐとデスクの脚の近くにまとめ、クローゼットを開けた。中に吊るされている潜水服めいた黒いボディスーツを取り出し、ファスナーを下ろすとそれを身に纏う。
スーツにはまるで星座図のような無数の白い点が配置されている。これは着用者の動きをトレースすると同時に、自身に与えられた感触や刺激をフィードバックさせるものだ。より正確なフィードバックを感じるために中古車なみの価格の高級品を買ったが、今味わっている快感からすれば安い買い物だったと思う。
続けて俺はクローゼット内の床に置かれた円筒状の物体を取り出した。まるでサイボーグ化した竹輪のようなそれは、やはり性的なVR体験をするために必須な股間用のトレース機器だ。肉棒の状態を正確にトレースするだけでなく人工愛液の分泌機能も備えており、
「……あ、忘れてた」
俺は股間へのパーツ装着の前にある事を思い出し、キッチンへ向かうと冷蔵庫を開けると冷えた精力剤を取り出し、封を切って一気に飲み干した。仕事終わりで弛緩した身体を引き締める冷たさと強い苦みが体内に流れ込んでくる。首を軽く回し、再び椅子に戻る。おそらく事を始めるくらいで丁度よい位に回ってくれるだろう。
改めてスーツの局部周辺だけを開放してパーツを股間に取りつけ、PCに幾つかのコードを差すとそれをスーツや股間パーツに取り付けた。ピリッとした刺激が肌を包む。
「それじゃ、行くか」
そう呟き、俺は仕上げにスクリーン付きの仮面めいたバイザーを被った。顔全体が覆われ、古典的なワイヤーフレームの画面が視界に広がる。
「アクセス、『電燈二次三次』」
音声入力で行先を伝える。
次の瞬間、数秒のホワイトアウトを経て──
「さて、いい娘はいるかな」
──俺は、高級ホテルのフロントめいた空間にスーツ姿で立っていた。
世界的なウィルスの流行が発生してから数年、最も大きな打撃を受け、同時に変化を遂げたのは風俗界隈だった。特に粘膜接触や唾液の交換などが避けられない性風俗は規制の強化、就業者の減少、そして何より顧客の急激な減少により幾つもの店が潰れ、地方では風俗街丸ごとがゴーストタウン化したケースもある。
そんな中、活路として見いだされ研究と開発が進んだのがネットを利用したVR風俗であった。当初はライブチャット程度でしかなかったそれはより現実的、肉感的なものへと進化を遂げ、今ではまだ値こそ張るが、民間の一般人でも自宅に居ながらイメクラやソープと遜色ない快感を得られるようになった(低所得者向けにスーツをレンタルしている店もある)。
「えーっと……」
無人のフロントにホログラフモニターが浮かび、そこには現在
この店、「電燈二次三次」はそんな風俗新時代に突如現れ、急激に人気を増してきた会員制のバーチャル風俗店だ。まだまだバーチャルモデルの巧拙差が激しい電脳風俗において頭二つほど優れたモデルの美しさと安定した通信環境を備え、サービスの良さも含めて高い人気を誇っている。
そして何よりこの店の特徴は──務めている嬢のモデルが、実在するVTuberに酷似しているという点だ。
「『まつり』はお休み……『マリン』は出勤中だけど順番待ち……あー、『笹木』『ドーラ』『リオン』も埋まってるか、ちょっと遅かったか?」
思った以上に埋まっている勤務表を見て俺はぼやいた。冬のボーナスが出たばかりで余裕がある内に愉しもうと思っていたのだが、それは自分だけではなかったようだ。
当たり前だが彼女たちにも「中の人」がいるし、それぞれのキャラクターやNGもある。モデルを複数用意して、中の人を別々に宛がうことは出来ないのだ。
さて、どうしたものかと思いつつ画面をスライドさせてゆく。
「おっ!?」
数分前に出勤したばかりの「るる」という名前を発見し、俺は驚くと共に急いで予約を入れた。会員コードを入力して、口座から先払いで料金を振り込む。
「るる」、モニターに表示されている評価レートはこの店の上位勢に匹敵する程に高く、写真の横に「人気!」マークも付けられている。実際、俺が来る時はだいたい他の客に取られている。
ただ──「とある事情」で利用者のリピート率は低めで、入店からこれまでのトータル客の数も少ない嬢だ。俺も彼女をリザーブできたのはこれが二回目である。
『入金確認致しました、ありがとうございます。ルームのイメージはどうされますか?』
「彼女の自室、時刻はリアルタイム連動で」
『承知しました。転送まで10秒ほどお待ちください』
モニターから透明感ある声が発せられ、足元に光るサークルが出現する。俺は軽く足踏みして待った。完全に同じ動きをする必要はない。頭の中で「足踏みする」とイメージして座ったまま足を緩く動かせばスーツが自動で電気信号を流し、収縮することで筋肉に「足踏みしている」という錯覚を与えてくれる。
「んっ……!」
軽い眩暈と共に視界が揺らぎ、気が付けば俺はピンク色を基調とした部屋の中に居た。薄桃色の掛布団が敷かれたベッドには、どこかで見たようなコアラめいたデフォルメをされた悪魔のぬいぐるみが置かれている。窓の外は暗く、指示通りに現在の時間とリンクした景色になっているのが分かる。
「こんるる~♪」
背後からの柔らかな声、俺は振り返りつつ答えた。
「こんるるー。ごめんね、出勤早々にお願いして」
「いえいえ、大丈夫で……あれ? えっと、前にも来てくれた人……だよね?」
「覚えていてくれたんだ」
顎に指をあてておぼろげな記憶を思い出そうとしてくれている彼女、鈴原るる──に酷似した嬢に、俺は微笑みかけた。
今の彼女はフリル付きの白い長袖シャツに濃い葡萄酒色のスカートに黒タイツという出で立ちで、亜麻色の髪にはスカートと同じ色のリボンが結ばれている。
「うん、思い出した! 嬉しいなあ、また来てくれたんだ!」
嬉しそうに彼女は笑い、俺の手を取るとぶんぶんと振った。その動きに合わせて、シャツの布地を張り詰めさせている豊かな乳房がゆさゆさと揺れる。
そちらにどうしても吸い寄せられる視線をるるの顔に戻し、俺は言った。
「前も凄く良かったし、ぜひお願いできればと思ってね」
「本当に嬉しい! もう一度来てくれる人って、本当に少ないから……あ」
手を離さないまま彼女は答え、ふと何かに気付いたように言った。
「喜んでばかりじゃダメだよね。ちゃんと楽しんで貰わないと……呼び方はどうしよう? 名前呼びがいいのかな?」
「いや、前と同じ『お兄さん』で。プレイも前回と同じ感じで」
「分かった。それじゃ始めよっか、お兄さん……ちゅっ」
まるでこれから対戦ゲームを始めるかのような気軽さでるるは言うと、少しつま先を立てて俺にキスをした。それに応えるように此方もるるの唇に自分のそれを軽くあて、やがて次第に深いキスへと移ってゆく。
「んっ……んはっ……ふぅっ……」
「ンンッ……お、お兄さん……あふっ……」
──実際の粘膜接触や妊娠、性病の危険性の無いバーチャル風俗において行為としてのNGは基本的に存在しない。キスは勿論のことゴム無しの挿入やアナルセックスからの膣内挿入も許されている。
先ほど触れた嬢ごとのNGというのは主に彼女ら個々人の精神的なものというか、嫌悪感的なNGだ。スーツのフィードバックには当然装着者を保護するためのリミッターが付けられているが、それでも一定の痛みや息苦しさなどは(装着者に身の危険を察知させるため)伝わるようになっている。過度な凌辱や首絞め、スカトロなどの特殊プレイは当然ながら避けたがる女性も多い。
「ちゅ……は、ふぅっ、じゅるっ……」
「ンッ!? ん……ちゅ、ちゅうぅ……!」
舌を伸ばし、彼女の唇を撫でてから口腔内へと分け入らせる。るるは一瞬だけビクンと身体を跳ねさせたが、すぐに対応して俺の舌を愛おしそうに吸い、自身の舌を絡めさせてきた。
彼女、るるの場合はスカトロ以外のNGはほぼ無い。恥ずかしがりながらも興味が勝るのか、こちらの要望や行為をしっかり受け止めて、こうして応えてくれる。
るるの舌と自身の舌を絡ませ合いつつ、俺は彼女の胸にシャツ越しに触れた。きめ細やかな布地の感触越しに伝わるずっしりとした乳房の温もりと感触のリアルさは、ここが仮想空間である事を俺に忘れさせる。
「んあっ! そこ、そんな……」
唇を僅かに離すとるるは声を漏らした。しかし抵抗する様子はなく、自分と身体を密着させてくれている。俺はそのまま彼女の乳房を柔らかく握り、揉む。
勿論この空間において布地などはデータに過ぎず、その気になれば彼女の服を透過させて直接触れることも可能だが──それは野暮というものだろう。
「あっ、あうぅ……!」
「可愛いよ、るるちゃん……んっ」
「お兄、さん……ちゅっ、んあっ……!」
頬を赤く染める彼女に囁きかけ、乳房を揉みしだきながら再度のキス。
「くっ……?」
ふと、俺は股間に柔らかい刺激を覚えた。
視線を下げてみると、るるの右手がスラックスの上に添えられていた。細い指が肉棒の形を確かめるように動き、緩やかに擦ってくる。
「もう、大きくなってる……貴方のおちんちん……」
うっとりとした囁き声が理性を蕩けさせる。どうやら彼女も責められるだけではないようだ。おずおずと、しかし止めることなくジッパーを下ろし、指を隙間から差し込んでくる。
「んっ……しょっ……」
肉棒に直接触れられる感触。左手がスラックスの留め具を外して拘束を緩めると彼女は俺のトランクスをずり下げ、肉棒を露わにさせた。
「うわぁ……前の時よりおっきぃかも?」
「そう……かもね」
るるは目を丸くして、外気に晒された俺の肉棒に視線を向ける。まだ半勃ちだが、それでも日本人平均以上はあるはずだ。
俺個人の名誉のために言っておくが、これは決してアバターに下駄を履かせている訳ではない。ことゲームのような自由にアバターを弄れる空間と違い、元々の肉体への快感が重要になるバーチャル風俗において過度に「本体」とかけ離れたアバターを設定すれば与えられる刺激に「ズレ」が発生し、気持ちよくないどころか痛みが発生する場合もある。肥満体が痩せ型のアバターで愉しもうとするのは難しいし、逆もまた然り。それなりの日々のトレーニングの賜物なのだ。
──そして、それは同時にるるの「向こう側」が彼女と同等の豊かな胸と細い腰、肉付きよい尻を備えた美女だという事でもある。
「えっと……こう、かな? 強かったら、言ってね。たまに痛がる人もいるから……」
「大丈夫、任せるよ」
気遣うように言うるるに俺は答えた。
返事を受け、彼女は右手で竿を柔らかく握り、前後に擦り始めた。視線を時折俺の顔に向けるのは、自分の力加減が上手くできているかを探っているためだろう。
俺は彼女が与えてくれる快感を覚えつつ、るるのシャツのボタンを外した。
「んんっ……!」
可愛い声が漏れる。同時に拘束から解放されたるるの乳房が「ゆさっ」という音が聞こえそうな揺れと共に眼前に表れる。乳輪は小さく、先端の薄桃色の乳首は突起し始めている。俺はその乳房に直接触れた。柔らかな感触の奥から、確かな弾力が指を押し返してくる。扱く手を止めないまま彼女が言った。
「あんっ……ダメ、だよ。今はこっちに集中させて?」
「俺だけが気持ちよくしてもらうのも悪いからね」
「むぅ……」
俺の言葉にるるは少しむくれたような反応を示すと手を離し、スッと一歩距離を置き、腰を落とした。
「そういう事を言うお兄さんには……ちゅっ」
「うっ!」
るるは着衣のまま膝立ちになり、肉棒がちょうど顔に来る位置に身を寄せると亀頭にキスをした。思わず声が漏れる。
「っ!? ……ンッ、ふふっ、ふふふっ」
急に彼女は唇を離し、含み笑いを始めた。背中を震わせている辺り、からかいでなく素の笑いのようだ。
「ど、どうしたの?」
「ふふっ……ご、ごめんなさい。今のお兄さんの反応が何だか可愛くって、ご、ごめっ、なさっ……」
笑いの合間に何とか説明しようとして、そんな自分の笑いに釣られるようにまた笑う。セックスの最中だというのに何とも和やかな笑みだ。そんな商売女とはかけ離れた様子が、俺は素直に可愛いと思った。
「そ、そんなに面白い顔をしてたかな?」
「え? ううん、今のが私のツボに入っただけで……普通に格好いいと思う」
「それならいいんだけど……」
「本当だよ? ここも、こんなに逞しくなってるし……んっ、れろっ……」
仕切り直すようにるるは言うと、再び俺の肉棒に顔を寄せ、舌を這わせた。強い快感に俺の身体がびくんと反応を示す。彼女はそんな反応が楽しいのか、より大胆な行為へと移ってゆく。
「ふぁ……あ、むっ……ンンッ」
「くうっ……!」
髪をかき上げつつ、るるは大きく口を開けると亀頭をかぷりと咥え込んだ。更に顔を寄せ、竿まで呑み込んでゆく。彼女の口腔内の熱さと滑りを感じ、更に充血した怒張は限界まで膨れ上がった。
「ンッ……んぶっ……じゅるぅ……」
「うおっ……る、るるちゃん、それ、凄い……!」
リミッターがあるとはいえ多少の息苦しさはあるだろう。それでもるるは口を離すことなく鈴口を弄るように舌でつつき、唇をすぼめて竿を締め付けてくる。そのまま彼女は頭を前後させ始めた。亀頭からは先走りが滲み始め、るるの唾液と混ざり口淫をより滑らかなものにしてゆく。
「じゅっ、ちゅぅぅ……!」
「あ、うぅっ!」
強い吸い上げ。上目遣いのるるの瞳が楽しそうに細められる。可愛らしい部屋の中で清純そうな少女が肉棒を咥えて満足感を得ているというこの状況は、俺の中に堪らない倒錯感を覚えさせる。
次第にぞくぞくとした強い快感が腰の奥からこみ上げてきた。射精感が強まっているのだ。俺は彼女の頭に触れつつ言った。
「るる、ちゃん……そろそろ、口、離して……」
「……♪」
「っ!?」
どうやら逆に彼女の「やる気」を刺激してしまったらしい。じゅぽじゅぽと音が立つ程に頭の動きを早め、更に射精を促してくる。
前回はこれで止まってくれたのだが、二度目という事で彼女もこちらを弄る余裕が出来たのかもしれない。この不意打ちは実際効いた。ひと息つこうとしていた体が更なる刺激に晒され、一気に昂ぶりまで持っていかれる。
「うっ、あ、あぁぁっ!」
「……!」
ひときわ強く腰が震え、るるの口の中に精液が放たれる。どくどくと白濁液が流れ込み、それを彼女が嚥下してゆくのが分かる。
たっぷり十数秒の射精を経て、ようやくるるは肉棒を口から解放した。
「んっ、ぱ……ふぅ、ごちそうさまでした」
可愛らしい口元を精液で濡らしつつ、るるは俺を見上げて言った。唾液と精液が入り混じった粘液が絨毯を濡らす。
満足そうな彼女の微笑みに苦笑しつつ、俺は言った。
「参ったな。最初はるるちゃんの
「ごめんなさい、お兄さんの反応が楽しくって、つい……」
「いいよ。それじゃ、次は……」
「……うん」
るるはこくりと頷くと、ベッドの上にころんと横になった。露わになったままの乳房が重そうに揺れる。スーツ姿のままだった俺はネクタイを緩めてシャツを脱ぎ、スラックスから足を抜いてベッドに腰掛けた。靴下も脱いで床に落とす。
「あの、お兄さん」
「何だい?」
「その……前もそうでしたけど、ここからは『勝負』って事にしませんか?」
「……喜んで」
「んはっ……」
彼女の申し出に俺は即答すると、その下半身に覆いかぶさるように姿勢を変えるとスカートの中に手を差し込んだ。タイツの滑らかな感触と共に、指先に湿り気と熱気を感じる。
「あうぅ……」
「これ……もう、濡れてる?」
「は……はい、お兄さんのを、舐めてる時に……」
問いかけに、るるは恥ずかしがりつつも律儀に答えた。そんなところに可愛さを覚えつつ、俺は黒タイツに指をかけるとクルクルと丸めて脱がせた。彼女の身体から放たれる芳香がより強くなったように思える。
再び指をスカートの中に入れ、直接ショーツに触れる。クロッチ付近まで指を進めると、粘り気を伴ったしっとりとした感触が指先を濡らす。くちくちとショーツの上からるるの秘所を弄ると、びくんと彼女の身体が跳ねた。
「あぁっ……んっ!」
「……これなら、前戯は要らないかな」
ログイン前に飲んだ精力剤もいい感じで回ってきたようだ。先ほど射精したばかりというのに既に肉棒は再び充血し、勃起を取り戻している。俺はるるのショーツも脱がし、スカートを捲り上げた。
「はあっ……」
るるの口から甘い吐息が漏れる。亜麻色の陰毛に彩られた彼女の桃色の秘唇は愛液で照り光り、肉棒の挿入を待ち望むようにひくついている。
俺は竿に手を添え、彼女の脚を持ち上げた。
「それじゃ……勝負開始といこうか」
「……負けません」
頬を染めつつも、るるは真っ直ぐな視線で俺を見返す。俺は笑みを返すと亀頭の彼女の孔に定め、一気に腰を突き出した。
「うっ……ぐうっ!」
「きっ、来てっ……んあぁっ!」
血管を浮かび上がらせた怒張が彼女の
「お、お兄さんの、凄、いぃっ……ああんっ!」
「くうっ……し、締まるっ……!」
背を反らしるるが悶える。肌を火照らせて喘ぐ彼女の様子を伺いつつ、俺は大きく腰を引き、再び奥まで突き入れる。テラテラと濡れる竿が露わになり、再びるるの膣内へと埋まってゆく。
彼女の締め付けは強く、同時に柔らかかった。根本こそ逃がすまいとぎゅうと締めてくるが、それでいて中は温かく包み込むように肉棒を受け入れ、無数の襞が射精を促してくる。
竿に添えていた手をるるの脚に添え、両足を持ち上げると俺は本格的なピストンを開始した。ぱんぱんと肉が打ち合う音がバーチャルルーム内に響き、それに嬌声が混じる。
「ふぁ、あ、ああっ!」
ビクビクとるるの身体が震え、締め付けが一際強くなった。軽い絶頂に達した証拠だ。
「これで……んくっ……『一回』かなっ……!」
「ま、まだ、ですっ、よ……ンンッ!」
「うおっ……」
余裕を見せようとして話しかけたが、その瞬間に彼女の膣全体がうねり、肉棒を絞るような動きを見せた。不意を突かれ射精しそうになったのを辛うじて堪え、抽送を再開する。
「ふぁ、あっ、ああっ! おちん、ちんっ、奥っ!」
「ああ……分かる、よ。るるちゃんの、おまんこの、一番、奥っ……!」
俺は足を更に持ち上げ、るるの腰を持ち上げるような体位にするとスパートをかけた。仰向けでも形を崩さない美巨乳が汗に濡れてゆさゆさと揺れ、尖り切った薄桃色の乳首がその先端で震える。
その景色を堪能しつつも、俺は彼女が達する前に射精すまいと歯を食いしばった。せめてあと一回は
「ま、また、イったよな、るる、ちゃんっ!」
「い、イってまっ、せっ! あ、あぁんっ!」
彼女の震えが強まってきた。大きな波が来ている。結合部が泡立つ程の抽送が、やがて耐え難い射精感を運んでくる。激しい動きでるるの頭のリボンが解け、亜麻色の髪を振り乱して彼女は悶える。
「あ、あ、あああっ!」
「ぐっ……で、出るっ……!」
目を見開き、るるの身体がぴんと伸びた。ほぼ同時に俺は射精感を開放し、彼女の膣内へと容赦ない射精を浴びせる。
「あぁ……熱い、です、熱いのが、流れ込んで……」
「うおっ……絞られるっ……!」
精液が吐き出される度にきゅっと愛おしそうに秘所が締まる。俺は彼女の脚を抱えたまま、眩暈がしそうな射精の余韻に浸る。
数度の腰の震えの後、ようやく射精が治まってゆく。
頬に髪を貼りつかせつつ、るるは瞳を潤ませつつ言った。
「……すみません、さっき嘘つきました」
「嘘?」
「はい……三度、イきました」
本当に素直な娘だ。つくづくそう思う。
「そっか、それじゃ今回は俺の勝ちだな」
「はい。先にイかせられると思ったんですけど」
俺の言葉に彼女は残念そうに言うと、まっすぐに俺を見上げた。
「あの……もう一回、勝負して貰えますか?」
「……ああ、望むところだ!」
「ああんっ!」
半勃起の肉棒に再び血を滾らせ、俺とるるは第三ラウンドに突入する。
これが彼女が人気の割にリピーターの少ない理由。セックスを勝負として扱い、達した回数で競い──
相手にしてみれば、引き下がれば男としての沽券に関わるから退くことは許されない。しかもるるは物凄い負けず嫌いで、延長料金を自腹してでも続けようとするのだ。短くて6時間、長ければ10時間もの長期戦になる事も珍しくはない。結果、相手は搾り取られて退散するという訳だ。俺も万全の状態でなければ、前回の戦いで勝ち越す事はできなかったろう。
噂がある──このバーチャル風俗に務めている彼女らは「本物」だという、他愛ない噂。
「あふっ、ンッ! うそ、ま、またっ!?」
「何度でも、イっていいからなっ、るる、ちゃんっ!」
それはおそらく彼女らの、そういった「らしさ」に依るものなのだろう。
再び高まる興奮に身を委ねつつ、俺はそんな事を考えた。