「旅行?」
まるでライブ会場に居るかのような臨場感でアイドルの歌を間近で聞け、宇宙や深海などの未知の空間を飛び回り、現実と変わらないセックスができる。あらゆるものが本物以上の質感と実感で味わえる、世はまさにバーチャル新時代。
──とはいえバーチャルはあくまで『疑似体験』であり、どうしても超えられない壁というのも存在する。一番の問題は飲食とそれに伴う問題だ。
例えば仮想空間において料理の味自体は電気信号で疑似体験できるが、流石に実際に腹を膨らませる事はできない。VTuberが長時間配信中に水分補給やトイレ休憩が必要なように長時間の体験をしようと思えば、どうしても一時的に現実に戻る必要があるのだ(実際「るる」との長期戦の際は、俺もるるも水分補給などで数分のインターバルを挟んでいる)。
「はい。お兄さん、『温泉旅行』行きませんか?」
なので俺がある日のプレイ後、るるにそう言われた時は最初は現実のオフで会うとかそういう話かと思っていたのだが──
『いらっしゃいませ。「本物以上の旅行体験を本物以上にお手軽に」バーチャルトラベル本社へようこそ』
そう書かれた看板を眺め、俺はそのビルへと入ってゆく。
アニメの「コブラ」や映画の「トータル・リコール」を観たことはあるだろうか? 記憶を刷新する事でまるで本当に宇宙旅行や火星旅行に行った気分になれるレジャー施設で記憶を埋め込んだ男が、それが真実の記憶だと気付き騒動に巻き込まれる物語だ。イメージとしてはアレに近い。
ただ、流石に脳を弄って記憶を埋め込むのは現代技術ではリスクが高い。そこでこのVR旅行企画社が考えたのが「体感時間の鈍化」だ。
授業終了前の数分や仕事終わり直前の時計がやけに遅く感じたことは誰でもあると思うが、その「時間が遅くなる感覚」を人為的に強く引き出し、そこにバーチャル空間での旅を組み合わせることで現実での三時間ほどで一泊二日の旅行を体験することが出来る。ただ、一泊二日以上は脳が「時差ボケ」を起こすので難しいらしい。
『ご予約の方ですね? それではBルームへお向かい下さい』
どこか聞き覚えのあるナビゲーターの声に誘導され、俺は指示された部屋へ向かった。『現実を越えた旅へ』『キャンペーン実施中』などのポスターが貼られた廊下を歩く。
るるの話では、この会社は「二次三次」の関連企業のひとつだそうだ。流石は界隈トップの技術力を誇る謎の店、色々なところに影響力があるのだろう。
俺は「B」と表記された部屋に入った。背後で自動でドアが閉まり、ロックがかかる。
「凄いな……こりゃ」
そこに設置された設備に、思わず俺はそう漏らした。
歯医者の椅子のように大きな機材に囲まれた金属のシート、横のハンガーにはVRスーツが掛けられているが、ちょっと見ただけでその高級感は分かる。
「えーと、『バーチャル内での入浴中にお湯が出ます。金属物は全て外し金庫にお入れください』……そんな機能まで」
『お待ちしていました。スーツを着用し、シートにご着席ください。手洗いをご利用の方は先にお済ませいただくと、より快適な旅をご堪能できます』
スーツの横の注意書きを読んでいた俺にナビゲーターの声がかかる。俺は服を脱ぎ、その場でVRスーツに着替えた。着心地を確認しつつそのままシートに腰掛ける。
『接続を開始します。バイザーを取りつけ、力を抜いてお待ちください』
シート横の台に置かれていたバイザーを装着したのと同時に俺の脚の間にあった機械が駆動し、物々しいパーツが俺の股間に接続される。肉棒を包むひんやりとした柔らかな感触。なるほど、
『それではお送り致します。どうか思い出に残る良い旅を……』
ナビゲーターがそう言ったのと同時に、俺の視界はホワイトアウトし──
「お、おぉ……」
気付けば俺は、古風な温泉宿の前にボストンバッグ片手に立っていた。背後で「プップー」というクラクションの音がしたかと思えば、未舗装の道をバスが発進してゆく。どうやらアレに乗ってきたという設定のようだ。
「あー、お兄さん! こんるる~!」
その旅館の前で俺を待つ「ご一行」、その中のるるが俺に手を振る。俺は慌てて彼女らに歩み寄った。
「ごめん、るるちゃん! 遅れたか?」
「ううん、私達も今さっき『着いた』ところ~」
頭を下げる俺に彼女はにこやかに答える。
「うわぁ、本当に温泉宿だ! 凄いね~……」
その横で物珍しそうに周囲をキョロキョロと見回すのはリゼ。るるとお揃いのカバンを手にしているが、彼女と比べると少し重そうだ。
「よお兄ちゃん! アレからは調子はどない?」
「どうも姐さん。お陰様で、どうにか上手くやってます」
「頑張りや! 兄ちゃんはちゃんと甲斐性あるんやから」
更にその横、スポーツバッグを肩にかけた早瀬が俺に声をかける。つい先日の愚痴混じりの酒飲みの事を思い返し、俺は有難さ混じりに答える。
「何か老人臭い旅館ねぇ……もうちょっとこう、年寄っぽくないトコのが良かったんだけど」
早瀬の横で宿の感想を述べるスーツ姿の美玲。
「あれ、美玲?」
正直なところ彼女の参加は意外だった。あまりこういう、大人数での旅行などは苦手なイメージだったのだが。
俺がそう聞くと、美玲は笑って答えた。
「いや、ほら、ここの会社って今、『四人予約でプラス一名様無料』ってキャンペーンやってんのよ。それで枠が増えたって聞いたからさぁ。やっぱりバーチャルでもただ飯ただ酒ってんなら乗っかるじゃない?」
何とも彼女らしい動機だ。
「ええと、まずはチェックインか」
「はい、行きましょう!」
るるは何時もよりテンションが上がっているように思える。確かにこのご時世、大人数旅行などなかなか難しい。よほど楽しみにしていたのだろう。
玄関を抜けるとそこはすぐにフロントで、和服姿の少女がカウンターに居た。
「……ん?」
「え? 『春香』さん?」
「どーも、おはる~」
見覚えのある顔に俺と美玲が怪訝な顔をすると、彼女は隠す気配もなく挨拶と共に頭を下げた。
「ん? ってー事はここ、マイクラの世界なん?」
「いえいえ~、まあ、副業の更に副業みたいなものと言うか」
VTuber・小野町春香に酷似した彼女、「春香」はのんびりした口調で早瀬の問いに答える。和服姿とおっとりした──とある野球ゲームが絡まない限りは──所作が人気の「嬢」の一人である。
「この会社、まだまだ始まったばかりでバーチャル内の人手が足りないそうで、女将として働かせて貰ってるんですよ~」
なかなか彼女らも事情があるようだ。
「まあまあ、今日はお客様と女将ってことで、チェックインお願いしますー」
そう言うと春香は昔ながらの宿帳を差し出した。順番に名前を書いてゆく。そして各自の靴を下駄箱に。バーチャル世界のため本来は省略できる手順だが、この辺りが旅館の空気には重要なのだ。
「はい、確かに~。それじゃ、お部屋にご案内しますので~」
彼女に先導され、板敷きの廊下を歩く。
何とも「歴史ある旅館」を感じさせる建物だった。柱ひとつ取っても重厚感ある良い樹が使われていると思わせる。仄かに檜の匂いが漂う空気は、確かに山奥の旅館の風情でバーチャルとは思えない。
「あれ? 春香さん、他のお客さんも居るんですか?」
ふと、リゼが何かに気付いたように言った。彼女の視線を追ってみれば、確かにロビーで寛ぐ老人が何人かいる。
「ここは言ってみればゲームのオープンワールドみたいな場所でして、皆さん以外にもバーチャル旅行を楽しんでる人もいるんです~」
「おー、雰囲気あるなあ」
感心したように早瀬が言う。
確かに普段のプレイルームではどんな場所でも基本は自分と嬢しかいない、そういう環境に慣れていただけに俺も新鮮に感じる。
やがて俺たちは「牡丹の間」と書かれた部屋に案内された。襖を春香が静かに開ける。
「うわぁ、凄い!」
先頭に入ったるるが声をあげる。
「……はぁ~」
それに続いた俺も思わず感嘆の声を漏らす。
何とも見事な部屋であり、見事な景色だった。おそらくは家族用の5~6人の利用を想定した部屋なのだろう。中央には大きな座卓が設置され、それを囲むように座布団が敷かれている。壁には大きなプロジェクターが設置され、ゲーム機の貸し出しもしているようだ。
更に窓の方を見てみれば旅館の裏は自然の滝を望めるようになっており、岩壁に叩きつけられる水流が何とも涼し気だ。
「今回のご旅行は13時チェックイン、翌朝10時チェックアウトの21時間。実時間3時間の旅となっております~。お食事は18時からでぇ、お風呂は今からでもご利用いただけます。露天や混浴もありますので、どうぞごゆっくりお楽しみください~」
「え!? 混浴あるの!?」
そこで美玲が喰いついた。景色を見ても退屈そうだった瞳を輝かせ、春香に確認する。
「はい~、男女共用でご利用いただける、正真正銘の混浴です~」
「うわ、楽しくなってきた!」
「なんや美玲、偉くテンション上がってきたなあ?」
「だって混浴ですよ!? ハメ放題じゃないですか!」
「ハメ……」
早瀬の言葉に全力で返す美玲に、リゼが引き笑いを浮かべる。彼女らの中で一番付き合いが長いのが美玲だが、俺も彼女の倫理観は未だに今ひとつ理解できない。
「旅館周辺もある程度ワールドが作られていまして、森林浴や散策も出来ますが、迷わないようにだけお気をつけください。それでは~」
そう言うと春香は襖を閉じ退出した。俺たちも銘々に荷物を置き、ひとまず身体を伸ばす。
「よしっ! そんじゃ早速、混浴行きましょう! 早瀬さんもどうですか?」
「ホンマ好きやなあ……まあ、入ってきた兄ちゃんをからかうのも悪ぅないな」
早くも美玲は混浴に行く気満々のようだった。彼女の誘いに早瀬も乗り気になったのか、その場で服を脱ぎだす。
「ちょ……姐さん! 俺が居るんだから、もうちょっと遠慮を……」
「ええやん、裸見る以上のことを私らはとっくにしとるんやし」
「ほんと、今更そんな事言うのはないわ~」
「………」
堂々と浴衣に着替える二人に揃ってツッコまれ、引き下がるを得なくなった俺は諦めてるるに言った。
「るるちゃん達はどうする?」
「それなんですけど、ちょっと周りを見て回りたいなって。リゼちゃんはどう?」
「あ、それじゃ私も一緒に……」
「……なるほど」
女性同士が2ペアに分かれてしまった。混浴に向かう美玲・早瀬組に混ざるのは論外だし、と言ってるる・リゼの仲良し二人に混ざるのも気が引ける。
「お兄さんはどうしますか?」
「あー……俺は最初は、旅館の中を見て回るわ。どんな建物になってるのか気になるし」
るるの問いかけに俺はそう答え。スラックスとシャツのまま襖に向かった。既に混浴組は部屋を出て風呂に向かっている。何とも素早いことだ。部屋を出て、周囲を見回す。
「さて、この手の旅館なら……」
廊下を歩き、ガイド板を探す。程なくして壁に大きく書かれた旅館の案内図が見つかり、俺はそれを眺めた。
「大浴場……露天風呂、混浴岩風呂……売店にゲームコーナー……ふむ」
やはりここで行くべきはゲームコーナーだろう。時間つぶしにも丁度いい。俺は図面を覚え、そこへ向かった。階段を降り、幾つかの角を曲がる。
「……お、おぉ!?」
目当ての場所に辿り着いた俺は、そのコーナーの様子に思わず足を止めた。
スペースはそこそこ広く取られているが、そのラインナップたるや──
「卓球台にエアーホッケー、100円で動くパンダの電動カートに……うお、じゃんけんマン!? こんなデータ有ったのかよ!?」
旅館の開設当初から入れ替えられていない感溢れるゲーム台やエレメカに俺は驚きを隠せなかった。おそらく此処のスペースを設計したエンジニアは相当なマニアに違いない。
俺は唸りつつ、今度はゲーム筐体の方へ視線を向けた。こちらも現代では化石級のラインナップだ。
「懐かしいな……」
もう十数年前の機種である鉄拳7の対戦筐体を見て思わずノスタルジーを感じてしまう。俺はポケットを探った。このバーチャル旅行には各自の所持金イメージも含まれており、出現した小銭を取り出し、投入する。
「あー、操作法ってどんなだっけ」
感覚を思い返しつつ、俺はスタートボタンを押し、キャラクターはレスラータイプの「キング」を選ぶ。
まあ序盤はCPUも弱いし、とりあえず時間を潰せる程度は遊べるだろう。
「……ん? 挑戦者?」
そう思っていた俺は「Here comes a new challenger!」と表示された画面に眉をひそめた。旅行客の子供でも乱入してきたか?
気になった俺は対戦開始前に顔を動かし、筐体の向こうを覗いてみた。
「な!?」
「久しぶりやねぇ、お兄さん!」
見覚えのある、パンダを模したパーカー。
筐体の向こうから笹木は戦意を剥き出しに俺に声を飛ばしてきた。
「ちょ、ちょっと待て! 何でお前がいるんだ!?」
「ここのバーチャル温泉に使ってる湯が痔に効くって聞いて来たんよ! 本物の温泉に行くの面倒やし!」
驚く間もなく彼女はキャラを選ぶ。リロイ、本作ではダイヤグラム上位の強キャラである。分かってて選んだか、あるいは俺が座った辺りで速攻で検索したか。
「ここで会ったが百年目、あん時のマリオとケツの恨み、晴らさせてもらうで!」
「くっ……!」
炎が背後に見える程の笹木の闘気。俺はそれに気圧されつつもレバーを握った。
「何でやぁぁぁっ!?」
「いや、何でも何も……」
絶叫する笹木に、俺は困惑の声を漏らす。
「対戦ゲーム」を数知れずプレイした経験こそあれ、「対戦格闘ゲーム」の経験が少ない笹木は──恐ろしく弱かった。1フレーム間の読み合いが重要になるポリゴン格ゲーはレバガチャで勝てる世界でないのだ。
「ま、待った、お兄さん! もう一回、もう一回ぃっ!」
既に10数回の負けを重ねて騒ぎ立てる笹木を無視し、俺は立ち上がった。流石にこの喧しさにこれ以上付き合ってはいられない。振り返ることなくゲームコーナーを去り、笹木の叫びが聞こえなくなるまで距離を取る。
「あー、疲れた」
時間は潰せたが酷く気疲れしてしまった。旅館の中でまた遭遇したら、次は何を言われるか分かったものではない。
「風呂……行くか」
先ほどの廊下を戻り大浴場へ向かう。 やがて「男」「女」の見慣れた暖簾が前に見えてきた。
「うぅん……」
正直、着替えるのが面倒になっていた。暖簾をくぐった俺は自分の服に触れ、そのまま全裸になる。脱衣所のタオルを取り、腰に巻きつつ浴場へ。
「……あ」
『混浴風呂』という矢印の札が視界に入り、俺は無意識に足を止めた。他の浴室からは若干離れになっているようだ。
「………」
混浴風呂。何とも不思議な響きである。こうしてお店の嬢たちと旅行に来ているというのに其れとはまた別の出会いを期待してしまう自分が居る。
「……ちょっとだけ、入ってみるか」
あくまでそんなに気の無いふりをしつつ、俺は矢印が指す方へ向かった。間もなくガラス戸が見えてきたので、それをカラカラと開ける。
「うわ! 入ってきた……って、アンタか。紛らわしいわね……」
「おお、兄ちゃんも来たんか。何やっとったん?」
「え!?」
俺を出迎えたのは露骨にガッカリする美玲と、こちらに手を振る早瀬だった。どちらもバスタオルすら巻かずに湯船に漬かっている。流石に出ただろうと思っていた俺は驚いて彼女らに近づいた。
「二人とも、まだ入ってたんですか!?」
「いやもう聞いてよ! あたしたち以外のここのお客ってば爺さんばかりで、それも使ってるのが分かったら遠慮してすぐ閉めるの! あぁ全く、チャラ男どころかスケベ爺まで来やしない!」
「はははっ! さっきからこんな感じでおかんむりの美玲が面白くてなあ」
どうやら美玲は本気で誰だか分からない男性相手に混浴風呂ハメをするつもりだったようだ。呆れつつ俺も湯船に入る。温泉の滑らかな湯質が心地よい。
「それならさっさと出ればいいのに……」
「それで入れ違いになるかもしれないでしょ? 混浴温泉に入れる機会なんて、そうそう無いんだから」
俺の言葉に美玲は真剣に答える。白い肌が湯で火照り、濡れた黒髪と相まって何とも艶めかしい。
「って言うか兄ちゃんも
「うっ……」
痛い所を早瀬に突かれ俺は答えに詰まる。彼女の豊満な乳房は湯船にぷかぷかと浮いており、俺の視線を強く引き付けている。
その時、突然に美玲が立ち上がり俺に言った。
「ああぁっ! もーいい! ちょっとアンタ、もうアンタでいいからここでハメるわよ!」
「は!?」
「あっはっは! 我慢の限界が来たみたいやねえ!」
ヤケ気味の言葉に反応を返せずにいる俺を見て早瀬が爆笑する。
「いや、ちょっと待てよ! 素直に上がればいいだろ!?」
「『混浴風呂に入ったけど誰も来ないで上がりました』とか、思い出にしても寂しすぎるでしょうが! 『混浴風呂で3Pでハメ倒した』くらいの事はしないと」
「あ、私も入っとるん? まあええけど」
急に話に巻き込まれたにも関わらず、早瀬はあっさりとそれを承認する。
「姐さん!? いや、流石にそれは……」
「ええやんええやん。兄ちゃんにしても私ら美女二人と温泉で3Pとか、お店では出来へんよ?」
そう言いつつ、早瀬は湯船の中に手を差し込むと俺の股間に手を伸ばした。
「うっ! い、いや、だからって……!」
「そう言いながら、身体は正直やのお? ほれほれ、どんどん固くなっとるで?」
「女の方からハメていいって言ってんだから、ほら、さっさとチンポ固くしなさいよ?」
わざと親父臭い言い方で肉棒を扱く早瀬、それに加えて美玲も俺の股間に触れ、玉を柔らかく揉み始める。
何とか堪えようとしたが二人がかりの手淫は休む事無く俺の肉棒を刺激し、あっと言う間に勃起させてしまう。湯の中で肉棒は怒張し、ビクビクと跳ねる。
「お~、これこれ! 兄ちゃんのはやっぱビンビンでないとな!」
「とりあえず3Pっぽい事……アンタ、何か意見ある?」
「……もう好きにしてくれ」
嬉しそうに言う早瀬に、既に事を始めるのが前提になっている美玲。もはや自分に発言権が無い事を理解し、俺は場の流れに任せることに決めた。
美玲は少し考えた後、結論を出したのか俺に言った。
「よし、そんじゃそこ座って」
彼女が指し示したのは岩風呂の淵の、座るのにちょうど良さそうな平べったい岩だった。俺は言われるままにそこに腰掛ける。
「……あ~、なるほどね」
美玲の意図が分かったのか、早瀬が呟きつつ俺に近づく。
「あたしが右、早瀬は左からね?」
「あいよ……兄ちゃん、すぐにはイかんといてな?」
「え……うっ、うおっ!?」
彼女らの次の行動が読めなかった俺は、急に肉棒を襲った強烈な弾力に声をあげた。
「ちょっと早瀬、押さないでよ!」
「しゃあないやろ? 私の方が大きいんやし」
「『大きすぎる』のよ!」
「いや、二人とも、ちょ……!」
美玲の美巨乳と早瀬の爆乳、四つの乳房が俺の肉棒を挟んで押し合っていた。まだ扱いてもいないというのにそれだけで肉棒は激しく反応し、圧倒的な乳圧の中で暴れる。
「んっ……ローション無いから、これでいくわよ?」
「あ、熱っ!」
互いの乳首が擦れ合い、美玲の口から喘ぎが漏れる。彼女は湯を手で掬うと亀頭に何度か降りかけた。
「よーし、美玲、こっからは呼吸合わせていくで?」
「分かってる……わよっ。ほら、アンタ。ちゃんと味わって感想言いなさい?」
「感想、って、いや、そんなの、言える余裕は……あぐ、おっ、おぉっ!」
俺の言葉を待たずに二人は湯に漬かったまま膝立ちでWパイズリを始めた。絶妙な柔らかさと弾力を備えた美玲の白い乳房と、健康的に日焼けした張りと弾力に溢れた乳房。それが時に締め付け、擦り、撫で、搾り上げてくる。その快感に俺は意味ある言葉を発することも出来ず身を震わせる。
「ん、はっ……美玲、乳首固ぁなっとるで?」
「そっち、こそ、もう、ビンビンじゃないの……んあっ、ああんっ!」
「うっ、ぐ、あぁっ!」
二人の声に甘いものが混じり始める。固くなった乳首がカリの裏側を、竿を、鈴口をくすぐる。
先走りが滲み、湯や汗と混じり動きを滑らかにしてゆく。しかしそれでいて乳圧は弱まる事無く俺の肉棒に快感を与え続ける。お互いに言い合いながらもその連携は完璧だった。血管を浮かび上がらせ凶悪なまでに怒張したそれを、二人は決して互いの行動を阻害することなく乳で愛撫してくる。余りの快感に視界がチカチカする程だ。
「ぐうっ! も、もう、駄目だっ!」
「ンンッ……ちょっと、早くない? デカい割りに我慢できないチンポなんだから……」
「そ、それだけ私らのパイズリが良かったて、んはっ、事、やろっ!」
「あぐっ! そう、ですっ! 二人とも、胸、凄くてっ……!」
俺は堪らずそう言いつつ腰を動かした。射精感は既に限界で、ちょっとでも気を緩ませればすぐに発射しそうだ。
「しょ。しょうがない、チンポね……いい、わっ、このまま、射精しな、さいっ!」
「私らの、顔っ! 兄ちゃんの精液で、ドロドロに、して、ええからっ!」
「あ、あ、あああぁっ!」
二人はそれぞれ言いつつ、とどめとばかりに乳房を強く寄せた。限界を超えた亀頭から精液が迸り、二人の顔にかかる程に跳ねる。
「あ、あぁ……うわ、これ、止まら、ねえ……!」
「ちょいちょい兄ちゃん、まだ挿れてもおらんのやからダウンには早いで?」
「今度はこっちの番よ? せめて二回は中出ししなさい」
どくどくと腰が跳ねる度に二人の豊かな乳房を精液が汚してゆく。
俺はふとその時に気付いた。この旅行は実時間の三時間を二十一時間に延長したものになる。
ということは──
「(一回ログアウトして……精力剤、10本くらい買ってくるか)」
深い乳の谷間から肉棒を抜きつつ、俺はそんな事を考えた。