「どうしたんだい? 大丈夫、この部屋ではゆっくりして良いよ。それはこのバーテンさんにも確認してる」
「ほれ、何か作ってやろう。モスコミュールか? スクリュードライバーか?」
「……んじゃあ、ソルティードッグで」
今までのセックスを主目的としていたルームとは一転した、静かな落ち着いた空気。気付けば俺も全裸ではなくフォーマルスーツ姿となっている。
黒のナイトドレス姿のメリッサとチョッキ姿の尊を困惑の目で追いつつ、俺はひとまず近くの丸椅子に腰かけた。店内には静かなジャズが流れ、天井では緩やかにシーリングファンが回っている。
「で、『ゆっくりして良い』ってのはどういう意味だ?」
「文字通りの意味じゃよ。本来はここはメリッサ、御伽原、あと星川がおってお主を出迎える予定だったんじゃがの」
「ああ……ギバラの奴、そんな事を言ってましたね」
尊の言葉に「弐の間」の居酒屋で飲み交わしたギバラの事を思い出す。そういえば確か「もっと後の方の部屋の予定だったが、早瀬に送迎会に誘われた」と言っていたか。
「それで、星川は?」
「待ちくたびれて帰ったよ。『別に今夜じゃなくても、いつでも相手できるからいいや』だってさ」
「………」
笑いつつメリッサが言った。何とも彼女らしい話だ。
「ほれ、ソルティードッグお待たせじゃ」
ちゃんと縁に塩が彩られたグラスが置かれる。俺はグラスを傾けた。バーチャルとは思えないカクテルの味が口に広がる。
「ンッ……でもそれだと、メリッサの相手は必要なんじゃないか?」
「まあ、僕は……聞いてもらえれば満足できるから」
そう言うとメリッサはグラスを置き、スッと席を立った。彼女の所作を見て尊が音楽を止める。
「とりあえず、せめてこの部屋では寛ぐと良いよ。最後の部屋は
「大変?」
「良く考えてみい。ここまででお主が会っておらん嬢で、且つお主を予約しそうな相手じゃよ」
俺の反応に尊が言う。
改めてここまでの相手を思い出してみる。最初の部屋の美玲とフレンから、第四の部屋のりりむ達まで。尊の言う「俺を予約しそうな嬢」が他にいるとすれば──
「まさか……」
「まあ、最後の部屋に相応しいラスボスって奴じゃよ」
愉快そうに笑う尊。一方のメリッサはステージまで歩を進め、そこに立つと一礼してから歌い始めた。落ち着いた、しかし力強い歌声が店内に響く。
よくよく彼女の歌唱力は大したものだ。本物のメリッサ・キンレンカも相当な歌声を持っているが、それに決して劣るものではないだろう。そんな事を思いつつ、俺はメリッサの歌を肴に酒を味わう。
やがて数曲歌い終えたメリッサは再度礼をするとステージから降り、椅子に腰かけた。気付けばその姿は美青年のそれに変わっており、服装だけナイトドレスのままなのが何とも倒錯的だ。
「ふむ……まだ余裕があるの」
ふと、尊が壁の時計を見た。俺が部屋に入ってから、まだ30分か40分ほどだ。
「のう、お主。一度『あっち側』で補給をした方が良いのではないか?」
「え?」
「ロクにリアルで水分補給もしとらんじゃろ?」
「まあ、そりゃ助かるが……いいのか?」
尊からの意外な提案に俺は逆に尋ねた。てっきりゲーム中の離席は禁止だと思っていたのだが。
「そうでもしなければ
「うん、それが良いと思う。僕のことは気にしないでいいから」
メリッサも尊の言葉に同意する。不公平という言葉に引っ掛かりを覚えつつも、俺はその好意に甘んじることにした。
「……分かった、ちょっと行ってくる」
「一時間で戻ってくるのじゃぞ。寝るなよ?」
尊にそう言われながら、俺は意識をログアウトに集中した。
──視界がワイヤーフレームめいた世界に変わり、そしてやがて、それもホワイトアウトしてゆく。
「……ふぅ」
バイザーを上げ、俺は自宅のデスクに座っている自分を認識する。
「あ、あー、あー……あー、こりゃ確かに……」
喉に手をあて、声を出してみる。思っていた以上に喉がカラカラだ。汗も酷い。俺は股間パーツを肉棒から抜き取り、VRスーツを脱ぐと冷蔵庫に足を向けた。中からミネラルウォーターのボトルを出し、それを一気に飲み干す。火照っていた身体に冷えた水が心地よい。
「うわ、ベッタベタ……あんだけヤりゃ当然か」
流石にスーツ洗浄までする時間はないが、身体と股間パーツくらいは一度綺麗にしておこう。そう思い、今度は股間パーツを拾うと浴室へ向かう。熱いシャワーを浴びながら、股間パーツに溜まった液を洗い流す。バーチャルセックスで味わう快感は本物だが、この時だけはどうにも哀愁を感じてしまうのが哀しいところだ。
「えーっと……」
頭を拭きつつ時計を見る。昨晩の三周年セレモニーがら既に9時間以上が経過し、現実の時間では今は既に夜明け前だ。まだ30分ほどは猶予があるが、ここで下手に寛いでは寝てしまいそうでもある。
「……腹、減ったな」
何か適当に軽く腹に入れて、あと精力剤の一本でも飲んでおこう。
手早くスラックスとシャツに着替えて部屋を出る。近所のコンビニなら行って戻って10分だ。人気のない廊下を渡り、エレベーターのボタンを押す。上に行っていたエレベーターが降下し、ドアが開く。
「あ」
無人だと思っていたエレベーター内には人がいた。スーツ姿の、見覚えのある女性。俺は軽く頭を下げ、中に入る。
ドアが閉まり、ゆっくりと下降してゆく。俺と女性は視線を合わせることなく、ドア上の階数表示を見ている。
「終わったの?」
女性が口を開く。俺は視線を向けずに言う。
「いや。今、五部屋目。『一度外に出て補給してこい』って尊様が」
「……っそ」
短いやりとり。
「仕事か?」
「本業あるから。あんたは?」
「有給取ってる」
不思議なものだ。俺と「美玲」はネットの中では何度も首絞めセックス等のアブノーマルなプレイを当たり前のように行う仲だというのに、「こっち側」の互いの事は全く知らない。そして、あえて知ろうとも思わない。それは
やがてエレベーターは一階に止まり、自動ドアが開いた。
「そんじゃ、頑張って」
「ああ」
開放ボタンを押した俺に「美玲」はそれだけ言って、こちらを見ずに先に出てゆく。指を離し、俺も出る。
コンビニは彼女の行き先とは逆方向だ。小走りで店に行きパンと缶コーヒー、やや高めの精力剤を買い、そして自宅へと戻る。座り慣れた椅子に腰かけ、パンを頬張りつつデスクのPCを起動する。
「むぐっ……」
もぐもぐと咀嚼しつつ、俺は何とはなしに「電燈二次三次」のHPを広げてみた。会員紹介制の閉じた店ではあるが、それでもバーチャル風俗界隈でトップクラスの有名店だ。対外的なページはしっかりと作られている。俺はパンをコーヒーで流し込み、所属している嬢たちの紹介ページを眺める。アピールポイントやNG、好きなタイプについて等が精巧な彼女らのモデルと共にそこには掲載されている。
教育係となった今では知らない嬢の方が少なくなった。一介の客だった頃からすれば遠くへきたものだ。
「……ふぅ、ごちそうさまでした」
誰も居ないが、習慣で食後の礼をする。まだちょっと時間に余裕はあるが──
「………」
俺は「二次三次」HPから動画サイトへと移動する。夜明け前のこの時間にも関わらず配信直後の動画や、ライブ中の動画もある。
「おっ……」
そんな中、あるライブ配信が目に留まった。タイトルは「100万回やられてもがんばるるッッ・・・!」。サムネイルには見慣れた──まあ、俺が見慣れているのは本人ではないのだが──亜麻色の髪の少女が微笑んでいる。
『あっちゃ~……』
動画を再生すると、ちょうどプレイヤーキャラであるアーサーがダメージを受けて白骨化する瞬間だった。可愛らしい声がモニターから響く。
「帰ってきた魔界村」。近年の旧作ゲームのリメイクブームで作られた作品のひとつで、高難度ゲーとして知られていた魔界村を当時のゲーム性はそのままに、高精度のグラフィックとヘビーユーザーにも耐えうる難易度を追加した人気作だ。
そしてそれを、既に再生開始から10時間は経過している筈なのに全く疲労を感じさせない声でプレイするのはVTuber、鈴原るる。
『大丈夫。今度こそ……えいっ!』
高速で流れてゆくコメントを見る限り、どうやら今は難所に差し掛かったところのようだ。確かに画面を見ると地形と敵の配置が上手く組み合わさっており、一筋縄ではいかない場面なのが伺える。
鈴原るる。彼女はゲーム実況を主に配信しているが、他のゲーム実況者と彼女が一線を画すのはその配信時間と耐久力だ。
通常、ゲーム配信は2~3時間ほどでひと区切りをつけ、次回に回すケースが多い。だが彼女は6時間、8時間は当たり前。アーカイブとして保存できる12時間ギリギリまで遊んだかと思えば次の配信枠を立てて、そのまま続きをやるのも珍しくない。
そしてそんな長時間配信の中で、彼女はどれだけ行き詰ろうともゲームへの姿勢を崩さない。熱く叫ぶことも無ければ泣く事も、諦める事もない。そんなゲームに対して正面からがっつりと、それでいて楽しむ事を忘れないスタイルが彼女を大人気Vtuberへと押し上げた。
『あ~、惜しかった~!』
「………」
ふと、自分の中にある疑問が生まれる。
バーチャル風俗で嬢を勤める「るる」。彼女は俺の事をかなり気に入ってくれているし、俺も彼女について、かなり好きな方に入ると言えるだろう。
だが──それは本当に「るる」の事が好きと言えるのだろうか?
本来ならそれは風俗の利用客が嬢に対して抱くには、余りにナンセンスな疑問だ。彼女はVtuber・鈴原るるに
「『向こう側でも』か」
だが、それで片づけられない気持ちが自分の中に記憶と共にある事も感じていた。5人で行ったVR温泉旅行。その時に彼女が言おうとした言葉。
もし彼女がそれを望み、本当に「こちら」で会えたとしたなら──鈴原るるでない「るる」を、俺は愛せるのだろうか。
「ハハッ……杞憂民になってんなァ、俺」
思わず自嘲が漏れた。
「風俗嬢が自分に本気で惚れてくれていて彼女になる」。男冥利に尽きる話ではあるが、あくまで男の願望が生んだ夢物語に過ぎない。自分を気に入って逆予約をしてくれている。それ以上を望むのは贅沢に過ぎるだろう。
時間もそろそろ押してきた。俺はブラウザを閉じてから缶やパンの袋を片付けるとスーツとパーツを着用し、バイザーを下げる。
「さて……行くか」
履歴から伍の間のアドレスを探り、ロビーを飛ばしてログインを行う。数秒を待たずして俺は先ほどのフロアに降り立った。
「おっと、お帰り」
「きっちり1時間ジャスト。流石じゃのう」
カウンター越しに話をしていた尊とメリッサが俺を出迎える。
「どうじゃ、少しはリフレッシュできたか?」
「ああ。あんたが言った通り、思った以上に乾いてた。シャワーも浴びてスッキリだ」
「それは何より」
尊は頷くとポケットから鍵を取り出し、俺に投げた。それを受け取るとステージ奥に「陸」と書かれた扉が出現する。
「ロクに相手できなくてすまないな、メリッサ。この借りはまた返す」
「ハハ、それじゃあ、その時までにまたレパートリーを増やしておくよ」
ウイスキーが注がれたロックグラスの氷をカランと鳴らして、メリッサが笑う。俺は鍵を差し、扉を開けた。これまでと同じように光が──
【あぁ、やっと来てくれました……!】
「!?」
耳ではなく、頭に直接声が響いた。戸惑う間もなく前方の視界が一気に広がる。
そこは柔らかな日差しが注ぐ、広い礼拝堂。聖母マリアを描いた巨大なステンドグラスが正面に飾られ、その手前には祭壇が置かれている。そしてその祭壇の前に立つのは、見慣れた
「……やっぱり貴女でしたか、クレアさん」
俺は彼女に歩み寄りつつ言った。穏やかな微笑みを浮かべてクレアが答える。
「はい。みんなが予約されていたのでご迷惑かと思ったのですが【ンッ、熱い……!】」
「っ!?」
二つの声が同時に届く。ひとつは耳から、ひとつは先ほどと同様に直接的に頭に。
俺の反応に、クレアは心配そうに言った。
「どうしましたか? 何か……」
「あ、いや、大丈夫」
「ここまで五部屋のお相手をされてきたんですものね。【あふっ、欲しい、早く、おちんちん、欲しい……!】ちょっと、休まれますか?」
「……クレア、さん?」
まるで映画の副音声だ。いつもの穏やかな調子で俺を気遣う声と同時に、興奮の喘ぎを隠さない発情したの声が聞こえてくる。
そしてその声は──どちらもクレアの
何が起こっている? 俺は彼女の様子を伺いつつ、祭壇前に並ぶ椅子のひとつに腰かけた。
「その……ここまでに会ってきた面子から、最後の部屋で待ってるのはクレアさんか、あとは童田くらいと思ってました」
「そう、ですよね。童田ちゃんは【話とか、どうでも、いいからっ……おちんちん、おちん、ちんっ……!】お客さんから貰った予約を優先するって言ってました」
「………」
肉棒を求める切なそうな副音声。それは否応なく俺の中から興奮を引き出し、抑えようとしても血流を股間に集めてゆく。スラックスの前が次第に膨らんできた。
「本当に待たせましたね。クレアさんの方こそ待ち疲れたんじゃないですか?」
「【あぁ……おっきく、なってる】いえ、祈りを捧げていたら【はやくっ、はやく欲しい、おちんちん、欲しいっ……!】すぐに過ぎてしまい【あふっ、また、濡れて、きちゃ……】ましたから」
次第にクレア自身の声より副音声のが強くなってきた。
「(これは……)」
「えっと、【ダメ、もう、我慢できっ……くださいっ、奥に、ちんぽっ……!】どうしましたか?」
俺はある発想に至り、椅子から立ち上がった。小首を傾げるクレア。そんな彼女との距離を詰める。
クレアの眼前まで歩み寄り、俺は言った。
「クレアさん……その、
「え?【ンッ、あぁ……き、気付かれて、たんだ……おちんちん、欲しがって、たのっ……!】」
ビクンと彼女が硬直する。俺は腰を落とすとクレアの長いスカートの裾を掴み、それを一気に上げた。
「【あぁ……!】」
副音声とクレアの声が一致する。
「うおっ……」
咽るような熱気と湿気、そして雄の本能を沸き立たせる匂い。それは汗や体臭ではない、VR越しでなお感じる程の、発情したクレアから発せられるフェロモンだ。
彼女はショーツを履いていなかった。黒のストッキングとガーターだけを装着しており鼠径部は丸出し。そしてその丸出しの彼女の桃色の秘唇は既に激しく濡れており、それを彩る金色の陰毛から愛液が滴り落ちそうな程だ。実際、腿を伝って幾筋もの粘りある液の線が描かれてガーターを湿らせている。
「……どんだけ溜めてたんですか、クレアさん」
先ほどから聞こえていた淫猥なクレアの言葉。それは彼女の「本心からの声」だ。
VR空間では現実と違い、思考や精神が肉体行動より先にフィードバックされる。それでも音声については口から発せられたものが本来ならば優先されるが──強烈な感情や情動の場合は、それが漏れ出る事がある。俺がかつて尊に仕掛けた「究極のライン越え」もそれの応用だ。言葉を通さない「好き」という感情を直接相手の精神に叩きつけ、自分と相手の興奮や快感を一気に引き上げる。
そして、本人が抑えようと振舞っていても丸聞こえな程にクレアが発情していたとするなら、
「そ、その……数日前、尊様に予約のお願いをしてから……んっ、お、お仕事も控えて、オナニーも、その、が、我慢してっ、ました……」
「………」
ごくりと喉が鳴る。それは興奮と戦慄、その両方が入り混じったものだ。
「……このゲームのルール、分かってますよね?」
「はい……私が2時間で満足すれば、最後のるるちゃんに会える。会えなければ
当然、ルールを把握した上での行動なのだろう。つまり、彼女は。
「本当に、ごめん、なさい……貴方をるるちゃんの所に、行かせたく、あり、ません……だから……!」
「お、おおっ……!?」
スカートを上げていて視界が塞がれていたところに、急に肩を押された。不安定な姿勢だっただけに俺はそのまま仰向けに倒れる。礼拝堂の簡素な天井が視界に広がり、クレアの姿が見えなくなる。
「ダメ、もう、待てない……すぅ、すぅぅ……!」
「ク、クレアさっ……ちょ……!」
咄嗟に視線を下半身に向けるとクレアは俺の股間にしがみつくように密着し、スラックスの上から顔を埋めて雄の匂いを嗅いでいた。清楚な修道衣を着た少女がするには余りに肉欲に溺れた行動。だがそれゆえに強烈な背徳感を俺に覚えさせる。
そのままの姿勢でクレアはスラックスに指を走らせ、衣服のデータを下着ごと消失させた。瞬く間に俺の下半身は丸出しとなり、既に勃起していた肉棒はクレアの頬を叩く勢いで屹立し存在をアピールしている。
「あふっ、んっ……これが、欲しかったんです……太くて、固くて、素敵……んぷっ……」
「おっ、あ、熱っ!?」
クレアの舌が竿に絡みつく。その瞳は潤み、亀頭に吐きかけられる息は焼けるように熱い。
「ンッ、ちゅ、じゅるぅ……っぱ、あ、はぁっ……美味しい、貴方のおちんちん、やっぱり、凄い……!」
「(ヤバい……クレアさん、完全に本気だ)」
夢中で肉棒を舐めしゃぶるクレア。俺は痺れるような快感と悪寒を同時に覚える。
「な、なあ、クレアさん……」
「ん、ちゅ……ぷはっ……何ですか?」
俺の声にクレアは口を離したが、肉棒への執着は治まらないままなのか竿を握って上下に擦る。俺は身を震わせつつ彼女に聞いた。
「あんたの……望みは何だ?」
「それは勿論……」
にっこりとクレアは微笑む。肉棒を握り、秘唇を激しく濡らし、欲情に満ちた瞳で。
「今が夜明け前ですから……これから日が暮れて、夜になって、夜が更けて、朝になるまで……貴方とどろどろになりたいです。何がなんだか、分からなくなるくらい……」
『本当に大変だと思うから』
メリッサの言葉が思い起こされる。
ここまで
再びクレアのフェラチオが始まる。早くも強まる射精感を覚えつつ、俺はこの絶望的な勝負に折れそうな心を懸命に奮い立たせた。