緑織りなす木々の中、激しい水音が響く。
「………」
遥か上から岩盤に叩きつけられる水の流れ。
滝行用の薄い作務衣を着たまま俺はその岩盤の上で胡坐をかき、滝の流れを受けていた。
「………」
「お兄さーん! そろそろ一時間経ちますよ~!」
水音に負けないよう声を張り、タオルを持ったるるが俺に言う。
「……なあ、るるちゃん?」
俺は目を開け、滝の音量設定を下げて答えた。
「その……これって本当に、意味があるのかな?」
「やっぱり『修行』の基本は滝行だと思います」
「そうは言うけど、別に寒くなる訳でもないしなあ……」
そう言いつつ、特に冷えていない身体を起こして滝から出た俺はタオルを受け取った。
ここは以前に来たこともあるバーチャル旅行社が提供しているVR旅館。その裏手にある山中の滝だ。尊からの挑戦状めいたチケットを受け取った俺は、協力を申し出てくれたるる達と共に一泊二日の──現実時間では3時間の──「修行」に来ている。
確かにVRスーツには暑さ寒さを感じる調節機能はあるが、それはあくまで着用者の健康に影響がない範囲内でだ。例えばエベレスト登頂の仮想体験をしている最中に凍傷になることはないし、火山の噴火口の疑似空間に居たからって火傷を負うことは無い。無論、滝に長時間打たれたからと言って低体温症になることも無いのだ。
「滝行には
「あ、どうも……」
タオルで水気を拭ったところで、着替えがスッと差し出される。
普段の修道女姿でない、浴衣を纏ったクレアが差し出してくれた着替えを俺は受け取った。
「……クレアさん、
「お昼の用意ができましたから、呼びに……」
「………」
気のせいかるるの言葉に圧を感じる。クレアは特に気にしていないようだが、俺はあえて言葉を発さずに濡れた作務衣を脱ぎ、浴衣へと変える。わざわざ動作なしでこれも着替える事は可能だが、そこは雰囲気づくりという奴だ。
あの時に渡されたチケットには、尊曰く「俺を応援したいと申し出た」嬢の名が記載されていた。彼女らと時間や予定を調整し、今俺たちはここに居る。
「ん? おっ、おー……」
「風情がありますね~……」
澄んだ鳴き声に見上げてみれば木々の枝には雪が積もっており、その間を番いの二羽の鶯が飛んでいる。清浄感あるひんやりとした空気といい、思わず此処がバーチャル空間であることを忘れそうだ。横のクレアも感嘆の声を漏らす。
やがて俺たち三人は石畳を抜け、旅館へと戻った。純和風の建物の玄関には大きなモミの木が置かれ、賑やかな電飾やサンタ人形、星などが飾られている。
「遅い、遅いよ!? 危うくナンが冷めるところだったじゃない! ナンは焼き立てが一番美味しいんだよ? それが例えVRナンだとしても!」
「ごめんなさい、先輩」
「って言うか環、お前が料理担当なのかよ……」
玄関口で喧しく出迎えてきた環にるるが頭を下げ、俺は困惑混じりに答える。こいつに関しては、何処で聞きつけたのかあの一戦の直後にねじ込んできた感じだ。
「んふふっ。お兄さん、私を甘く見てはいけないよ? こう見えても私は『アラビア料理界の女帝』と呼ばれて……」
「アラビアのパンは『ホブス』でナンじゃねえぞ?」
どうも例の一件でこいつには随分と気に入られたらしい。最初こそ戸惑ったが、発言の九割がその場をかき回すための適当な思いつきだと理解してからは軽いツッコミを返すだけで片付いている。
「おー、兄ちゃん。どうやった? 滝に打たれて何か分かった?」
「まあ……気分は多少すっきりしましたけど、何も」
「あっはっはっ! そうやろうな! とりあえず、メシにしよか」
環の後ろから出てきた、やはり浴衣姿の早瀬。俺の曖昧な返事に豪快に笑うと、奥へと促してくる。
以前も利用した大人数用の客室にカレーの香ばしい匂いが漂っている。何とも食欲をそそる香りだ。俺たちは膳に用意された幾つかのカレーと、環が用意したと言う怪しげなナンで食事を始めた。
「それにしても……偉い事になっとったんやなあ、兄ちゃん。よりによって
「姐さんにから見ても、やっぱりあの人は凄いんですか?」
「頭は上がらんね。私らのリーダーは『リオン』が務めとるけど、その上で色々な面倒ごとを引き受けてくれとる人やし、
「んふふっ。あの人を落としたお客さんって、確かに聞かないよね」
豆カレーをナンに乗せつつ早瀬が言う。それに環が同意し、含み笑いを浮かべた。
俺はキーマカレーを呑み込み、環に言った。
「環、お前は確か支配人たちよりキャリアは上の先輩格なんだよな? 何とかお前から止めることは出来ないのか?」
「ふふん。あの店に一応は『嬢』として登録していたけど、まともな客を君以外に取ったことの無かった私がお店のことで口出しできると思うのかい? この前の新入店で怒られたばっかりだし」
「………」
予想はしていたが、やはりそういった方面でこの野良猫に期待はできなそうだ。
「るるちゃん、君から見て尊さんってのはどうなんだ?」
「良い人だよ? 仕事終わりにはいつも様子を気遣ってくれるし、VRお菓子を分けてくれたりとかもあったり」
「ふぅむ……」
ギバラも言っていたが、やはり彼女は他の嬢からの評判もいい。ますます尊が俺を試すように刺客を送り込んできた理由が分からなくなってきた。
俺は今度はクレアに尋ねてみた。
「彼女と親しい嬢ってのは、誰かいるのかな?」
「そう……ですね、嬢ではないですが特に親しいのは立場も近い支配人の『ジョー』さん、お店の娘だとスタッフリーダーの『リオン』さん、あとは……趣味的な方で『詩子』さんとも仲が良いみたいです」
「詩子?」
「あー、あの二人、ショタ趣味が合うのに加えて性癖が近いらしくてな、時々一緒にAV鑑賞会とかもしとるのよ」
ここで出てくるとは思っていなかった名前に早瀬が補足する。
「AV鑑賞会って……女二人で?」
「色気のあるモンやないよ? 私も一回、一緒に見たことあるけど時間停止ものでゲラゲラしたり、女の反応見てガチか演技か言い合ったり、ショタっ子のクオリティについて突っ込んだりとかで。詩子もその辺りの造詣は深いからねえ」
『詩子』──かつて俺をショタ化modの実験台に選び、限界まで搾り取ろうとした女。今ではそのmodも店から認可され、合法ショタ相手に幸せな営業を続けていると噂には聞く。
「あいつとはあまり……関わり合いたくねえなあ」
今でもあの時の経験は割とトラウマだ。会う事自体は難しくないだろうが、話を振ればショタ化やら何やらの交換条件を持ち出してくるのは覚悟すべきだろう。
そしてこれ以上の情報やら弱点やらが掴めないとなれば、やはり尊とは搦め手からでなく正面からの勝負となる。
そんな事を話し合っている内に何だかんだで食は進み、ナンとカレーを綺麗に食い終えた俺たちは膳を片付けた。環が重ねられた膳を持って出てゆく。
「さて……そんじゃ兄ちゃん、本格的な『修行』といこか?」
「前みたいに、俺が全員を相手するんですか?」
そう俺が問いかけると、早瀬は首を横に振った。
「いや、多分それやと意味が無い」
「意味が無い?」
「回数やチンポの固さ、大きさで満足する方やないからね。尊様が兄ちゃんに期待しとるのは、おそらくセックスの『数』でなく『質』やと思う」
彼女にはここに至るまでの一連の事情は説明している。早瀬は彼女らしくない神妙な表情で俺に言った。
とはいえ、「質」と言われても今ひとつピンとこない。セックステクニックを磨けという事なのだろうか。
そんな俺の疑問が顔に出ていたのだろう。安心させるような笑みを浮かべて早瀬は説明を続けた。
「兄ちゃんは『客』として尊様のサービスを受け止めつつ、かつ尊様が満足できるようなセックスをせなアカンって事。せやから兄ちゃんの『修行相手』はるるとクレア、この二人に任せて私と環はバックアップって感じでやらせてもらうわ」
そう言って早瀬が視線を向けると、並んで座っていたるるとクレアがぺこりと頭を下げた。
「よろしくお願いします、お兄さん」
「少しでも力になれるよう、頑張りますね」
「二人に絞るんですか?」
「ああ。兄ちゃんも分かっとると思うけど、この二人は兄ちゃんの事を特別に気に入っとる。尊様の仮想相手としては一番合うはずや」
そう言うと早瀬は空気を切り替えるようにぱん、と手を叩いた。
「さ! 時間も惜しいし、さっさと始めよか! 布団は用意出来とるから、兄ちゃんたちはそっちでヤり」
「姐さん、言い方……」
直球にも程がある早瀬の言葉に呆れつつ、俺は身を起こし床の間へと向かった。前回は一応は人数分の布団が用意されていたが、今回はひと組だけ大布団が敷かれている。
「ほな、頑張りや」
るる達が入室したのを確認し、それだけ言い残して早瀬が襖を閉める。
改めて俺とるる、クレアは三人で車座になると布団の上で向かい合った。
「あー、その……」
「すみません、お兄さん、クレアさん……始める前に、ちょっとお話があります」
俺が何か言おうとする前にるるが機先を制して言った。食事を囲んでいた時と比べ、気持ち表情が硬い。
「お、お話?」
「あの……二人って最近、お店の休憩室とかで……えっと、
「なっ……!?」
「……!」
全く予想外のるるの言葉に俺は思わず絶句した。クレアも同様だったのか驚きを顔に浮かべ、言葉を失っているようだ。
そして、俺たちの反応が何よりの答えとして伝わったのだろう。るるは納得したように頷いた。
「やっぱり……」
「その……気付いてたのか?」
今更ここで誤魔化すのは悪手だ。俺は観念して彼女に尋ねる。
るるは俺たちに怒るという風でなく、どちらかと言えば「おずおず」と注意するような感じで言った。
「えっと……不正アクセス防止のためにお客さんの入店ログは見られるようになってるんですけど、それでお兄さんの入店時間と退店時間にズレがあって『変だな』って思って……」
「あ~……」
言われてみれば確かに俺とクレアとの関係は隠密性こそ高かったが、そこで過ごす時間が「二次三次」のサーバー内のものだという事を忘れていた。確かに嬢との事を済ませた客が数時間も店内に残ってからログアウトするなど不自然極まりない。
「あとは、クレアさんが一時期疲れてるような感じだったのが無くなって、それがお兄さんの時期と重なってたから……試しに聞いてみたって、言うか」
「るるさん、その……悪いことをしていたのは分かっています。ただ、責めるのは私だけにしてください」
るるの言葉にクレアが顔を上げて言う。対してるるは首を横に振った。
「いいえ、責めるとか怒るとかじゃなくって……クレアさんが理由なしにそういう事をする人じゃないとは思ってます」
そこまで言うと、るるはクレアに視線を向けた。
「だた、これからは、その……ちゃんとお兄さんとお客さんとして接して、
るるが言葉を選んで、自身の中の感情を整理しつつクレアに訴えかけているのは俺にも伝わってきた。彼女は心優しい気根の少女である。お店の優等生として評価されているクレアに物申すのも、るるとしては踏み込んだ行為だろう。
そして何より彼女の言う事は正論だ。クレアの性欲の強さ故の逢瀬ではあったが、それが店のルールに反しているのは反論しようもない。
あとはこれでクレアが受け入れれば──
「それは、困ります」
「……え?」
──ひとまず話は落ち着く。
そう思っていた俺の前でクレアは顔を上げ、きっぱりとるるに言った。俺の戸惑いを他所にクレアは言葉を続ける。
「あれは私の都合でこの人にお願いした事で、お金を貰ってしてもらう訳にはいきません」
「クレア……さん? ちょ、ちょっと待って? それじゃ……これからも続けるって事?」
「……それが許されない事なのは分かっています」
るるは俺以上に混乱を見せながらも彼女に問いかける。クレアは少しだけ顔を俯かせ、再びるると視線を合わせる。
「なので……あの、るるさん、私と
「ちょ……!?」
よりによって彼女に「その二文字」を言うのはまずい。
だが俺が制止する間もなく、るるの気配が変わった。
「
瞳の奥に、炎が宿る。
一見、それまでの彼女と変わらないように見える。
しかしその身体から放たれる「闘志」とでも言うのだろうか、緊張感を帯びたそれが部屋中に放たれ、室内の温度が上がったようにさえ思える。
「はい……お店で私が働く上でこの人との関係は必要なものなんです。それをここからの『修行』で認めていただけたなら、今回だけ、見逃してください」
「いや、クレアさん、それは流石に……うっ」
クレアはそう言うと、俺の後ろから抱き着くように密着すると胸を押し付けてきた。
「……分かりました。クレアさんにはいつもお世話になってますけど、手心無しで見させて下さい」
「いや、るるちゃんも落ち着いて……お、おぉ?」
るるはそう答え、俺の前から抱きしめるように密着すると至近距離でクレアと視線をぶつけ合う。
「え~……あの、二人とも、当初の目的を忘れずに、仲良く……な」
この場における自分の発言力が急激に低下してゆく感覚を覚えつつ、俺は前後を挟む二人に言った。
「「……勿論です」」
前後から同時に返ってくる答え。しかしそれが俺に向けられたものでない事は理解できた。
「えっと、じゃあ……うおっ!?」
「んっ……あむっ」
どこから始めようかと俺が言い出すより早く前面のるるが動いた。
するすると身体を伏せるように下げ、下着を履いていない俺の浴衣の裾に顔を差し込むと勃起し始めていた肉棒に唇を寄せる。
亜麻色の髪をかき上げ、そのままるるは亀頭を口に含み舌を這わせ始めた。
「んっ、ちゅ、ンンッ……!」
「ちょ、るるちゃん、いきなりっ……ふおっ!?」
「わ、私も始め、ますね……じゅるっ……」
るるの行動に驚く間もなく今度は耳に熱い滑りが差し込まれる。クレアが耳を舐めてきたのだ。彼女の艶やかな金髪が頬をくすぐると同時に熱い舌が耳の奥へと挿いってくる。思わず腰が浮き、亀頭がるるの喉奥へと当たる。
「んぶっ!? ンッ、ん、ふぅ……」
息苦しそうにるるは眉を寄せるが、それでも口を離さない。熱心に竿に舌を絡め、頭を前後させて肉棒全体に奉仕してくる。
一方のクレアも情熱的な舌使いで耳を舐めてくる。肩口の辺りには浴衣越しの彼女の乳房が押し付けられ、やはりブラを着けていないのか突起の感触まではっきりと分かる。
なるほど、早瀬の言った通り修行相手としてこの二人は適役だ。ここまで熱の入った奉仕をしてくれるのは、普通の嬢では──
「ふぉ、お、おおっ!」
「ちゅぅぅ、あふっ、っぱ……お、お兄さんの、前より大きくなってるかも……」
「んはっ……こ、今度は左の耳、いきますね……はむっ……」
そんな事を考えることで股間から意識を逸らそうとしたが、次第に俺にも余裕が無くなってきた。咥えられた時はまだ半勃起だった肉棒は既に逞しい怒張へと変わっており、るるの口腔内で激しく暴れている。るるは息継ぎするように口を離したが、その間も竿を扱く手を止めず、潤んだ瞳で唾液塗れの亀頭を見つめている。
そしてそれを補助しているのがクレアの耳責めだ。耳朶を甘噛みし、穴の奥まで入ってくる舌は温度と滑りだけでなく「音」としても俺の身体に刺激を与え、興奮を煽ってくる。密着しているクレアの身体が時折びくりと反応を示すのはこの行為で彼女自身も感じているからだろう。俺は二人に身体を任せたまま、手探りで背面のクレアの股間へと手を伸ばした。
「んあっ! だ、ダメです、そこっ……!」
思わず耳から舌を離してクレアが喘ぐ。浴衣の裾の感触の奥に、熱い湿気。指先に絡む彼女の柔らかな陰毛は既に粘り気ある液体に濡れていた。
「もう、こんなに……クレアさん、これ、舐め始めてからじゃ……ないよな?」
「は、はい……その、私とるるちゃんで相手をするって決まってから、どうしても
陰毛の更に奥、クレアの陰唇に触れると彼女はびくんと身体を跳ねさせた。白い肌を紅潮させ、興奮に吐息を熱くさせるクレアはそれだけで煽情的だ。
「ん~……えいっ」
「んぐっ! くぅっ、る、るるちゃん!?」
「じゅるぅ……ン、ンンッ……!」
気が付けば、るるが不満そうにこちらを見上げている。それに何か答えようとする前におもむろに彼女は大きく口を開け、肉棒を一気に喉奥まで呑み込んだ。クレアの秘所の熱さにも負けないるるの口腔内に全体が包まれ、窄められた唇が根元を甘く締め付ける。
「あふっ、はあっ……凄い……るるちゃん、こんな顔するんだ……!」
「んぶっ、ンッ、ンンッ!」
股間を弄られつつクレアがるるのフェラ顔を見下ろす。普段の「清楚かつ快活な美少女」としての彼女の姿からすれば、頬をすぼめ、瞳を潤ませ、夢中で肉棒を舐めしゃぶる姿は確かに想像の外の姿だろう。
「……あの、少し立って貰っても、いいですか?」
「え、あ、あぁ……」
「んむぅ……ちゅ、れろっ……」
「ううっ!? る、るるちゃん、ちょ……!」
クレアの頼みに応えて胡坐の姿勢から腰を上げると、器用なことにるるは口淫を止めずに俺の腰の持ち上がりに合わせて身体を動かしてくる。カリの裏を丁寧に舐めてくる舌の動きに悶えつつ、俺は何とか直立した。
「ありがとうございます、それじゃあ……」
「え? クレアさ、うぉっ!?」
耳の近くにあったクレアの声が急に遠ざかる。後ろを振り返ろうとした俺は予想外な箇所からの刺激に腰を跳ねさせた。
「ふうっ、ん、はあっ……ど、どうですか?」
「お、おぉっ!」
「んむぅ……!?」
クレアは俺の浴衣の中に
「ふうっ、はあっ、あぁ……!」
「ク、クレア、さんっ、うあっ!」
尻の谷間に吹きかけられる、クレアの熱い鼻息。同時に先ほどまで耳を蹂躙していた舌が尻の奥へと進んでくる。
かつて詩子に弄られた事はあったが、普段から嬢に尻舐めなどを要求した経験はない。丁寧に、しかし大胆に窄まりを押し広げてくるクレアの舌の動きに俺は堪えられずに声をあげる。そしてその快感は如実に肉棒に反映され、るるの口の中で熱さを増してビクビクと脈動し、射精が近い事を伝えてゆく。
「じゅる、ちゅ、ちゅうぅ……!」
「はむっ、あ、ふぅっ……!」
「あ、あ、おあっ!」
射精感の強まりを察し、るるは髪をかき上げつつ吸い上げるようなフェラチオを強めてゆく。
同時にクレアは俺の尻を捕食するかのように口を密着させ、まるで小さな肉棒のように舌を前後させて後ろから責めてくる。バーチャル空間での行為である以上は本来は汚い訳は無いのだが、それでも自身の不浄の場所を店でも屈指の清楚枠であるクレアが献身的に舐めてくれる事実は否応なく興奮を覚えさせる。
そして何より二人から伝わる「嬢」としての仕事の枠を超えた熱意。それが俺の中から堪らない支配感と優越感を湧き上がらせていた。尊とのセックスの快感がこれと同等以上と言うのなら、俺はこれに──どう応えればいい?
「くうっ! で、出るっ!」
「んっんぶっ!? ン……こくっ、んんっ……!」
「ッ!」
ふと考えが別の方に行ったのが我慢の限界を超えさせた。どくんと大きく腰が跳ね、迸りがるるの口腔内へと放たれてゆく。最初こそ射精に驚くように身体を強張らせたるるだったが、すぐに緊張を解き、断続的に吐き出される精液を嚥下してゆく。
またそれに合わせ、尻穴に挿入されていたクレアの舌を強く締めつける。びくんと彼女の全身が震えるのが伝わってくる。どうも俺の反応だけで軽い絶頂に達したようだ。
「お、おぉ……あぁ……!」
「ん、ぷはっ……凄かったです、お兄さんの射精も、クレアさんも……」
「ふぁ、あ、はぁっ……!」
腰が抜けそうな程の快感がようやく治まった頃、ようやくるるは肉棒を口から解放した。微笑む口元に残る白濁液の残渣がやけに煽情的だ。
一方のクレアは舌を抜くと快感の喘ぎと共に腰を落とした。やはり性欲では彼女の方が強い。既に相当に興奮しているのが、尻に当たる吐息の熱さからも分かる。
射精の余韻にこのまま浸りたい気持ちもあったが、今度は俺から責める番だ。脱力を求める脚に力を籠め、俺は前のるるに言った。
「るるちゃん……俺とクレアさんが何で隠れてしていたか、理由を言ってなかったよな」
「え? あ、はい……」
「それを今から見せる。恥ずかしいかもしれないけど……」
そこから俺は彼女らにある頼みをした。るるとクレアはその要望に素直に従い、その姿勢を取る。
「んっ……お兄さん、これでいいですか?」
「あ、あまりじっくり見ないで、下さい……」
るるが上、クレアが下。
浴衣を捲った尻が上下に並ぶ。伏せの姿勢のクレアの上で四つん這いになったるるが乗った体勢になった二人が俺に声を向ける。
るるの張りのある豊かな尻と、クレアの透き通るような白く柔らかな尻。そして其々の谷間から覗く亜麻色の陰毛と金色の陰毛に彩られた秘唇。クレアの方がより濡れているのが分かる。
「……ああ、素敵だ」
官能的を通り越して思わず手を合わせて拝みたくなるような絶景に俺は息を呑んだ。精液とるるの唾液に濡れる肉棒は早くも勃起を取り戻し、臍に当たりそうな程に反り返る。
俺は肉棒に手を添え、近づきつつクレアに言った。
「クレアさん、言っていいか?」
「………」
「……るるちゃん、クレアさんって物凄く性欲が強いんだ」
「え?」
沈黙を了承と受け止め、続けてるるに言う。それは彼女にとって予想外だったのか、きょとんとした反応が返ってくる。
頬を紅潮させつつも、クレアは俺の言葉を制止しない。
「あぁ……!」
「それって仕事で片付かない程に強くて……俺が、助けを頼まれた」
「そんなに?」
「ああ。今もそうだよな?」
そう言いつつ俺は腰を落とし、クレアの秘所に亀頭を擦りつけた。
「んあっ!」
「どうなんだ、クレアさん?」
「はっ……はい、私……性欲が物凄く強くって、普通のお客さんの、おちんちん、だけじゃ全然、足りなくって……あぁんっ!」
告白する事で更に昂ってきたのかクレアは自分から腰をくねらせ、早く挿入して欲しいと孔をひくつかせる。奥からは粘りの強い愛液が滲み、彼女の興奮を教えてくれる。
正直すぐにでも挿入したかったが、俺は衝動を抑えてクレアの「おねだり」を待つ。
「んっ……それで、お兄さんがるるちゃんの相手をし切れるくらいに凄いって、聞いて……あ、あの……るるちゃん」
「は、はい?」
「うぅ……ご、ごめんね、るるちゃん、先に、いいかな……?」
泣きそうな顔でクレアは言うと、伏せたまま俺に顔を向けた。
「お、お願い、します……もう、舐めてる最中に二回、イって……早く、お兄さんのおちんちん、くださっ、あぁっ!」
「くうっ、締まるっ……!」
クレアが言い終わるのを待たず、俺は腰を突き出して肉棒を挿入した。ずぶずぶとクレアの控え目の陰唇を押し広げ、血管を浮かべた竿が奥へと入ってゆく。
「ふあぁっ! こ、これっ! これ、なのっ! これじゃ、なきゃ、あうっ! 駄目、なんですっ!」
「るるちゃん、見てあげてくれ……クレアさんの、本気の、イキ顔っ……ううっ!」
「ひゅっ、んひぃっ!」
ずん、と一番奥まで肉棒を突き込む。息が一気に吸われ、嬌声として吐き出される。
俺はそのまま腰を使い始めた。同時に上のるるの秘所に指を伸ばし、陰核を中心に弄る。
「あぁ……お兄さん、そこ、いいっ……!」
「ちょっと待っててくれよ、るるちゃ……おっ、おぉっ!?」
「ンッ! あ、あふっ、ああっ! いい、ちんぽっ、ちんぽ、いいっ! いいっ!」
どうやら既にクレアは相当に
「ク、クレアさん……凄い……あうっ!」
「あひっ! あ、あぁっ! もっと、もっとぉっ!」
「クレア、さんっ! 隣に、丸聞こえ、ですよっ……!」
『あー、聞こえとるけど気にせんでええよー!』
襖越しの早瀬の声。思わず苦笑を浮かべつつ、俺は眼前の極上の女体を堪能する。
その一方で、俺の脳裏にひとつの思考が浮かぶ。確かに今の俺は最高に気持ちよく、また彼女らに快感を与える事が出来ている。だが、それだけでは今までのプレイと変わりない。
何かが必要だ。ここから更に、上へ行くための何かが。
「ぐうっ! 出しますよ、クレア、さんっ!」
「は、はいっ! 奥、奥にっ、くださいっ! わた、私のおまんこの奥ッ、全部っ! んひ、あ、ああぁっ!」
半開きの口から舌を出し、本当の雌犬のように悶えるクレア。
──そしてそのヒントは、既に見えかけている。
そんな事を思いつつ、俺はクレアの膣内に二度目の射精を放った。