「hmm……」
どこかで見たような鹿撃ち帽に
「成程ね……そうなると、こっちはどうなるかしら」
次に壁。手袋を付けた手で指紋が残らぬよう──VR空間においては、自分が触れたというデータが混ざらないよう──丁寧に調べる。
「uh-huh。ここが、こうなって……」
更には天井まで。小柄な体を背伸びさせてプレイルームの天井から何かを探す。
「アハッ、OK。ここの場所は十分に調べたわ。次に行きましょう、
「(どっちかと言うと『ワトソン』はアンタの方じゃねえかなあ……?)」
「……? どうしたの、助手君?」
「い、いいえ。分かりました。
内心でツッコミを入れつつ、俺はスタスタと先に行く彼女「アメリア」の後を追った。
何故俺がこんな名探偵の助手めいた事に付き合わされているのかと言うと、数時間前に「二次三次」で起きたある事件の調査と、その補助のためだ。
事件内容をひと言で表すなら「消えた暴力客」とでも言えば良いだろうか。俺が研修のために事務所に入った直後、壁に取り付けられていた非常ベルが鳴った。ソファに寝転がっていた「シャア」──どうもその名前は嘘で、実際は「チャイカ」だそうだが──が跳ね起き、険しい表情で部屋から飛び出してゆく。
「すまぬ、教育係殿……どうも今日の研修は中止となりそうじゃ」
「何があったんです?」
「まだ確認中……とはいえ、このベルが鳴ったという事は『厄介な客』が紛れ込んだという事じゃろうな。チャイカ、状況はどうじゃ?」
机からトランシーバーを取り出した尊は俺にそう言うと、チャイカとの通信を始める。ベルの方は既に鳴り止んでいたが、室内の緊張感は未だ残ったままだ。
研修が中止となれば俺の此処で出来る仕事は無くなった訳だが、だからといってこの状況で席を立ってログアウトする程に無責任でもない。身の置き場を持て余しつつ、俺は尊とチャイカの通信に耳を傾ける。
やがて尊の眉が八の字に
「……消えた、じゃと? ログアウトは、してない? それは確かなんじゃな? 分かった……やむを得ん、他の部屋に現れたら何をするか分からんからな」
そこまで言うと尊は通信を切り、続いて傍らの店内放送用マイクを持つとスイッチを入れた。
『ンっ、コホン……大変申し訳ありません、プレイ中のお客様、並びに勤務中のメンバーに緊急連絡させていただきます。つい先ほど店内にて
日頃のいわゆる「のじゃロリ」口調を抑えた、落ち着いた大人の口調で尊の店内放送が流れる。番組ナレーションめいた美しい声だが、その中には聞き流せない言葉が含まれていた。
「ちょ、暴力事件って……!」
思わず声が出そうになったが、尊がアイコンタクトで「すぐ説明する」と伝えてきたので俺は口を押えた。同じ内容を数回流して、スタッフに通信機で指示を飛ばした後に尊はようやくひと息をつく。
「ふぅ……落ち着けい。チャイカの話では幸い客の行為が
「何でそんな事に……」
「偶におるのじゃよ、SMプレイと
「それも利用者が増えたことによる弊害……ですか」
「客商売なら避けられんよ。退避確認も含めて妾は現場に行くが、良ければお主も一緒に来てくれ」
ぴょんと椅子から降り、尊は俺を促す。もちろん断る理由もない。俺は彼女と共に事務所を出て、事件の起きたプレイルームへと移動する。
尊の言っていた通り、そこはSMプレイを主に行うためのルームのようだった。照明は薄暗く、壁の棚には鞭やら縄やら様々な器具が並んでいる。
「お疲れ、二人とも……巻き込まれた娘だけど、『健屋』さんに預けて治療中。お客さんのログアウトも、あと少しで完了するって」
そこで俺たちを待っていたのであろうチャイカが歩み寄ってきた。このルームと皮ジャン姿のオネエ系巨漢である彼の姿は妙に似合っている。
「それは何より……犯人の状況は?」
「それが、本当に姿を消しちゃったんだよねぇ」
尊の問いかけにチャイカは首を横に振った。腕を組み、困惑を浮かべつつ話を続ける。
「犯人は30代の普通のオジサン。入店ログからすると、この店は紹介されたばかりで初利用……バカだよね、会員紹介制の店で初回やらかしとかサ」
「全くじゃ。紹介者にもペナルティを与えねばならん」
怒りも露わに同意する尊。彼女にしては珍しい姿だが、嬢のことを大事に思う彼女ならば当然とも言える。
「流れとしては、プレイが始まってから間もなくお客さんの様子にヤバいと思った娘がベル鳴らして通報……すぐに飛んできたんだけど、私を見て犯人は逃走。で……追いかけてる最中に、突然消えちゃって」
「突然に? 強制ログアウトではなく?」
「それだったら痕跡も残るし、追跡も容易なんだけどね……ログアウト記録は無し。多分、隙を見て自分の情報を消してこっそり抜け出すつもりなんだと思う」
俺の問いかけにチャイカは答える。なるほど、性癖はさておき普通に頭は回るという事か。
「ふぅむ……『ホワイトハッカー』のサーチはどうじゃ?」
「今日はお休み。ほら、今日は支配人と一緒ににじク……もとい、外部でのお仕事をしてるから」
「ホワイトハッカー」。直接会った事はないが、この店のセキュリティ面を管理するスタッフだ。そして彼は今は不在らしい。
「じゃあ、俺たちで調べないと……って事ですか」
「いや、それが……」
「ノープロブレム。私が居るわ」
言い淀むチャイカの後方から別の、透明感ある少女の声。
「え?」
「このような事件が起きた時に私が来ていた偶然。これは正に神の采配と言えるかもしれないわね」
チャイカの巨体の影からゆったりと現れる小柄な少女。その身長は150㎝あるか無いかで、先日俺が相手をしたフブキやメルより更に小さい。肩口まで伸ばした綺麗な金髪を揺らし、やはり透明感ある青い瞳でこちらを見ている。
そして、その少女に俺は心当たりがあった。
「アンタは、確か今日の研修予定だった……」
「Yes。『アメリア』よ、研修役さん。『名探偵』と呼んで頂戴」
「……名探偵?」
「ええ! 『ホロラバーズ』きっての名探偵アメリアとは私の事よ!」
首を傾げる俺に彼女、VTuber・ワトソン⁼アメリアに酷似した少女「アメリア」は自慢げに胸に──白ワイシャツの布地をパツパツに張りつめさせている巨乳に──手を当てて言った。
茶色のスカートに白のワイシャツ、胸元には赤のネクタイリボン。その上から明らかに丈の長いインパネスコートを羽織り、鹿撃ち帽を被っているその恰好。彼女には悪いが、名探偵と言うよりはどう見ても只の
「アメリア殿……お噂は伺っておるが、それではお主が危険ではないか?」
だが、尊の反応からするとそれはどうやら本当のようであった。神妙な顔で問いかける尊にアメリアが不敵に笑って答える。
「私が犯人で逃げるために誰かを襲うなら尊様、まず貴女を狙うわ。尊様の方こそセーフティルームである事務所から動かない方がいい。ただ、そうね……研修役さん、貴方に助手をお願いしたいんだけど、いいかしら?」
「え、あ、俺に?」
不意に話を振られ、俺はやや気の抜けた返事をしてしまう。アメリアはコートから大きな虫眼鏡を取り出すと、それを揺らしつつ言った。
「名探偵には助手が必要なの。そちらのバウンサーは尊様の護衛に必要でしょ?」
「助手って言われても、何をすればいいのか分からねえぞ?」
「そこは必要な時は私が言うわ。とりあえずついて来てくれればOKだから」
俺は返事に困り横の尊を見た。彼女もどう答えを返したものか分からなかったようだが、少し考えてから俺を見上げる。
「……まあ、そういう事だそうじゃから、手伝ってやってはくれぬか?」
「えーと、その……分かりました」
──こうして俺は、名探偵の助手となった訳だ。
「ふむ……だいたいのヒントは揃ったわね」
あれから幾つかのルームを調べた後に最初のSM部屋に戻り、アメリアは俺が淹れたVR紅茶を片手にテーブルで優雅に推理を巡らせている。
「貴方はどう思う、助手君?」
「そう言われても……確かに、何処にも居ないなって事しか」
「目に見えるものだけが真実ではないわよ、助手君?」
ひょっとしてこいつは単に俺を「助手君」と呼んで探偵気分を味わいたいだけなんじゃなかろうか。そんな疑惑が俺の中から払拭できずにいる。
とはいえ、アメリアは彼女なりに思考を巡らせているようであり──それは、あとちょっとの所で行き詰っているようでもあった。
「hmm……」
「………」
「う~ん……ハァ、やっぱりここは推理に
「ブースト?」
聞き慣れぬ言葉に俺が尋ねる。
しかし彼女は俺の問いに答えずカップを置き、事も無げにコートの内ポケットからカラフルな液体が詰まった注射器を取り出して自分の首筋に──
「お────いっ!?」
俺は思わず全力で彼女に飛び掛かり、針が静脈に刺さる寸前だった手を押さえた。
「Oh! 危ないわよ助手君!? 針が折れるところだったじゃない!」
「危ないのはアンタだろうが、別の意味で! 何を打つつもりだったんだよ!?」
驚くアメリアに焦りも露わに問いかける。彼女はまるで朝食のマフィンを食べるような軽さで答えた。
「何って……電子コカインよ? 思考を鋭敏にさせて、推理力をブーストさせるのにちょうど良いの」
「………」
俺は無言で彼女の手から注射器を取り上げた。
「ちょ、返しなさい、助手君! 名探偵には
「ただの
手を伸ばして奪還しようとするアメリアにツッコミ返す。
電子ドラッグの厄介なところはこの1、2年でVR界隈に急速に広がったため、未だ法制化が十分でない点だ。かつて最新のドラッグが合法ドラッグ、あるいはバスソルトとして半ば公然と売られていたように、危険な効果を持つ電子ドラッグも彼女のような民間人でさえ容易に入手できてしまう。
──まあ、アメリアの場合は単純にシャーロキアンが行き過ぎただけだろうが。
「とにかくダメだ! なあアメリア、ホームズだって
「まあ……そうね、出来なくはないんだけど……」
ようやく薬を諦めたのかアメリアは顔を下げ、椅子から立ち上がった。何かを迷うようにぐるぐると部屋を歩き、やがて結論が出たのかぴたりと止まる。
「ねえ、助手君。貴方……この店の教育担当って事はセックスには自信があるのね?」
「へ? あ、いや……まあ、コレで給料を貰ってる程度にはな」
突然の別方向からの質問に戸惑いつつも答える。そしてそれはアメリアの満足に足りるものだったらしい。再び俺の近くまで歩み寄ると、彼女は俺を見上げていった。
「じゃあ助手君、
「……はい?」
言っている事は分かる。だが理解が追いつかない。
唖然とする俺にアメリアは言葉を続ける。
「遠慮しないでいいわ。無茶苦茶に私を犯して、訳が分からなくなる位にイかせて。それで快楽物質を一杯出せば、多分キマってるのに近い状態に持って行けると思うの」
「お、おいおい! そんな無茶苦茶な……」
何ともおかしな話になってきた。返答に困る俺にアメリアは真顔で言った。
「助手君からどう見えているかは分からないけど、私は本気で犯人を見つけたい。薬がダメなら、コレが最良の手段なの。それとも……そこまでの自信は無いのかしら?」
「……!」
余りにも露骨な挑発である。だが、その内面のアメリアの焦りと本気さは確かに俺にも伝わってきた。訂正せねばなるまい。アメリアは決して探偵を「ごっこ」ではやっていない。
ならば、俺も俺で彼女の本気を受け止めねばなるまい。俺は腹を括って答えた。
「……言っておくが、途中で『許して』とか言っても止めねえぞ?」
「もちろん。むしろそれが
そう言うとアメリアは帽子を取り、コートを脱いだ。解いたリボンを床に落とし、ワイシャツのボタンの上下の幾つかのみを外す。
「助手君、貴方も脱いで」
「ああ。ちょっと待ってくれよ……っと」
俺は手早く上下を脱いでゆく。その間にアメリアは棚からローションを取り出し、それを自身の胸元に着衣のまま振りかける。
「ンッ……初手から、根を上げないでね?」
そう言いつつアメリアは容器を戻し、こちらに振り向く。どうやら彼女はノーブラだったらしく、ローションを吸って半透明になったワイシャツ越しに張りつめた大きな乳房が形もくっきりと浮き上がっている。彼女が少し動くだけでも両の巨乳は重そうに揺れ、自然と俺の視線を吸い寄せる。
アメリアはそのまま俺の前で膝をつくと、まだ勃起前の肉棒に触れた。
「Wow。まだ勃起してないのにこんなに大きいのね……これなら……」
「おっ……!」
身長通りの小さな手に触れられ、肉棒がピクリと反応を示す。アメリアは竿を数回扱いた後、肉棒をワイシャツの外したボタンの隙間──着衣のまま押さえつけられた乳房の谷間に誘った。
「ンッ、ふぅっ……す、好きに動いていいわよ? 私も自分のを、濡らすからっ……ん、あぁ……!」
谷間を経由した亀頭が上部のワイシャツの隙間から顔を出したのを確認し、アメリアは膝立ちの姿勢で肉棒から手を放して自身のスカートの中へと差し込んだ。その様子を見下ろしつつ、俺は腰を動かし始めた。
「ああ、分かった……う、おぉ……い、いいな、アメリアの、谷間……潰されそうなほど、ミチミチだっ……!」
小柄な体躯に比べてアンバランスな程の大きさのアメリアの乳房。ワイシャツのボタンで拘束されたそれは、通常の手で寄せるパイズリ以上の乳圧を俺に与えてくる。彼女の谷間の中で肉棒は充血してゆき、その圧力を押し返す程の怒張へと成長してゆく。
「ハァッ……貴方のも、凄い、わ……おっぱいの間で、どんどん熱くなって、くるっ……!」
スカートの中で激しく指を動かしているのが見下ろしていても分かる。小刻みなアメリアの喘ぎと共に、熱い吐息が亀頭に吹きかけられる。
このままアメリアの谷間で射精するのも悪くはなかったが──今回の目的は俺の射精でも、共に気持ちよくなる事でもない。アメリアをイキ狂わせる事だ。
「ふぅっ……アメリア、もう、俺の方は大丈夫だ……」
「あぁっ! わ、分かったわ、抜いて、いいか、らっ! ンンッ!」
秘所を弄る指を止めぬままアメリアが答える。俺は彼女の肩に手を置いて腰を引いた。ローションに塗れた肉棒が乳房との間に粘液の橋をかけつつ谷間から抜け出る。
「アメリア、俺が下になるから乗ってくれ。その方が、あんたも自由に腰を使えるはずだ」
「んくっ、そっ、そうねっ……」
俺の言葉にアメリアはようやく指の動きを止め、ふらつきながら立ち上がった。頬を紅潮させたまま自身の服に触れ、それを消失させる。薄い金髪に彩られた彼女の秘所はしっとりと濡れており、挿入の準備は出来ているようだ。俺は先にベッドに上がり仰向けに寝転がった。血管を浮かべる怒張を屹立させ、アメリアを待つ。
「あ、ハァッ……フフッ、本当に肉の柱ね……」
150㎝の小柄な、しかし豊満な胸と腰の肉付きを備えた白人少女が俺の上に跨る。脚を一杯に広げ、潤んだ瞳で肉棒に手を添えると角度を調節する。アメリアの淡い色の秘唇に亀頭が触れ──
「……悪い、アメリア」
「はぁっ……え?」
そのタイミングで、俺は彼女を見上げて言った。彼女の動きが止まったのを狙い、ふっくらとした腰に手を回す。
「俺はこれから
「それって……ひぅっ!?」
アメリアの腰を抱えた手に力を籠め、彼女の腰を下げて奥まで一気に肉棒を割り入れる。不意の一撃にアメリアはびくんと大きく身体を跳ねさせた。
──普段の新人研修において、俺は可能な限り自らも「客」として気持ちよくなる事を意識して彼女らの相手をする。
それは嬢に風俗で働く上でのやりがい、この場合、相手を悦ばす事への嬉しさを知ってもらう為だ。機械的、表面的な対応だけでは男性も満足しない。それでは常連にもなってはくれないし、嬢自身の評価を低下にも繋がってゆく。だから相手の持ち味や得意技、そういったものがあれば全て受け止めた上で一緒に気持ちよくなってゆくのに努める。
だが、今回は目的からして違う。今すべき事は、俺に跨って肉棒を受け入れたアメリアを希望通りに幾度も絶頂させることだ。
だから俺は、このセックスにおいては日頃の意識──相手のテクニックを味わうとか、同時に達したいとか、相手の反応を楽しみたいとか──それらを一切捨てた、ただ彼女をイカせるためだけの身勝手なセックスを行うと決めた。
「ひっ……は、あ、えっ……!?」
全身を震わせ、膣内がきゅっと締まるのが肉棒から伝わってくる。アメリアは快感と動揺の両方を浮かべ、自身の身体の反応に戸惑っているようだ。
「感覚の共有」──VR空間でのみ可能な、俺が受けている快感を相手にお裾分けする技──も、今回は遠慮なく使っている。おそらく今のアメリアは自身が予想していた快感より更に上乗せされた刺激を感じている筈だ。
「どうした、先生? まだひと突きで降参かよ……っと!」
「ふぁ、ンッ、んあぁっ!」
再び下から突き上げる。冷静にさせる暇を与える訳にもいかない。実際、彼女の巨乳に負けないムッチリとした尻は俺の肉棒の突きに撃ち負けない肉厚で受け止めており、出来るだけ股間から意識を外そうとしている今も強い快感を俺に伝えてくる。射精するまでに何回アメリアをイかせる事が出来るか。それが勝負だ。
「ほら、あんたも動きな。おかしくなる位イキたいんだろ?」
「わ、分かってる……わよっ……あんっ! い、ひぃっ!」
俺の挑発にアメリアは辛うじて答え、俺の胸板に手を置くと自らも腰を使い始めた。身長とは不釣り合いな二つの巨大な乳房がゆさゆさと重く揺れる様が何とも堪らない。彼女の動きに合わせて抜けないよう、しかし強い摩擦が生まれるように突き上げるタイミングを調節する。アメリアの尻と俺の腰が打ち合う音が薄暗い室内に響く。
「ああっ! ンッあっあっああんっ!」
俺が言った通りにアメリアは、自分が気持ちよくなる事だけに集中して腰を振っているようだった。そしてその方が俺としても都合が良い。彼女の腰を掴んでいた手を両の乳房へと移し、捏ねるように揉み上げる。薄桃色の小ぶりな乳首は固く突起しており、手のひらに柔らかくも確かな弾力が伝わってくる。
「ぐぅ……そら、そらっ!」
「あひっ! は、あ、ああぁぁっ!」
また膣内の締め付けが強まる。既に彼女は数度の絶頂を感じている筈だ。だが、まだ足りない。
「あぅんっ! なに、貴方の、ペニスッ! なんか、流れ込んで、きて、えぇっ!」
「そんだけ、喋れる、ならっ! まだ、余裕、あるなっ!? そら……よっ!」
自分の中の攻撃性をあえて高めて乱暴に突き上げる。金髪を汗に濡らし、アメリアは再び絶頂に押し上げられる。
「くひぃっ! まっ、またイクっ! ペニス、奥っ、来てっ!」
「小洒落た、言い方してんじゃ、ねぇよっ! チンポが、気持ち、いいならっ! そのまま、言えっ!」
「ち、チンポっ、いいっ! 助手チンポいいっ!」
男性の絶頂と女性の絶頂には大きな違いがある。男性の絶頂には射精を伴うためクールダウンが必要なのに対し、女性にはそれが必要ない。つまり、継続的に快感が与えられれば「イキ続ける」状態になるのだ。荒々しく下からのピストンを繰り返すと同時に俺はアメリアの巨大な乳房を強く揉んだ。本来なら痛みを感じる程の強さのはずだが今の彼女はそれすら快感に変換されるようだ。断続的な締め付けが肉棒を襲い、何度もの絶頂を味わっているのを俺に教えてくれる。
「ふッふひぃっ! おっぱ、おっぱいも、いいっ! いいのっ! これ、本当にっ! あたま、焼け、ちゃっ……!」
「それがっ、お望みなんだろっ! 先生っ! イけっ、イキ狂っち、まえっ! ぐ、あぁっ!」
「ふあぁっ! 来て、ああんっ、来てるぅっ! これ、本当に、おっ、おかっ……!」
髪を振り乱し、俺の上で踊る小柄で可愛らしく、それでいて豊満な名探偵。青い瞳を快楽に溺れさせて腰を夢中で動かすその姿に理性は欠片も残っていない。俺の方も流石に限界が近づいてきた。とどめとばかりに突き上げる動きを強め、乳房を下から揉み上げる。
「ひっひぁっああっ! イグッ! イっ……クぅぅぅっ!」
「ぐおっ、あ、おらあぁぁっ!」
抑えられていた奔流が一気に噴出し、アメリアの膣内に吐き出されてゆく。
「ひぎっ……あ、あはっ、あはっ……」
「うぐっ、し、搾られるっ、アメリアの中っ……!」
本当に壊れてしまったような、虚ろな笑みを浮かべるアメリア。俺はそんな彼女を見上げつつ、更に精液を注ぐ。
その時、ふとアメリアが言った。
「あはっ、あ、あぁ……
「え?」
彼女の視線が俺ではない別方向に向けられているのに気づき、射精を止められないままそちらを見る。
「……ネズ、ミ?」
薄暗い部屋の隅、辛うじて判別できる程度だがそこに一匹の小さなネズミが居た。しかしそのネズミの姿勢は明らかに不自然で、まるで男性がオナニーをしているかのように胡坐をかいて腰当たりで手を上下に動かしている。
「ハアッ!」
直後、俺たちの視線に気付き逃げ出そうとしたネズミだったが、そこにすかさずカラフルな色の液体が入った注射器が撃ち込まれる。痙攣し、その場で倒れるネズミ。
「ンッ……まだ、出てるっ……ねえ助手君? 犯人を突き出すのは……もう少し、ファックしてからにしましょうか?」
絶頂の余韻に浸りつつ、俺に跨る「名探偵」はそう言って淫蕩に微笑んだ。
翌日。「二次三次」事務所内。
「……つまりチャイカがあの時に追ったのは自動消滅型のダミーbotで、本体はアバターをネズミに変えて現場に隠れておったという訳か」
「自分の存在を隠匿するための非合法ツールも使ってました。おそらくは他の店でも常習だったんでしょうね」
「で、それに気付いた彼女はより激しいセックスを見せつける事で誘い込もうとした、と」
どうも今日もジョーは休みらしい。「副支配人」の札が置かれた机を挟み、俺は尊への一連の報告を終えた。
「まあ、アメリア殿の電子コカイン所持については『今後は使わない』との約束もあったし、今回の手柄と差し引きとしておくとしよう……それにしても、お主が言うような状態でよくその思考を巡らせられたものじゃのう」
「それは……俺もそう思います」
脳内物質を過剰分泌させて推理力を上げる。与太話にしか思えなかったアメリアの言葉は真実だった。イキ狂う中、彼女は同時に冷静な推理も脳内で繰り広げていたのだ。
常人の思考ではそんな真似は不可能。その意味において彼女は本当に名探偵なのだろう。
「それで、彼女は?」
「それが……」
「Hi! お邪魔するわ、助手君は居る!?」
「おわっ!?」
その時、突然に元気な声と共に鹿撃ち帽とインパネスコート姿のアメリアが出現した。俺を見つけた彼女は足早に近づいてくる。
「良かった! 助手君、また難事件よ! マイクラVRでの連続チェスト泥棒! 『イタズラ怪盗サメ娘』の仕業に違いないわ!」
「ちょ、ちょっと待った! 俺が助手なのはあれっきりの筈だろ!?」
当然とも言える俺の反論に、アメリアは指を立てて言った。
「もう電子コカインに頼れなくなったから、推理のためには助手君とのファックが必要なのよ。さ、行きましょう!」
「………」
視線を尊に移してみれば、彼女は腹を抱えて笑いを堪えている。
会社員、教育係、名探偵の助手──俺が三足の草鞋を履く日も、そう遠くはなさそうだ。
Q・何故アメリアが日本語を話しているのですか?
A・転生系等で、日本人の主人公が現地人やエルフやドワーフと特に小道具も無しで日本語で話が出来ているアレです