※この作品はR-18です。

バーチャル風俗「電燈二次三次」   作:ターキーX

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シーズン2
第十一話「フレン」


「私、自分で首絞めますんで、そのまましてもらっていいですか!? 死にそうになっても気にしなくていいですから!」

「………」

 

 ほぼ初対面の嬢に偉い勢いでそう言われた客は、果たしてどんな顔をすれば良いのだろう。

 俺は早くも軽い頭痛を覚えつつ彼女、「フレン」──VTuber、フレン・e・ルスタリオに酷似した眼前の女性に言った。

 

「えっと……ちょっと待ってくれ。『自分で』?」

「はい! あの、こう……」

 

 俺の問いかけにフレンはおもむろに手を交差させて自身の頸に回し、ぎゅっと力を籠めた。

 

「ぐぇっ!」

「お、おいおい!」

「ケホッ、ケホッ……あっはっは! 今みたいな感じでやると、いい具合になりますから大丈夫です!」

「いや、何も大丈夫じゃないんだが……」

 

 咳込んだかと思えば自分の行為にウケたのか爆笑しつつ言う彼女に、俺は思わずツッコミを入れる。

 さて、どこから切り込んだものやら。

 

「なあ、フレンさん。それは自分でやらないとダメなのか?」

「はい! 他人にして貰うのは『何か違うな』って感じで」

「……ちなみに、実際に他人にしてもらった事は?」

「あはっ、ありません! だってそんなの、頼める訳がないじゃないですか!」

 

 陽気に笑いつつフレンは俺の言葉にきっぱりと答える。どうやら彼女の中では「自分で首を絞めている相手とセックスする」というお願いが客をドン引きさせるという事実に至らないらしい。

 

「な、なるほど……じゃあ提案なんだけど、一度『他人から絞められる』ってのを試してみないか?」

「他人から……ですか?」

 

 まるで完全に予想外の言葉を言われたようにきょとんとするフレン。俺は噛んで含めるように言葉を続ける。

 

「ああ。まあ、その……本当に自慢できる事柄じゃないんだが、この店、他でも首絞めが好きな娘がいて、その娘の相手で俺も多少はその辺の()()は分かってるつもりだ。それで試してみて、『ちょっと違う』かどうか、実際に判断して欲しいんだが」

 

 まさか美玲との特殊プレイがこんな所で役立つ事になろうとは。 

 何度やっても怖いものは怖いが、それでも俺の方に主導権を譲ってもらう事で最悪の事態にはならない筈だ。今の彼女の調子では行為中にうっかり勢い余って自分で自分を失神させ兼ねない。

 

「う~ん……分かりました! お客さんのお願いですし、一度試してみましょう! 騎士ですし!」

 

 彼女の中では大英断だったのだろう。暫くの迷いの後、フレンは俺に言った。

 

「ちなみにフレンさん、スーツのリミッターはちゃんと掛けてるよな?」

「……? リミッターって何ですか?」

「………」

 

 一瞬、脳が彼女の言葉を解釈する事を拒否した。

 

「いや……リミッターはリミッターなんだが……」

「はい、リミッターって言葉は知ってますよ? よくありますよね、スポーツ物とかロボット物とかで『リミッター解除っ!』とか言ってパワーアップするやつ。ただ、『リミッター』ってのが何なのかは知らないんですよねー……あはっ」

 

 いい笑顔をこちらに向けつつ答えるフレン。

 

「……ちょっと、スーツの設定画面を開けようか」

 

 この爆弾処理めいたコミュニケーションをどこまで続ければ俺は今日、彼女と最後まで出来るのだろう。

 

「(やっぱ自分で選ぶべきだったかもなァ……)」

 

 後であの“紹介屋”は──流石に女性を殴るのはマズいから、こめかみをグリグリする程度で──痛い目に合わせよう。そんな事を俺は思った。

 

 

 

「いやいや兄さん、何か最近、調子いいっスね~!」

「うおっ!」

 

 その日「二次三次」にログインした俺をロビーで待っていたのは、長い艶やかな金髪に白と茶のエプロンドレス、そしてふわふわした白の帽子を被った青い瞳の少女だった。そしてその少女の口からは、まるで調子のいい親父のような言葉が漏れる。

 

「ど……どうも、ギバ……『御伽原』さん」

「やだなーもう! 『ギバラ』でいいよ『ギバラ』でぇ~! 一度はあたしの膣内(なか)に出した仲じゃないですか、あはん♪」

 

 思えばここで、本当に一発頭を殴っておくべきだったかもしれない。

 「御伽原」、別名「ギバラ」。VTuber、御伽原江良に酷似した彼女は、この店の珍獣枠というかマスコット枠と言うか──色々な意味で恐ろしい女である。

 

「……変わらねえな、お前は。そっちこそ最近の調子はどうよ?」

「いや~、もう不景気で不景気で! 今期のリピーター率、ワースト二位ですよ二位!」

 

 相手が接客モードでない事を理解し、俺も態度を崩してギバラに言う。

 ──見ての通り彼女は金髪碧眼、プロポーションも良く、清楚感ある服装とも実に似合っている。サービスについても積極的で特にNGがある訳でもない。しかしそれで尚、彼女のリピーター率はこの店でも最下位に近く、また評価レートも決して高いとは言えない。

 その理由はひとつ──喘ぎ声が汚いのだ。

 

「ウホッ、ウゴッ! ウヒャホォォー!」

 

 絶頂の寸前、自分の身体の上で踊る少女が動物園の猿とほぼ同じ声質でそんな風に叫ぶのを想像して欲しい。笑うか引くか、どちらにせよ大半の男性は萎える筈だ。俺も正直ヤバかった。

 結局その時はVRの聴覚機能を一時的にOFFにする事で乗り切ったのだが、それが切っ掛けで随分と彼女に気に入られたらしい。後で聞いた話だが、ギバラに「発射」まで至る事ができたのは俺と、他は獣姦マニアの客くらいだったそうだ。

 それ以後は俺の方から彼女を嬢として予約する事は無かったが、こうして向こうから絡んでくる事がしばしば有る。

 

「悪いが、お前は頼まねえぞ?」

「いやいや、そうじゃなくってぇ……今日はお兄さんに『おススメ』を紹介したくて待ってたんですよ~」

「紹介?」

「そうそう! ウチの娘たちなんだけど、最近は人数が増えてきて『もっと人気が出ていいのに燻ってる娘』が結構いるのよ。そんな娘を、ね、ゴールド会員の兄さんに使って貰えればって感じで……」

 

 揉み手でギバラは俺にそう言ってくるが、その態度は何とも胡散臭い。

 

「何か企んでないか、お前?」

「え、え!? やっだな~、そんな訳ないじゃないですか! 自分が客を取れないなら、せめて後輩たちを伸ばしたいという親心ですよぉ!」

 

 露骨に動揺を見せる。逆にわざとやってるのではと思うレベルだ。

 まあ──この店の中で個人が何か企むとしても大した事は出来まい。せいぜい紹介する事でマージンがギバラに入る程度だろう。俺はそう考え、それ以上の追及を止めた。

 俺の沈黙を黙認と捉えたのか、ギバラは指を鳴らしてモニターを表示させると俺に言った。

 

「さて、そんな訳で本日紹介したいのは彼女、『フレン』! 最近入った新人の女騎士さんで現メンバー中、プロポーションは最強ランク! まだまだ手垢もついてない、今が伸びしろの嬢ですよ旦那!」

「……フレン、ねえ?」

 

 モニターに映る長い亜麻色の髪の女性、甲冑をモチーフとした紺と白のワンピース姿の彼女を眺めつつ俺は考えた。

 確かに美しく、見事なプロポーションの女性だった。特に胸のサイズは早瀬どころか「モイラ」「童田」のそれに匹敵するか、それ以上か。それでいて全体に肉が付いている訳ではなく、まさに理想的なセクシーな肢体だ。

 だが──

 

「……なあギバラ、ひとつ聞いていいか?」

「はい?」

「このリピーター率の低さは何だ?」

 

 そう、同じ客が利用する事で上がり、その嬢への定着率を示すリピーター率──それが異様に低い。その数値はギバラすら下回っている。それに比例して評価レートもさほど高くない。

 

「うえっ!? え、あ、あ~……それは、ですねぇ……そ、そう! 彼女、割とお客さんへの理想が高くてぇ、そこらの中年親父がお客さんだと塩っちゃうんですよ! だ、だからこそ! だからこそお兄さんみたいなイケメン細マッチョがお客さんになってくれる事で、彼女の本当の良さを広めて貰えればとぉ……!」

 

 一瞬あからさまに動揺したが、ギバラはすぐに立ち直ると早口で俺に言ってきた。

 

「ねぇ~頼みますよ旦那ぁ! 絶対彼女、気持ちいいですからぁ! あたしの顔を立てて下さいよぉ!」

「……分かったよ」

 

 今度は泣き落としにかかろうとするギバラに、俺は根負けして頷いた。

 とりあえず、今の話に筋は通っている。料金も新人なのに加えてレートの関係かかなり安い。「お試し」としては決して悪くないだろう。

 俺の了承にギバラはぱっと表情を変え、モニターを俺に譲った。

 

「さっすがお兄さん、いい男だねえ! そんじゃ、ルーム設定は『中世ヨーロッパ風の寝室・時刻は夜』にしてありますんで、振り込みだけお願いしまーす!」

 

 何とも調子のいい事だ。俺は呆れつつも入金を行い、転送を待つ。

 

「それでは、いってらっしゃ~い!」

 

 手を振りながら俺を見送るギバラ。それに緩く手を振り返し、俺は光に包まれる。

 次の瞬間、俺が立っていたのは豪奢なカーペットが敷かれた洋室だった、部屋の中央には天蓋付きのベッドが設置されており、壁周りには西洋の甲冑や剣などが飾られている。確かに中世風の作りの寝室だ、くり抜き式の窓からは綺麗な星空と三日月が見える。

 

「はい、こんタリオ~♪」

 

 その時、俺の背後から気さくな挨拶が飛んできた。そちらの方を見てみると、先ほどモニターで見たままの亜麻色の髪の女性が赤い瞳をくりくりさせて俺を見ている。

 

「今日はありがっとう、お客さん! フレンです~」

「あ、ああ、どうも。君とは初めてだけど、よろしく」

「あれ? あー、ひょっとして貴方、最近噂のゴールド会員さん? うわ、頑張らないと!」

 

 俺の挨拶にフレンは小さく驚いて答える。どうもギバラが言ったような、理想が高くて相手を選ぶ風には見えないのだが。

 そんな風に俺が思っていると、彼女は俺に元気よく言った。

 

「あの! 私、自分で首絞めますんで、そのまましてもらっていいですか!?」

 

 

 

 彼女のスーツの設定を変更し、拘束度のリミッターをかける。これで最悪、窒息や失神まではならない筈だ。

 

「はぁ~……こんな機能があったんですね」

「研修とかで聞かなかった?」

「あはっ! 多分聞いたと思うんですけど、覚えてないんですよねー」

「………」

 

 

 ──そんな風に始まり、何とか俺が絞める方向で纏まった訳だが、話はそこで終わらなかった。

 

 

「お兄さん。ひとつお願いがあるんですけど」

「お願い?」

「する時に着てほしいのがあって……」

 

 コスプレでの着衣プレイ。互いを昂らせるのにそれを頼む嬢も珍しくはない。

 確かに()()彼女を相手取るには、何かしらの盛り上げ要素は必要だろう。俺は頷いて言った。

 

「別にいいよ。フレンの好きな服に変えてくれ」

「本当ですか!? 嬉しいなあ……! えっと、それじゃ変更しますね……よいしょ!」

 

 彼女の手が俺に触れる。俺が設定していたスーツが発光し、形を変え──

 

「……な!?」

「うわ、お兄さん! 似合う~!」

 

 ──女物のドレスへと変貌した。驚く俺とは対照的にフレンは歓喜の声をあげる。俺のアバター自身はそのままで、胸板が絹のドレスをパツパツに張り詰めさせている。股間のスース―する感じからして、どうやら下着まで消されたようだ。

 

「私、相手に女装させるのが本っ当に好きで! やっぱりお兄さんみたいな体格だと素敵ですね!」

「……それは、どうも」

 

 なるほど、確かにこれはリピーター率が低い訳だ。

 納得する俺を他所にフレンは俺に近づいた。

 

「それじゃあ、始めます?」

「あ、ああ……頼む」

 

 どうにもペースを握られている。とはいえ今のドレス姿のままで何を言っても主導権は奪えまい。俺はひとまず流れに従うと決め、寄り添いながらベッドへと倒れ込む。

 

「んっ……ちょっと、脱ぎますね」

「分かった、俺は……」

「脱がないでください! 折角似合ってるのに!」

「………」

 

 物凄い勢いでドレスを消すのを止められた。

 その間にフレンは自身のワンピースに触れ、それを消して自身の裸体を露わにする。

 

「(おぉ……)」

 

 正直ここまでのあれこれで彼女を女性として見るのも難しくなりかけていたが、晒された裸身は実際見事なものだった。

 今は俺が下、彼女が上になっているが下着ごとフレンが消した事で両の巨乳──いや、これは爆乳と呼んで差支えないだろう。拘束から解放された彼女の白く、薄く血管の浮かぶ両の乳房が「ゆさっ」と音がしそうな勢いで眼前に現れる。乳輪はそのサイズに比べてやや小さめで、先端では濃い肌色(ベージュ)の乳首が揺れている。

 

「先にお兄さんの、固くしますね……私のも、一緒に……」

 

 そう言うとフレンは身体を回し、俺の顔を腿で跨ぐ体勢に変えた。僅かに脂肪を残しつつ、しかし張りのあるムチムチとした尻が俺の上に来る。

 亜麻色の陰毛に彩られた乳首と同じ色の秘唇は彼女の豪放磊落なキャラクターとは裏腹に控え目でさほど広がっておらず、そのギャップに無意識に唾が沸いてくる。

 腰回りの風通しが良くなった。フレンが俺のスカートを捲り上げたのだ。

 

「おぉ……! 大きいですね、お兄さん……挟み甲斐、ありそう……」

「嬉しいね。フレンの身体も、凄く綺麗だ」

「あはっ、ありがとうございます……ンッ……」

「くっ……!」

 

 肉棒をフレンが柔らかく握る。まだ勃起していない状態のそれを彼女は上に向け、そこに唾液を垂らす。俺は声を漏らしつつ、お返しとばかりに彼女の秘唇に指を添え、優しくなぞった。

 

「ンッ……!」

 

 フレンの尻が喘ぎと共にくねる。俺は顔を持ち上げ、彼女の秘所に舌を伸ばす。

 

「ん、はっ……い、いい、その、舌っ……!」

 

 一方でフレンも反撃を開始する。シックスナインの体位で俺の上に寝そべるように身体を横たえ、唾液に塗れた肉棒を自身の爆乳で挟み込む。

 

「あふっ……どうです、私の胸……割と自信、んあっ! あ、あるんですけど……」

「ふぅっ、ぺちゃ……ぐ、くうっ……ああ、いいよ。堪らない……!」

 

 フレンの秘唇を舐めつつ俺は股間からの刺激に呻いた。

 柔らかく、そして温かな乳房であった。例えるなら出来立ての巨大なマシュマロに挟まれているような、そんな感触と快感と温もりが肉棒に与えられている。更にフレンは自分の手を乳房の左右に寄せて乳圧を強くすると、そのまま体を揺すり肉棒を扱き始めた。唾液で滑らかになった肉棒はフレンの乳の谷間でドクドクと脈動し、俺の理性を痺れさせてゆく。

 

「ううっ……ンッ、ちゅ、ふぅっ……!」

「ふぁ、あ、ああっ! お、お兄さん、やりますね……んっ、はあっ……」

 

 俺は舌でクリトリスを柔らかく撫でつつ、手を彼女の腰に添えて張りのある尻の感触を楽しむ。フレンはその舌の動きに敏感に反応を見せつつも、乳房の深い谷間から肉棒を逃がそうとはしない。

 互いに譲らぬ愛撫の応酬。それは俺の、そしておそらくはフレンの興奮も否応なく昂らせてゆく。彼女の奥から滲んでくる愛液は次第にその粘度を増し、同時にその身体の火照りが増してゆくのが伝わってくる。

 

「うぐっ! そ、そろそろ射精そうだっ……!」

「あぁんっ! い、いい、ですよ……私も、あと、ちょっとでっ!」

 

 俺が訴えに対しフレンは手を一旦離して肘を立てるとそれを寄せ、更に乳圧を増したパイズリを再開する。迫る射精感に呻きつつ、俺も彼女を絶頂に送るために舌を尖らせ、彼女の孔へと舌先を挿入する。女装をしたままのセックスは俺に倒錯的な興奮を与えてくるようだ。腰がびくびくと跳ね、やがて限界が近づく。

 

「ふぉ、お、おぉっ!」

「んっ、あ、くうぅぅっ!」

 

 精液がマグマのように腰の奥からこみ上げ、フレンの谷間に思い切り放出されてゆく。一瞬遅れてフレンの膣肉が俺の舌先を強く締めつけ、濃い愛液が唇に絡みつく。俺は堪らない射精の余韻と脱力感を覚えつつ脱力した。汗を吸ったドレスが肌に貼りつく。一方のフレンも体の力を抜き、俺の肉棒を爆乳の間から解放する。

 

「あ、はぁ……お兄さんの精液、凄いですね……熱さも、量も……」

 

 少しふらつきながらもフレンは起き上がり、こちらに向き直った。両の乳を汚す白濁液が溶けるように消えてゆく。これもVR風俗の良いところだ。俺も身体を起こし、今度はフレンが下になるように促した。

 

「寝バックでいいか? 絞めるなら、それがやり易いと思うんだけど」

「あはっ、はい! 他人に絞められるのは初めてですが、お願いします!」

 

 まだ吐息は荒いが、それでもフレンは俺の言葉に陽気に笑って横になる。

 

「ちなみに、今まではどうやってたんだ?」

「正常位です。私が自分で首を絞めているところに突っ込んでもらっていた感じで……」

「………」

 

 俺の身体の下で「グエッ!」「ゲホッ!」と苦悶の声をあげながら自分で自分の首を絞めるフレンの姿を想像し、俺は改めて彼女のリピート率の低さの理由を痛感した。自傷行為マニアでなければ彼女ともう一度ヤりたいとは思えないだろう。彼女が横になったのを確かめ、その整った背筋に覆いかぶさるように身体を重ねる。先に挿入。そこから首だ。

 

「このまま、挿れるぞ……んんっ!」

「はい、お願いしまっ、あっ、あぅんっ!」

 

 厚い尻たぶの間から肉棒を差し込み、そのままフレンの孔に挿入する。熱い潤みが亀頭から竿の根本まで包み、締め付けてくる。俺は緩やかに抽送を開始しつつ、彼女の頸に腕を回した。

 

「ちょっとだけ、顎、上げて……」

「は、はいっ……んぐっ……!」

 

 俺の言葉にフレンは素直に従い顔を上げ、首のスペースを広げる。回した腕を左手でロックし、チョークスリーパーの体勢になる。

 

「くうっ……ふっ!」

「んっ、ぎっ、ひゅうぅっ!」

 

 俺が腕の力を籠めて静脈を絞めると、フレンは苦悶の声と共に息を漏らす。同時に肉棒を絞る膣圧が上がるのが分かる。

 だが──その反応は、美玲に比べれば弱い。

 個人差の問題か? 俺は彼女を絞める力に緩急を付けつつ具合を探る。

 

「ひゅ、ひぅっ! んくぅっ!」

「ハアッ……ど、どうだ、フレン?」

「んっ……や、やっぱり、何か違う感じ、です……すみません、ちょっと、足りないって、言うか……」

 

 喘ぎこそすれフレンも完全に入り込めていないようだ。快感が弱まった事で思考が回りだした頭が、ここまでのフレンの様子を思い返させる。

 その時、俺の頭にある発想が浮かんだ。些か俺にもリスクある方法だが──やってみる価値はある筈だ。

 

「悪い、フレン。ちょっとだけ驚かせるかも! ぐうっ!」

「え!?」

 

 挿入したまま俺は一度チョークを解くと自身の身体に触れた。彼女との結合部のみイメージを維持したまま、全身のデータを作り替える。快感が薄れないよう肉棒だけはそのままで、骨格を、肉体を、声を、顔を、髪を変えてゆく。急ごしらえの猿真似だが、多少は近いものになるはずだ。

 

「……ハァッ!」

 

 本来の俺より高い声。やはり急激にアバターを変更し、身体に合わせるのは負担が大きい。

 

「へ? 嘘、そんな……!」

 

 亜麻色の髪が俺の頬に貼りつく。寝たまま振り返ったフレンは、俺の姿に驚きを浮かべた。

 

「嘘……わ、私!?」

「……多分、これが()()()()()()()()()()()()の筈だ」

 

 彼女が割とアバウトな認識能力で助かった。体格は俺のままだし各所の作りも荒いが──フレンの姿を真似た俺を自身と思ってくれたようだ。今の俺は亜麻色の髪に白い肌、彼女と同じに胸もある女性の姿になっていた。肉棒のみは男の姿のまま屹立し、彼女の膣内を蹂躙している。

 俺は再び彼女の頸に腕を回し、軽く絞めてみた。

 

「ひ、ひゅ、んっ、ふぁ!」

 

 先ほどよりも敏感にフレンは反応し、俺の肉棒を締め付ける。俺は自分の仮説が正しかったのを確信し、腰を振る動きを速め始めた。

 

 

 おそらく彼女の一番の願望は──()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 ヒントは彼女の義務教育を受けたか怪しい程のすっとこどっこいさと陽気さだ。その気性の根底にあるのは彼女の強い自己愛、自己肯定にあると俺は読んだ。

 二つ目のヒントは俺への女装の要望だ。ただ着せて喜ぶだけでなく、それはレズビアン的な「相手を女扱いしてセックスしたい」という願望の現れではないかという仮説。二つを結び付けた結論がこれだった。

 

「あうっ、い、いいよ、フレン! 凄い、締まるっ!」

「んぎぃっ! あ、あふっ、な、何でっ!? わたっ、私、こんな、ああっ!」

 

 案の定、肉棒以外の感覚がふわふわしている。アバター変更に伴う「感覚のズレ」というやつだ。

 だが──有難いことに、俺(偽フレン)の首絞めに如実に反応を見せるようになったフレンの膣内の感触は。そんな状態の俺でも満足させるに十分に足るものだった。腕の力の加減に合わせてきゅっきゅと竿を締め付けてくる彼女の中はねっとりとした愛液に溢れ、混乱している口調とは裏腹にフレンの興奮を俺に伝えてくる。

 

「どうだ、どうだ、フレンっ! いいか、いいかっ!?」

「ふっふひっ! い、いいっ! わた、私のチンポ、いいっ! 私のが、私の中、擦ってぇ! ぐひぃっ!」

 

 喘ぎながら首を絞められる度に苦悶と嬌声が入り混じった叫びをあげるフレン。俺は理性を失った彼女に圧し掛かり、夢中で腰を振る。

 さほどの間を置かず、俺の奥から射精感が高まってきた。

 

「うあっ、だ、出すよ、出すよフレンっ!」

「ひゅうっ! ら、らひてっ! 私の、精液っ! 私のに、出してぇっ!」

 

 出来るだけ彼女が「自分」と認識できるように語調を変える。彼女の全身がびくんと震え、ひときわ締め付けが強くなったタイミングに合わせて俺は精液を彼女の膣内に放った。同時に首を絞める強さを少しだけ上げる。

 

「ひぐっ……!」

「ぐうっ!」

 

 断末魔めいた呻きと共に、フレンは悶絶した。

 

 

 

「お兄さん、本当にありがとうございました! 今までずっと物足りなさを感じてた理由、分かった気がします!」

 

 それから数度の交わりを終え、フレンは別れ際に俺に嬉しそうに言った。

 

「いや、俺も()()()()()()勉強になったよ。ありがとう、フレン」

「これからは、お客さん全員に私のスキンを被ってプレイして貰います! あはっ、楽しみです!」

「……ま、まあ、頑張って」

 

 どうやら彼女のリピート率が上がる日は遠そうだ。俺は彼女に別れを告げロビーへと戻った。光が視界を覆い、やがて見慣れたカウンターの前に出る。容姿も元のままだ。

 

「おーいギバラ、お前……!」

「御伽原ならとうに退勤しとるよ」

「へ?」

 

 ギバラを探そうとした俺の前に、気が付けば小さな人影が立っていた。

 

「ふむ……その様子では『フレン』は攻略できたようじゃの」

 

 奇妙な出で立ちの少女だった。

 その外見をひと言で説明するなら「紫の着物姿の下駄履きの少女」とでも言うべきだろうか。だがその着物は胴回りと両袖だけを隠し太腿から下はほぼ丸出し。肩口も剥き出しで黒の拘束具めいたインナーには中央に大きな穴が開いており胸の谷間が強調されるデザインになっている。

 また、その容姿も年齢を測るに難しいものだった。身長で言うなら下駄込みで130㎝ほど。俺の腹くらいの背丈しか無い。しかしその緩やかに微笑む表情は余裕ある大人のそれで、彼女の年齢を分からなくさせている。

 そして俺に強く印象を与えたのは口元のほくろと頭から突き出た二本の角、左右に結った青と紫の中間色のような色の美しい髪だった。確かこの色は──竜胆(りんどう)色だったろうか。

 

「……あんたは?」

「名前くらいは知っておろう? 当店副支配人『(みこと)』と申す者じゃ。定命の子よ」

「……!」

 

 彼女──尊は俺に歩み寄り、扇子を片手に見上げつつ言った。

 

「良い身体をしておるな……精力にも満ちておるし、確かにこれであれば『るる』の相手にも足りようよ」

「ど……どうも」

 

 まるでアバターを通して「俺自身」を見られているかのような感覚に、俺は居心地の悪さを覚える。

 その様子が可笑しかったのか、尊は愉快そうな笑みを浮かべたまま俺に言った。

 

「じゃが……そこに()()()()()があるのう。『この店の女性を全て自分のものに出来る』、そう思うておらぬか?」

「っ!?」

「いずれ、(わらわ)が相手をして進ぜよう。それまで逸物(いちもつ)を洗って備えておれ」

 

 その言葉と共に、尊の小さな手が俺の股間に触れる。

 

「ちょ……!」

 

 俺は思わず腰を引いた。

 

「……え?」

 

 気が付けばその時には既に彼女の姿は消えていた。無人のロビーに俺だけが居る。

 

「どうなってんだ……こりゃ」

 

 何とも不穏な気配が背中にまとわり付く感触。

 どうやら今晩の寝つきは悪くなりそうだ。そんな事を思いつつ、俺はログアウト処理を行った。




拙作をここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
11月上旬を目安にシーズン2開始の目処を立てていたのですが、感想、評価コメント共に予想以上に再開を望む声が多く、若干の前倒しでシーズン2を始めさせていただきました。
まずは、先のアンケート結果を発表させていただきます。

(232) 竜胆尊
(192) フレン・e・ルスタリオ
(180) 鷹宮リオン
(178) 椎名唯華
(144) にじさんじ以外(ホロライブ等)

投票数900強、誠にありがとうございました。こちらも予想以上のデッドヒートになり驚かされました。
1位は尊様、中盤から頭ひとつ抜け出して、そのまま先行しました。
2位~4位は団子状態から僅差でフレンが2位、次いでリオン、しぃしぃとなりました。実はフレン、序盤戦では何度か尊様を抜かしており、新人勢の中でも抜きん出たポテンシャルを見せたと言えるでしょう。
最後はその他枠のにじさんじ以外。とはいえ思った以上に票は集まりましたので、今後の参考にしたいと思います。

という訳で緒戦はフレンに勤めていただき、シーズン2のボスとして尊様には動いてもらう予定です。リオン様、しぃしぃについても登場エピソードは考えていますが、タイミングは後々になるかもしれません。
年末に向けて色々と忙しくなるためシーズン1ほどの更新速度は望めませんが、頑張って書いてゆきます。
それでは改めて、ここまでお読みいただき誠にありがとうございました。
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