「んっ……」
窓からの陽光を受け、俺は目を覚ました。
「あれ?」
状況が把握できていない。俺はむくりとベッドから起き上がり、周囲を見回した。
白い壁の、おそらくはマンションの一室。大きなベッドの上は乱れており、横を見れば他の誰かが寝ていたであろう痕跡がある。
俺は服は着ておらず、トランクス一枚だけの恰好だ。特に何か異常は見られない。
「待て待て、えーっと……」
靄のかかった頭から記憶を引っ張り出す。今日の新人研修がなかなかの難物で、酷く疲れた俺はログアウトせずに「二次三次」の事務室で休ませて貰ったのだ。
誰しも精神的な疲労が肉体に反映される事はあると思うが、VR技術のリアリティが大きく発展した現代においてはそれは更に強いものとなっている。バンジージャンプのバーチャル体験に挑んだらショックで失神して、リアルの方で救急車を呼ばれた等のケースもある。ゆえに俺は事務室のソファで眠らせてもらった筈なのだが。
「……ん?」
ふと、鼻をくすぐる匂いに気付く。これは──焼けたトーストの匂いだろうか。
俺は身体にかかっていたシーツを除けるとベッドから降り、寝室のドアを開けた。フローリングの床は冷たく、俺の意識を覚醒させてゆく。
短い廊下の先はリビングになっており、匂いはそこからするようだ。俺はそちらへ足を向けた。
「あ、お兄さん。おはるる~♪」
「あれ? るるちゃ……」
俺を出迎える明るい声。
リビングのテーブルには湯気の立つカフェラテが注がれたマグカップ。トーストの乗った皿をよそっていた「るる」は俺の方に振り向いて言った。それに応じようとして、俺の動きが止まる。
「研修、お疲れ様でした。支配人さんから聞いたけど、大変だったんだよね?」
「いや、まあ、大変だったのは大変だったけど……るるちゃん、そっちの方こそ大変じゃないか?」
「……大変?」
「いや、その恰好……」
どう言ったものか、言葉を選びつつ俺はるるに言った。俺の言葉の意味が分からなかったのか彼女は小首を傾げる。その動きに合わせ、白い布から覗く彼女の乳房が揺れる。
幾度も身体を重ねているとはいえ、それでも目のやりどころに困る姿であった。今のるるはいつもの白いブラウスとピンクのセーター姿でなく──裸に白いエプロンひとつを纏っただけの、いわゆる「裸エプロン」姿だったのだ。
俺の反応を逆に面白がるようにるるは言った。
「ふふっ、でもこれってお兄さんが支配人さんに提案したんだよね?」
「提案?」
「『少し前に相談した時に言われて、これならデータが少なく済むから試してみた』って言ってたよ? それで折角だから、私がモデルをやらせて貰おうかな……って」
そう言ってるるは自分のエプロンの襟を摘まんだ。丈こそ彼女の膝上あたりまであるが、当然ながらそれはるるの前面を覆っているだけだ。下着も上下共に着けておらず、後ろは背中やお尻も丸出し。胸の布地はるるの巨乳によって張り詰め、乳首の突起まで浮き上がっている。
「……あ!」
そんな彼女の姿に興奮を覚えると同時に、俺は少し前にジョーと交わした会話を思い出した。
「う~ん……」
その日、研修日程の調整のために「二次三次」の事務室にログインした俺が最初に聞いたのは支配人の唸り声だった。
「おはようございます、ジョーさん。どうしました?」
「ん? ああ。おはようございます~……いえね、ちょいと次のお店のイベントについて考えてたんですよ」
「イベント?」
「ええ。節分もバレンタインも終わっちまいましたからね……こっから春先までの企画が難しいんです。去年はひな祭りにちなんで
なるほど、なかなかに難しい問題だ。確かに今の次期、2月~3月はなかなか風俗店に絡ませられるイベントというのは少ない。
「制服イベントとかはどうです?」
「それも考えたんですが、ほら、ウチの娘たちってサイズの大小が激しいじゃないですか。ちゃんとVRとして機能した上でアバターに装着させるには結構な量のデータを作らないといけないって言うのがあって。まあウチのやし……“エンジニア”の受け売りですがね」
「うーん……」
現実であればディスカウントストアでフリーサイズの衣装でも買えば済むところだが、バーチャルではそうもいかないという事か。
「布地の量が多ければ、それだけデータも必要って事ですよね?」
「そうですねぇ。といって、布地の少ないのって言っても流石にこの時期に水着ってぇのも」
「……布地、ですか」
ふと、俺の頭にある案が浮かんだ。考えてみれば「二次三次」ではオプションにも含まれてなかった筈だ。
「あの、ジョーさん。それなら……裸エプロンとか、どうですかね?」
それは言われてようやく思い出した程度の他愛ない記憶だった。俺としては思いつき程度の話だったのだが、ジョーはそれを本気で考えてくれていたようだ。
「で……でも、なんでいきなり?」
「最初のお試しはお兄さんにしてもらおうって事になって、尊様が『どうせならサプライズを仕掛けよう』って……ど、どう……かな?」
るるが少し照れながら尋ねてくる。我に返った俺は彼女に言った。
「え!? あ、いや……凄く、似合ってる」
「良かった。嬉しい……!」
そう喜ぶるるは本当に嬉しそうだ。明るく微笑む彼女と白いエプロンは実際似合っており──実に可愛らしく、同時に煽情的だった。
「……あ」
妙な気恥しさを覚える俺にるるは言った。
「えっと……こういう時って、こんな風に言うんだっけ」
「るるちゃん?」
「『おはよう、
「……ッ!」
その言葉だけで肉棒が跳ねる。俺は彼女に歩み寄り、その肩を優しく掴むと苦笑と共に言った。
「……るるちゃん、それ、反則だって」
「えへっ、一回言ってみたかったの。お兄さんとは最近は全然できなかったし、驚かそうかなって……んっ」
「ちゅ、ん、んんっ……」
「ん、んはっ、このキスも久しぶり、だね……」
「ちゅ、ふぅっ……ごめんな、るるちゃん。んっ……」
掌に触れる彼女の亜麻色の髪。サラサラした感触が心地よい。
リビングに俺とるるの吐息と、舌を絡め合う水音だけが響く。やがて唇を離し、俺はるるに言った。
「なあ、るるちゃん。サプライズついでにひとつ、我が侭を言わせてもらっていいかな?」
「ワガママ?」
「ああ、その、るるちゃんが嫌なら無理は言えないけど……」
俺はそう前置きした上で彼女にある頼みをした。小さな驚きをるるは浮かべたが、瞳を潤ませつつ俺に言った。
「……う、うん、いいよ?」
「ありがとう。それじゃ……
「は、はい……
互いの呼び方を変える。ただ
だと言うのにその行為だけで互いの体温が上がるのが分かる。再度のキスで押し入ったるるの口腔内は最初より確かに熱くなっており、舌の動きもより情熱的な、積極的なものへと変わってゆく。るるの方から舌を伸ばし、俺の歯茎をくすぐり、愛おしそうに口腔内を舐めてくる。
「はぁっ、るる、るるっ……!」
「ンッ! あ、あぁ、あなた……ちゅ、じゅるっ、ちゅうぅ……!」
既に記号化して久しいが「裸エプロン」というのは本来、日常において極めて限定的なシチュエーションで発生し得る状況だ。
新婚夫婦が夜通しで交わり、服を着るのも面倒な倦怠感の中で新妻が朝食を作るために全裸でエプロンだけ着けて支度をする。それは退廃的であり、爛れており──それ故に、淫猥なのだ。
まるで本当にるるが自分の新妻になったかのような錯覚を覚えつつ、彼女のエプロンの横から手を差し込んで豊かな乳房を揉みしだく。張りと弾力を備えたるるの美巨乳は堪らない感触を重みと共に俺の掌に伝え。その奥の熱は彼女の昂りを教えてくれる。
「あんっ! ふ、不思議……どんどん、熱くなって、くるっ……!」
「ああ、俺もだ……うっ、る、るる?」
「ほんと、こんなに苦しそう……今、出してあげるね」
愛撫に切なそうな吐息を漏らしつつ、るるは俺の股間に手を伸ばした。臍に当たる程に反り返るそれの角度を下げてトランクスの前面から引き出す。彼女の白い指に柔らかく握られた肉棒は赤黒く怒張し、既に亀頭からは先走りが滲み始めている程だ。
「うわぁ……お兄さ、じゃなかった。あなたのこれ、もう、こんなに……」
「……ふふっ」
わざわざ言い直するるの律義さに思わず笑みがこぼれる。俺は彼女に言った。
「るるちゃん、言いにくかったら別にいいよ?」
「お兄さん……ううん、『あなた』って言わせてください。今だけお兄さんの奥さんに、私も、なりたいから」
「……るる」
「……あなた」
欲情のままに彼女と密着し、キスと共に愛撫を繰り返す。右手でるるの汗ばみ始めた背中を撫で、胸を揉んでいた左手を下へと移す。
「あっ、あふっ! あなた、待って、そこ、今、触っちゃ……!」
「……うお」
薄い陰毛の先のるるの秘所は、既に予想以上に濡れていた。指先を濡らす愛液の滑りのままに彼女のより奥へと指を進める。
「るる、これ……キスした時からじゃ、ないよな?」
「う、うん……この格好になって、あなたを、待ってた時から……何だか凄く、ドキドキして……あう、んっ、ンンッ!」
指を挿入され、るるが喘ぐ。緩やかに指を出し入れしつつ俺は言った。
「可愛いな、るるは」
「も……もっと、可愛がって、ください。あなたの、全部で……あぁんっ!」
「くっ……!」
一方のるるも俺の肉棒への奉仕を忘れない。しこしこと竿をしなやかな指で扱き、熱く張る乳房をエプロン越しに押し付けてくる。
そろそろ我慢が出来なくなってきた。俺はるるの身体から一旦手を放し、彼女を促す。
「るる、後ろから……したい。手をそこに置いて……」
「は、はい……」
俺に背を向けるとるるはテーブルに手を置き、濡れた唇で言った。
「ください、あなたの……逞しい、おちんちん……」
「るる……!」
汗に濡れる背中と、そこに貼りつく亜麻色の艶やかな髪。
清楚な白いエプロンとは対照的に、こちらに向けられたるるの秘唇は濡れて照り光り肉棒の挿入を求めてひくひくと淫らに蠢いている。
俺は肉棒に手を添えて角度を調節し、孔に亀頭を押し当てるとそのまま腰を突き出した。ずぶずぶとるるの膣内へと侵入してゆくにつれ、無数の襞が待ちわびていたように亀頭を、カリを、竿を撫でまわし、同時に締め付けてくる。
「ぐ、あぁっ! るる、るるっ!」
「ああんっ! あなた、あな、たぁっ!」
るるを組み敷くように身体を被せ、俺は両手でエプロンの上から美巨乳を激しく揉む。ずっしりとした重みある感触を強く揉むと、それに合わせて締め付けがきゅっと強まる。
「ううっ! るるの中、凄いっ! 熱くて、蕩け、そうだっ!」
「あなた、のもっ、熱くて、太く、てぇっ、焼けちゃい、そうっ……!」
「う、おぉっ、くうっ!」
ガタガタとテーブルが揺れ、すっかり温くなったラテがマグカップから零れる。
だが既に俺は、そしておそらくはるるも、そんな事を気にする余裕は無くなっていた。俺が激しく腰を打ち付け、それを引こうとすると彼女のむっちりとした尻はそれを追うような動きを見せ、襞は名残惜しそうに肉棒に絡みつく。互いの肉がぱんぱんと打ち合う音と嬌声が、朝の陽光が注ぐリビングに響く。
「ふあっ、あ、ああっ! ね、ねえ、あなたっ、んんっ!」
「ど、どうした、るるっ!?」
「あ、赤ちゃん、つくろ……? このまま、んっ! わ。私と、あなたの、赤ちゃ……ん、ひっ!」
「ああっ! 作ろうっ! 何人でも、何回、でもっ!」
「う、うれっ、嬉しいっ! あなたっ、ンッ!? ンン―ッ!」
「んっ、ぱっ、るるっ、るるっ!」
腰を止めないまま彼女の顔をこちらに向けさせ、背中越しにキスをする。すっかり汗を吸って重くなったエプロンはるるの肌に貼りつき、俺が肉棒を突き入れる動きに合わせて揺れる。
「だ、ダメッ! わ、わたしっ、イクッ、イクッ! 一緒に、イキ、たい、のに……っ!」
るるの身体の震えが強くなってきた。絶頂を拒否するようにいやいやと頭を振る彼女を安心させるように強く抱きしめ、俺は抽送にスパートをかけた。
「いいさ、るる、何回でも、イッて、くれっ! るるのイクところ、俺に、見せて、くれっ! おぉぉっ!」
「あなっ、あな、たぁ……好き、大、好きっ……あ、ああぁっ!」
「……!」
一際強くるるの膣内が締め付ける。彼女が達した直後、俺の射精感も限界を超えた。
「る、るるっ! 俺も、好きだ、大好き、だぁっ! あ、ぐ、あああっ!」
「ひゅっ、あ、あふっ、出てっ、熱っ……!」
叫びと共にるるの一番奥に精液を放つ。全身の精力を凝縮したような濃い精液が大量に彼女の中に吐き出されてゆくのが分かる。
「あふ、あなたの、精液、いっぱいっ……!」
「お、おぉっ、るるぅ……!」
それからどれだけの時間が経ったろうか。射精を終えた後もすぐには俺たちは動けず、そのままテーブルに突っ伏していた。
「……っと、マズい。ごめんな、
「え? ううん。そんな事ないよ? 逆に
るるを組み敷いたままだった事に気付いた俺は慌てて肉棒を抜き、彼女に詫びた。頬に貼りついた髪を払いつつ、るるは微笑んで答える。その表情がふと変わり、逆に申し訳なさそうにるるは言った。
「その……私の方こそごめんなさい。最後の方、奥さん役だって事を忘れちゃって、その、素になっちゃって」
「……?」
どういう意味だろうか。彼女は最後までちゃんと「新妻」を演じてくれていたと思うのだが──
「あ、そ、その、ごめんなさい。今のは忘れてもらって、いいですから……」
俺の反応を見てるるは慌てて前言を撤回する。俺は改めて彼女を見た。
「(うっ……!)」
汗に濡れたエプロンはるるの豊かな胸の谷間に寄り、露わになった乳房には俺の手の跡が残っている。股間辺りは布地で隠れているが、太腿を流れ落ちる精液が逆に卑猥だ。火照ったままの肌と潤んだ瞳で、るるは俺を見上げる。
普段の明るく朗らかな彼女からは想像もできない淫らな姿に射精したばかりの肉棒はむくむくと充血し、再び勃起して反り返った。
「な……なあ、
「……はい、
俺の言葉にるるは微笑み、皿やマグカップをノイズと共に消すとテーブルの上に乗り、脚を広げた。
「私も……あなたのおちんちん、もっと欲しいから……今度は、前から、キスしながら、してほしい、かな……?」
「……るるっ!」
「ああんっ!」
可愛らしく、淫らなるるのおねだり。
堪らなくなった俺は彼女の脚を抱えると、一気に奥まで肉棒を突き入れた。