※この作品はR-18です。

バーチャル風俗「電燈二次三次」   作:ターキーX

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第四十三話「ポルカ」

「……で、これはどういう真似なんだ?」

「あー、うん、まあ『先輩の仇討ち』ってやつ? ここの研修役だか教育係だかの兄さんにホロラバーズ(うち)のフブキさんやら団長やらがヒイヒイ言わされたって聞いたからさァ、面白そうだから顔を見に、じゃなかった。お礼参りをしようかと思ってね」

 

 とても「お礼参り」とは思えないテンションで眼前のピエロメイクに赤い付け鼻、やたらとカラフルなサーカス衣装の少女「ポルカ」──VTuber・尾丸ポルカに酷似した少女はテーブルに肩肘をつきつつそう言った。

 今、俺たちが居るのは巨大なテント内の仕切りの一角──サーカス興行の芸人の控室めいた場所だ。そして俺は椅子に後ろ手を拘束されて、彼女の前に座らされている。

 

「お礼参りに鼻眼鏡付けて来る奴には……俺も初めて会うな」

「ぶわっはっはっはっ! だろうね。ポルカも初めてだもの!」

 

 皮肉を言ったつもりだが、どうやら彼女のツボに入ったようだ。今度は急に手を叩いて笑い出す。なかなかエキセントリックな性格をしている。

 俺がこんな状況に置かれているのは当たり前だが望んでの事ではない。いつものように「二次三次」のフロントにログインしようとした瞬間、引っ張られるようにこのルームに出現したと思えばこの状態で拘束されていたのだ。

 

「まーまー、とりあえず取って食う訳でもないから」

「そういうセリフは拘束を解いてから言うべきじゃねえか?」

「それもそーだね、ほい」

 

 フサフサした尻尾を揺らしながらポルカは俺の言葉に頷き指を鳴らした。手首に感じていた圧迫感が消え、両腕がフリーになる。俺は肩を鳴らして腕の具合を確かめる。すぐに逃げ出すのも考えたが、余りに解放があっさりすぎる。何か脱出を遮る罠とかがあるのかもしれない。

 

「……ふーん、落ち着いたモンだねえ」

()()()()()に遭うのは初めてじゃなくってな」

 

 何と言うか──このピエロ少女からは「環」(あいつ)に通じる傍若無人さを感じる。だとするなら、この後に起こる事もとんでもない内容の筈だ。

 そんな事を考えながらポルカの目を見ると、彼女は不敵な笑みを浮かべつつピンク色になっている髪のひと房をプロペラのようにクルクルと回した。本人的には決めポーズのようだ。

 

「えーと、どこまで話したっけ?」

「取って食うつもりは無い、までだ」

「うん、それは本当だよ。ここでお兄さんを叩きのめした所で、セックスで言わされた先輩たちのお返しにはならないからね」

 

 そう言うとポルカは立ち上がり、まるで聴衆を前にしたように優雅な所作で深く礼をした。顔を上げ、大きく手を広げる。

 

「さーて、そんな訳で今回はこの企画! 名づけてぇ、『やってみよう! 感度3000倍!』ィィィ!」

「……は?」

 

 言っている意味が分からず、素の反応を返してしまう。しかしポルカは意に介さず言葉を続ける。

 

「様々なプレイが溢れるVR風俗界! その中でも屈指のエクストリームプレイと称される性感3000倍強化プレイをポルカと兄さんに同時に施し、耐えられなくなった方が負けって寸法よ! どうよこれ?」

「ちょ、ちょっと待て! そいつは……」

「だいじょーぶ! よく『それって痛いだけじゃね?』ってエアプが言ってるけどさー、ちゃんとあれって性感帯だけ強化して痛みとかは感じないように出来てんのよ。むしろ痛みも変換されて気持ちよくなるって言うか」

「そうじゃねえ! ()()()()()()()()()()()()!」

 

 ポルカの言う通り、VR風俗には現実では不可能なマニアックなプレイも存在する。触手プレイや過去に俺が尊から受けた同一人物による複数プレイ、俺が研修で時折使う「快感の共有」や「究極のライン超え」「二股ペニス」等もそれに含まれるだろう。

 しかしその中でも彼女の言う「感度3000倍」はアブノーマル性でも危険度でも()()()()()の代物だ。元々は過去のR18ゲームの中でのみ存在するネタじみた概念だったのが、VRスーツのリミッターを外し、更に性的な感度のみを最大にする事で疑似的に可能になったのだ。

 そしてVR風俗草創期、興味に引かれて俺もそれを「二次三次」以外でやってみた事がある。結果は──

 

「なあ、逆に聞きたいんだが……あんたは経験あんのか?」

「あっはっはっ! とーぜん初挑戦! でなかったら試そうとか思わないって!」

「お前もエアプかよ!?」

 

 こいつ、ダメだ。自分の言っている事の意味を分かってねえ。戦慄と共に俺はそれを理解した。

 

「さあこの挑戦! 受ける受けないはアンタ次第だけど、逃げたらチキン野郎だって思いきり拡散するからね!?」

「意趣返しが陰湿に過ぎる! 大丈夫だ、逃げねえよ」

 

 正直付き合っていられないという気持ちもあったが、()()()のタイプは自分で痛い目を見ないと分からない。

 こちらにも結構な覚悟が要るとはいえ、これも彼女にとって良い勉強になるだろう。そう思った。

 

「グゥゥッド! んじゃ、早速スーツの設定変更といこうじゃない!」

「……あいよ」

 

 椅子に戻ったポルカが手をかざすと眼前に設定画面がホログラムで浮き上がる。俺もそれに合わせて自身の画面を表示させた。

 

「いい? ズルは駄目だかんね。まずはリミッター解除……っと」

 

 「熱感」「痛覚」「快感」などの様々な項目が並ぶ中で「快感」のリミッターをポルカと合わせてOFFにする。続けて強度メーターを最大に設定。

 

「……よし、こっちも終わった」

「ポルカも完了したよ」

「で、何から始めるんだ?」

 

 画面を閉じ、俺は改めてポルカと向き合った。今のところ、身体に違和感はない──あくまで今のところは、だが。()()()()()()()()を想起し、自然と口腔内が乾く。

 一方のポルカは付け鼻を取り、不敵な笑みと共に指を鳴らした。テーブルの上にノイズと共にコップに注がれた水が出現する。

 

「最初は初歩的なのから! 最大3段階までレベルを上げていって、『これ以上はムリーっ!』ってなったらギブアップ。OK?」

「ああ、問題ねえよ」

「それじゃ【level.1 水を飲む】! いい、せーので一緒に飲んでよ?」

 

 そう言いつつ自らもコップを手に取るポルカ。俺もそれに合わせて自分の分を持つ。

 座ったまま、俺たちはガンマンの早撃ちのように視線をぶつけ合った。

 

「せえ……」

「……のっ!」

 

 声を合わせ、同時にコップを傾ける。喉に水が流れ込む感覚。俺は咄嗟にコップをテーブルに戻した。

 

「ぐお……ッ!」

「ふごっ!? っぱ、うぇ、おぉぉッ!?」

 

 嚥下した瞬間に全身を貫く雷のような快感に襲われ、俺は力を籠めてなんとか耐える。一瞬で肉棒が勃起し、傍目から見ても分かる程にスラックスを押し上げる。

 一方のポルカは、やはり程度を甘く見ていたのだろう。動揺混じりの苦悶の声をあげるが水が喉奥まで来ているため吐き出す事も出来ない。そのままくぐもった悲鳴と共に水を飲み干し、コップを床に落とす。俺は荒い呼吸のまま彼女に言った。

 

「あぁ、畜生……分かっただろ、もう止めとけ」

 

 そう、()()()()()()()()()()()。これが最大感度の世界なのだ。

 「快感」というのは決してセックスだけで発生するものではない。例えば飲食、例えば入浴、例えば睡眠。それらにも快感は存在するし、だからこそ俺たちは日常的にそれらの行為をルーティン化できているのだ。

 そしてそれら全てが、男性ならば即射精しかねない程の快感となって襲い掛かってくるのが最大感度だ。ましてや俺やポルカが着用しているVRスーツは市販品でも最高級クラス。その辺りの感度も必要以上の領域まで上げられるように作られており──その辺りを分かってないと、眼前で悶絶している彼女のようになる。

 

「……っぱぁぁ! あー、何コレ!? 何コレ!? ヤバいんだけど!?」

 

 そう言うポルカの顔は紅潮し、白い肌には玉のような汗が浮かんでいる。ここからは見えないが、股間の方にも相当な刺激が飛んだ筈だ。動揺の声をあげる彼女に俺はもう一度言った。

 

「これで分かったろ? 俺は勝負とかいいから、もう止めとけって」

「はっ……はぁ!? 全然余裕ですけどー!? ちょっとびっくりしただけだって!」

「………」

 

 ちょっと言い方が悪かったか。どうも彼女の負けん気を逆に刺激してしまったようだ。呼吸は乱れたままだが、それでも俺に強気な態度を崩さずに言ってくる。そしてこうなると少なくとも次の段階に進むまでは終わるまい。

 俺は俺で気を抜くとヤバいのには変わらない。痛い程に勃起している肉棒から努めて意識を逸らして鎮めつつ、俺はポルカに言った。

 

「それじゃあ、1回戦は引き分けって事でいいんだな?」

「ハ、ハン……そっちこそ汗すごいじゃない。まあ、お兄さんがギブアップしないなら2回戦だね」

 

 強気な態度を崩さないまま、ポルカは震える指を合わせると再びそれを鳴らした。コップが消え、今度はテーブル全体が光ったかと思えばそこに現れるのは豪華な料理。

 

「【level.2 食事】ッ! もちろん全部食べる事が条件ね!」

 

 熱々のプレートに乗せられたハンバーグステーキにライス、サイドメニューのサラダにスープ。VRとは思えない香ばしい匂いが鼻を──

 

「おっと……ッ!」

「ふおぉっ!? ンッ、あわぁっ!?」

 

 ──刺激しただけで治まりかけていた肉棒が跳ねあがり、俺は慌てて鼻を摘まんだ。一方のポルカは間に合わず、背を反らして快感に悶える。

 

「(匂いだけでこれかよ!?)」

 

 とはいえ、ここで俺が先に根を上げてはいけない。腹に力を籠め、俺は摘まんでいた指を離すと息を呑んでナイフとフォークを手に取った。

 

「……おい、やっぱヤメた方がいいんじゃねえか?」

「あっ、あふっ……ふん、ぬッ!」

 

 背を反らしていたポルカだったが、俺の言葉にピタリと動きを止めるとその姿勢のままフォークを握り、ハンバーグを雑に切るとその一つを勢いづけて頬張った。

 

「ふぉ、ふぉっひこそほーはんふるなら……ふぉ、お、お、ふぉおぉぉ!?」

 

 どうやら「そっちこそ降参するなら今の内」とか言いたかったのだろうが、その言葉を途中で言い切れずにポルカは全身を震わせて快感に悶絶した。それでも吐き出さないのは流石と言うべきか。ここまで意地を張られると、怒りとか呆れを通り越して感心してしまう自分がいる。

 そう来るのであれば、俺も箸をつけない訳にはいかない。ナイフでハンバーグをできるだけ大きめに切り分け、VRとは思えないジューシーな肉汁を湛えたそれを口に入れる。

 

「もぐっ……ぐ、ぐぉ、おぉっ……!」

 

 舌の上で踊る旨味と温かさ、噛みしめる度に溢れる肉汁、そしてそれが身体に落ちてゆく喉越し。それらが全て性的な快感となって皮膚を、脳を、股間を刺激する。勃起しきった肉棒がビクビクと震え、触れてもいないのに先走りが滲んできたのも分かる。油断するとこのまま射精しそうな程の、極上の女陰に締め付けられているような快感。それを覚えつつ俺は更に食事を進めた。

 

「ふぐ、おっ、むぐっ、んむぅ……!」

「はぐっ、ンッ、ンンッ! っぱ……あぐっ!」

 

 俺とポルカは互いに視線を向け合いつつ、本来は舌鼓を打つべき食事を呻き声と共にひたすら流し込んでゆく。ポルカの身体は顔だけでなく肌も興奮からか赤みを増しており、流れる汗がサーカス衣装の胸の谷間へと流れ落ちる。巨乳という程ではないが、なかなか形良い乳房。

 

「(……まずいな、こりゃ)」

 

 眩暈がするような快感の食事の中、眼前のポルカに対して性的な欲求が目覚め始めている。股間の肉棒は既に彼女を発散の対象として見ているらしく、彼女の獣めいた声にさえびくりと反応してしまう程だ。スープをかき込みながら俺はその衝動を抑えきれずにいた。

 

「ずずっ……ンーッ!」

 

 同様にスープを啜るポルカの目も変わりつつあった。紫色の瞳の焦点は今ひとつ合っておらず、その視線の先は俺の顔というか──汗を浮かべた首筋や身体、そしてテーブルに隠れた俺の股間の位置に向けられている。おそらくは彼女も俺と同じ状態なのだろう。

 

「もぐ、もぐっ……ングッ! グッ……ぷはぁっ!」

「ンッ、ンッ……うはぁっ!」

 

 サラダで最後に残していたプチトマトを俺が呑み込むとの、ポルカがお冷を飲み切るのはほぼ同時だった。叩きつけるように食器を置き、ノックダウン寸前のボクサーのようにゆらりと顔を合わせる。

 

「……おい、もう、限界だろ? ここらで手打ちと、ふぅ、し、しねえか?」

「ま、まだ、全然っ……あふっ、うぇ、気持ち良すぎて気持ち悪いぃ……」

 

 もう全身に力が入らないような状態のようだが、それでもポルカの口は減らない。

 

「ああもう、知らねえぞ……で、次は何を食うんだ?」

「れ、【level.3】は食事じゃなくって……これ」

 

 そう言いつつポルカは指を鳴らそうとして──鳴らずに指を擦らせるだけで終わる。

 しかしそれでも合図として認識されたのか、テーブルからやや離れた位置にポンという音と共に新たな仕切りが出現した。二人ほどがちょうど入れそうなスペースには排水穴付きの防水シートが敷かれ、シャワーノズルが掛けられている。

 

「level.3……シャワー浴び。どうよ? これは今までとは話が違うよ?」

「あのなあ、ここまで来て引き下がると思ってんのか?」

 

 俺も興奮と快感で頭がクラクラしている。おそらく判断力も落ちている筈だ。その低下した判断力の任せるまま立ち上がり、ポルカに隠そうともせずに俺は服を脱いだ。汗をじっとりと吸ったワイシャツや肌着、続いてスラックスや下着も。これには逆にポルカも驚いたようだった。

 

「ちょ、急に脱がなっ……!?」

 

 しかし、その言葉は眼前に突き付けられた怒張の存在感に遮られた。正直このまま彼女を押し倒したい衝動に駆られたが、それを何とか我慢して俺は言う。

 

「……あの作りだと、どうせ一緒に浴びるんだろ? だったらアンタも早く脱げよ」

「わ……分かってるってば」

 

 血管を浮かべ、限界まで膨れ上がった男根が座る彼女のちょうど鼻先に来ている。赤黒い亀頭から先走りを滲ませたそれは汗混じりの雄の臭いを強く発しており、俺の顔にも届く程だ。

 小鼻をひくつかせながらもポルカはやや勢いを弱めた返事をすると立ち上がり、自身も服を脱ぎ始めた。背中のファスナーを外し、スカートと一体化した衣装を脱いで椅子に置く。続けてピエロ帽のように被っていた耳当ても外して同様に。

 

「これでいいでしょ? ンッ……それじゃあ勝負の続きと、その、いこうじゃない」

「そのキツネ耳と尻尾は取らないのか?」

「あのね、キツネじゃなくってフェネック! これは自前だからね?」

 

 俺の問いかけに強く否定しつつ、程なく彼女は全裸にふわふわした耳と尻尾だけの姿になった。

 サーカス団員めいた姿の彼女だったが、日々の鍛錬に依るものか実際それは引き締まった肢体であった。しなやかな、それでいて骨張っている訳でもない美しいラインを描く身体。股間の方に目を向ければ薄い金髪の陰毛は既に濡れて照り光っており、ここまでの彼女が受けていた快感の強さを伺わせる。

 

「ほら、その……行くよ」

 

 ちらちらと肉棒へ視線を向けつつポルカが先にシャワー室へ向かう。それに続いて俺も仕切りの中に入った。肩が当たるくらいに密着せざるを得ないスペース内で、シャワーのバルブに手を伸ばす。

 

「……俺が開けていいか?」

「いっ、いいよ?」

 

 興奮と緊張が入り混じった表情でポルカが答える。俺は息を呑み、バルブを緩めた。

 

「おぉっ……!?」

「い、ひぃっ!」

 

 頭上から降り注ぐ適温のシャワー。温かな飛沫が全身に降りかかり、本来ならば心地よさを覚えるだけの行為。だが今は──

 

「お、ぐ、ああぁっ!」

「んあぁっ! こっ、これっ! イっ……!」

 

 全身を針のように突く快楽の粒。既に臨界点に近かった俺は遂に限界を超えてシャワーを浴びながら射精した。ほぼ同時に真横のポルカも股間を押さえ絶頂に達する。吐き出され、足元を流れてゆく精液。しかも余韻を許さず容赦ない快感のシャワーは振り続ける。

 とはいえ射精した事で多少の冷静さを取り戻す事が出来た。俺は水音の中、ポルカに聞いた。

 

「おっ……おい! このシャワー勝負の終わりは!?」

「あぅ、あっ、あぁっ! サ、サドン、デス、よっ! どっちかが降参するっ、まで……ああんっ!」

 

 喘ぎつつもポルカは俺の問いに答える。我慢できなくなってきたのか自ら乳房と股間に手を伸ばし、快感を発散させようと強く胸を揉み、秘所を弄る。しかしシャワーでの強制的な快感の中で行うそれは痒みの個所を掻くようなもので、余計に苦しくなるだけだ。

 このまま意地の張り合いでは現実のメンタルにも本当に影響が出かねない。焦りと興奮とここまで意地を張る彼女への苛つき、それらが入り混じった攻撃性の高まりを覚えつつ俺はポルカの肩を掴んだ。

 

「……おい」

「えっ……!?」

 

 こちらを向いたポルカの視線が下に向く。

 そこにあるのは、即座に勃起を取り戻し臍まで反り返った俺の肉棒だ。俺は亀頭でほんの軽く、彼女の鼠径部を撫でた。

 

「んひっ!? あ、え、んあぁっ!」

 

 それだけでポルカの腰が跳ねた。俺は肉棒を突き付けたまま、毛並みをしっとりさせた獣耳に口元を寄せて彼女に言う。

 

()()()()()()()

「ンッ……!」

 

 有無を言わせぬ響き。それだけでポルカは軽く達したようだ。一旦肩を放すと彼女は全身を震わせながら壁に手を置き、俺に尻を向ける格好になる。彼女の腰を掴み、短い言葉で問いかける。

 

()()()?」

「……()()()

 

 泣きそうな声でポルカが言う。まあ、ここで拒否の言葉を返されても問答無用で挿入するつもりだったが。

 準備出来ているかの確認は不要だ。俺は亀頭をポルカの孔に合わせ、一気に奥まで突き入れた。

 

「ンぎっ!? ふぁ、が、ゴホッ!」

 

 悲鳴に近い嬌声をあげ、ポルカは口をぱくぱくと開閉させる。その開いた口にシャワーの飛沫が入り、不意の刺激に強く咽る。

 片手で彼女の腰を掴んだまま、もう片方で俺はシャワーのバルブを締める。

 

「おおぉっ!? くそ、またっ……!」

「ゴホッ! ふぇ? あ、熱っ! 熱い、のっ、ンッ、ああぁっ!」

 

 だが全身を襲う刺激が治まった事で逆にポルカの膣内が与えてくる快感に意識が集中してしまい、俺は堪らず二度目の射精を許してしまう。自分でも驚く程の量が迸り、ポルカの子宮に注がれてゆく。彼女もそれでまた絶頂に達したのか、強い締め付けと共に全身を大きく震わせた。

 そしてその絶頂の締め付けを受け、前の射精が終わらないまま俺の肉棒も勃起を取り戻す。俺は両手でポルカの腰を掴み直し抽送を開始した。最初から遠慮の無い、激しい動き。

 

「あぁんっ! ちょ、ちょっと、あうっ! 待っ、待って! イってる、ずっと、イってるっ、からぁ!」

「そりゃ、こっちも、ぐうっ! お、同じ、だってのっ! お、おおっ!」

 

 濡れた尻尾が激しく振られて俺の腹をくすぐる。それも今の身体では、それだけで射精を許しそうな程の快感だ。断続的な締め付けはポルカが立て続けに絶頂を感じている事を教えてくれているが、こちらも既に腰を止められる状態ではなくなっていた。ズボズボと抉るように肉棒を突き込むと、彼女の膣内は喜々としてその乱暴なピストンを受け入れてくれる。

 

「ふぎッ! ヤバっ、これ、ヤバいっ! おか、あた、頭っ! おかしく、なるぅっ!」

「なっちまえ、よっ! おかしくっ、なっち、まえっ! ぐうぅっ!」

「あうぅっ! イグッ、また、イグゥゥッ!」

 

 もはやポルカの嬌声は絶叫と変わらない程になっていた。動きを止めないまま再度の射精。結合部から溢れた精液が零れ、俺たちの足元にボタボタと落ちる。当然、まだ勃起は治まらない。

 

「ふあぁっ! 嘘、そんっ……あひィッ!」

「治まる訳、ねえだ、ろうがっ! こんな気持ちいい、まんこ、してて、よおっ!」

 

 実際、鍛えられた身体によって作られたポルカの膣内は引き締まりと熱さを備えた堪らないものであった。それを感度を強化された身体で味わうのだ。高まる攻撃性に身を任せ、俺は更に彼女を蹂躙する。涙で顔をぐしょぐしょにしながらポルカが叫んだ。

 

「ひ、ひあっ! ご、ごめん、ごめん、なさいっ! ポ、ポルカの負けっ! 負け、で、いいから、あぁっ!」

「ああ、そう、かよっ! 負けたん、ならっ! 俺が満足する、まで、相手して、くれよ、なっ!」

「そ、そんっ、な……んは、あ、あああぁっ!」

 

 意地を捨てた哀願の声。それすら今の俺には快感を増す材料でしかない。もはや最初の目的を忘れ、俺はただ自身の射精欲を満たすためだけにポルカの孔を使っていた。

 

「ひぎッ! あ、あひっ、いっ、いぃっ!」

「お、ぐ、おああぁっ!」

 

 早々に次の限界を超え、三度目の射精。彼女も限界なのか、今度の締め付けは弱い。

 

「イっ……!」

 

 壁に置かれていた手が離れ、そのまま濡れた床にポルカの身体が崩れ落ちる。

 

「お、おぉっ……!」

 

 失神して尻を突き出すように力尽きたポルカに構うことなく、俺は最後の一滴まで彼女の中に注ぎ込んだ。

 

 

 

「……なるほど。それであの時、彼女を抱えて飛び込んできたんですね」

「すみません……やり過ぎたと思ってます」

「いいえ。勝負を仕掛けたのはポルカさんの方からでしたし……貴方が気にする事はないですよ」

 

 古びた事務所──ではなく小綺麗なデスクが並び、最新の機材が備え付けられた室内。高級VR風俗「ホロラバーズ」の事務所で俺と「彼女」はテーブルを挟んで向き合っていた。

 

「まあ……もしそこで彼女を見捨てていたら、『二次三次』全体を()と見なす所でしたけど。ふふっ」

「……はは」

 

 冗談めいた口調で言っているが、おそらく今の言葉は冗談ではない。

 青と白を基調としたアイドル風の服装の、栗色の髪の少女──VTuber・ときのそらに酷似したこの少女こそ「ホロラバーズ」の支配人「そら」その人だ。穏やかな雰囲気と朗らかな性格を備えた優しい女性だが、その外見に油断した者は彼女の経営手腕に舌を巻く事になるだろう。

 

「それで、ポルカ……さんは大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫です。彼女は割と普段から……」

「ポルカおるよーッ!」

 

 突如ドアが開き、先ほどのサーカス衣装に戻ったポルカが部屋に押し入ってくる。俺を見つけた彼女は、最初と全く変わらない調子で言った。

 

「いやー、お兄さんやるねぇ! セカンドマッチ行こう、セカンドマッチ! 今度はVRバンジー空中セックス勝負とかどうよ!?」

「……こういう感じですから」

 

 驚く風も無く、にこやかに言うそら。

 

「こういう感じ……ですか」

 

 やっぱりこの店は底が知れない。

 そんな事を思いつつ、俺はひきつった笑みを返した。

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