──今になって思い返せば、彼女は今までの嬢候補に比べて
「……まあ、こんな感じだな。ただ、この流れはあくまで一般的なお客さんの場合だ。要望によって状況は変わってくるから、そこは慣れが必要になる」
「なるほど~、勉強になります!」
左は黒髪、右は赤いメッシュの入った銀髪。切り揃えられた前髪が少し大人びた表情とよく似あっている。
「夜見」──VTuber、夜見れなに酷似した彼女は俺の説明に対して感心したように頷いた。
ここまでの流れは意外な程に順調だ。過去の娘のようにゴネる事もなく、素直に俺の話を受け止め、また行動に移してくれている。
「じゃあ、ちょっと休憩しよう」
「バーチャルでも休憩って要るんですか?」
「長時間、集中力が必要なゲームをしてるようなモンだからな。適度な休憩は必要だ。戻ったら分かると思う」
「ぇあ~」
何とも表現し難い声を発する夜見。ここまでの説明でも幾度か発していたが、どうやら彼女なりの関心や驚きの表現らしい。
全裸でベッドに腰掛ける俺に、やはり一糸纏わぬ姿の夜見はぴょんと起き上がると言ってきた。
「あの、先生。休憩ついでにちょっと試したい事があるんですけど、協力してもらっていいですか?」
「試したい事?」
「はい! 私、手品とか奇術とかが得意なんですけど、それをプレイに応用できないかなって」
この店の嬢たちの多くは元のVTuberに近い特徴や特技を有しているが、彼女も同様のようだ。俺は快諾した。
「ああ、構わない。それで、俺はどうすればいいんだ?」
「はい、ちょっと待ってくださいね。せーの、えいっ!」
夜見はそう言うと指を鳴らした。軽い音と共に、服屋の試着室のような大きいボックスが二つ出現する。
「うおっ!?」
「えっとですね、それじゃ先生はこっちの箱に入ってください。私は向こうの箱に入りますから」
そう言うと夜見はスタスタと右側の箱に入ってゆく。
思った以上に大がかりな仕掛けに驚いたが、協力すると言った以上はやり切ろう。そう思い、俺は指示された左側の箱に入る。
「入ったけど……俺は、何をすればいいんだ?」
「先生は何もする必要はありません、仕掛けはこっちで用意していますから……いきますよー、スリー、ツー、ワン!」
左の箱から指を鳴らす音。
「おっ……!?」
瞬間、視界が大きく揺らいだ。軽い眩暈と共に再び戻るが──場所は箱の中のままだ。
「……ん?」
何やら目線が低くなったような気がする。疑問を覚えた俺に
「もう大丈夫ですよ、出てきてください!」
「あ、ああ……なあ夜見さん、こりゃ一体……なっ!?」
箱から出た瞬間、俺は絶句した。
「大成功ですねー! これぞ入れ替わりマジックです!」
「入れ替わり……って、え、あ、うわ、デカっ!?」
俺の反応に、目の前の「俺」は嬉しそうに跳ねる。
客観的に見て気持ちよいものではなかったが、自分の身体を見た俺にそれにツッコむ余裕は無かった。「入れ替わり」の言葉通り、俺は俺で夜見の身体になっていたからだ。身長150㎝ちょっとの身体で俺を見上げるのはなかなかに圧迫感があり、だからといって下を見てみれば夜見のおっぱいで足元が見えない。触れてみれば思った以上にふかふかだ。
どうやら俺のリアクションは彼女を満足させるに足るものだったらしい。夜見は嬉しそうに言った。
「どうです、これ? お客さんによっては喜んで貰えると思うんですけど……」
「ああ……いや、凄いなこれ」
ただアバターを入れ替えたという訳ではない。夜見(俺)から出る声は録音で聞くときのような俺の声だし、俺(夜見)から発せられるのは可愛らしい女の子の声だ。体の感覚にしても、これだけ体格差があるというのに手先を動かす際に違和感もない。完全に意識がアバターに適合している。俺は素直に驚きつつ夜見に言った。
「ああ、確かにこれならお客さんへのサプライズになると思う。それじゃあ、ぼちぼち戻して貰えないか?」
「………」
夜見は俺の要望に沈黙で返した。
「……夜見さん?」
「いや~……ちょっと驚きました。まさかここまで疑いもせず引っかかってくれるなんて」
俺を見下ろす夜見の口元に笑みが浮かぶ。同時に彼女から不穏な気配が漂い始める。
嫌な予感を覚えつつ俺は尋ねた。
「どういう、事だ?」
「出てきていいですよ、椎名先輩!」
夜見は俺の背後に声を飛ばす。ここで出てくる筈のない名前に俺は振り向いた。
「ふっふっふっ……ようやったなぁ、夜見!」
「な……お、おい、こりゃ一体……痛っ!?」
見覚えのある大福めいた少女、「椎名」がそこには立っていて、不敵な笑みを俺に向けている。
まだ状況が呑み込めていないが、とりあえず俺が夜見と椎名の罠にかかったのは事実のようだ。俺は左右を素早く見回し──夜見の髪の長さを把握しておらず、振り戻された長い髪の直撃を受ける。
顔を押さえる俺に椎名は言った。
「この前の借り、いずれ返そうと思うとったんよ。そしたら夜見が今度の研修相手やと聞いてな……何を隠そう、夜見はあてぃしを深く敬愛する忠実なる後輩!」
「そ、そうだったのか!?」
「はい。椎名先輩には前からお世話になってて……先生には悪いなーって思いましたけど、先輩に頼られたら、断れませんから」
説明しながら夜見は嬉しそうに笑う。
しかしまだ彼女らの目的が分からない。俺と夜見のアバターを入れ替えて何を──
「……お、おい、まさか」
嫌な、本当に嫌な発想に至り、俺は俺の──今は夜見が中に入っている──身体を見た。見慣れた股間の肉棒は血管を浮かべ、逞しい怒張となって眼前で屹立している。
フフン、と椎名は鼻で嗤った。
「……ええ勘してるなぁ。そう、これからお兄さんは
「おかっ……!?」
俺は絶句し、眼前の肉棒と、そして背後から距離を詰める椎名を交互に見た。マズい。これは非常にマズい。
ログアウトで逃げるか? いや、この夜見のアバターと強く適合してしまっている状態で無理にログアウトすれば何が起こるか分からないし、夜見の身体にも影響が出るかもしれない。こんな窮地ではあるが、それでも(彼女を含めて)リアルの肉体には被害を与えなくなかった。
「さあ、やってまえ夜見!」
「ッ!」
椎名の指示が飛ぶ。俺は思わず身をすくめ、本当の少女のように腕で頼りなく身体を隠そうとした。
夜見は肉棒を勃起させたまま、俺に向かい足を踏み出す。
「……椎名先輩」
「ん?」
「ごめんなさい、先輩。実は先輩にも嘘、ついてました」
「……え?」
そのまま夜見は俺の横を通り過ぎ──椎名を抱きしめた。
「ちょ、え? え!? 夜見、間違っとる! あっち、あっちやて!」
「いいえ、その、間違ってなくてですね……私、椎名先輩にどうしても
「し、してみたかった事?」
「はい。どうしても一度、先輩の
そう言うと夜見はスッと指を走らせ、椎名の服を消してゆく。
「自分のアバターに『生やして』みた事もあったんですけど、どうもしっくり来なくて……この人のアバターなら逞しくて、先輩の事をがっつり犯す事が出来そうです。夢が叶いました」
「ななっ……ま、待ちぃや夜見! その……ちゃ、ちゃんと
「貝合わせも悪くないですけど、それだけじゃ物足りないんですよ! 私におちんちんが生えていたら最初から椎名先輩にぶち込んでました!」
「(この二人、そういう関係だったのか!?)」
俺に聞かれている事を気にしつつ夜見を制止しようとする椎名と、お構いなしに彼女を剥いてゆく夜見。さらりと重大発言をする夜見に驚きつつもとりあえず当面の被害は避けられたようだ。
とはいえ此処からどうしたものか。そんな事を考えている内に、二人は次の段階へと進んでいた。完全に椎名を全裸にした夜見は彼女の身体を軽く押し、ベッドに横たえさせる。まさか自分が標的になると思っていなかった椎名は半ばパニック状態のようだ。抵抗も出来ず、俺の身体を借りた夜見を見上げる。
「あ、あわ、あわわ……」
「うわぁ、この身体だと先輩、こんなに小さいんですね……可愛くて、素敵です。よっ……」
「へ!? あ、ひゃっ!」
夜見は椎名の太腿を抱えるとそれを広げ、露わになった彼女の秘所に顔を押し当てた。そのまま舌を使い、椎名の陰唇を舐め始める。
「ん、ちゅ……ふぇんふぁい、じゅるっ……」
「よっ、夜見っ! あかん、あかんてっ! お兄さんに見られ、とるっ! んあぁっ!」
俺の方を潤んだ瞳で見る椎名だったが、夜見の舌の動きに合わせて身体が反応するのを抑えられないようだ。股間から水音が鳴る度に身体がびくんと跳ねる。
夜見の方は既に俺の事は頭になく、椎名との行為に没頭しているようだ。余程彼女への挿入を夢見ていたのだろう。詩子や環とは別方向で恐ろしい少女である。
「……あー、俺の事は気にしないで続けてくれ」
「お兄さん! そんな殺生な……んっ、あぁっ!」
俺は出来るだけ気配を殺し、椎名の視線を受け流す。
当座の危機を脱したとはいえ、俺の身体が夜見のままなのは変わってない。ここで椎名との行為を邪魔しようとすれば、夜見は先に俺を黙らせようとしてくるだろう。
タイミングが重要だ。さっきの「マジックの仕掛け」のデータがこのルーム内に残っているならば、特に箱などのギミックを介さなくても入れ替わりは可能なはず。
「んちゅ、っぱ……ぇあ~、先輩の奥、溢れてきました……」
「あぁ……あかん、て、夜見ぃ……!」
挿入への期待からか椎名のを舐めている最中も夜見(俺)の肉棒は強く脈動し、先走りを滲ませている。自分の肉棒を客観的に後ろから見るのは初めてだが、なかなかに凶悪な代物だ。
やがて椎名の秘唇が十分に湿った事を確かめると、夜見は顔を上げて肉棒に手を添えた。
「準備OKですね~……いきますよ、先輩っ……!」
「ふぁ、あ、はぁっ……」
体に力が入らないのかぐったりとベッドに身体を横たえさせる椎名の片足を抱え、横向きにした彼女に夜見は腰を突き出した。いわゆる「松葉崩し」の体位だ。血管を浮かべた怒張がずぶずぶと椎名の膣内へと挿入されてゆく。
「あっ……はあぁっ! すごっ、凄いっ! 先輩の、まんこっ! 擦らせてるのと、全然っ……!」
「んひっ! は、ああっ!」
自分の身体が女口調で喘ぐのは中々に気持ちが悪いものだ。
そんな事を考える俺を完全に蚊帳の外に置き、夜見は腰を使い始めた。初めての挿入の感覚を確かめるように最初はゆっくりと、そして次第に激しく。
俺は二人に気付かれないよう意識しつつ自分の位置を変える。横から後ろ、夜見の背後へと少しずつ回り込む。
「あうっ! 先輩の膣内、こんなに、キツくて、気持ち、良かったん、ですねっ! もっと早く、しておけば、良かったっ!」
「ま、待ってや、夜見っ! ちょ、強いっ!」
「あぁんっ! 先輩っ、先輩ぃっ!」
夜見の腰が打ち付けられる度、椎名の大福めいた豊乳がゆさゆさと揺れる。互いの肉が激しく打ち合う音と共に結合部からは粘りある水音が響く。
もはや夜見は俺の事を完全に意識していないようだ。俺は静かに二人に近づく。
初挿入という事もあり、夜見は早々に射精を迎えようとしていた。腰の震えからそれが分かる。
「ああぁっ! 先輩っ! 出るっ、何か、出ますっ! あ、ああぁぁっ!」
「ふぁ、夜見、よる、みぃっ!」
指を咥え、唾液で濡らす。
絶頂に達する寸前、俺は夜見の背後に密着した。「俺」の背中に「夜見」の乳房が押し当てられる。
「え!? せ、せんせ、ふあっ!?」
俺は夜見の尻に濡らした指を挿入し、かつてクレアやるるとの特訓の際に責められた前立腺の辺りを探る。
予想外の刺激に夜見は予想以上の
「あひっ! ひ、あ、え、ああぁっ!」
「熱っ! お、奥、当たっ……!」
「(今だ!)」
一番意識が飛ぶ瞬間、それがアバターと意識が乖離する瞬間。
俺は夜見の後頭部に自身の頭を打ち当てた。
「いっ……痛-っ!」
「ぇあっ!?」
強烈な痛みと共に視界が揺れる。
次の瞬間、俺は突然の強烈な射精感と脱力感に襲われた。尻と股間から伝わる強い快感。
「戻っ……た!」
揺れた視界が元に戻る。
椎名との結合部から肉棒が抜け落ち、背後には夜見の胸の感触。
「ふぁ、あ……あ……」
絶頂に達した椎名は失神したかのように精液を溢れさせたまま横になる。
俺はゆっくりと夜見に振り向いた。
「……俺の身体で随分と好き勝手にやってくれたな、オイ」
「はい、好き勝手にやらせてもらいました! 先輩の膣内、本当に気持ち良かったです。これで悔いはありません!」
「………」
目を据わらせて見つめる俺の視線を平然と受け止め、夜見は満足そうに笑う。
何とも図太い事である。毒気を抜かれた俺に夜見は身体を密着させたまま頭を下げ、口を肉棒に寄せてきた。
「なので……お礼をさせてください。『逆に先輩が生やしてくれた時』のために練習してましたから」
「お礼って……うっ!」
精液と愛液に塗れた肉棒をかぷりと咥えられ、俺は呻いた。射精直後の敏感になっている粘膜を舌でくすぐられ、思わず腰が浮く。
「んちゅ、ちゅ、じゅるぅ……っぱ、ぇあ~、先輩の味がしますね~」
一旦口を離し、うっとりと夜見は言う。そして再び咥え、今度は喉奥まで深く呑み込むと竿の根元から舌を竿に絡ませてゆく。
「お、おぉ……!」
夜見の口淫に無意識に声が漏れる。「練習した」との言葉通り彼女の舌使いは非常に上手く、そしてそれ以上に丁寧だった。マジシャンというのは他人を楽しませ驚かせることを
緩やかに頭を上下させつつ、夜見は肉棒をねっとりと舐め上げる。根元から裏筋をなぞるように舌は昇り、頂点に達すると今度は舌先を尖らせて鈴口を弄り、同時に尿道に残った精液を強く吸い上げる。
「んふっ、ンッ、ちゅうぅ……!」
「くっ、あぁ……!」
頭を優しく撫でつつ、夜見の奉仕に身を任せる。
射精直後の半勃起で咥えられた肉棒は彼女の口の中でむくむくと再び大きくなり、二度目の射精を求めて震える。俺は夜見に言った。
「よ、夜見さん……そろそろ口、離して……また、出るっ……!」
「……んあ~♪」
「ふおっ!?」
俺の反応に夜見は目を細め、より積極的に舌を使うと同時に頭の動きを速めてきた。明らかに射精を促す動き。腰が自然と持ちあがる。
「ぐっ、おぁっ! 夜見、さんっ、で、出るっ!」
「んちゅ、ちゅ、んぶぅ!」
肉棒を咥え込む口の端から涎と先走りが溢れ、シーツに淫らな染みを作る。じゅぽじゅぽと水音が鳴るほどの激しいフェラに急激に射精感は高まり、俺は我慢する間もなく彼女の口腔内に精液を放出していた。
「あぐっ、あ、おぁ……!」
「んっ、んぐっ、ゴクンっ……ンンッ……」
ドロドロの白濁液が容赦なく夜見の口の中に迸る。体を硬直させ、息苦しそうにしつつも彼女はそれを喉を鳴らしつつ嚥下してゆく。
「コクっ……ン、ちゅうぅ」
「お、おぉっ!?」
むしろ自分から吸い上げてくる程だ。
それから数度、腰が震える度に吐き出される精液を夜見は全て受け止め、やがて口を離した。濡れた唇の間から漂う生臭い精臭が何とも淫猥だ。
「ふぅ……ご馳走様でした! 先生、次は何を教えてくれますか?」
消耗もなく元気に聞いてくる夜見。対して俺の肉体は結構な疲労を覚えている。
考えてみれば俺の身体は夜見が中身だった時も含めて二度の射精をしているが、夜見の肉体は絶頂も迎えておらず消耗も少ない。
とはいえ──ここで音を上げていては教育役としては失格だろう。
「ああ、それじゃ……今度は、あんたの身体で直接『絶頂』を知って貰おうか」
「……分かりました。よろしくお願いしますね、先生♪」
挑発的な俺の言葉に、夜見は蠱惑的に微笑むと脚を広げ、ひくつく秘唇をこちらに広げる。
桜色の陰唇はうっすらと濡れ光り、挿入を求めるように孔をひくつかせた。
「……そりゃまた、大変だったねえ」
「ええ、まあ……」
事務室で出会った「シャア」にそこまでの話を終え、俺は頭をかいた。
バランめいた髪を揺らし、シャアは腕を組んで言った。
「いや、でも、それで納得できたわ」
「何がです?」
「いやあ……最近の夜見がね、男性スタッフにマジックの練習台を頼んでるのよ」
あれから夜見は正式に嬢としてデビューしたが、確かに休憩所などで男性スタッフと話をしている場面を見る。
そんな様子を思い出していた俺にシャアは言葉を続けた。
「ただ……『長さが足りない』『太さが足りない』とか言って、なかなか満足してないみたいで」
「……そう、ですか」
──どうやら、俺に再びマジックの練習台の話が来るのはそう遠くはなさそうだ。