──どうも最近、嬢達とのプレイが攻撃的になりがちな気がする。
そんな事を思うようになったのは年の瀬の、本業での仕事納めも終えてひと息ついた時だ。
もともと自分を「穏やかな性格」だとは思っていないが、先日のポルカとの一戦しかり、少し前のアメリアの時しかり、どうも相手を責めるの時に歯止めが利かなくなる事が多くなってきているのではないか。「二次三次」での出来事を振り返る内にそう思えてきた。
「うぅん……」
特に
「……そういえば」
ふと、俺は「二次三次」で現在行われているクリスマス企画のひとつを思い出した。
『クレアの懺悔室』
それはフロントに期間限定で取り付けられた木造のルームだ。内部には互いの姿が見えないように仕切りが造られ、本当の教会の懺悔室のように客が無償で懺悔を吐き出せるようになっている。それに答えるのは嬢のひとりであるクレア。何でも「表」でも修道女かそれに近い務めをしており、この年末年始らしい企画として彼女が支配人に申し出たと聞く。
正直なところ風俗店に懺悔室が必要なのかと俺は疑問だったが、それに対し尊はこう言った。
「
果たして彼女の言葉通りにその懺悔室は好評で、期間限定でなく常設してほしいという意見もあるそうだ。
誰かに聞いてもらえるだけで軽くなる悩みや苦しみもある。客として利用しても良いかもしれない。教育係の仕事も今日は非番だ。
「ちょっと、行ってみるか」
いつものVRスーツに着替え、バイザーを下ろし、「二次三次」にログインする。どうもポルカとの一件以来ログインにも警戒してしまう。
フロントにスーツ姿で降り立った俺は、ひとまず周囲を見回した。今日はチャイカは居ないようだ。無人のカウンターに「ようこそ二次三次へ」のホログラフモニターが浮かんでいる。
「えーっと……」
ロビーの壁に視線を走らせ、懺悔室のあった位置を確かめる。果たして木製のドアはすぐに見つかった。
「……ん?」
確かに「懺悔室」と書かれているが──
「マリンの懺悔室」
何だろうか、前半部にノイズがかかって不明瞭になっている。とりあえずカタカナ三文字ではあるし、場所に間違いはないようだが。
この店の管理サーバーは堅牢だが、それでも細かなバグが発生することはある。おそらくこれもその類だろう。俺はそう思い、ドアを開けた。
「おぉ……」
何とも雰囲気のある部屋だった。仄かに木の匂いが漂う室内には椅子と肘置き、こちらと神父を隔てる仕切りには覆い付きの小さな窓が取り付けられている。ここで相手の姿を見ず、声だけで話をするようだ。
「ん?」
もう一つ、人のちょうど腰あたりの位置にのぞき穴めいた小さな丸い穴がある。こちらも黒い布がかけられていて向こうが見えないようになっているが、何のための穴だろうか。
そんな事を俺が考えていると、板の向こうから女性の声が聞こえてきた。
「ようこそ懺悔室へ。神の子よ、どうぞお座りください」
「あ、はい……えっと、クレアさん、ですよね?」
座りつつ俺は声の主に尋ねた。遮蔽により響きが変化しているのかもしれないが、どうもクレアの声と違うような気がする。
「今の私は名を持たない、贖罪の代行者に過ぎません。互いに名を知らぬ者であるからこそ、隠し立ての無い懺悔は行えるものです」
「……なるほど」
看板に名前が書いてあるとはいえ、あくまでこの懺悔室の中では「クレア」と「俺」ではなく、神に仕える者と懺悔者の関係であるという事か。
だとするならこの声もボイスチェンジャーか、或いは何らかのエフェクトに依るものだろう。俺は頷き、彼女の言葉を待った。
「さて……それでは神の子よ、今日は何を償うために来たのですか?」
「ええと、その、自分は新人教育の部署を担当しているんですが……」
「ふむふむ」
クレアの問いかけのままに俺は話を始めた。この店の事であるのは丸わかりだろうが、それでも多少はぼかして言葉を続ける。
「どうも最近、自分の中の荒っぽい部分と言うか、攻撃的な部分と言うか……そういった部分が顔を出す事が多くなって、相手に強く出過ぎてしまいがちなんです」
「それを自ら省みることが出来たのは素晴らしい。どうぞ、続きを……」
こちらの話に肯定を示しつつクレアは更に話を促す。俺も肩の力が随分と抜けてきた。
「まあ、その……こういう場所の懺悔室であればよく聞かれる事かとは思うんですが、俺もそういった風俗の仕事で、今言ったような事を女性に対して行ってしまい、それを悔い改めたいと思っています」
「なるほど……確かにそれは『罪』と言えるでしょう。しかし、それを自覚して悔い改めたいと思えている時点で貴方の罪は半ば償われています」
落ち着いた口調で俺を諭すクレア。流石は本職と言うべきか、堂に入った言い方だ。
そんな風に感心していると、ふと仕切りの向こう側の彼女が俺に言った。
「今言われた『女性に強く出過ぎる』というのは……言葉による叱責という事ですか?」
「え? あ、いいえ。言葉ではなく……」
「では暴力的な行為ですか?」
「あー、その、そっちでもなくて、ですね……」
既に分かっていると思うのだが、何故かより詳しく聞いてこようとしてくる声。戸惑いつつも俺は言葉を続けた。
「
「激しい行為をし過ぎる、という事ですね」
「まあ、そう受け取って貰って結構です」
「すみません、言い辛い事を……しかしそうなると、貴方の罪は強い肉欲と関わりがあるのかもしれません」
──気のせいだろうか、クレアの声に湿り気が混じったように思える。
「……神の子よ、そこの丸い穴は分かりますか?」
「あ、はい……」
「ズボンを脱ぎ、そこに貴方の陰茎を差し込んでください。その罪の元である肉欲がどれ程か、確かめねばなりません」
「はあ……はぁ!?」
思わず素で声が出た。しかし壁の向こうの声はからかう風もなく、淡々と真面目に言ってくる。
「遠慮する必要はありません。己の全てを晒してこそ、その罪は明らかとなり浄罪できるのです」
「………」
やはり色々とおかしい。これではまるで──無償で風俗サービスをしているようなものだ。
クレアの性欲発散を名目として彼女と営業外でセックスをしている自分が言えた義理ではないが、流石に不特定多数に懺悔を題目に
「怯える事はありません。じゅるり、むしろ……天国へお連れ致します」
「……今、舌なめずりが聞こえましたが」
「失礼、ンッ、唾液を溜めていましたので」
焦れてきたのだろうか、向こう側の言葉が直接的になってきた。
「……分かりました。ちょっと、待ってください」
まあ、相手は勝手知ったるクレアである。えらく特殊なシチュエーションではあるが咥えてくれるというのであれば無理に断る理由もない。俺は立ち上がり、ベルトを緩めるとスラックスを下着ごと下ろした。
「よっ……と」
まだ勃起はしていないそれに手を添え、壁の穴に差し込む。黒い布の感触を経て向こう側に出た感触。
「ん、ちゅ……ふぉ、ふぉれふぁ、ふぃっふぁなふぉもをおもふぃへ……」
「おっ……!?」
どうやら既に口の中が唾液で一杯らしい。おそらく「これは立派なモノをお持ちで」と言った彼女の顔は既に肉棒の手前に来ているようだった。熱い鼻息が亀頭にかかり、ぴくりと腰が浮く。
「ふぉれふぇは、おふぁひふぁめふぃまふ……あむっ」
「く、うぅっ!」
今度は「それでは、お確かめします」とでも言ったのか、それを確かめる前に俺の肉棒は熱い潤みの中に包まれていた。出来立てのクリームスープに突っ込まれたのではと錯覚する程に穴の先の口腔内は熱く、まだ本格的なフェラチオが始まる前だというのに肉棒は急速に勃起して彼女の口の中で膨れ上がった。
「んぶっ……ンッ、じゅるっ、ちゅうぅ……」
「くっ、あ、ふうっ……!」
間を置かずクレアは舌を使い始めた。竿に丁寧に長い舌を絡ませ、同時に唇をすぼめて竿の根本を優しく締め付ける。頭は緩やかに前後して刺激に変化を加えることも忘れない。
「ちょ、ちょっと待った!」
更に充血し、固さを増してゆく肉棒。だが──与えられる快感に腰を震わせつつも俺は強烈な違和感を覚えていた。
「れろ、ちゅ、ン、んはっ……」
「ううっ……お、おい、
「んぷぁ?」
壁越しの
「いや、誰だお前!?」
「ンッ、ぱぁ……何を言っているのです? 私は……」
「少なくともクレアじゃないよな!?」
俺とクレアがセックスした回数は一度や二度ではない。当然ながらただ挿入するだけでなく、様々なプレイも行っている。
だからこそ分かる。
彼女の奉仕はもっと貪欲な、どちらかと言えば捕食行為に近いものだ。それに対して壁の向こうの謎の人物のフェラチオは舌をねっとりと動かし、まるで俺の肉棒を
「……なにか、誤解をされているようですねぇ」
「何?」
「貴方がその『クレア』という方かと聞かれた際、私は否定も肯定もしておりませんが?」
「……!?」
やられた。最初から俺を引っかけるつもりだったという事か。
肉棒の根本に指が回り込み、柔らかく握ってくる。文字通り急所を握られているこの状態では、不用意に穴から引き抜こうとすれば何をされるか分からない。
「うふっ、それに貴方のちんぽは私の奉仕を悦んでくれているようですよ? んっ……んぱっ、れろっ……」
「おうっ!? く、うあっ……!」
からかい混じりの笑いと共に再び肉棒が深く咥えこまれる。思わず漏れる呻き。
得体の知れない人物に騙されて口淫をされている。少なからず不安を覚える状況ではあったが、実際「彼女」の口技は見事なものだ。舌を自在に扱い肉棒全体を丁寧に、そしてじっくりと舐め回す動きには「こちらを悦ばせたい」という意思が確かに感じられる。
「くうっ、畜、生っ……!」
「んんっ、ちゅ、じゅるぅ……」
膝に力が入らなくなってきた。ビクビクと彼女の口腔内で肉棒を跳ねさせながら、俺は仕切りに手を置いて身体を支える。
そして、絶頂が近づいてきているのは向こうにも伝わったのだろう。頭を前後させる動きを速め、口腔内──いや、喉奥まで肉棒を呑み込んで扱き始めた。ちゅぷちゅぷと穴越しに水音が届き、その激しい動きが刺激と音の両方で俺の興奮を煽ってくる。
「ふぁぁ……本当に素敵です。太さも、固さも、最高のオチンポ様……ちゅ、ちゅう、はぷっ……!」
「おっ、おおっ!」
「構いませんわ、どうか私のお口に、貴方のチンポ汁を全部吐き出してくださいぃ……ンッ、んむぅ」
昂りを感じる猥語混じりの甘い声。喉奥まで呑み込まれ、同時に強く吸われた刺激で俺はとうとう限界に達した。
「あぐっ!? く、ううぅっ!」
「ンンッ! んっ……こくっ、ん、うぅん……」
得体の知れない女性の口腔内に吐き出されてゆく精液。彼女の喉の動きから、それを迷わず嚥下してゆくのが分かる。
「んふっ……ごくっ……ごくっ……ぷはぁ。なるほど、確かにこれは罪深きオチンポです。こんなに逞しく精力に溢れていては、激しい責めをしてしまうのも頷けます」
「ま、まだ
ようやく肉棒が穴から解放され、俺はよろよろと背後の壁に寄り掛かった。ドアが消えている事に気付いたのはその時だ。
「くっ……!」
VR空間ならば壁も消せるはず。そう思い俺は後ろ手に壁を消そうとしたが、手から放たれた光の粒は弾かれて霧散する。
「消失防護プロテクト!?」
「どうされましたか? まだ浄罪は終わっておりませんが……」
焦る俺に対して余裕を感じさせる修道女の声。
どうやら口淫が終わってから逃げようとするのも予測済みか。焦燥感を覚えつつも俺は懸命に頭を働かせる。この女は何者だ? おそらく俺をピンポイントに狙ってきたと思われるが、だとしたらそれは何の為に?
体勢を戻し、俺は覆い付きの窓に顔を寄せた。まずは相手が誰なのか確かめなければ話にならない。
「おい、こりゃ何のつもり……!?」
「あー、その……すみません、お兄さん」
「ッ!?」
その俺の
だがこの声には俺は聞き覚えがあった。首を曲げ、背後から俺を押さえる白髪に狐耳の少女に問いかける。
「『フブキ』!? な、何でアンタが!?」
「えーっとですねぇ、何と言えばいいか……まあその、もうちょいお付き合い頂ければ……」
「いや、そりゃ何の説明にも……うっ!」
何故かフブキは神父が着るような黒のローブに白手袋、首にはロザリオという恰好だ。その姿で射精したばかりの俺の肉棒を両手で包み、根元から扱き上げてくる。上質なシルクのすべすべした質感は素手とは違う心地よさを肉棒に与え、萎えかけていた竿に再び血流が集まってくる。
「ぐうっ、ちょ、何でっ……!?」
「いやぁ、何と言って良いやら……あのー
謎の修道女とは異なりフブキは何とも申し訳なさそうに肉棒を更に扱く。それが余計に俺の混乱を加速させ、同時に彼女を強引に振り払うのを躊躇わせる。勃起を取り戻した竿を擦る手を止めないまま、彼女は壁の向こうに声をかけた。
「……そうですね。私も随分と濡れてしまいましたし」
「!?」
初めて見る顔の、修道女「のような」女性だった。十字架をあしらった紺と白のヴェールからは葡萄酒色の髪がこぼれ、清廉感漂う白の肩掛けを羽織っている。
「さて、改めて浄罪の続きと参りましょうか」
何故その服装で「のような」としか言えなかったといえば、彼女が
「あんた……何者だ?」
「何度も聞かれますね……今の私は名もなき修道女に過ぎません。逞しいオチンポ様に奉仕する、淫らな修道女……」
剥き出しの肢体を隠そうともせず、むしろ見せつけるように身をくねらせる修道女。顔立ち的には10代後半に見えるが、漂ってくる色気は成熟した大人の女のそれで正確な年齢を測らせない。
実際、直接見た彼女は見せつけるに足りる男好きする体だった。ムチムチ感が溢れる脂の乗った身体は「豊満」と「だらしない身体」の境界線ギリギリのところを維持しており、肩掛けの隙間から時折覗くやや大きめの乳首、股間の濃い目の茂みなどは修道女の性欲の強さを示すようだ。
「ほら、準備出来てますよ?」
「ありがとうございます、フブキ神父。それでは……」
俺を挟んで言葉を交わすフブキと修道女。肉棒を扱いていたフブキの手袋が離れたかと思えば、すかさず修道女の肉感的な太腿が絡みつく。制止しようとしたが、葡萄酒色の陰毛を濡らす彼女の秘所が亀頭を咥えこむ方が先だった。
「おい、待っ……くうぅっ!?」
「ああっ! や、やっぱり。太くて、素敵ぃっ!」
金と赤のオッドアイを淫蕩に光らせて修道女が腰を落としてきた。肉厚の膣内は既に熱く濡れそぼり、怒張をしっかりと受け止めると同時に根本を強烈に締め付けてくる。
「ちょ、待ってください! 体重がこっちにっ……!」
「うおっ!?」
「んあぁっ、奥、来たぁっ!」
二人分の体重がかかり、慌ててフブキが俺の尻に椅子を移動させて身体を離す。フブキの支えが急に無くなった俺の身体はどすんと椅子に落ち、俺に跨るような体位になった修道女はより深くなった結合に悶える。俺の首に手を回し、髪を振り乱して彼女は腰を振り始めた。
「あっあっふぁんッ! いいっ! いい、ですっ! 肉欲に、満ちたっ、オチンポ様っ! 最高、ですぅっ!」
「ぐお、お、おあぁっ!」
口淫と同様、修道女の膣肉はねっとりと肉棒に絡みついてきた。奥からは更に粘度の高い愛液が溢れ、回転も加わった彼女の腰の動きをより滑らかにしている。ボリュームある裸の尻が俺の腰と打ち合い、水音混じりのパンパンという音が懺悔室内に響く。
「この、いい加減、にっ……!」
「んあっ、はあぁっ! それっ、いい、れすっ! ずんって、おまんこ、来てぇっ!」
ここまで来たら俺としても逃げるという選択肢は残されていない。せめて一矢報いようと修道女の太腿を掴んで自分からも突き上げるが、喜々とした反応が返ってくるだけだ。むしろ肉棒への締め付けと刺激は更に強くなり、こちらの射精感の方が増してきた。
「ち、畜生っ……お、くうっ!」
「あひぃっ! かっ、神よっ! わた、私っ! このオチンポ様に、仕え、ましゅっ! 太くて固くて、素敵なオチンポ様、にっ! お仕え、しまっ、しゅうっ!」
「あ、あのぉ、そろそろ
「あんっ! あぁんっ! おちんぽっ、おちんぽいいぃっ!」
おずおずと声をかけてくるフブキの声も、昂った修道女には聞こえていないようだった。そして、俺は俺で限界だ。フブキの手袋での扱きで十分に滾っていた肉棒は、名器と言ってよい修道女の締め付けで絶頂寸前まで高められていた。
「うっ、おぁっ! で、出るっ!」
「らしてっ! 出して、くらっ、さいっ! 罪深き私のおまんこ、にっ! 浄罪のザーメン、ぜんぶ、出してぇ!」
「ぐあ、ああぁっ!」
「いひっ! い、いいぃっ!」
俺は修道女の尻を強く掴み、彼女の奥で一気に精液を迸らせた。どくどくと熱い奔流が膣内へ吐き出されてゆくのとほぼ同時に向こうも達したのか、俺を掴む手の力を強めて背を反らす。
結合部から溢れた愛液と精液の混ざった汁が椅子を濡らし、床に滴り落ちる。
汗に濡れた葡萄酒色の髪をかき上げ、跨ったままの修道女は俺に笑いかけた。
「……いや~、ホント聞いてた通りね! ポルカやメル先輩がイカされたのも納得だワ」
「あぁ……おい、結局アンタは……!」
おそらくこれが本当の顔なのだろう。修道女のキャラを捨てて気さくに語り掛ける彼女に、俺は問いかけようとした。
それに対し、修道女は俺の上から退くと股間から精液を垂らしたまま軽い口調で言った。
「うん、まあ今日は
「ちょーっと待ってください! 尊様に気付かれました、逃げますよ『船長』!」
それを遮るフブキの声。俄かに表情に焦りを浮かべ、彼女が身を翻す。
「え? あ、ヤバッ……そんじゃお兄さん、また今度! 出航ーっ!」
「ちょ……!?」
その言葉と共に修道女が、フブキが、いや──部屋全体が消えてゆく。
「……え?」
次の瞬間、俺は下半身裸のまま「二次三次」のロビーに倒れている事に気付いた。近づいてくる尊の下駄の音。
「やれやれ、悪戯にしては随分な……教育係殿、大丈夫か?」
その声に答える事も出来ず、俺は消える寸前の懺悔室のドアを見ていた。
『マリンの懺悔室』
──これが俺と「マリン」、通称「船長」との初めての出会いであり──今思えばここから続く因縁、あるいは腐れ縁の始まりだったのだ。
シスターマリンさん、ドスケベ過ぎませんかね?