※この作品はR-18です。

バーチャル風俗「電燈二次三次」   作:ターキーX

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第四話「笹木」

「はい勝ちー! おじさん、ほんっと弱いなあ!」

「むう……」

 

 モニターに表示されるリザルト画面。俺の名前の遥か上に「ササキ」の文字が光っている。勝ち誇る彼女に俺は何も言えず呻き、コントローラーを握りしめた。現在10連敗中、未だ勝ち筋は見えない。

 大型モニターにゲーム機、数人掛けのロングソファ、菓子とジュースが置かれたテーブル。俺と「笹木」──VTuber、笹木咲に酷似した彼女はまさにゲームするためのルームに居た。遊んでいるゲームは「マリオカート11」、パーティーゲームとしても人気のレースゲームの最新作だ。本作こそ初プレイだが、過去作は俺もそれなりにやり込んでいた。

 

「キノコの使い方が悪いんよ。ウチの動きを先読みしたつもりで、全然読めとらんかったし」

 

 そう、やり込んでいたつもりだったのだが──こうして、小柄な中学生くらいの外見の高校生にドヤ顔で言われる程に俺は負けていた。

 

「ほんじゃ、もうひと勝負やねー」

「いや、それは……」

 

 早くも次の対戦を始めようとする笹木に俺は思わず声を漏らす。それに対し、彼女は露骨に呆れた顔をした。

 

「ちょっとちょっと、お(・)じ(・)さ(・)ん(・)約束も守れんの? キモッ!」

「……!」

 

 「おじさん」呼びを強調した煽りに俺はコントローラーを握り直した。露骨な煽りではあったが、確かにこのまま負けっぱなしで事を始めても主導権は笹木に握られたままだ。

 俺がやる気になったのを察したのか笹木は「ニシシ」としか表現できないような笑いを浮かべると、自分もコントローラーを持ち直した。

 

「そんじゃ、次レースやるやよー。コースはおじさんが選んでな」

「……砂漠コースで」

 

 なるほど、こうやって彼女はヤらずに時間を潰して稼いできた訳か。

 笹木の意図にようやく気付きつつ、俺はヨッシーを選んでボタンを押した。

 

 

 

『相手からルーム希望があります』

 

 思えば彼女を予約した際にナビゲーターからそう言われた時から、この日は何かおかしかった。

 

「ルーム希望?」

『ゲームルーム、窓無し。承認をお願いします』

 

 基本、どんなシチュエーションで愉しむかは客側に選択権がある。嬢の方からそれを指定してくるパターンは二つ。ひとつはそのシチュエーションでのプレイに自信がある。もうひとつは、嬢の側から指定できる程に人気がある。

 そして笹木に関して言えばこの二つを両方とも備えていると言えた。この店の嬢の中でもその人気は上位勢に匹敵する程であったし、彼女であればゲームルームでのプレイを望むだろうという説得力もあった。

 

「……分かった。承認する」

 

 俺は僅かの違和感を覚えたが、それでも折角の機会だったのでその希望を受け入れた。「承認」と書かれたパネルを押し、いつものように先払いで振り込む。

 

『ありがとうございます。お振込みを確認しました。10秒後に転送致します』

 

 果たして間もなく、俺の視界が揺らぐとそこはベッドの無い、モニターとソファ、そして菓子とジュースの置かれたテーブルのある部屋になっていた。

 

「おはやよ~」

 

 のんびりとした声が俺にかけられる。見てみれば既にソファには先客が居て、ゲームでのひと試合を丁度終えたところのようだ。

 パンダを模したパーカーを着た少女、笹木は俺の方を見て言った。

 

「あー、今日のお客さんはお(・)じ(・)さ(・)ん(・)なんやね。どーも、笹木やよ。よろしく~」

「……どうも」

 

 いきなりの「おじさん」呼ばわりに些かのショックを受けつつ俺は挨拶を返した。大学生(辺り)のるるやリゼは俺を「お兄さん」と呼んでくれるのだが、高校生からすれば俺は「おじさん」なのだろうか。

 一方の笹木はそんな俺の反応を気にすることもなく、ポンポンとソファを叩いた。

 

「おじさん、ほら、ここ、空いとるよ?」

「あ、ああ」

 

 言われるままに促された場所に座る。どうも既にリードされている感がある、なかなかの難敵のようだ。

 

「ありがとうなー、ウチの要望に応えてもろて。ウチ、この部屋が一番好きなんよ」

「ゲーム、好きなんだ」

「生きがいやね! ノーゲーム、ノーライフっちゅーやつ?」

 

 俺の問いかけに彼女は即答する。本当に好きなのだろう。

 今思えば既に料金は払い、ここで始める流れにする事は可能だった。だが、ここでがっついて始めるようでは本当に親父臭くなってしまう。まずはゆっくり話をして雰囲気を作ってからにしよう。そう思った。そしてそ(・)れ(・)が(・)良(・)く(・)な(・)か(・)っ(・)た(・)。

 

「なーなーおじさん、ちょっとええかな?」

「何だい?」

「『始める』前に、ウチとゲームせえへん?」

「ゲーム?」

「これ、マリカ11」

 

 笹木はモニターに視線を送りつつ、テーブルに置かれていたもう一つのコントローラーを差し出してきた。

 

「ウチ、初対面の『お客さん』とゲームするのも好きでなー。その人の遊び方で相性とかって割と分かるんよ」

「対戦……かぁ」

 

 正直なところ余り気は進まなかった。対戦ゲームにも色々とあるが、プレイスキルで時間短縮できる格闘ゲームやテーブルゲームと違い、レースゲームは大幅な短縮は難しい。

 だがそんな俺の反応も彼女の想定内だったのだろう。笹木は口元に笑みを浮かべると、俺に言った。

 

「もちろん、無条件やないよ? ウチが一度でも負けたら、今日のお代はウチの持ちってことで」

「……!?」

「あとウチ、普段は色々と『条件』付けとるんやけど……これも一切NGなし。おじさんのしたい事、全部させたるよ」

 

 また随分な条件を提示してきた。実際、彼女は決して安くはない。ゲームに勝つだけでそれを全額負担、更にNG無しでしてくれると言うのだ。

 余りの好条件に逆に疑念が浮かび、俺は笹木に尋ねた。

 

「それで、俺が負けたら?」

「そんな警戒せんでもええよ~。おじさんが負けたら『ウチともうひと試合する』。それだけでええから」

「……分かった、やろう。言っておくが、マリカなら昔のは俺も割とやってた口でね」

「おお、自信あり?」

 

 楽しそうに笹木は笑う。

 確かにマリカ11は未プレイだが基本のゲーム性は過去作と変わらないはず。最初の何試合かは彼女に譲る事になるだろうが、こちらは一試合勝てば良いのだ。ネットワーク対戦で少なからず一位を取っていた頃の勘を取り戻せば、そんな時間も潰さずに一勝は出来るだろう。そう思い、俺はコントローラーを握った。

 

 

 ──そして、一時間が過ぎた。

 

 

「よっ……ほっ……」

 

 笹木はたまに声を漏らすだけで画面に集中しているようだ。的確な操作で自キャラのマリオを走らせてゆく。

 

「くっ……ぬぅ……!」

 

 一方の俺もかなり勘を取り戻し、緒戦に比べれば相当に速くなっている筈なのだが──それでも彼女に追いつけない。

 やがてレースは終盤となり、結局のところ笹木が一位でゴールを決めた。それに続き俺が滑り込む。

 

「ったー! はいコレ15勝目ー!」

 

 息を吸い、笹木が勝ち誇る。俺は無言で顔を伏せる。

 

「あれ? どーしたん? もう声も出なくなった?」

「……いや、大丈夫だ。次は勝つ」

 

 もはや全く煽りを隠さない笹木に答え、顔を上げる。

 

「笹木さん、ひとつ聞いていいか?」

「何やよ?」

「この『勝負』の、今までのあんたの勝率は?」

「あー、それ聞く? それ聞いたら、おじさんの心が折れると思うんやけど」

 

 余裕の態度で笹木は次のレースの準備をしつつ言った。

 

「答えは……100%。まあ問答無用でがっついてくるお客さんとかもおったけど、勝負に乗って、ウチが負けたことは無いんよね」

「……そうか」

 

 俺は静かに答え、コントローラーを握り直す。

 

「こちらが勝負に乗ればゲームを二時間やるだけで丸儲け。負けた客は、あんたに腹いせの低評価を入れたりすれば恥の上塗りになる。結果、あんたは評価レートを下げずに遊ぶだけで稼げる。上手い事を考えたもんだ。感心するよ」

「ふふん、お褒め頂き恐縮の至り……って感じやね。おじさん、分かっとるやん。次のコースはどないする?」

「……海岸ステージで」

 

 笹木は俺に横目を向けつつ聞いてくる。俺は答え、ステージを選んだ。水中に潜る事でショートカットも可能な、やや癖のあるステージだ。

 今の彼女の答えで確信を得た。おそらくは──こ(・)の(・)試(・)合(・)で(・)勝(・)て(・)る(・)は(・)ず(・)だ(・)。

 モニター上ではレース開始のカウントダウンが始まっていた。笹木はマリオ、俺はヨッシー。

 

『3』

 

 俺は息を吸い、コントローラーを持つ手の力を抜く。

 

『2』

 

 モニターに視線を向け、ヨッシーを静かに見つめる。

 

『1』

 

 肝心なのはイメージだ。俺がここに居るように、笹木がそ(・)う(・)し(・)て(・)いるように。

 

『GO!』

 

 脱力したまま眼力を籠める。

 

「……やっぱりか!」

 

 ──次の瞬間、俺はカートの座席に居た。迷う間もなくアクセルを踏み、一気に加速する。

 

「ちょ、え!? な、何でおじさんまで『こっち側』におるん!?」

 

 並走するカート上、マリオの帽子を被った笹木が驚きの声をあげる。俺は笑みを浮かべつつ答えた。

 

「あんたが教えてくれたんだよ!」

 

 そう、今まで俺は忘れていた。俺も、笹木も、そしてこのマリカ11も──同じVRのフィールドに用意されたデータに過ぎない。ならば、そこを行き来する事も可能なのではないか? その仮説を試してみたのだ。

 この発想に至った理由は二つ。ひとつは笹木の不自然な強さ。幾ら彼女が優れたゲーマーだったとしても勝率100%はまず有り得ない。彼女の反応速度は俺のそれより明らかに数段上回っていた。

 そしてもう一つは、レース中の「こちら側」の彼女が極端に無口になっていた事。少なくとも「本物」の笹木は真剣なレース中も配信者として喋り続けていた。ここまで酷似している彼女がそこだけ違うというのは変だ。では何故無口になっているのか? それが糸口になった。

 

「レース中のソファの方のあんた、ありゃbotか何かだよな!? それで本体はこうして直接レースに介入してた! そりゃ勝てない訳だ、コントローラーを挟んで操作するのと直接操作とじゃ全然違う!」

「チィ……おじさんの事、見くびっとったわ! 初めてやよ、ウチのコレに気付いたんは! でも……同(おんな)じ条件になったから勝てるってのは、甘い考えなんちゃう!?」

 

 笹木のカートが加速する。俺はあえて追いかけず、彼女のやや後ろをキープする。

 

「ああ……だ(・)か(・)ら(・)こ(・)の(・)ス(・)テ(・)ー(・)ジ(・)を(・)選(・)ん(・)だ(・)!」

 

 他のCPUキャラは俺たちに付いてこれていない。実質これは俺と笹木だけの勝負だ。まずは操作感に慣れることを優先して一周目を消化する。道中のボックスで拾ったアイテムを投げてみたが、これは避けられる。

 

「はいハーズレー! おじさん、今回もやっぱウチの勝ちやねー!」

「………」

 

 挑発には乗らない。勝負は二周目の、島から島へ飛ぶジャンプ台の個所。俺はアイテムボックスから甲羅を拾い、それを構える。

 笹木はやはり俺のやや前を走る。さっきの投擲で大凡のタイミングは分かった。あとは──

 

「何か企んどるみたいやけど、これでっ!」

「くっ……!?」

 

 しかし彼女もただ待つだけではなかった。突如眼前にゲッソーが出現し、俺に墨を吹きかける。大幅に狭まる視界に俺は呻いた。

 

「はい残念ー! やっぱりウチの……」

「それは……どうかなっ!」

 

 僅かな視界の中、俺は甲羅を投げた。ちょうどジャンプ台から跳ねた笹木車の背面に甲羅が直撃し、大きく失速させる。

 

「わっ!? で、でもまだ、ガボッ!?」

 

 それでも俺を煽ろうとした笹木だったが、その声は水音と共に途切れた。

 

「ガボッ、ゴボッ!? ゴボボッ!?」

 

 海面から泡と共に溺れる声が聞こえる。俺はジャンプ台を飛び越しつつ、沈んだままの笹木車を見下ろした。

 

「……やっぱり、水中が弱点だったか」

 

 ここまでのコースで彼女は水没だけは丁寧に避けていたし、海中ステージの時だけはレース中も普通に喋っていた。「こちら側」に存在する間は、ゲーム内の水中も水中として認識してしまうのだ。

 俺はそのままファイナルラップに突入した。

 

「ゴホッ! ゴホッ! ま、待って……!」

 

 遥か後方、何とか水中を脱した笹木の声が聞こえる。俺はそれに構うことなく、ゴールを通過した。

 

「……ふぅ」

 

 大きく息をつき、俺は意識をルーム内に戻した。

 

「ゲホッ、ゲホッ……あー、死ぬかと思ったー!」

 

 一方の笹木も何とか戻ってこれたのか、激しく咳込みつつ声を漏らす。俺は彼女に視線を向けた。

 

「……あ」

 

 俺の視線に気づいた笹木がこちらを見る。

 

「……」

「あー、その、えーと……」

 

 視線を泳がせつつ、笹木は引きつった笑みを見せた。俺はそれに微笑みを返す。

 

「な、なあ……お(・)兄(・)さ(・)ん(・)、ひとつ、提案があるんやけど……」

「……何かな?」

「ほら、お兄さんとウチ、もの凄い好勝負だったやん? ここはひとつ手打ちって事でぇ、引き分けって事にせえへん?」

 

 手を合わせ、媚びるような視線で俺を見上げる笹木。

 俺は笑顔で答えた。

 

「ダメだ」

「ひっ……!」

 

 コントローラーが床に落ちる。俺は笹木が飛び下がる前にその手を掴み、その軽い身体を膝の上に置いた。

 

「まっ、待ってや、お兄さんっ!」

「待たない」

「ンッ……!」

 

 俺は彼女のフードを下ろし、首筋にキスをした。ぴくんと小柄な体が跳ねる。左手で笹木の身体を押さえたまま、俺は続けて右手をスカートの中に差し込む。強引にショーツを下ろすと、縞柄の可愛らしいショーツが現れ、そのまま足元に丸まって落ちる。

 続けて服越しに彼女の胸に触れる。「膨らみかけ」という表現がしっくりくる胸はブラを着けておらず、笹木の乳首の感触が直接指に伝わってくる。

 

「ふぁ……お、お兄さん、そんな、慌てんでも、ウチ、逃げへんから……!」

「そう言って今も逃げるタイミングを図ってるだろ? 足の力、抜けてねえぞ」

 

 正直、ここまで散々煽られたこともあって俺の中でも責めの衝動が強くなっていた。俺はテーブルの上に置かれたジュースのペットボトルを手に取った。当然ながらこれも実像でなく「液体」というデータだ。それを少し弄り、中身と温度を調節する。

 

「な、何を……」

「分かってんだろ? 『おしおき』だ」

 

 そう言いつつ、俺は自分のスーツのイメージを消した。全裸になったことで露出した肉棒が笹木の尻に触れる。こうして直接触れてみて分かったが、全体の肉付きは多くないものの腰回りの膨らみと尻の張りはなかなかのものだ。将来的には安産型になるのだろう。俺は背面座位の姿勢のまま彼女のスカートを捲り、ペットボトルを逆さにした。

 

「ひあっ!? あ、熱っ!?」

 

 粘りある液体がとろりと笹木の尻と俺の肉棒を濡らす。人肌程度に温めたローションに中身を変えたのだ。十分な量を垂らし、ペットボトルを置く。

 ここに来て笹木は自分が何をされるか悟ったのだろう。先ほどまでの威勢を失い、怯えたように俺を見る。

 

「じょ、冗談やよな? お兄さ……」

「息吐いとけ、切れるぞ」

「ちょ、ちょっと、待っ……ひぐっ!?」

 

 濡らされていたとはいえ太いものを受け入れるには余りに小さな笹木の窄まりに、ミチミチと強引に肉棒が挿入されてゆく。

 本来であればアナルセックスはスキンの着用や腸洗浄、挿入後の消毒などの事前事後のケアが必須だが、直接接触でないVR風俗ではそれらを気にする必要はない。肝心なのは互いのアナルに挿入している/されているという認識だけだ。

 

「あっ……あうっ、はっ……!」

「始めるぞ、気ぃ失うなよ?」

「あぐっ!? ひっ、ひあっ!」

 

 過呼吸を起こしたようにぱくぱくと口を開閉する笹木。俺は彼女に構わず奥まで挿入すると、そのまま腰を使い始めた。彼女の軽い身体が俺の腰の動きに合わせて跳ねる。

 

「あっ! あかっ、あかんて、お兄、さんっ! こんなん、ウチ、こわっ、壊れるっ! 壊れてまうっ!」

「ダメだっ! 『勝ったらNGなし』って言ったよな!? ぐうっ! の、残り時間、全部、ケツしか、使わねえからな!」

「ひぐぅっ! そんなっ、広がっ……ケツッ! ウチのケツ穴、広がって、まうぅっ!」

 

 激しい動きにソファがギシギシと悲鳴をあげる。膣孔とはまるで違う腸壁の感触と尻穴の鮮烈な締め付けを覚えつつ、俺は更に腰を突き上げる。溜まっていた事もあり、早くも最初の射精感がこみ上げてきた。俺はそれを我慢することなく開放する。

 

「一発目、いくぞっ! ケツ穴で全部受け止めろよっ!?」

「あぎっ、かっ、はあっ! なに、何っ!? 分からへん、分からへんっ!」

「うっ、ぐ、ああぁっ!」

「あ、あ、あひぃっ! ケツ、熱いの、中ぁっ!」

 

 首を振りながら悶える笹木の尻に根元まで肉棒を突き込み、一番奥に精液を放つ。腸内に精液の直撃を受けた彼女の身体がびくんと跳ねる。

 

「ひぁ……あ、あふぅ……」

「……っ!」

「ひぎっ!? ちょ、嘘、あうっ!」

 

 俺は射精が治まるのを待たず、再び腰を動かし始めた。不意を突かれた笹木の口から苦悶と快楽の入り混じった声が漏れる。

 

「ま、待って、ちょっと、休ませ……」

「ダメだ!」

「ひっ、いっ、いひぃっ!」

 

 射精したまま再度奥まで突く。嬌声とも悲鳴ともつかない笹木の声。抗いようのない加虐的な感情を起こさせる声。

 ついに心が折れたのか、笹木は泣きながら俺に言った。

 

「ご、ごめっ、ごめん、なさいっ! もうバカに、しない、からっ! 許してっ、くださ、いぃっ!」

「ダメだ!」

「んあぁっ! イクッ! う、ウチっ、ケツでイクぅっ!」

 

 絶叫する笹木を更に責め立てる。俺自身の腰を動かすだけでなく彼女の身体を抱えて、まるでラブドールかオナホールのようにそれを上下させる。

 

「ふぇ!? う、嘘っ、ま、またイクッ! あっ、ああぁっ!」

「ぐうっ……!」

 

 膣の絶頂と違い、アナルの快感は排泄感──糞便を出す際に伴う快感──が継続して与えられることで発生する。つまり、一度昂れば戻らなくなるのだ。俺は二度目の射精を笹木のアナルへと放つ。

 やがて「ブピッ」という排泄音と共に、結合部から精液が逆流する。

 

「え? あ、あぁっ! あ、あかん、本当にこれ、あかんって! 聞かんといて、聞かんといてってぇ!」

「聞こえるぞ、お前のケツマンコ、汚い音出してんなあ!」

「うあっ、あ、ああっ! こ、壊れ、たあっ! ウチのケツ、壊れたぁっ!」

 

 ぽろぽろと泣きながらも笹木は喘ぎを止めない。俺が試しに動きを緩めてみれば、自分から腰を使い始める程だ。

 

「あぐっ! あ、ひぃっ! ま、また、イクッ、ケツマンコ、イグゥぅっ!」

「う、お、おぉぉっ!」

 

 そのまま三発目の射精。

 

「あ……あ、あぁ……?」

 

 ぐったりと笹木の小さな体が俺の胸板にもたれかかる。少しトんだようだ。

 俺は構わず、勃起の治まらない肉棒を容赦なく尻穴に擦りつけ、四発目の射精を放った。

 

 

 

 ──正直やり過ぎたかなとは、後で思った。

 

 

 

 それから暫く後。

 

「……ふぅ、あとちょっとか」

 

 俺は在宅ワークの合間、休憩を兼ねて動画サイトを見ていた。その中に見覚えのある顔を見かけ、開く。

 

『みんな、おはやよ~、お久しぶりやね~』

 

 のんびりした笹木咲の声がリビングに響く。彼女はここ暫く配信を休んでいたのだ。早速リスナーから「大丈夫?」「心配してた」等のコメントが寄せられている。笹木はゲームを始めつつ、それらのコメントを拾ってゆく。

 

『いや~……実を言うとねえ、恥ずかしい話なんやけど……ウチ、「痔」になってもうて。ああ、もう治っとるんやけど……』

「!?」

 

 思わず息を呑み、画面を改めて見る。普段と変わらない笹木の笑顔、怒声、泣き声。

 

「……まさかな」

 

 俺は呟き、マリオ11実況をする笹木の声をBGMに仕事を再開した。

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